小さな子どもの歯みがきは、親がそばで見守って!
子どもの歯みがき中にヒヤリとした経験はありませんか?東京都のアンケート調査では、親が目を離したすきに自宅の居間で転んでヒヤリとした例が一番多いという結果に。子どもの年齢が低いほど事故の割合が高いという報告もあります。小さな子どもは座って歯みがきをさせ、歯みがき中は、親がそばで見守ってあげましょう。
子どもの歯みがき中、“ヒヤリ”としたことはありませんか?
毎日の習慣の歯みがき。家事をしながら子どもの歯みがきを見守ることもあるでしょう。でも、目を離した隙に、子どもが「ハブラシを口にくわえたまま転びそうになった」という経験はありませんか?
そんな“ヒヤリ・ハット”な経験をされた方の、その時の状況を見てみると、自宅の居間で転んでしまったという事例が多いようです。
またその背景として、「保護者の方が目を離した」「子どもに注意していなかった」など、保護者の不注意や指導不足を要因と考える割合が高くなっています。
大人の行動が子どもの“ヒヤリ”に影響している!?
皆さんは、歯みがきを普段どこでしていますか? ライオンの調査※1によると、「夜の歯磨き」は、「リビングでテレビを観ながら」「お風呂に入りながら」「キッチンで」など、約半数の人が洗面所以外の場所で行っています。子どもというのは、身近な大人の真似をしてしまうもの。親が洗面所ではなく、家のいろんな場所で歯みがきをしていたら、大人の真似をして、歯みがきをしながら歩き回る習慣が生まれてしまうかもしれません。小さな子どもがいる家庭は、子どもが真似しないよう、親も洗面所(鏡の前)で歯をみがくようにしましょう。
子どもの歯みがき中の事故は「1歳児」にもっとも多い!
2016年7月の東京都の報告によると、2011年以降、東京都が把握した、「歯みがき中」に怪我をして救急搬送された事例は337件(東京消防庁救急搬送事例及び医療機関ネットワーク情報等受診事例※2)ありました。このうち、年齢別にみると、「1歳児」が160件でもっとも多く、以下「2歳児」「3歳児」と続き、小さな子どもが怪我をする割合が高いことがわかります。
“歯みがきしながら歩く”と、転んで怪我をするおそれも!
歯みがき中の怪我の事例をみると、ヒヤリ・ハットの経験同様、歯みがきをしながら歩くなどして「転倒」したことによる原因が60%ともっとも多い※3ようです。
子どもが安全に歯みがきできるように、気をつけたいこと
小さな子どもは、じっとしていないで動き回るので、転倒や衝突などで事故がおきないか心配です。しかし、子どもに歯みがき習慣をつけさせるには、子どもにハブラシを持たせてみがかせる事が大切です。小さな子どもがいるご家庭では、「歯みがき中の事故」から子どもを守るために、以下のようなことに気をつけてください。
1. 小さな子どもの歯みがきは、親がそばで見守りましょう
ハブラシにはお箸やフォークのような尖ったところがないため、事故の危険性を認識しにくいかもしれませんが、子どもの歯みがきの際には常にそばにいて目を離さずに「見守って」あげてください。
2. 小さな子どもは、床に座らせて歯みがきをさせましょう
歯みがき中の事故で一番多いのは1才児の転倒です。まだ、しっかりと立っていられない小さな子どもは、床に座らせて歯をみがくようにしましょう。
3. 子どもが真似しないよう、親も洗面所で歯をみがく習慣をつけましょう
小さな子どもがいる家庭では、大人もハブラシを持ち歩かず、洗面所(鏡の前)で歯をみがくようにしましょう。子どもに歩かないで歯みがきをする習慣をつけさせるには、まずは親がお手本を見せましょう。
歯みがき中の転倒など、万が一の場合を考えて、子ども用のハブラシは、ハンドルが曲がって口への負担を低減できるなど、安全に配慮したハブラシを選ぶとよいでしょう。
親が仕上げみがきをしてあげましょう!
子どもが自分で歯をみがく「自分みがき」は、歯みがき習慣の形成にとても大切です。とはいえ子どもだけではちゃんと歯垢は落としきれないもの。親が「仕上げみがき」をしてあげることを忘れないでください。
仕上げみがきの際は、「仕上げみがき専用のハブラシ」を使いましょう。仕上げみがき専用のハブラシは、大人用に設計されています。子どもの手の届くところには置かないようにしましょう。
この記事を作成・監修した
マイスター
オーラルケアマイスター
平野 正徳
ひらの まさのり
オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。
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