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【座談会】「どうせなら良いもの」をつい買ってしまう僕らのホンネを探る!

【座談会】「どうせなら良いもの」をつい買ってしまう僕らのホンネを探る!

せっかく買うなら、より良いものを手に入れたい。そんな思いからつい、多機能・高性能でハイスペックなものを選んでしまう「どうせなら良いもの」志向の人は少なくありません。なぜ私たちは「どうせなら良いもの」を選んでしまうのか。そう思ったライターのキンマサタカさんは、どうせなら...と、良いものを選びがちな人を集めて座談会を開催することに!その様子を心理学者の解説とあわせてお送りします。

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「どうせなら良いもの」志向は本当に良いの?

ライターのキンマサタカです。

皆さんは買い物をする時、何を重視しますか?私は「値段の安さ」です。不景気が続いたおかげで「緊縮財政」が我が家の家訓となりましたが、欲しかったものが少しでも安く買えた時には、この上ない幸せを感じます。

その一方「とにかく安いものを」という考えに対して、少し違和感を覚えている自分も。欲しかったものが安く買えたからうれしいのであって、なんでもかんでも安いものを良しとしているわけではない、そう思ったんです。そして安いものを買って後悔した経験もありますから、「自分の好きなものはケチりたくない」といった気持ちもあります。

この不景気のさなか「どうせなら良いものを」と買い物をしている人は多くないでしょう。でも、そういった志向の人は、どんな価値観でどんな毎日を過ごしているのでしょう。もしかして、毎日が超幸せだったりして。

いつもと違う基準や価値観で買い物をしてみよう!とちょっとした「勇気」を持つことで、毎日の暮らしが豊かになるとしたら、あなたはどう思うでしょうか?そこで今回は、「どうせなら良いもの」志向の人にじっくり話を聞いてみることにしました。

「どうせなら良いもの」志向の座談会、開催!

…というわけで、「どうせなら良いもの」志向の人たちに集まってもらいました。メンバーは下記のとおり。

キンマサタカ

キンマサタカ(MC)
買い物はネットで済ませたい派。カメラにはお金をかけがち。なんとなく「かっこいいから」という理由でMacを使い続けて早20年。知らないメーカーのワイヤレスイヤホンを買って後悔したことがある。

樋渡さん

樋渡和史さん
「めんどくさい人」とよく言われる35歳。特にガジェット系で「どうせなら」を発揮しがちで、名前に「pro」とかつくものが好き。食べ物はなんでも良い。

辰野さん

辰野兼太郎さん
大は小を兼ねる精神でものを買いがち。長く使いたいものは特に高機能なものを選ぶ。様々なものにお金をかけているためどっちにしろお金がない。

そして今回は、座談会の様子について消費者心理学などを研究する有賀敦紀先生にご覧いただき、専門家の立場からもコメントをいただきます!

有賀 敦紀先生

有賀 敦紀(ありが あつのり)
中央大学文学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科で博士(心理学)を取得後、イリノイ大学の客員研究員に就く。立正大学、広島大学大学院に准教授として赴任し、2022年から中央大学文学部にて教授を務める。専門は認知心理学、消費者心理学など。

最近買った「どうせなら良いもの」を教えて!

キンマサタカ

お集まりいただきありがとうございます。今日の座談会は「ついつい『どうせなら良いもの』を買ってしまうのはなぜか」というテーマについて語るべく、普段の買い物でついつい良いものを買いがちなお二人をお呼びしました。よろしくお願いします。

よろしくお願いします!

樋渡さん

よろしくお願いします!

辰野さん
座談会風景

「どうせなら良いもの」志向として集まっていただいた二人。なんとこの日、トップスが偶然おそろいでびっくり!

※編集部注:この記事では、こだわりたいものに対しては、たとえお金がなかったとしてもつい高性能なワンランク上の製品を選びたくなってしまう人にその持論を語ってもらうことで、「どうせなら良いもの」志向について紐解いてみた記事です。読者の皆さんは、どうか優しい気持ちで読み進めていただければ幸いです…!

キンマサタカ

さっそくですが、最近「どうせなら良いもの」志向で買ったものはありますか。

自宅の仕事環境を一新しました。腰が悪いので、立ったまま仕事ができるように、電動昇降デスクや高性能の椅子を買いましたね。

樋渡さん
キンマサタカ

良いもの、つまりハイスペックなものをそろえたと。

そうですね。自分としては、けっこう奮発しました(笑)。良いものって、当然お値段も「良いもの価格」なので…。

樋渡さん
キンマサタカ

最近の良い椅子って、めちゃくちゃ値段高いですもんね。辰野さんはどうでしょう。

僕もリモートワークになってから、PC周辺機材を充実させましたね。Webカメラやモニターなどはもちろん、一番こだわったのはマイクです。

辰野さん
キンマサタカ

マイクはどんなものを購入したんですか?お値段もそうですが、こだわりの性能について知りたいです。

専門メーカーのもので、頑張ってお金を貯めて購入しました。持ってきたんで、ちょっと見てください。

辰野さん
マイク

立派な箱から出して、普段使っているマイクを見せてくれました

キンマサタカ

マイクの値段相場はよくわからないのですが、結構良い性能のものですよね?

そうですね。個人で使う分には、結構良いマイクかなと。でも、マイクはピンキリですからね。

辰野さん
キンマサタカ

ちなみに、このマイクはどんな用途で使うんでしょう。

オンライン会議用です。

辰野さん
キンマサタカ

え、それだけ?マイクつきのイヤホンじゃだめなんですか?

うーん。せっかく話すなら、キレイな声にしたいなって。音質を整えるのは「身だしなみ」の一環だと僕は思ってます。

辰野さん
音質は「身だしなみ」と語る辰野さん

音質は「身だしなみ」と語る辰野さん

キンマサタカ

web会議にそれだけ気合いを入れているということは、ネット環境も良いものを?

もちろんです。この前ネット回線の速度を計測したら、750mbps出てました。

辰野さん

速っ!

樋渡さん
キンマサタカ

ほう、数字を聞いてもよくわかりませんね。それはどれくらい速いんでしょうか。

750mbpsは、車でいうと、260kmくらい出てるイメージですね。外国のスポーツカー並みです。350mbpsあれば十分速い方だと思いますよ。

樋渡さん

回線速度が速いからといって、正直そこまで大容量のやり取りをするわけじゃないんです。でも、速い方が良いじゃないですか。

辰野さん
キンマサタカ

スポーツカーに乗っていても、最高速度で走るわけじゃないのと一緒ですね。

質問するキンさん

僕が良いマイクを使っているのもノイズが軽減されてクリアな音質になったり、凛とした声が相手に届いたりと、メリットがたくさんあるからです。音質は身だしなみとお伝えしたように、美声でお話しする方が相手への説得力も増すはずですから。

辰野さん
キンマサタカ

確かに、コンペの席で競合相手と内容に大差がなかったら、音質の良い方が有利かもしれません。

僕も、仕事で使うタブレットは良いものを使っています。

樋渡さん
樋渡さんが普段使っているタブレット

樋渡さんが普段使っているタブレット

キンマサタカ

パソコンがあるこのご時世、なぜ最高クラスのタブレットが存在するんだとずっと思ってたんです。一体誰が買うんだと。ここにいたか。

いました。

樋渡さん
キンマサタカ

タブレットごとに性能の差があるのはわかるのですが、それをどうやって、最大限に活用しているんですか?

うーん。たぶん、というか間違いなく僕はこのタブレットのポテンシャルは引き出しきれてないと思います。

樋渡さん
キンマサタカ

タブレットはいつも何に使ってるんですか?

動画視聴ですね(笑)。重たい動画だってサクサク動きますよ。

樋渡さん
キンマサタカ

それってネット環境のおかげでは…という声が聞こえてきそうです。

ちなみに、ガジェット関連でいえば、ケーブル類もできるだけ良いものをそろえています。

樋渡さん
樋渡さんのいいケーブル

家から持ってきてもらいました

ケーブルは、安いものだと数百円で買えます。でも、少しお金を出して良いものを買うだけで、壊れにくかったり、充電速度や転送速度も変わってきたりしますからね。

樋渡さん
キンマサタカ

確かにそうですね。でも、樋渡さんや辰野さんのようなついつい良いものを買ってしまう人に対して、大抵こういう意見が飛んできます。「そんなに良い物じゃなくても良かったのでは?」

それはないですね(キッパリ)。

樋渡さん

はい、絶対ないです(キッパリ)。

辰野さん
「それはないです」と、驚くほど即答する二人

「それはないです」と、驚くほど即答する二人

キンマサタカ

即答だ…。その真意について、ぜひ聞かせてください。

なぜ僕たちは良いものを買うのか

買わない後悔より、買った後悔をしたいから

キンマサタカ

そもそもなぜ、お二人は「良いもの」をつい選んでしまうのでしょうか。そういえば、お二人とも素敵なメガネをかけていますね。眼鏡というのは、安くても「見える」という根本的な機能に大差はありませんが、お二人はメガネも良いものをお持ちのように見えます。なぜそのメガネを選んだのでしょう。

ありがとうございます。お気づきのとおり、これも結構良いメガネなんですよ。良いメガネはデザイン、かけ心地、すべてが良い。使ってて気分が良いんです。

樋渡さん
「毎日使うメガネも、できるだけ良いものを選んでいます」と語る樋渡さん

「毎日使うメガネも、できるだけ良いものを選んでいます」

僕のメガネは、フレームはそこそこですが、レンズにはこだわってます。

辰野さん

僕もレンズは良いものを選んじゃいます。

樋渡さん
キンマサタカ

フレームを購入すると「レンズはどれにしますか?」と店から選択肢を提示されるじゃないですか。うな重の松竹梅みたいに。なんとなく、真ん中を選ぶ方が多いのかなと思うんですが。

僕は問答無用で一番上のものを選びますね。そして、傷コーティングなどのオプションもできる限りつけます。

辰野さん
多機能でオプション盛り盛りのレンズを使う辰野さん

多機能でオプション盛り盛りのレンズを使う辰野さん

キンマサタカ

そこまでやる必要はあるのか?そこそこで良くない?とも思ってしまうのですが、なぜそのような選び方をするのでしょうか。

「買わない後悔より、買った後悔」という言葉をモットーにしているから、ですね。いろいろやった上で、レンズが傷つくならしかたない。でも、良いものを選ばずに傷がついてしまったら「あの時選んでおけば…」と悲しくなるし、後悔するじゃないですか。

辰野さん

「後悔したくない」という気持ちは大きいですね。過去には戻れませんから。

樋渡さん
キンマサタカ

なるほど。後悔したくない気持ちはわかる気がします。個人的な話で恐縮ですが、息子が受験の時に、神社へ合格祈願のお参りに行ったんです。行かないで落ちたら後悔しそうだったから。あれがまさしくお二人の心境なのでしょうね。

POINT

【有賀先生のワンポイント豆知識】

「どうせなら良いもの」を買ってしまう人の心理って?!
一度良いものを得た人は、その状態が基準となります。お二人の中に良いものを使った快適な経験があることで、それ以降に購入するもののスペックを下げづらくなっていると考えられます。つまり「良いものを選ぶ」というよりは「前回と同じか、それ以上に良いものを得たい」という動機から「どうせなら良いもの」を毎回選んでしまうのではないでしょうか。

キンマサタカ

買い物において「後悔したくない」という気持ちは、お二人にとってかなり大事なキーワードかもしれませんね。その後悔って、具体的にはどういったものなのでしょう。

「買い物で後悔したくないんです」と二人

「買い物で後悔したくないんです」と二人

例えば、良いマイクを買っておけば、いつか自分が配信者になった時に「これを買っておいて良かった」と思えますよね。でも品質の悪いマイクしか手元になかったら「あの時良いマイクを買っていれば…」と後悔しますし、なんなら配信すらやりたくなくなってしまうかもしれません。

辰野さん
キンマサタカ

配信者になるというのは…なにかオンラインで音声を配信する計画があるんですか?

いえ、まったくありません(笑)。でもこの先、自分の人生に起こりうる事態にすべて対応できるようにしておきたいんです。

辰野さん

わかる気がします。可能性の芽を摘みたくない、ということですよね。

樋渡さん

そうです。これまでいろいろな選択肢があって、その都度選んできた結果、今の人生があるわけです。「良いマイク」さえあれば、この先どんな選択肢が来ても、対応できるなって。

辰野さん
キンマサタカ

すごい。なんだか感動しました。ちょっと歌ってみてもらえますか。

無茶振りをするキンさん

無茶振りをするキンさん

いやいや、デビューまでもう少し待ってください。

辰野さん
キンマサタカ

残念。樋渡さんにお持ちいただいた「良いタブレット」もご自身の人生計画の一端だったり?

ゆくゆくはこれを使って絵とか描いちゃうかもな、とは思ってました。

樋渡さん
キンマサタカ

買ってから結構時間が経っているそうですが。

ええ。まったく描いてないです。でも、手書きのメモとかは頑張って書いてましたよ。ビジュアルを盛り込めるアプリを使って、絵を入れながらていねいにメモを残していました。

樋渡さん
キンマサタカ

どれどれ。え、これすごく見やすいじゃないですか!素晴らしい。なんで使わなくなったんですか?

それはですね…。いかんせん、書くのに時間がかかるんです。タイピングした方が早いことに気付いてしまいまして。メモするだけなら、そんなにがんばって書く必要ないじゃんって。

樋渡さん
購入当初は頑張って手書きしていたメモ・・・

タブレット…購入当初は頑張って手書きしていたメモ

キンマサタカ

でも、本当に素敵で見やすいじゃないですか。そのまま続けてほしかったなあ。

POINT

【有賀先生のワンポイント豆知識】

「どうせなら良いもの」を選ぶことには、合理的な理由やメリットがあるの?
消費者が商品やサービスに対して支払う金額はそれぞれ変わりますが、購入したものに対する評価は「良い vs. 悪い」のカテゴリカルなもの。お金を支払うわけですから、誰でも「後悔はしたくない」はずですよね。「お金を支払ったのに悪いものを手に入れた」というリスクを避けるため、ある程度の金額を支払って良いものを確実に得ようとするお二人の行動は、合理的であると思われます。

良いものを買うメリットは「自己肯定感が高まる」

キンマサタカ

良いものを買うと、もちろんお財布は痛みますよね。そのあたりのバランスはどう取っているのでしょうか。

興味がないものに関しては無頓着なんです。例えば、僕は食に興味がないのであまりお金をかけません。でも、仕事環境や趣味など、自分が必要としているものは、絶対に良いものを買いたい。それを選んだ自分を好きになれるんですよね。自己肯定感がとても上がるんです。だから、やめられないのかもしれません。

樋渡さん
キンマサタカ

なるほど。住む場所にしても、自分の憧れの街に住んでいる人って、たとえ家賃が高い場所で、生活の何かを切り詰めていても、満足度が高そうですもんね。

そうですね。まあ、後悔しないようにしてるだけかもしれないですけど(笑)。

樋渡さん
「自分に言い聞かせてるだけかもしれませんね」と語る樋渡さん

「自分に言い聞かせてるだけかもしれませんね」

僕の場合は「後悔する」というスイッチを常に切っているんです。良いものを買うことを我慢するより「このお金を払うために働くんだ!」って思った方が、仕事に対するモチベーションも上がりますから。もちろん、お金のやりくりが厳しくなる時もあるけど、満足してますよ。

辰野さん
キンマサタカ

そこまでして良いものを買いたいんですね。お金が厳しくても、買い物の結果が良ければオッケーだと。

まったく手が届かないものは別として、買おうかどうか悩んでる理由が値段だとしたら、買った方が良いなと僕は思います。

樋渡さん
キンマサタカ

なるほど。そのマインドって、意外と合理的な気もしました。例えば、見た目は似ているけどスペックの違う靴がそれぞれ1万円と1万5千円だったら、身につけるものにこだわりのあるお二人は高スペックな1万5千円の方を迷わず買うってことですよね。実際は高いもの方が素材が良いことも多いし、大事に履けば長持ちします。

「だんだん『どうせなら良いもの』志向のことがわかってきました」とキンさん

「だんだん『どうせなら良いもの』志向のことがわかってきました」

辰野さん

おっしゃるとおりです。僕は、マイクは会議が終わるたびにていねいに拭いてからしまってます。大切に使うようになるんですよね。

良い服でも、良いアクセサリーでも、大切に扱っているような仕草を見ると、周囲の人は「あの人、良いものを身につけているな」ってわかるものなんですよね。

キンマサタカ
POINT

【有賀先生のワンポイント豆知識】

お金をたくさん使った方が幸せを感じるの?
一般的に、お金をたくさん使っても幸せを感じることはないのではないでしょうか。私自身も、お金をたくさん使ったことに対して幸せを感じたことはありません。多くの人は、買い物によって得られた商品やサービスの質、すなわち「買い物の結果」を支払ったコストとの比較で評価します。もしお金を使うことに幸せを感じる人がいるとすれば、その人は「買い物」という行為そのものを重視し、評価していると考えられます。

安物買いの銭失いにはなりたくない

キンマサタカ

しかし、なんでお二人はそういう志向になったんでしょうか?

なんでなんでしょうかね。でもずっと「どうせ買うならちょっと良いものを選ぶ」ことが癖づいているんですよね。

樋渡さん

僕も昔から言われている「安物買いの銭失い」って言葉にとても共感していて。

辰野さん
キンマサタカ

よく聞きますよね。とはいえ安いから必ずしもダメというわけではないと思うんですけど。普段は節約重視で買い物するけど、いざというときは奮発して高機能なものを買うのもいいかもしれませんね。財産になるから、という考えもありますが、「良いものは心を豊かにしてくれる」というメリットも大きいのかもしれないです。

そうですね。ちょっと無理してでも良いものを買った方が、僕は気持ち的に豊かになります。

辰野さん
「買い物に対する考え方が同じなんですよね」と盛り上がる二人

「買い物に対する考え方が同じなんですよね」と盛り上がる二人

キンマサタカ

ワクワクすることに対しては、お金を惜しみたくないってことですよね。例えば結婚式ってグレードが選べるんですけど、どのグレードでも、皆さん、自分の価値観や支払える範囲で、どうせなら1番良いものを選んでいるように思うんですよね。単に、お金を払いたくないから、ケチって「一番安いの」を選ぶ人はあまりいないと思うんです。本当に必要ないなら結婚式をしない選択肢もあるので。

まさにそのとおりで、ちょっとでも良いものを買うことは、人生の豊かさに繋がりますからね。

樋渡さん

良いものを選び続けている、だから僕たちは幸せなのかもしれません。

辰野さん
POINT

【有賀先生のワンポイント豆知識】

良いものを買った時の満足度は「買う前」「買う瞬間」「買った後」、どのタイミングで一番高くなるの?
買ったものによると思います。絵画といった鑑賞用のものであれば、買う前から満足度を予測できるでしょうし、家や家電のように実際に住んで(使って)みないとわからないものについては、購入して一定期間経過した後に満足度が決まるように思います。以前から欲しかったものをようやく見つけた時は、手に入れる(買う)瞬間に満足度は高くなるかもしれません。

「どうせなら良いもの」志向の買い物で大事なこと

キンマサタカ

先ほども出てきましたが、ここでお二人の前に立ちはだかるのが、ランクを下げて安い製品を買って「節約できた!」と喜ぶ人たちです。タブレットが欲しいと思ったら、同じような商品のサードパーティー製を探し、安く買えてラッキーと思う人もいますよね。

自分がそれで満足できるなら、まったく問題ないと思います。ムダに高価なものを買って、あとから後悔なんてしたら、それこそ幸せじゃないですから。僕たちだって「なにがなんでも高いものを買いたい!」というわけじゃないんです。

樋渡さん

そうですね。それを買うことで幸せになるから、買っているだけです。

辰野さん

もちろん、いつだって最上級のものが買えるわけではありません。例えば、モニターが欲しいと思った時には、機能をしっかりと調べて、自分が買える範囲のなかで一番良いものを選びます。あまりにも高価すぎた時は、妥協だってします。でも、安く買えることだけを優先し過ぎると、絶対に性能面でなにかしらの不便があるはず。なので僕はそういった選び方はしない、ということです。

樋渡さん
キンマサタカ

なるほど。なんでもかんでもとにかく高いものを、ということではなく、欲しいもの、買えるもののなかで一番良いものをしっかりと選び取る、ということなんですね。

「〇〇が欲しい」と思った時も同じく、それに似た安い別のものを探したりはしません。価格比較サイトで、同じものを安く買えるところは探したりはしますが。

樋渡さん

僕も、欲しいと思ったものは絶対買います。別のものを探したりはしないかも。

辰野さん

それに近いものを探すのは手間がかかるし、最初に「これが欲しい!」と思ったものを買う方が良いに決まっている。僕がこれまで生きてきたなかで、獲得した価値観ですね。

樋渡さん
キンマサタカ

そして先ほどから出てくる「安物買いの銭失い」というワード。プリンターの純正インクが高いからと、安いインクを買って失敗したことがある私としては、先ほどからお二人のお話が耳が痛いです。

持論を展開する二人

「安物買いの銭失い」で失敗した過去が次々と思い浮かびます

「安物買いの銭失い」と「大は小を兼ねる」。これは僕たちの買い物における絶対的な真理なんです。好きなアーティストのコンサートに行く時のことを想像してみてください。後ろの席でも曲は聴けますけど、せっかくなら前の方のアリーナ席で聴きたいじゃないですか。値段は少し高いけど、そのチケットを買ったことを当日後悔しますか?と。

辰野さん

買ったことによる私の経済的痛手はあるかもしれないけど、満足度は高いので後悔はしないはずです。

樋渡さん

うん。僕はいつも明日倒れてもいいくらい、後悔のない選択をしたいんです。良いものを買っていれば、きっと、いつ倒れたとしても笑顔でいられると思います。

辰野さん

「どうせなら良いもの」志向を取り入れてみたい人へ

キンマサタカ

ただ、やはり良いものを買うことに対して「贅沢だな」と思う方も多いと思うんです。とにかく安いもの買わないと不安になる人とか。だけど実は、密かに「そういう自分を変えたい」と思っている人もいるかもしれません。そんな人に対して「どうせなら良いもの」志向を代表して伝えたいことはありますか?

まずは身近にある、良いものに変えると少し幸せになりそうものを買ってみてほしいですね。

樋渡さん
キンマサタカ

少し幸せになるもの…。例えばどんなものでしょう。

僕の場合は、普段使うノートですね。一般的なノートよりも紙が上質で、書き味の良さが売りのものを使っているのですが、文字どおりものすごく書き心地が良い。メモを取るだけで、毎回ちょっとテンションが上がるんですよね。ぜひ一度試していただきたい。

樋渡さん

毎日使うものを良いものに変えると、何気ない行為が少しリッチになってテンションが上がりますよね。お金を払って良かったなって思います。

辰野さん
「日常生活で使うものをグレードアップすると、生活が少し明るくなります」という辰野さん

「日常生活で使うものをグレードアップすると、生活が少し明るくなります」

キンマサタカ

まずは普段使っているものをワンランク上にしてみる、ということですね。

はい。服や生活用品もそうです。例えば、いつも使っている洗濯用洗剤なんかを、スタンダードなものから高性能なものにしてみるのもおすすめです。普段そんなドロドロに服が汚れるわけではないけど、ラインアップで一番ハイパワーなライオンの「NANOX one PRO」を買ってみるとか。

樋渡さん
キンマサタカ

突然ライオンさんを持ち上げてきた。忘れてました、これがライオンさんの企画だって。

自分が好きなブランドだったら、生活に取り入れやすいでしょうし。みんな好きですからね、ライオン。

辰野さん
キンマサタカ

急に思い出したように、ライオンさんをヨイショし始めましたね。

良いものを買うと、その製品のポテンシャルや良いところをもっと引き出したくなるんですよね。製品ホームページを見て「こういう機能があるんだ」「こんなすごい製法で作られているんだ」とか。

樋渡さん
キンマサタカ

そうしてまた満足度が高まると。

買って良かったなって思えるように、製品についての情報を集めてしまうんですよ。

樋渡さん
キンマサタカ

意外な才能や能力を探し出していたら、いつの間にかファンになってるってことか。

その製品のすべてを好きになる必要はないけど、好きなところが多ければ多いほど良いと思います。僕はファンでいられる製品を使い続けたいんです。

樋渡さん
「自分が使うものの『ファン』でありたいんです」という樋渡さん

「自分が使うものの『ファン』でありたいんです」

今の自分には必要のないほどの高機能かもしれないけど、後々「せっかくこの機能があるんだから、〇〇をやってみよう」と思う日がくるかもしれない。良いものを買うことは、人生の可能性を広げるきっかけにもなりますから。

辰野さん
キンマサタカ

確かに。「写真を撮るためにちょっと良い一眼レフを買ったけど、良く見ると動画撮影機能もあると気づいて、試しに使ってみたら楽しかった。せっかくだし動画制作にも挑戦してみようかな!」と思うこともあるかもしれませんね。

そもそも「オーバースペック」という言葉は、僕たちふたりにはないんだと思います。

辰野さん
POINT

【有賀先生のワンポイント豆知識】

「安物買いの銭失い」という言葉について、有賀先生考えを聞かせて!
個人的には、結果論に過ぎないと考えています。この言葉が言い表しているように、安物は結果的に高くつくこともあるかもしれません。ですが、安物を買って長持ちするケースもきっとあるはずですから。

これからの買い物について考えてみる

キンマサタカ

さて、「どうせなら良いもの」志向の買い物について、じっくり語り合ってきました。皆さんの買い物に対する考え方をお聞きしてとても興味深かったです。お二人は今日の座談会を通して何か感じたことはありますか。

自分の買い物に対する考え方を改めて整理することができました。そして、間違ってないんだなと。

樋渡さん

同じく、良いものを買うと人生は楽しいんだってことを再確認できました。ありがとうございました。

辰野さん
キンマサタカ

これからも、今のままのスタイルを貫く、ということでよろしいでしょうか。

もちろんです!

樋渡さん

今後も良い買い物を楽しみます!

辰野さん

「どうせなら良いもの」志向について、最初は「とりあえず高いもんくれや」みたいな考え方だと思っていました。でも今回、お二人の話を伺って、全然違うじゃないかと。しっかりと自分の人生を考えて、ものによってそれぞれ、自分に最適なものを選んでいるんだと感心しました。「どうせなら良いもの」志向は、結構素敵な考え方なんですね。

そういえば、家の洗濯用洗剤が切れていたんでした。せっかくなので、いつもよりワンランク上の洗剤「NANOXone PRO」を買って帰ろうかなと思います。皆さんもこれを機に、なにか身近なものから「どうせなら良いもの」志向を試してみませんか?

編集:ノオト
撮影:栃久保誠

・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、すべてがライオン株式会社の見解を示すものではありません。

この記事を書いた人

キンマサタカ

キンマサタカ

ライター・編集者。著作に「だってぼくには嵐がいるから」「文春にバレない密会の方法」、雑誌で「売れっ子芸人の下積みメシ」連載中。尿酸値は高めですが、健康に十分留意した上で、夜な夜な飲み歩いています。

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