歯を失わないためにも始めたい歯周病対策~歯みがきと歯間ブラシのコツ~
歯周病は、歯を失う大きな原因の1つ。歯を失うと噛み合わせが乱れ、食生活にも大きな影響が出ます。歯垢を残さず落とすブラッシングと、薬用成分が配合されたハミガキやデンタルリンスの活用で歯周病予防を始めましょう。歯と歯の間や歯並びの悪いところなど、状況に応じ歯間ブラシやタフトブラシでのケアも加えましょう。
歯を失うと、どうなる?
歯を失ってしまったらと、想像したことはありますか? もしも、歯を失って、そのままにしていると、「噛み合っていた歯」が伸びてきたり、隣の歯が抜けたスペースに倒れてくるなど、「噛み合わせ」が乱れてきてしまいます。
すると、食べ物が噛みにくくなるだけでなく、食べられるものに制限が出てくるため、健康維持に必要な「栄養バランス」が崩れやすくなってしまいます。
また、噛み合わせの乱れは、体のバランス感覚にも影響すると考えられています。65歳以上を対象とするある研究※1では、20本以上の歯を保有する方に比べ、19本以下で入れ歯(義歯)を使用していない方は、転倒するリスクが2.5倍に高まることが報告されています。転倒して骨折することは、寝たきりの原因にもなるので、健康で長生きするためにも、今ある歯を1本でも多く守ることが大切です。
- ※1 Yamamoto et al.,BMJ Open.2:e001262,2012
歯を失う原因は何?
歯を失うのは、加齢のみによって起こるのではありません。歯を失う原因は、30~44歳では「むし歯」、45歳以上では「歯周病」が最も多く、「歯周病」により歯を失う割合は35歳以降で年齢とともに高くなり、60歳以降、80歳くらいにかけてほぼ一定となると報告されています※2。そのため、年齢を重ねる前から「歯周病」を予防することが重要です。
- ※2 公益財団法人8020推進財団:永久歯の抜歯原因調査,2018年
1本だけにとどまらない!まわりの歯にも影響する歯周病
むし歯は1本の歯で進行していきます。一方、歯周病で注意しなければならないところは、歯周病による炎症は1本の歯にとどまらないことです。例えば、歯周病で歯が1本抜けると、抜けた歯を支えていた歯槽骨は、隣の歯にもつながっているため、まわりの歯槽骨も破壊されている可能性があります。
さらに、同じ環境にさらされている他の歯へも、広範囲に炎症が及び、多くの歯を失うことにもなりかねません。そのため、歯周病は歯が抜けた後でも、油断ができないのです。
歯周病対策 ~毎日のセルフケアの2つのポイント~
<歯周病のセルフケアのポイント>
1.歯と歯ぐきの境目の歯垢を残さず落とす
ハブラシや歯間清掃用具を使って、歯垢を落としましょう。単に全体を「ていねいにみがく」ことだけでなく、歯の状態によって、みがき方に工夫が必要です。注意すべきところとして、代表的には、「歯と歯の間」、「歯並びが悪いところ」、「ブリッジなどの被せものがあるところ」、「入れ歯がかかっている歯(抜けた歯のまわり)」があります。ケアのポイントをご紹介します。
<歯と歯の間>
歯と歯の間はハブラシの毛先が届きにくく、歯垢が残りやすいため、しっかり清掃を行っていただきたいところです。特に奥歯は前歯よりも歯周病になりやすく、そのため歯を失いやすいところです。奥歯にも使いやすいL字型の歯間ブラシがオススメです。
歯間ブラシを使ったことのない方や、使い方が難しいと感じる方も、挿入するときのコツをつかめば、次第にスムーズにできるようになりますよ。動画で歯間ブラシを上手に使うためのコツをご紹介します。
<歯並びが悪いところ>
歯並びが悪いところには、ハブラシの毛先があたりにくいため、「タフトブラシ」の使用をおすすめします。
<ブリッジ>
全体をハブラシでみがいた後、タフトブラシや歯間ブラシで清掃します。
<入れ歯がかかっている歯>
入れ歯を外して、入れ歯がかかっている歯をいくつかの角度から、みがきましょう。「中央に長めの超極細毛があるハブラシ」を選択すると、抜けた歯のまわりの部分にも毛先があたりやすいのでおすすめです。
または、「ヘッドが小さいハブラシ」を選択したり、部分的に「タフトブラシ」を使用してもよいでしょう。
2.薬用成分が配合されたハミガキやデンタルリンスの活用
殺菌成分や抗炎症成分、歯ぐきの活性化成分などの「薬用成分」が配合されたハミガキやデンタルリンスを活用するようにしましょう。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
〜歯周病から歯を守るために。歯科医院で進行の程度をチェック〜
歯周病から歯を守るためには、歯周病の進行程度に応じたケアが大切です。
歯周病による炎症は、一部に限って起きている場合や、お口の中の全体に広がっている場合、そして軽度から重度まで進行程度も様々です。歯科医院での「歯周病の検査」には、下のような「歯周ポケット深さの測定」や「レントゲン検査」などがあります。検査によって、必要に応じ、歯垢、歯石を取り除くプロケア(プロフェッショナルケア)や治療をしてくれます。
そして、ご自宅でも適切なケアができるよう、「ブラッシング指導」も受けるようにしましょう。
この記事を作成・監修した
マイスター
オーラルケアマイスター
深澤 哲
ふかさわ てつ
オーラルケアの技術開発ならびに製品開発に約25年間携わってきました。
これまでの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。
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