「お肌のゴールデンタイム」は都市伝説だった!

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LION ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳はが りか

健康・美容
「お肌のゴールデンタイム」は都市伝説だった!

「美肌」と睡眠の時間帯は関係ない!

午後10時から午前2時は「美肌」がつくられる「お肌のゴールデンタイム」だから、その時間帯は寝ていなきゃダメ!美容に関心の高い方なら、こんな説を耳にしたことはありませんか?実はこれ、都市伝説なのです。以前は、からだの組織を回復させる「成長ホルモン」が、1日のうちでもっとも分泌されるのがこの時間帯と考えられていたことから、この時間帯に睡眠をとるのが望ましいとされていました。

しかし実際には、成長ホルモンが集中的に分泌されるのは、眠りについてから最初にあらわれる「ノンレム睡眠」の時で、眠りにつく時刻は関係ないのです。

美肌のためには、その最初のノンレム睡眠の時に「質の良い眠り」がとれているかどうかが重要です。ですから、眠くもないのに、「お肌のゴールデンタイムだから!」と焦って午後10時に布団に入る必要はありません。それよりも、寝床に入る前に、快適な睡眠がとれるような工夫をするのがおすすめです。

「夜間睡眠をとった人」と「夜間睡眠をとらなかった人」の成長ホルモン分泌パターン

夜間睡眠をとった人

夜間睡眠をとった人

夜間睡眠をとらなかった人

夜間睡眠をとらなかった人
図1.成長ホルモン分泌に対する睡眠の影響
(「Brandenberger G, et al:Lancet. 356:1408,2000」より作図)

夜間睡眠をとった人(上のグラフ)では、眠りについた直後に成長ホルモン分泌量が最大となるのに対し、睡眠をとらなかった人(下のグラフ)では、日中もダラダラと成長ホルモンが分泌されています。

どちらの場合も、成長ホルモンの1日の間のトータル分泌量は同じですが、睡眠によって集中的に分泌されることがわかります。

「夜間睡眠をとった場合」と「夜間は睡眠をとらず、翌日の昼に睡眠をとった場合」の成長ホルモン分泌パターン

図2.成長ホルモン分泌に対する睡眠時刻の影響
図2.成長ホルモン分泌に対する睡眠時刻の影響
夜間に睡眠をとらず、その翌日の昼に睡眠をとった場合でも、眠りについた直後に成長ホルモンの高い分泌ピークが認められる。(「Van Cauter E, et al : Sleep. 21:553-556,1998」より作図)

夜間睡眠をとった場合、図1のグラフと同様、眠りについた直後に成長ホルモンの分泌ピークが認められます。同じ人を徹夜させると、夜間に成長ホルモンの分泌ピークは認められませんが、その翌日の昼に睡眠をとらせると、入眠直後の深い眠りの時に成長ホルモンの高い分泌ピークが認められます。

睡眠の時刻は、成長ホルモンの分泌には影響しないということがわかります。

ただし、健康的な生活を送る、という観点からは、不規則な睡眠よりも規則正しい睡眠をとる方が望ましいことはいうまでもありません。

「睡眠の質」が肌の状態を左右する

美肌にとって睡眠が大切であることは、いろいろな研究によって証明されています。

ライオンが2006年に実施した「肌と睡眠の研究」※では、慢性的に「睡眠の質」が悪い女性は、質の良い睡眠をとっている女性と比べて、肌の新陳代謝(ターンオーバー)の周期が変化していたり、肌のキメが乱れたりしている傾向にあることが確認されました。

シリコンレプリカによる肌のキメの解析

睡眠の質が良いパネルの肌のキメ

睡眠の質が良いパネルの肌のキメ
・肌の凹凸が均一(キメがそろっている)
・皮丘の大きさがそろっていて規則正しく並んでいる

被験者:18-24歳の女性 n=37

方法:頬のレプリカを採取

睡眠の質が悪いパネルの肌のキメ

睡眠の質が悪いパネルの肌のキメ
・肌の凹凸の圴一性が失われ、しわのような方向性が生じている
  • ※「睡眠が肌状態に及ぼす影響」 日本睡眠学会 第32回定期学術集会(2007年)で発表
  • ※レプリカ画像は代表的なものを掲載

「質の良い睡眠」と「美肌」を手に入れるコツ

私たちのからだには元来、休息や活動の周期を司る「生体リズム」という機能が備わっています。「質の良い睡眠」をとるコツは、このリズムを上手に整えることです。日々のくらしの中で簡単にできる方法を、以下にご紹介します。

1. お風呂の力を上手に活用

私たちのからだは、午後9時頃から徐々に体温が下がり始め、「眠りモード」に入ります。人は体温が下がると眠くなるという性質があり、赤ちゃんが寝そうな頃に手足が熱くなるのも、同じです。赤ちゃんは、手足の血管を広げて熱を放射し、眠りにつく準備をしているのです。

この眠りモードは、お風呂を上手に活用すれば自分でセットすることができます。布団に入る1~2時間前に、38~40℃のぬるめのお風呂に入って、からだを温めます。上がった体温が下がる頃にはウトウトと眠りの世界へ…。熱めのお風呂に入りたい場合は、少なくとも寝る3時間前までに入浴をすませておきましょう。

2. 寝る前のパソコン、スマホは控えめに

明るい光、特にパソコンやスマートフォンから出るブルーライトは、睡眠のリズムを調整する睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌をおさえてしまいます。良い眠りに入るためには、寝る直前にパソコン操作をしたり、寝床でスマートフォンを使ったりすることは控えましょう。寝床につく直前までテレビを観るのもNGです。

3. 寝る1時間前から照明を少し落とす

夜になってからも明るい光を浴びていると、脳や交感神経の活動が高まり、寝つきが悪くなります。睡眠ホルモン「メラトニン」は習慣的に寝ている時間の1時間くらい前から分泌が始まるので、その頃になったら部屋の照明を少し落としましょう。やや暗めの暖色系の灯りにするのがおすすめです。

また、寝室は暑過ぎず寒過ぎず、快適な室温を心がけましょう。

4. 昼と夜とのメリハリをつける

毎日決まった時間に就寝・起床し、朝に太陽の光をたっぷり浴びると良いでしょう。朝食をしっかり食べ、昼間はなるべくからだを動かします。夜はカフェイン、アルコール、タバコを控えめにしましょう。このような昼と夜とのメリハリをつけた生活は、からだ本来のリズムを整え、良い眠りへと導いてくれます。

5.「眠らなくては」と意識し過ぎない

「眠らなくては」を意識し過ぎるのは、かえって逆効果です。夜は好きな音楽やアロマなどでリラックスして過ごし、「眠くなったら寝床に入ればいいや」くらいの気持ちでいると良いでしょう。

この記事を作成・監修したマイスター

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