腹痛を伴う急な「下痢」の治し方とは? 原因や対処法について

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みんなの「下痢の頻度」はどれくらい?

「こんなに下痢になるのは自分だけ?」と思っても、一般的にどうなのかはなかなかわかりませんよね。そこで実際に、どのくらいの頻度で下痢になっているかを調査してみました。

[調査概要]
 調査委託先 :マクロミル 
 調査対象者 :20歳~69歳男女2,054人(男性1,026人、女性1,028人) 
 調査実施期間:2019年4月17日~4月19日 

月1回以上下痢になる人は37%いました。次に性別に分けて見てみましょう。

<男性>

<女性>

この結果よると、女性に比べて、男性の方が下痢の頻度が高いようです。また、このデータを年代別に見ると、若い人の方が下痢の頻度が高い傾向である結果でした。この傾向は、女性の方が顕著に現れていました。以下に女性の年代別の月1回以上下痢を発症する割合を示します。

<女性における月1回以上の下痢の発症割合>

20代 30代 40代 50〜60代
44% 34% 28% 26%

下痢はどうして起こるの?~「大腸」の働きとの関係~

そもそも、お腹にどのような異常が生じて下痢になるのでしょうか?下痢の発生は、腸の働きと密接に関係しています。

体内の水分をつかさどる大腸

「小腸」では、胃から運ばれた内容物の消化や「吸収」が行われますが、この時、小腸で吸収されずに残った内容物が、「大腸」へと運ばれます。大腸では、小腸から運ばれた内容物の水分吸収が行われ、徐々に内容物がかたくなって大便になります。

また、大腸の長さは約1.5mもあり、内容物を直腸へスムーズに運ぶために、大腸の粘膜からは水分が「分泌」されています。

このように大腸は、内容物を大便にするために「水分を吸収する」働きと、大便を運ぶために「水分を分泌する」働きを同時に行っており、大腸が正常な時は、この水分吸収と水分分泌のバランスが保たれています。

下痢が発生するメカニズム

一方、下痢は、水分吸収と水分分泌のバランスが崩れ、結果的に内容物の水分が多くなり過ぎた時に起こります。

下痢が発生するメカニズムとしては、次のようなものが考えられます。

1. 内容物が腸を速く移動してしまい、水分が十分に吸収されなかった
2. 腸から分泌される水分や粘液が多くなり過ぎた
3. 腸の粘膜の病変により、腸の水分吸収能力が低下した

下痢発生のメカニズム

こうした異常が、お腹のどこで発生するのか、具体的に見ていきましょう。

1.胃から小腸へ

食べ物は、食道を通って胃に到達し消化されます。胃で消化された食べ物は、小腸でさらに消化・吸収され、小腸で吸収されずに残った内容物が次の大腸に移ります。

2.大腸での処理

大腸に移った時の内容物はまだユルユルの状態で、排泄されるまでに次の2つの処理が同時に行なわれます。

●内容物を大便にするために大腸で適度な水分を吸収する
●大便を肛門までスムーズに移動させるために、大腸の粘膜から水分が分泌される

この2つの処理が終わると、内容物は排便に適したかたさになって排泄されるのです。

3.下痢の発生

ところが、大腸での処理の過程で、水分吸収と水分分泌とのバランスが崩れてしまったり、腸の運動が活発になって便の水分が十分に吸収されないうちに肛門まで移動してしまったりすると、水分の多い便が排泄されてしまいます。これが「下痢」の正体です。

いかがでしたか。正しく対処して、下痢のつらさから少しでも早く解放されてくださいね。

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すぐ病院へ行った方がいい下痢もある?

「下痢止め薬」はむやみに服用しないこと!

下痢は腸管内の有害な物質を排出するための防御反応でもあるので、下痢止め薬によって下痢を止めると、かえって症状が悪化することもあります。

また、赤痢やコレラなどの伝染病やO157などの食中毒による下痢、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性疾患による下痢などのように、症状がひどい場合、時には「命に関わる病気」が潜んでいる可能性もあります。

下記のような下痢の場合は、むやみに「下痢止め薬」を服用せずに、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。また、小さな子どもや高齢者、糖尿病や心臓病、腎臓病などの持病がある方は、下記に当てはまらない時も、早めに受診しましょう。

<すぐに病院へ行った方がいい下痢>

□経験したことがないようなひどい下痢
□血便が出る下痢
□高熱が出る下痢
□吐き気や嘔吐がある下痢
□排便後もお腹が痛む下痢
□同じ物を食べた人も一緒に下痢になった場合
□症状が改善しそうにない、または、症状が悪化している場合
□尿が少ない、尿が出ない、口が異常に渇くなどの脱水症状がある下痢
□海外旅行後の下痢

参考文献・サイト:
・「下痢の正しい対処法」(一般社団法人 日本臨床内科医会)
・日本消化器病学会ホームページ
・「家庭の医学」(成美堂出版)

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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