コンタクトレンズによる目のトラブル(目が疲れる、乾く、ゴロゴロする)対策
コンタクトレンズで目のトラブルが起きていませんか?コンタクトレンズを長時間装用していると涙が蒸発しやすくなり、目が乾くだけでなく、コンタクトレンズの裏側へ涙が行き渡りにくくなり、涙の3層構造のバランスが崩れやすくなります。そんな時には、低下した涙の機能を補う「コンタクトレンズ用の目薬」の使用がおすすめです。
「目のトラブル」でコンタクトレンズをあきらめる人が増加中
現在、日本人の約6人に1人が装用しているといわれるコンタクトレンズ。そのなかで30代以上の装用者の割合は7割近くに上り、増加傾向にあります。
しかし愛用者が増える一方で、年間約94万人がコンタクトレンズの使用を中止しているという実態もあります。その理由として多くあげられるのは、装用中の目のトラブルによるもの※1。
30代以上のコンタクトレンズ装用者を対象にした調査では、コンタクトレンズ装用時の3大トラブルは、以下のとおり。
1位 目が疲れる(70%)
2位 目が乾く(69%)
3位 目がゴロゴロする(56%)
これらのトラブルが原因で、コンタクトレンズを使い続けたいと思いながらも使用を中止していることがわかりました※2。
- ※1 2017年ライオン調べ※2 2013年ライオン調べ
目のトラブルに深く関わる「涙」のしくみと働き
なぜ、コンタクトレンズ装用中に、目の疲れや乾き、ゴロゴロとした異物感などのトラブルが起こるのでしょうか。それには、「涙」が大きく影響しています。
涙というと、泣いた時にだけ出るように思われるかもしれませんが、実は、普段から目の表面を覆って、ゴミや老廃物を流したり、目を乾燥から守ったりと、目の健康に関わる大切な働きを担っています。
また、角膜(黒目)は、光を通すために透明な細胞からできている、血管のない組織です。涙は、血液に代わって、角膜の細胞に栄養や酸素を届ける役目も果たしています。
目の疲れやトラブルは「涙不足」が原因
涙は、目の表面で「油層」「水層」「ムチン層」の3層構造を作っていて(詳しくはこちら)、まばたきをするたびに目の表面に広がったり、蒸発したり、鼻へと流されたりしながら一定の層構造のバランスを保っています。
ところが、コンタクトレンズを長時間装用していると涙が蒸発しやすくなります。すると、目が乾くのはもちろん、コンタクトレンズの裏側(角膜に接する側)へ涙が行きわたりにくくなり、涙の層構造のバランスが崩れやすい状態になります。
角膜を保護する涙の層構造が不安定になると、角膜に傷がついて、目の疲れやかすみ、充血を起こすこともあります。その結果、ドライアイ(目の乾き)や角膜炎、結膜炎など、さまざまな目の病気を引き起こすリスクが高まるのです。
コンタクトレンズ装用中は、コンタクトレンズ用の目薬を!
涙が蒸発しやすくなるコンタクトレンズ装用中は、低下した涙の機能を補う「コンタクトレンズ用の目薬」を使用することをおすすめします。
目薬の成分によってはコンタクトレンズに吸着・蓄積して、コンタクトレンズの変質を引き起こしたり、目に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ソフトコンタクトレンズ、酸素透過性(O2)ハードコンタクトレンズを装用したまま目薬を差す時は、コンタクトレンズ用目薬の使用をおすすめします。
最近は、コンタクトレンズ用目薬にも、目のうるおいを保ち、角膜を保護する成分が配合されたものや、角膜を修復し、涙を安定化させる働きのあるビタミンAが配合されたものなど様々なタイプのものがあります。目薬のパッケージなどに記載されている効能をよく確認して、ご自分の症状に合わせてご使用ください。
コンタクトレンズ装用中の上手な目薬の差し方
コンタクトレンズ装用中に目薬を差す時は、コンタクトレンズがずれないかが気になりますね。そこで、上手に差す方法をご紹介します。
1. 手をしっかり洗う
不衛生な状態で目薬の容器や眼球に触れることのないよう、まずは手や指をしっかり洗いましょう。
2. 利き手と反対の手でまぶたを軽く押し下げる
利き手と反対の手を軽く握り、目の下にあてて、下まぶたを少し押し下げます。コンタクトレンズがずれないよう、軽く押し下げる程度にしましょう。
3. 目の下にあてたこぶしを支えにして目薬を差す
利き手に目薬を持ち、目の下にあてているこぶしを支えにして、目薬の差し口がまつ毛やまぶたに触れないように目薬を差します。目薬によって適量は違いますが、大量に入れるとコンタクトレンズが不安定になるので注意しましょう。
4. 目頭を軽く押さえ、目薬を目に行きわたらせる
パチパチとまばたきをするのではなく、目を閉じ、目頭(鼻に近い方)を軽く押さえて、目薬が鼻や口に流れ落ちるのを防ぎます。
目薬は目から離して差しましょう!
目薬の容器の先が、目やまぶた、まつ毛に触れると、涙やまつ毛についたホコリなどが目薬の差し口から入り、目薬の汚染や異物混入の原因になります。使用する際は、容器の先がまぶたなどに触れないよう、目薬は目から離して差しましょう。
また、目薬は、使用期限内であっても、開封した後はなるべく早くご使用ください。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
●目薬、上手に差せていますか?目薬の差し方と取り扱い方法
ソフトコンタクトレンズ装用中は特に涙不足に
コンタクトレンズには、主にハードタイプとソフトタイプがありますが、ソフトコンタクトレンズの方が、涙液が不足しやすく、目が乾燥しやすいという特徴があります。
その理由の1つは「レンズの大きさ」。ソフトコンタクトレンズは角膜より大きいので、その分、角膜に行きわたる涙液が不足します。対して、ハードコンタクトレンズは角膜より小さく、角膜に行きわたる涙液もソフトコンタクトレンズほど不足しないのです。
また、ハードコンタクトレンズは水分を吸収しないので、レンズと角膜の間の涙液はあまり乾燥しません。対して、ソフトコンタクトレンズの場合は、水分を吸収する性質があるために目の表面の涙液を吸収してしまい、目が乾燥しやすくなるので、より注意が必要です。
コンタクトレンズは、視力を補いつつ裸眼の時と同じように、おしゃれやスポーツなどを思いきり楽しめるアイテム。目薬を上手に活用することで、目のトラブルを防ぎながら快適に使用したいですね。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
コンタクトレンズ装用中もビタミンAで瞳ケアを
ビタミンAは「涙」と「目の表面(角膜)」の両方に作用し、トラブルを改善します
涙液は、下の図のように3層構造になっています。
・水分の蒸発を防ぐ「油層」
・目の角膜や結膜に栄養分を与える「水層」
・涙を目の表面に安定にとどめる「ムチン層」
コンタクトレンズを長時間装用すると、涙の蒸発が促進されます。それにより、目の表面に涙をつなぎとめる「ムチン」も減少し、涙がとどまりにくくなります。その結果、角膜が傷つきやすい状態になり、さらに涙が目の表面にとどまりにくくなるという悪循環が起こり、さまざまなトラブルや目の疲れにつながるのです。
その悪循環を断ち切るために有効に働くのが、ビタミンAです。
「ビタミンA」は、目の機能維持に重要な成分として「目のビタミン」といわれています。主な働きは、以下の2つです。
1.涙を目の表面にとどめるムチンの産生を促進する
2.角膜上皮細胞の修復に有効なヒアルロン酸の産生を促進する
このように、ビタミンAは「涙」と「目の表面(角膜)」の両方にアプローチし、それにより涙を安定化させ、傷ついた角膜の修復を促進し、コンタクトレンズ長時間装用による目の疲れを「もと」から改善します。また、コンタクトレンズを外した後の傷ついた目にもビタミンAは効果的です。
目を健やかに保つために働くビタミンA。目薬を購入する際の1つの目安にしてくださいね。
この記事を作成・監修した
マイスター
ヘルスケアマイスター
芳賀 理佳
はが りか
くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。
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