むし歯や歯周病のリスクが高まる、思春期(中学生・高校生)のオーラルケア

むし歯や歯周病のリスクが高まる、思春期(中学生・高校生)のオーラルケア

思春期は将来の歯の健康を左右する大切な時期ですが、生活リズムが乱れがち。友人との飲食、夜更かしでの間食などでむし歯や歯周病のリスクが高まることも。またホルモンの不調などで歯ぐきに炎症が起きやすい時期。「歯磨きの基本」を見直し、タフトブラシやデンタルフロスなどのアイテムも活用しながら、オーラルケアを行いましょう!

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思春期(中学生・高校生)は、歯の将来を左右する大事な時期!

思春期は、からだが大きく変化する時期ですが、同時にお口の中にも大きな変化が起こります。学童期に第一第臼歯(6歳臼歯)が生え、乳歯から永久歯への交換が始まります。そして、思春期の始まりである12歳頃には第二大臼歯(前から7番目の歯)が生え始め、15歳頃には親知らずを除くすべての永久歯が生えそろいます。大人の歯列(永久歯列)が完成するこの時期は、将来の歯の健康状態を左右する大切な時期でもあります。親が子どもの歯の健康のために何かをしてあげられる最後のチャンスなので、歯磨きの大切さを考える時間を親子で作ってみてはいかがでしょうか。

生活習慣の変化にともないむし歯(虫歯)や歯周病のリスクが高まる

思春期は、自我への目覚めや社会生活への興味や関心が広がる時期です。クラブ活動や受験勉強、趣味などを中心とした生活を送るようになり、お子さんの生活リズムは不規則になりがちです。例えば、友人との外出時の飲食、夜更かしでの間食の増加などで、食生活が乱れることもあります。親の目が届きにくくなり、せっかく学童期に身につけた歯磨きの習慣も怠りがちになってしまいます。このように生活習慣が変化することから思春期はむし歯(虫歯)や歯周病リスクが高まる時期となります
ライオンの調査でも、高校生の約6割は「食事の回数」が1日4回以上、約8割が「歯磨き回数」は1日2回以下と回答しています。

<高校生の食事と歯磨きの回数>

また、平成23年の厚生労働省の調査によると、15~19歳でむし歯になったことのある人は63.7%。この数字は徐々に減少してはいるものの、依然として6割以上の人がむし歯を経験しているのが実情です。また、思春期はホルモンの不調などで、歯茎に炎症が起きやすい時期でもあります。歯周病は大人の病気と思われがちですが、15~19歳の約7割は歯茎に所見が認められています。

「コミュニケーション意識の高まり」をきっかけにオーラルケアを

むし歯や歯周病をはじめとする口内トラブルを予防するには、原因となる歯垢を除去することが大切です。また、思春期という多感な時期は、人とのコミュニケーションについての意識が高まります。お子さんが友人と気持ちよくコミュニケーションをとりたいと考えたとき、「爽やかな息」や「白くてキレイな歯」でいることは間違いなくプラスに働くと思います。そのためにも、毎日のオーラルケアが不可欠です。今一度、歯磨きの基本をお子さんと確認してみてはいかがでしょう。

歯磨きの基本

1.歯ブラシの毛先を歯面にきちんとあてる
2.毛先が開かない程度の軽い力で磨く
3.小刻みに動かして磨く 

<歯磨きの基本>
<歯ブラシが当たりにくい場所の磨き方>

歯垢が残りやすい「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」「奥歯の噛み合わせ」などは、特に意識したいところです。また、18歳頃になると人によっては親知らずも生えてきます。歯の隅々まで磨けるよう、歯ブラシはヘッドがコンパクトなタイプがおすすめです。歯垢染色剤などを使い、お子さん自身が口の中で磨き残しの多い場所を知っておくのも良いでしょう。

ハミガキ・歯ブラシにプラスしたいおすすめの「アイテム」

デンタルフロス

歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくいので、歯ブラシだけでは十分に歯垢を落とすことができません。歯と歯の間をキレイにするために「デンタルフロス」も併用しましょう。デンタルフロスが初めての場合や、上手に使えないという場合は、挿入し難い奥歯の歯間にも使いやすい「Y字型のデンタルフロス」がおすすめです。

タフトブラシ

歯並びの悪いところや奥歯の奥、親知らずなど歯ブラシの毛先が届きにくい場所には、毛束が一つの「タフトブラシ」の使用がおすすめです。歯ブラシでは磨きにくい場所にピンポイントで毛先が届きます。

デンタルリンス・マウスウォッシュ

夜食や間食が多いお子さんには、デンタルリンス・マウスウォッシュもおすすめです。口臭を予防するだけでなく、殺菌成分や歯垢を分解する成分などの薬用成分の働きで、むし歯や歯肉炎の予防に効果的な製品もあります。歯磨きができないときや就寝前に上手に活用しましょう。

生涯にわたり健康な歯と歯茎を保つためには、自分にあった歯磨きの方法と食べたら磨く習慣を身につけることが大切です。お子さんが自分でお口の健康を管理できるよう、思春期に入っても保護者の方が気にかけてあげることが大切です。

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

子どもが運動中、歯が抜けるなどの外傷を負った時はどうすればいいの?

歯を持ってできるだけ早く「歯科医院」へ

ライオンの調査では、高校生の4割以上、男子に限れば半数以上の人が体育会系の部活に所属しています。部活の最中に万が一、人とぶつかったり転倒したりして歯が抜けてしまった時は、できるだけ早く抜けた歯を持って「歯科医院」へ行きましょう。状態が良ければ自分の歯を元に戻すことが可能です。

抜けた歯の「歯根膜(しこんまく)」は乾燥させない

抜けた歯を元に戻すためには、歯の根のまわりにある「歯根膜(しこんまく)」を乾燥させないように保存することが大切です。砂や土がついていたら、歯の根に触らないようにして流水で軽く洗い、学校の保健室などにある歯の保存液や牛乳につけて、歯科医院へ急ぎましょう。

※歯の保存液:歯や歯根膜の乾燥を防ぎ、再植に必要な歯根膜細胞を守るための専用保存液

「マウスガード」で口内の怪我予防も!

口内の怪我の予防には「マウスガード」が効果的です。マウスガードの使用によって外傷の発生頻度や重症度が低下することが報告されています。マウスガードの使用や作製は歯科医院で相談して下さい。

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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