歯周病で歯ぐきが下がるのは「歯槽骨」が溶けるから?歯周病予防のためのセルフケア

歯周病で歯ぐきが下がるのは「歯槽骨」が溶けるから?歯周病予防のためのセルフケア

歯を支える組織はいわば「歯の土台」。歯は歯ぐきとその内側の「歯槽骨(しそうこつ)」という骨で支えられています。歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けて「歯ぐき下がり」が生じ、やがては歯を失うことにもなりかねません。健康な「歯の土台」を守るため、歯と歯ぐきの間の歯垢をきちんと落とす、薬用ハミガキを使用する、などでケアしましょう。

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歯ぐき下がりの原因のひとつは、歯周病

「最近歯ぐきが下がってきた」「以前より歯が長くなってきた」…こんな症状が現れたら、歯周病が進行しているサインかもしれません。歯周病にかかると、最初は歯ぐきが赤くなったり腫れたりする程度ですが、悪化すると歯ぐきが下がり、その影響で歯が長く見えることもあります。

歯ぐきが下がるのは、「歯ぐきの肉の部分がやせたからだ」と思っていませんか?でも、歯ぐきの問題だけでなく、歯周病により歯ぐきの内側にある「骨」が溶けて、骨ごと下がっていることもあるのです。

歯は外から見ると「歯ぐきの肉からニョキッと顔を出している」のですが、そのまま肉から生えているわけではありません。下の図のように、歯ぐきの下には「歯槽骨(しそうこつ)」があり、歯はこの骨にしっかり支えられています。
歯ぐきや歯槽骨など、歯を支える組織を「歯周組織」といいます。歯周組織はいわば「歯の土台」です。

<歯と歯ぐきの構造>

歯肉 歯ぐき 歯槽骨 しそうこつ

歯周病が進行する過程で、この歯槽骨が徐々に溶け、「歯の土台」が下がってきます。歯ぐきが下がってきた、歯が長く見える、などで気づく場合もあるかもしれません。さらに進行すると、やがて歯を支えきれなくなって歯がグラグラし、ついには歯を失うケースもあります。

進行すると歯が抜けることも

歯周病が進行すると歯槽骨が溶けるのはなぜ?

歯周病が進行すると歯槽骨が溶けるのは、なぜでしょうか?
それは、歯周病の炎症が歯槽骨の新陳代謝を妨げ、歯槽骨にダメージを与えるためです。

まず、骨の仕組みについて簡単に説明します。
私たちは、体が成長して完成した骨をそのまま一生使い続けるわけではありません。骨も日々新陳代謝が行われ、少しずつ新しい組織に生まれ変わっています。歯を支える歯槽骨も、例外ではありません。

骨の新陳代謝では、骨を溶かす「破骨細胞(はこつさいぼう)」と、新しい骨をつくる「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が関わっており、「溶かす」と「つくる」が両方進行します。

丈夫で健康な骨を保つには、「破骨細胞」と「骨芽細胞」がバランスよく働くことが大切です。しかし、このバランスが崩れて「破骨細胞」の働きが「骨芽細胞」の働きに勝ってしまうことがあります。そうなると、新しくつくられる骨より、溶ける骨のほうが増えるため、骨の量は減少してしまいます。

歯周病が進行する過程でも、この現象が歯槽骨で起こっています。
口内が健康な状態で「破骨細胞」と「骨芽細胞」がバランスよく働いていれば、歯槽骨は健康に保たれます。ところが、歯周病の進行によってそのバランスが崩れると歯槽骨が溶けてしまい、歯の土台が弱くなってしまうのです。

<歯周病により歯槽骨が溶けるメカニズム>

歯周病により歯槽骨が溶けるメカニズム

歯槽骨は細菌が直接溶かすわけじゃない?プラークによる「炎症」が引き金

歯周病は、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに入り込んだ「プラーク(歯垢)」が原因で起こります。

プラークは細菌のかたまりであることから、「細菌が歯槽骨を溶かす」と思うかもしれません。しかし、歯槽骨が溶けるのは、プラークにより歯ぐきに炎症が起こり、その炎症が引き金となって「破骨細胞」の働きが過剰になるのが主な原因と考えられています。

歯周病は、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに入り込んだ「プラーク(歯垢)」が原因で起こります

炎症は、体が細菌と闘うことで起こる防御反応の1つですが、歯槽骨が溶けて歯ぐきが下がるのは、防御反応がむしろ悪い方に作用をしてしまった結果ともいえますね。

健康な「歯の土台」を守る!セルフケア

歯ぐきや歯槽骨など、歯を支える土台を健康に保つには、毎日のケアでプラークをしっかり落とすのと同時に、歯ぐきをいたわり、歯周病を予防することが大切です。そのための毎日のケア法をお伝えします。

POINT

1.根本的な原因である「歯と歯ぐきの間のプラーク」を取り除く

歯槽骨にダメージを与える歯周病、その根本的な原因は歯ぐきの炎症を引き起こす「歯と歯ぐきの間のプラーク」です。歯をみがく時は、歯面だけでなく歯と歯ぐきの境目も意識してプラークを効果的に除去しましょう。

歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を45°の角度で当てて、軽い力で小刻みに動かしてみがきます。力の入れ過ぎなど不適切なブラッシングも歯ぐきが下がる原因になるので、特に歯と歯ぐきの境目はやさしい力でみがくよう心がけましょう。

歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を45°の角度で当てて、軽い力で小刻みに動かしてみがきます

また、毛先が歯周ポケットに届きやすい「超極細毛のハブラシ」や「歯ぐきのマッサージに適したハブラシ」を活用するのもおすすめです。

2.殺菌成分や、歯の土台を守り歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)を防ぐ成分が配合された「薬用ハミガキ」を使う

殺菌成分が配合された薬用ハミガキを使う

歯ぐきの健康を保つには、ブラッシングでプラークをしっかり落とすとともに、原因となる細菌をしっかり殺菌しましょう。そこで、殺菌成分が配合された薬用ハミガキを使うのも一つの方法です。プラークの内部まで浸透して、歯周病菌をしっかり殺菌する成分が含まれた製品もあります。

また、歯周病(歯槽膿漏)予防ハミガキには、歯ぐきや歯槽骨など歯を支える組織に作用する様々な薬用成分が配合されています。歯ぐきの炎症・腫れを抑制する成分、細胞を元気にして歯ぐきの組織を修復する成分など、それぞれ作用が異なります。歯槽骨を溶かす破骨細胞を抑制する作用がある「オウバクエキス」が含まれた製品もあります。
パッケージに書かれた成分や効能などを参考に、自分の歯ぐきの状態に合った薬用ハミガキを選ぶと良いでしょう。

3.「歯間清掃」も忘れずに

しっかり歯みがきをしても、歯と歯の間にはハブラシの毛先が届きにくく、プラークが残りがち。それも歯周病の原因になります。そこで、1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシなどを使って「歯間清掃」をして、歯と歯の間のプラークを取り除きましょう。
その時、歯と歯が接する部分だけでなく、根元周りも清掃するとさらに効果的です。歯と歯の間の根元周りもハブラシの毛先が届きにくい所ですので、歯間清掃用具を使ってプラークをキレイに落としましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って「歯間清掃」

歯周病を予防するには、毎日のセルフケアとともに、歯科医院での健診や予防措置も必要です。「歯周病かもしれない」と思ったら、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。

歯周病により歯槽骨が溶けてしまうと、自然に元に戻ることはありません。毎日のケアで歯の土台を守り、健康なお口を維持していきましょう。

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「オウバクエキス」って何?

オウバクエキスには、骨をこわす破骨細胞を抑制する作用があります

丈夫で健康な骨を保つには、「破骨細胞」と「骨芽細胞」がバランスよく働くことが大切だと先ほど説明しました。
オウバクという植物の樹皮から抽出した「オウバクエキス」は、薬用ハミガキの有効成分で、歯ぐきの炎症を抑えて、歯肉炎・歯周炎(歯槽膿漏)を予防する効果がある成分として認められていますが、ライオンの研究で、この「オウバクエキス」に、破骨細胞を抑制する作用があることが新たに認められました。

破骨細胞を抑制する作用 オウバク(別名キハダ;ミカン科)の樹皮

オウバク(別名キハダ;ミカン科)の樹皮

私たちの体を構成する細胞には「分化」という興味深い仕組みがあります。「分化」とは、ある細胞が別の機能を持つ細胞に変化することです。

例えば、卵子(受精卵)は、最初は1つの細胞ですが、細胞分裂を繰り返して成長するうちに、心臓になる細胞、脳になる細胞、皮膚になる細胞など、それぞれの機能を持った細胞に「分化」していきます。
骨を溶かす「破骨細胞」は、免疫細胞の一種である「単球」や「マクロファージ」が分化したものです。

破骨細胞が形成されるまで

破骨細胞が形成されるまで

「破骨細胞」は、骨に含まれるカルシウムやコラーゲンを溶かす酸や酵素をつくり出して、骨を溶かします。この働きを「骨吸収(こつきゅうしゅう)」と言います。

「破骨細胞」は、分化する過程で、細胞同士が融合して「骨吸収」の能力を得ます。この現象が、歯槽骨で過剰に起こると、骨を溶かす量とつくる量のバランスが崩れ、歯槽骨が溶けていきます。

ライオンの研究で、「オウバクエキス」に、マクロファージの破骨細胞への分化を抑制する作用があることが認められました。さらに、モデル実験で骨吸収を抑制することも認められています。

歯ぐきの炎症を抑制し、歯槽骨も含めた「歯の土台」を守って、歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)を予防するために、オウバクエキスの入ったハミガキを使ってみませんか?

この記事を作成・監修した
マイスター

太田 博崇

オーラルケアマイスター

太田 博崇

おおた ひろたか

オーラルケアの基礎研究・製品開発に30年以上携わり、その間、国立研究所や歯科大学との共同で疾患予防研究もしてきました。
これらの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。

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