腹痛を伴う急な「下痢」の治し方とは? 原因や対処法について

腹痛を伴う急な「下痢」の治し方とは? 原因や対処法について

下痢には、ストレスや緊張、暴飲暴食、食あたりなどさまざまな原因があります。水分をしっかり補給して脱水を防ぐ、消化のよい食べ物で胃腸を休める、市販の下痢止め薬を飲むなどの対処を。なかなか症状が治まらない時や激しい下痢、血便などの場合は、ほかの病気が潜んでいる可能性も。すぐに医師の診察を受けましょう。

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「下痢」の原因は?

腸の「働き」や「状態」の変化によって発生する

下痢とは、腹部に痛みを感じ、水っぽい便が出ることをいいます。
下痢の原因としては、ストレス緊張暴飲暴食食あたりウイルスや細菌による感染生理周期冷えなど、様々です。いずれの場合も、腸の「働き」や「状態」が変化を起こすことによって下痢が生じます。

原因①「ストレス」や「緊張」による下痢

「ストレス」や「緊張」が原因となって、下痢を起こすことがあります。ストレスや緊張によって、腸をコントロールする「自律神経」が刺激を受け、腸が異常収縮してしまい、腸を通る便の水分が十分に吸収されずに排出されて、下痢になります。また、特定の状況下でよく下痢を起こす場合は、「過敏性腸症候群」の可能性があります。

「過敏性腸症候群」とは?

「過敏性腸症候群(IBS)」とは、検査を行って炎症や潰瘍(かいよう)など目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、下腹部の張りなどの症状が起こる病気のことをいいます。

「仕事中や会議中に急にお腹が痛くなる」「通勤・通学の電車の中で腹部に不快感を感じて、途中下車してしまう」「便秘や下痢などの便通異常が慢性化している」などといった症状がある場合、過敏性腸症候群である可能性があります。過敏性腸症候群は、日本人では多くみられる病気で、約10~15%の方が過敏性腸症候群の症状を持っているともいわれています。過敏性腸症候群は、症状から大きく分けて4つのパターンに分類できます。

過敏性腸症候群の症状の型と特徴

特徴
下痢型 ●腹痛や腹部不快感をともなう慢性的な下痢
●一日に何度もトイレに駆け込む
便秘型 ●腹痛や腹部不快感をともなう慢性的な便秘
●一般的に女性に多く見られる
混合型 ●下痢型と便秘型の症状が同じような頻度で繰り返される
分類不能型 ●上記3型のどれにも分類されない

過敏性腸症候群の原因としては、不規則な生活精神的な緊張や不安ストレスなどがあります。なかでも、ストレスは過敏性腸症候群の最大の原因とされています。過敏性腸症候群の疑いがある時は、まず医師の診察を受けてください。

原因②「暴飲暴食」による下痢

「暴飲暴食」によっても下痢は引き起こされます。

少量のアルコールは腸の働きを活発にしますが、大量の飲酒は、水分の摂り過ぎを招いたり、アルコールによって腸粘膜が荒らされたりするため、下痢を引き起こします。水分の摂り過ぎで下痢をするのは、便の水分が十分に吸収されないまま排出されるためで、大半は飲酒の翌朝に発症します。

食べ過ぎの場合、消化不良物や、そこから発生したガスが腸の粘膜を刺激して、腸が異常収縮するため、下痢が起こります。

原因③「食あたり・食中毒」による下痢

「食あたり・食中毒」を起こしやすいのは、生鮮食品などの加熱していない料理です。食品に含まれた病原菌が消化器官で増殖し、腸を刺激することで下痢が起こります。

原因④食品に含まれる「成分」による下痢

果物や豆類に含まれる糖類や、ノンシュガーの食品などで砂糖の代わりに使われている甘味剤などの「成分」の作用で、腸内に水分がたまり、下痢を引き起こすことがあります。

また、乳糖を分解する酵素を持たない「乳糖不耐症」の人は、牛乳を飲むと乳糖が消化されず腸内に残り、それが腸内の浸透圧を高め、下痢を起こします。

辛い食べ物やコーヒー、冷たい物などを飲み食いした場合も、消化管への刺激によって下痢が生じることがあります。

原因⑤「生理」による腹痛をともなう下痢

生理時は子宮を収縮させる「プロスタグランジン」の分泌により腸が異常収縮し、腹痛をともなう下痢が起こりやすくなります。心理的にも不安定な状態が続くため、ストレスが原因となることもあります。

原因⑥「冷え」による下痢

「冷え」による下痢は、自律神経の乱れによって起こります。原因は、腸をコントロールする神経がお腹の冷えにより刺激を受けて、腸が異常収縮してしまうためです。腸を通る便の水分が十分に吸収されずに排出されるため、下痢になります。

下痢の種類は「急性」と「慢性」の2タイプ

下痢の種類は大きく分けて2タイプあります。突然起きる「急性」下痢と、長く続いたり、再発を繰り返したりする「慢性」下痢です。

1.急性下痢

突然の腹痛とともに、何度もトイレに駆け込んでしまうのが急性下痢です。食べ過ぎ飲み過ぎ冷え乳糖不耐症、特定の食品に対するアレルギー反応精神的ストレスウイルスや細菌の感染などが主な原因です。23日で治るものが多いのですが、回復するまで1週間程度かかることもあります。

腹痛や発熱、吐き気、嘔吐を伴う場合は、食中毒による感染性下痢が疑われます。

2.慢性下痢

慢性下痢は、3週間以上続いたり、再発を繰り返したりすることが特徴です。原因は多岐にわたり、それぞれの原因に応じた治療が必要です。しばらくしても症状が治まらない時は、ほかの病気が潜んでいる可能性もあるので、おかしいと感じたら、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

下痢になった時の対処法

急にお腹が痛くなると焦りますね。そんな時はどう対処すればいいのでしょうか?以下に基本的な「対処法」をご紹介します。

1.水分補給をしっかり

激しい下痢は脱水症状を引き起こすことがあるので、水分補給はしっかり行いましょう。この時、水よりも塩分や糖分を含んだスポーツドリンクの方が、体内で水分が吸収されやすいのでおすすめです。

2.胃腸を休める

胃腸を休めるために、食事は脂質が少なく、消化の良い食べ物を選びましょう。例えば、おかゆや煮込みうどん、みそ汁、すりおろしりんご、野菜スープ、脂肪分の少ない鶏のささみや白身魚、半熟卵などは、胃腸への負担も少なくおすすめです。
反対に、消化吸収が悪い食べ物、例えば、脂肪分の多い肉や魚、そば、ラーメン、玄米や赤飯、生野菜、海藻、菓子パン、ケーキなどは控えましょう。また、胃腸に刺激を与えるコーヒーや炭酸飲料、アルコール類も控えてください。

3.市販の下痢止め薬を服用する

通勤途中や仕事中の急な下痢には、「水なしで飲める下痢止め薬」を携帯しておくと良いでしょう。お腹がギュルッときたら早めに飲みましょう。

4.冷えによる下痢は、体を温める

お腹が冷えることで起こる下痢の場合は、腹部を温めるケアも有効です。入浴のほか、腹巻やカイロを活用してもいいでしょう。

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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