「眠れない」を防ぐには?快眠のための7つの習慣

「眠れない」を防ぐには?快眠のための7つの習慣

みなさん、ぐっすり眠れていますか?日本人は睡眠時間が短く、世界有数の「睡眠負債」大国といわれています。しっかり眠れないと疲れがとれずにつらいもの。睡眠不足の解消には時間の問題だけではなく、「質の良い睡眠」をとることも大切です。そこで、質の良い睡眠に導く「寝る前の習慣」や「日中の過ごし方」などをご紹介します。

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日本は「睡眠負債」大国!

普段、ぐっすり眠れていますか?寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなど、しっかり眠れないと疲れがとれずにつらいものですよね。
実は、日本は世界有数の「睡眠負債」大国といわれています。「睡眠負債」とは、日々の睡眠不足が借金のように積もり積もって、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態をいいます。2017年の新語・流行語大賞トップ10にも選出されたので、ご存じの方も多いでしょう。
日本は諸外国と比べて、睡眠時間がとても短いのが実情です。下のグラフをご覧ください。これらの国の中で睡眠時間が長いフランスは、1日の睡眠時間は男性が504分(8時間24分)、女性が518分(8時間38分)でした。一方で日本は、男性が472分(7時間52分)、女性が453分(7時間33分)でした。特に日本女性の睡眠時間が、目立って短い傾向にあります。

<睡眠時間の国際比較>

「平成26年版厚生労働白書 健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-02-1.pdf)を加工して作成

また、国の調査※1では、「睡眠で休養が十分とれているか」という質問に、「とれていない」と答えた人が3050代は25%以上にのぼり、現役世代の睡眠が足りていない様子がうかがえます。

<睡眠で休養が十分にとれていない人の割合>

「平成29年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000451758.pdf)を加工して作成

質の良い睡眠に導く「寝る前の習慣」

「睡眠負債」状態にならないためには、睡眠時間をなるべく長くとることが近道です。でも、時間の問題だけではなく「質の良い睡眠」をとることも重要です。
私たちのからだには元来、休息や活動の周期を司る「生体リズム」という機能が備わっています。質の良い睡眠をとるコツは、このリズムを上手に整えること。実は、何気なくしている「寝る前の習慣」に、生体リズムを整えて熟睡に導くポイントがたくさんあります。日々の暮らしの中で簡単にできる方法を、ご紹介しましょう。

POINT

1. お風呂の力を上手に活用

私たちのからだは、午後9時頃から徐々に体温が下がり始め、「眠りモード」に入ります。人は体温が下がると眠くなるという性質があります。赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのもそのため。手足の血管を広げて熱を逃がし、体温を下げて眠りにつく準備をしているのです。

この眠りモードは、お風呂を上手に活用すれば自分でセットすることができます。布団に入る1~2時間前に、3840℃のぬるめのお風呂に入ってからだを温めます。上がった体温が下がる頃にはウトウトと眠りの世界へ。入浴剤などを入れてリラックスするのもいいですね。
熱めのお風呂に入ると、活動モードを司る交感神経を刺激して眠りを妨げてしまうので、熱めの湯につかりたい場合は、少なくとも寝る3時間前までに入浴をすませましょう。

2.寝る前のパソコン、スマホは控えめに

明るい光、特にパソコンやスマートフォンから出るブルーライトは、睡眠のリズムを調整する睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌をおさえてしまいます。良い眠りに入るためには、寝る直前にパソコン操作をしたり、布団の中でスマートフォンを使ったりすることは控えましょう。寝る直前までテレビを観るのもNGです。

3.寝る1時間前から照明を少し落とす

夜になってからも明るい光を浴びていると、脳や交感神経の活動が高まり、寝つきが悪くなります。睡眠ホルモン「メラトニン」は習慣的に寝ている時間の1時間くらい前から分泌が始まるので、その頃になったら部屋の照明を少し落としましょう。やや暗めの暖色系の灯りにするのがおすすめです。
また、寝室は暑過ぎず寒過ぎず、快適な室温を心がけましょう。

4.寝る前のカフェインやアルコール、タバコは控えめに

寝る前のカフェインや飲酒、喫煙は、睡眠に影響を及ぼすと考えられています。
お茶やコーヒーなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、45時間も持続するため、寝る前に飲むとかえって目が覚めてしまいます。
また、アルコールについては、よく「寝酒」などと言いますが、眠くなるのは一時的な効果にすぎません。実際には、利尿作用でトイレに起きやすくなるため、眠りそのものは浅くなりがちなのです。タバコも同様で、タバコに含まれるニコチンには喫煙直後はリラックス効果があるものの、以降は覚醒効果の方が高まります。

5.布団に入る前に「脳の緊張」を解きほぐす

寝る直前まで仕事をしていたり、考え事をしていたりすると、脳の興奮が冷めず、寝つきが悪くなります。寝つきを良くするには精神的な緊張を和らげて、休息を司る副交感神経の活動を優位にすることが大切。寝る前には、「照明の明るさを落とす」「深い呼吸をする」「リラックスできるドリンクを飲む」「リラックスできるアロマを使う」などで、「脳の緊張」を解きほぐすようにしましょう。

「眠らなくては」と意識し過ぎるのは、かえって逆効果です。夜は好きな音楽やアロマなどでリラックスして過ごし、「眠くなったら布団に入ればいいや」くらいの気持ちでいると良いでしょう。

良質な睡眠を手に入れる「日中の過ごし方のコツ」

夜熟睡するためには、日中の過ごし方にもコツがあります。先にご紹介した「寝る前の習慣」も含めて、できそうなことや自分に合っていることから、ぜひ試してみてください。

1.昼寝を上手にする

睡眠不足の解消には、5分でも10分でも睡眠時間を増やすことが大切。昼食後やお昼休みに短時間の仮眠を取ることも有効な対策です。たとえ数分でも疲れが取れて、さらに日中のパフォーマンスも上がるといわれています。長時間の昼寝は目覚めたあとにかえってぼんやりするため、20分間程度を目安にしましょう。
コーヒーなどのカフェイン飲料を飲んでから昼寝をすると、目覚める頃にカフェインの刺激作用の効果があらわれ、20分後の目覚めがすっきりします。また、仮眠を取る時間帯は、夜の眠りに影響しないよう、午後3時より前が望ましいといわれています。

2.昼と夜とのメリハリをつける

毎日決まった時間に就寝・起床し、朝に太陽の光をたっぷり浴びると良いでしょう。太陽の光で、体内時計のリズムがリセット。1516時間後に眠気を感じやすくなります。

朝食をしっかり食べ、昼間はなるべくからだを動かします。夜はカフェイン、アルコール、タバコを控えめにしましょう。
このような昼と夜とのメリハリをつけた生活は、からだ本来のリズムを整え、良い眠りへと導いてくれます。

睡眠負債は、日中のパフォーマンスが落ちるだけではなく、糖尿病をはじめとした生活習慣病や精神疾患、がんなどの病気になるリスクが高くなるともいわれています。健康で充実した毎日を送るためにも、しっかりと良い睡眠を取りたいですね。

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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