その口の乾きと口臭、ドライマウスかも?原因と対策を教えます!
「ドライマウス」とは、唾液の分泌量が減って口の中が乾く症状のこと。原因には「薬の副作用」「加齢」「ストレス」「口呼吸」「飲酒」「喫煙」などがあります。口の乾きを感じたら、水分補給などでうるおいを保って。普段から「よく噛んで食べる」ことも大切。舌の体操や唾液腺のマッサージもおすすめです。
その口の乾きはもしかして……?ドライマウス(口腔乾燥症)予備軍とは
日常の生活の中で、口の乾きが気になったり、ふと口臭に気づいたりするとき、それは、「ドライマウス(口腔乾燥症)」のサインかもしれません。ドライマウスは、なんらかの原因で唾液の分泌量が減って口の中が乾いた状態になる症状。
特に花粉の時期は口の乾きが気になりやすい時期でもあります。花粉症で鼻がつまり口呼吸になると口が乾く原因になります。また、花粉症の薬の中には唾液の分泌を抑えるものがあるので、それが原因になっているかもしれません。現在800万人がドライマウス人口と推定されていますが、ドライマウス予備軍は3000万人とも言われています※1。
- ※1: 阪井丘芳著、ドライマウス 今日から改善・お口のかわき、医歯薬出版株式会社、2010
口の乾きだけじゃない!ドライマウスの「特徴」
具体的に、ドライマウスになったらどんな症状があらわれるのでしょうか。
初期段階の症状
軽症のうちは、口の乾きによる「口のネバツキ」「食べ物が飲み込みにくい」「歯垢(プラーク)の増加」「口臭」という症状が見られます。
重症になってくると……
より重大な症状になると、口の中の乾燥が原因で「舌のひび割れ」が起こったり、それにともなって「舌の痛みで食事がとれない」ような状態になることがあります。「しゃべりづらさ」や「強い口臭」を感じるのもより重症なドライマウスの症状です。
ドライマウスの症状は自覚しにくいものですが、放っておくと日常生活に支障が出てくる場合があります。口の乾きを感じたら、早めにケアすることが大切です。
ドライマウスの「原因」はこんなにある!
ドライマウスを発症する原因のうち、代表的なものを挙げてみましょう。
1.薬や病気によるもの
・薬の副作用
一部の風邪薬や抗ヒスタミン剤、血圧降下剤、抗うつ剤などは、薬の副作用として口が乾くものがあります。花粉症の薬の中にも、唾液が出にくくなり口が乾く原因となるものがあります。
・病気
唾液腺の病気やシューグレン症候群が原因の場合があります。糖尿病や腎臓病を患った場合には、症状のひとつとしてドライマウスになることがあります。
2.身体的な変化によるもの
・加齢
加齢による唾液分泌機能の低下により口が乾く場合があります
・筋力の低下
唾液は嚙むという刺激が脳に伝わることで分泌されるため、嚙む筋肉が衰えると唾液が出にくくなります。
・ストレス
普段は口の乾きを感じることがなくても、緊張すると口の乾きを覚えます。精神的なストレスもドライマウスの原因になります。
3.生活習慣
・口呼吸
口呼吸を習慣にしていると口の中が乾きやすくなります。
・飲酒や喫煙
お酒を飲んだ翌朝、口が乾くという経験がある人は多いのでは?飲酒や喫煙の習慣も唾液分泌量を減らす一因です。
口の乾きを防いでドライマウスを予防しよう
ドライマウスを予防するために、すぐに始められる方法を紹介します。
口の乾燥を防ぐポイント
口のうるおいを保とう
口の乾きを感じたらこまめに水分を補給し、口の中のうるおいを保つようにしましょう。特に冬場は空気が乾燥するため、お部屋の湿度にも注意を払うようにしましょう。マスクの着用も効果的です。
また、保湿成分配合のマウススプレーなどの使用も効果的です。携帯できるタイプなら外出先で口の乾きが気になるときも、手軽に使えて便利です。
食べる時はよく噛んで、喫煙・飲酒はほどほどに
唾液は、噛むという刺激が脳に伝わることで分泌されます。そのため、普段からよく噛んで食べることが大切です。噛みごたえのある食材をメニューに加えるのも良いでしょう。ガムを噛むのも効果的です。
よく噛むことは、他にも健康に役立つ効果があります。
また、逆に唾液の分泌を減らしてしまう生活習慣は改めましょう。喫煙者であれば禁煙し、お酒は適量を楽しむようにすれば、健康を損なうことなくドライマウス防止にも役立ちます。
唾液腺をマッサージする
唾液の分泌を促すために、唾液腺マッサージが効果的です。強く押さないでやさしくマッサージしましょう。
舌を動かす体操をする
唾液の分泌を促すには、唾液腺のマッサージだけでなく舌の体操も良い方法です。
舌をできるだけ前に出して、上下・左右に動かしたり、舌先で円を描くように大きく回してみましょう。
ドライマウス早期発見のためのリスト
最後に、もうすでにドライマウスになってしまっていないかチェックしてみましょう。当てはまる項目が1つでもあれば、ドライマウスの可能性があります。
□ 口の乾きが3か月以上毎日続いている
□ あごの下が繰り返し、あるいはいつも腫れている
□ 乾いた食べ物を飲み込む際にしばしば水を飲む
□ 日中水をよく飲む
□ 夜間にのどが渇いて水を飲む
□ 乾いた食品が噛みにくい
□ 食べ物が飲み込みにくい
□ 口の中がネバネバする
□ 口の中が粘ってしゃべりにくい
□ 口臭がある
□ 義歯をしているせいで傷つきやすい
- 出典:鶴見大学歯学部附属病院ドライマウス専門外来 ドライマウス問診票より
いかがでしたか?上記を参考に、もし口の乾きが心配な場合は早めに病院で診察を受けてみてくださいね。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
〜唾液には2種類あるって本当?〜
唾液には2種類あります
唾液は、「唾液腺(だえきせん)」という組織でつくられます。主な唾液腺には三大唾液腺と呼ばれる「耳下腺」「顎下腺」「舌下線」があり、分泌される唾液にはサラサラした唾液とネバネバした唾液の2種類があります。
サラサラ唾液の特徴
唾液の分泌は自律神経によってコントロールされていて、サラサラ唾液は主に副交感神経にコントロールされています。副交感神経は自律神経の1つで、リラックスしている時によく働きます。そのため、サラサラ唾液はリラックスしている時によく分泌されます。特に、サラサラ唾液は食事の時に多く分泌されます。唾液アミラーゼなど消化を助ける酵素を多く含み、食べ物を湿らせて飲み込みやすくするなど、「消化吸収を助ける」役割を担っていると言われています。
ネバネバ唾液の特徴
ネバネバ唾液は主に交感神経にコントロールされています。交感神経も自律神経の1つで、緊張した時などによく働きます。会議でのプレゼンなど強いストレスを感じる時に口の中が粘つくのはネバネバ唾液によるものです。ネバネバ唾液にはムチンという成分が含まれ、この成分が、細菌を絡めとり体内への侵入を防ぐほか、口の中の粘膜を保護したり保湿するなど、「からだを守る」役割を担っていると言われています。
この記事を作成・監修した
マイスター
オーラルケアマイスター
平野 正徳
ひらの まさのり
オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容コメント内容