歯ぐき下がりは黄信号!?着色汚れ(ステイン)を除去するコツ

歯ぐき下がりは黄信号!?着色汚れ(ステイン)を除去するコツ

キレイな白い歯をキープしたい人にとって、意外に注意が必要なのが、「歯ぐき下がり」。歯ぐきが下がって歯の根元の象牙質が露出すると、そこに「着色汚れ」がつきやすくなってしまいます。象牙質はエナメル質よりやわらかいため、やさしい力でブラッシングすることが大切。着色汚れに対応した成分を配合したハミガキの使用も効果的です。

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清潔な印象を与え、好感度も上げてくれる白い歯。見た目はもちろん、自信をもって人とコミュニケーションをするためにも、歯の美白ケアに力を入れている方もいることでしょう。
そんな白い歯をキープするには、ハブラシの毛先をきちんと当てて歯をみがくなど、毎日の基本的なケアも重要ですが、一方で、年齢を重ねるとともに生じる歯の着色リスクもあることをご存知ですか。それが、「歯ぐき下がり」です。歯ぐきが下がると、やがて根元の象牙質が露出します。象牙質は、歯の表層のエナメル質よりも黄色味を帯びているうえ、ライオンの実験では、そこに着色汚れがつきやすいという結果も得られました。象牙質が露出しないよう、歯ぐき下がりに注意するとともに、エナメル質だけでなく象牙質の着色汚れも気をつけたいポイントです。

歯ぐき下がりで露出する「象牙質」とは?

歯周病や不適切なブラッシングなどが原因で起こる「歯ぐき下がり」となる人は、年齢とともに増加します。ある研究調査では、歯ぐき下がりは調査対象者のうち、20代で約4割、40代では8割以上に見られ、60代ではなんと全員に歯ぐき下がりが認められたという報告もあります。 

  • 杉原ら、根面う蝕の臨床戦略、クインテッセンス出版株式会社、2018

歯の表面はエナメル質に覆われていますが、歯の根元にはエナメル質がありません(下図)。歯ぐきが下がる(退縮する)と、セメント質に覆われた歯の根元が露出します。何らかの影響でセメント質が失われると、その下の象牙質がむき出しになってしまいます。

エナメル質は、そのほとんどがカルシウムやリンなど、ミネラルの結晶でできたとても硬い組織です。一方象牙質は、これらミネラルが約70%、有機質(コラーゲンなど)が約20%、残りが水でできていて、エナメル質と比べるとやわらかい組織。さらに象牙質には無数の穴があいていて、表面はデコボコしています。

象牙質の表面の顕微鏡写真

エナメル質の色がやや透明感のある白なのに対し、象牙質は少し黄色~褐色味を帯びた白なので、歯ぐきが下がって象牙質が露出すると、歯の根元が黄ばんで見えがちです。

象牙質は汚れがつきやすい

ライオンの研究で、象牙質はエナメル質よりも着色汚れ(ステイン)がつきやすい、という結果が得られました。
歯にステインが付着するメカニズムに応じて、象牙質とエナメル質のそれぞれにステインをつける操作を10回繰り返し、着色を比較しました。その結果、エナメル質より象牙質の方が濃く着色しました。



<着色操作10回繰り返し後の着色汚れ>

エナメル質

象牙質

    四角形(破線)の外側はシールし、四角内のみに着色汚れを付着。

また、この断面をレーザー顕微鏡で観察すると、象牙質は1回目からエナメル質より多くの着色汚れがつき、さらに着色操作を繰り返すほどステインが蓄積されていく様子が観察されました。このように象牙質の方が、汚れが蓄積されやすく、より目立ってしまうと考えられます。

レーザー顕微鏡像

ステイン付着過程(モデル実験)のエナメル質(左)と象牙質(右)の断面

こうした汚れは、見た目のきれいさはもちろん、「見た目年齢」にも影響していそうです。歯の黒ずみや黄ばみ、根元の変色などに不安を持っている500人に質問したところ、「歯が変色していると、老けてみられそう」と不安に感じている人は約7割にのぼりました。(ライオン調べ、2018年)

できることなら、こうした不安や気後れがなく、口元に自信を持って積極的にコミュニケーションしたいものですね。

象牙質の着色汚れを防ぐには?

歯にステインが付着するのを防ぐには、毎日の歯みがきをきちんとすることはもちろん、着色しやすい象牙質をできるだけ露出させないこと、つまり歯ぐき下がりを起こさないように気をつけることが重要です。
歯ぐきが下がらないように、歯周病や、ブラッシングでの力の入れすぎ(オーバーブラッシング)に気をつけましょう。すでに歯ぐき下がりが気になる場合でも、象牙質にステインが蓄積しないようにケアすることは、いつまでも若々しく見られるためにも大切なポイントかもしれませんね。

着色汚れのケア方法は?

歯の着色汚れが気になる場合は、以下の2つに気をつけて、ケアしていきましょう。

1. 力を入れすぎずにやさしくみがく

象牙質はエナメル質よりやわらかいので、オーバーブラッシングには、より気をつけましょう。適切な力加減は、ハブラシを歯に当てたときに、毛先が広がらない程度の軽い力です。1か月もしないうちにハブラシの毛先が開いてしまう人は、オーバーブラッシングの可能性があります。どのくらいの力でみがけば良いのかわからない、という方には、力の入れ過ぎをお知らせしてくれたり、力を逃がしてくれるハブラシもあります。

2. 歯の着色汚れ防止に効果的なハミガキを使う

着色汚れを防ぐには、「歯の美白」や「ホワイトニング」を訴求したハミガキを使うのがおすすめです。ステインは、コーヒー、紅茶などのお茶類、赤ワインやチョコレートなどに含まれるポリフェノールのような着色成分と、唾液中のカルシウムなどによって形成されると考えられていますので、対応したハミガキを使いましょう。
ライオンの実験によると、特定の構造のポリアクリル酸ナトリウムに、象牙質の蓄積黄ばみを浮かせて、落としやすくする作用が認められました。
強い力でのブラッシングを避けたい象牙質。やさしくみがいて汚れを落としたいものですね。

歯の根元は、特に汚れが蓄積しやすい部分。象牙質の特徴を知り、適切なケアをすることが大切です。毎日の歯みがきで、白くさわやかな歯と健康な歯ぐきをキープしていきましょう!

この記事を作成・監修した
マイスター

太田 博崇

オーラルケアマイスター

太田 博崇

おおた ひろたか

オーラルケアの基礎研究・製品開発に30年以上携わり、その間、国立研究所や歯科大学との共同で疾患予防研究もしてきました。
これらの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。

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