口臭予防のカギは「舌」。口臭リスクのチェックと舌ケアを始めよう
舌の汚れを取り除くことは口臭予防に効果的。スマホで撮影した舌の画像から口臭リスクを判定するアプリを使い、お口のケアもすることで、自分の息や口臭ケアに自信が持てるようになった人もいます。口臭予防のための舌ケアは、舌ブラシなどを舌の汚れ部分にあて、奥から手前にゆっくり軽い力でひくのがコツです。
舌の汚れ具合と口臭の強さは関係がある
皆さんは「舌の汚れ」を気にしたことはありますか?自分のお口のニオイを気にしている人は多いですが、実は舌の汚れ具合と口臭の強さには関係があるといわれています。そこで、「舌の汚れ」から口臭予防にアプローチ。舌の汚れ具合から口臭リスクレベルを判定するタイプの「口臭リスクチェックアプリ」と、舌の汚れを取り除く「舌ケア」の方法についてご紹介します。
自分の息以上に、周りの人の口臭が気になる?
「口臭には気をつけているけれど、本当に予防やケアができているか自信がない」。そう思っている人は多いのではないでしょうか?
ライオンの調査※1によると、約8割の人が「自分の口臭は自分では気づきにくい」と感じていることがわかりました。「口臭ケアができているか不安」という人も多く、40~60代では約6割、20~30代では7割を超える人が「不安」と回答しています。「自分は口臭の心配はないし、口臭ケアもバッチリ!」という人は、むしろ少数派のようです。
<口臭についての生活者意識>
- 1:ライオン調べ、20~60代男女、n=14991、2016年
また、SNS上での口臭や口臭チェックに関する不満を調査※2したところ、「自分で口臭チェックをしたい」という声よりも「接する相手に口臭チェックをしてほしい」という声が2倍以上も多く聞かれました。自分の口臭への不安よりも相手の口臭に対する不満のほうが強く、「でも、言えない……」ともやもやしている人も多いようです。裏を返せば、自分も周りの人に「口臭チェックをしてほしい!」と思われているかも。そう考えるとドキッ!としますね。
- 2:ライオン調べ、10~70代男女、n=280、2017年、口臭チェックに関する不満をSNS情報から収集し解析。
「口臭リスクチェック」とケアで、息や口臭ケアに自信を持とう!
歯周病などの病気が原因でニオイがしてしまう「病的口臭」に対し、健常者でも起床直後や空腹時など、お口の細菌が増殖して発生してしまう口臭を「生理的口臭」といいます。これは、舌苔(ぜったい)や歯垢の中の細菌が、悪臭をもつニオイ物質を作り出すことが主な原因です。
舌苔とは舌の表面につく白から褐色っぽい苔(コケ)のような物質で、細菌や食べかす、はがれた粘膜などからなっており、舌の上の汚れの正体です。最近、スマートフォンで撮影した舌の画像から舌の汚れをAI解析し、そこから予測された口臭リスクのレベルと、実際に測定した口臭成分の量に相関傾向があった(下図)※3ことを応用し、「口臭リスクレベル」を判定するアプリが開発されたり、WEB上でチェックできるサービスも提供されています。
- 3:ライオン調べ、n=270、2018年
アプリを使った人の反応は?
このような口臭リスクの判定に加え、お口のケア法のアドバイスや、口臭に関する知識や情報を知ることができるアプリを実際に使ってもらい口臭ケア行動や気持ちにどんな変化が起こるのかを調べてみました※4。
その結果、「口臭について、より意識するようになった」という人が約8割、「自分の口臭や口臭ケアへの不安が解消されて自信が持てた」という人が約6割もいました。また、約9割の人がオーラルケアへの意識が高まったのはすごいですね。
- 4:ライオン調べ、百貨店従業員、n=50、2018年、3週間実施後の変化(法人向け口臭リスクチェックアプリを使用)
- 4:ライオン調べ、百貨店従業員、2018年、3週間の試験期間中(法人向け口臭リスクチェックアプリを使用)
さらに、今までしていなかったマウスウォッシュや舌清掃のケアを新習慣として取り入れた人も!特にマウスウオッシュは約3割の人が3週のうちで10回以上取り入れていました。
新たな行動を習慣にすることは意外と難しいものですが、口臭リスクチェックをすることで、口臭やオーラルケアへの意識が高まるだけでなく、毎日のケア行動を変えるきっかけにもなるようですね。
口臭予防に効果的な「舌ケア」の方法
舌苔は口臭の原因となるため、舌を清掃してケアすることで口臭を予防する効果があると言われています※5。ここで「舌ケア」のやり方をご説明しましょう。
- 5:新予防歯科学 第4版(米満正美ら編)、 医歯薬出版株式会社、2010年
舌ケアグッズ
舌はとてもデリケートなので、軽い力で傷つけないようにケアするのがポイントです。ハブラシでもケアはできますが、専用の舌ブラシはやさしく清掃できておすすめです。舌ブラシには、高密度でやわらかめの毛束で舌の汚れをやさしく取り除いたり、奥から手前にひいて使うと効率よく汚れが取れるよう斜めに植毛したものや、ラバースクレーパーつきで舌苔をかき取る機能を持たせたものもあります(写真)。ハブラシと比べて毛が短く、厚みも薄くなるので、お口に入れたときの抵抗感も少ないかもしれません。
舌の清掃法
舌ブラシやハブラシを舌苔が付着している部分に軽くあて、奥から手前に向かってゆっくりひいて清掃しましょう。このとき、「おえっ」とならないように、舌を思い切り前に出すのがコツです。鏡を見て舌苔を確認しながらするとよいでしょう。デリケートな舌を傷つけないよう、力を入れすぎず軽い力で行いましょう。きれいにしたいからといって清掃しすぎは禁物です。
汚れを浮かせて落としやすくする舌専用のクリーニングジェルを合わせて使うのがおすすめです。
舌の清掃は1日1回を目安に、舌の汚れが気になるときに清掃してください。朝は舌苔の付着量が多いので、お出かけ前のケアとして朝の歯みがき時に行ってもいいでしょう 。
人と会ったり話したりするときは、特に自分の口が臭くないか気になりますよね。口臭ケアや自分の息に自信が持てれば、笑顔でためらいなくコミュニケーションができて心の距離も近づきます。ぜひ、口臭リスクチェックや舌ケアを日々の生活に取り入れてみてください。
この記事を作成・監修した
マイスター
オーラルケアマイスター
深澤 哲
ふかさわ てつ
オーラルケアの技術開発ならびに製品開発に約25年間携わってきました。
これまでの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。
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