子どもの歯みがき方法とハブラシの選び方とは?年齢別のポイントを解説

子どもの歯みがき方法とハブラシの選び方とは?年齢別のポイントを解説

子どもは成長とともに、歯の状態や必要な歯みがきスキルが大きく変化します。そのため、子どもの乳歯や生え替わった永久歯をむし歯から守るには、年齢や歯の成長に合った歯みがきの実践と、年齢に応じたハブラシ選びが大切です。年齢に合った「自分みがき」、「仕上げみがき」のポイントとハブラシの選び方を紹介します。

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子どもの歯の成長とともに

乳歯がグラグラし始め、ある日ポロッと抜ける……子どもの成長を感じる一瞬ですね。
ひと昔前までは、乳歯が抜けたら縁の下や屋根の上へ放り投げる光景が一般家庭でよく見られました。最近では、抜けた乳歯を専用のトゥースケース(乳歯ケース)に入れ、記念品として大事に保管する親御さんも多いそうです。昔も今も、子どもの歯の健康を願う親心に変わりはありませんね。

抜けた乳歯を専用のトゥースケース(乳歯ケース)に入れ、記念品として大事に保管

子どもは成長とともに、歯の生え方や歯の状態、歯みがきスキルも大きく変化します。そのため、子どもの歯の健康を守るには、「年齢に合った歯みがき方法」を実践することが大切です。今回は、年齢別の自分みがきと仕上げみがき、年齢に合ったハブラシ選びのポイントをお話しします。

年齢別「自分みがき」と「仕上げみがき」の方法

子どもの歯みがきは、子どもが自分で歯をみがく「自分みがき」と、親が行う「仕上げみがき」の二本立てが基本です。小学生になるまでは、親の「仕上げみがき」が中心ですが、それと同時に、「自分みがき」の習慣をつけることが大切です。小学生になったら、「自分みがき」が中心になります。その時期は、親の「仕上げみがき」でみがき残しがないかをチェックしながら、正しい歯みがきの方法を教えると良いでしょう。

0〜2歳 自分みがきスタート!仕上げみがきで歯全体をキレイに

0〜2歳 自分みがきスタート!仕上げみがきで歯全体をキレイに

歯の生える時期には個人差がありますが、一般的に、生後68か月頃から下の前歯2本が生えてきます。
歯みがきは突然始めるとイヤがられる可能性大なので、歯が生える前から、まずはお口まわりのスキンシップを始めましょう。ハブラシが持てるようになったら、自分で歯をみがく「自分みがき」の練習スタートです。

まずはハブラシを持たせる

まずはハブラシを持たせる

スプーンが持てるようになったら、ハブラシを持たせて「自分みがき」デビュー。この時期は、ハブラシをにぎったり、口の中にハブラシを入れるのに慣れることが目標です。最初は上手にできなくても「ハブラシに慣れる」ことが目標なので、焦らずにトライしてみてください。

ブクブクペッができるようになったらハミガキを使い始める

ブクブクペッができるようになったらハミガキを使い始める

「水を口に含み、ゴックンしないで吐き出す」練習と、「水を含まずに頬をふくらませる」練習も始めましょう。どちらも上手にできたら、水を口に含んでブクブクペッとする「ブクブクうがい」にトライ。上手に吐き出せるようになったら、フッ素入りハミガキを使い始めましょう。

最後に、親が仕上げみがきで全体を丁寧にみがきます。
なお、自分みがき中は、ハブラシを口に入れたまま走ったり遊んだりしないよう、子どもから目を離さないことが大切です。

POINT

0〜2歳のハブラシ 選び方のポイント

ハンドルは、子どもが握りやすい「まっすぐで太め」のものを選びます。また、写真のようにハンドル部分が曲がるものは、子どもがハブラシをくわえたまま動き回り、万が一転倒しても、口への負担を減らせます。
毛のかたさは、口触りがよく歯ぐきにやさしい「やわらかめ」を選びます。ハブラシの毛は、平らに切りそろえた「平切カット」が良いでしょう。

0~2歳用のハブラシ

曲がる子ども用ハブラシ

3〜5歳 自分でみがく練習と、丁寧な仕上げみがきでむし歯予防

3〜5歳 自分でみがく練習と、丁寧な仕上げみがきでむし歯予防

3歳頃、乳歯が奥歯まで生えそろったら、いよいよ自分でしっかり歯をみがく練習をスタート。みがき残しがあってもいいので、まずは「食べたらみがく」習慣をつけることが大切です。子どもがみがき終わったら、親がもう一度全体を丁寧に仕上げみがきします。
ハブラシの持ち方やみがく順番にはちょっとしたコツがあります。子どもに教えてあげるといいですね。

ハブラシの持ち方は「あいさつ」で覚える

ハブラシの持ち方には、毛先が手前になる「こんにちは」と、毛先が向こうになる「さようなら」があります。「ハブラシさんとあいさつしようね!」と伝えると、子どもも覚えやすいと思います。

子ども ハブラシの持ち方

みがく順番を決めてみがき残しを防ぐ

下の図は、歯をみがく順番の一例です。
歯の内側をみがくのはむずかしいので、まずは「かみ合わせ」と「外側」をみがく練習から始めるのがおすすめです。青い部分は「さようなら」の持ち方、緑の部分は「こんにちは」の持ち方でみがくと、ハブラシの毛先を歯にきちんと当てやすくなります。

子ども 歯をみがく順番

※右利きの場合

かみ合わせと外側をみがくのに慣れてきたら、歯の内側も練習すると良いでしょう。

POINT

3~5歳のハブラシ 選び方のポイント

まだまだ手が小さい頃なので、ハンドルはしっかりと握りやすい「まっすぐで太め」のものを選びます。また、写真のようにハンドル部分が曲がるものは、子どもが歯みがき中に転倒するなど、いざという時も口への負担を減らせます。ヘッドは乳児期よりひと回り大きくしたほうが、みがきやすいでしょう。
毛のかたさは、きちんとみがける「ふつう」を選びましょう。ハブラシの毛は、平らに切りそろえた「平切カット」が良いでしょう。

3~5歳用のハブラシ

曲がる子ども用ハブラシ

この時期はハブラシを噛んでしまう子が多く、毛先がすぐ開いてしまう場合があります。毛先が開いてしまうと、汚れが十分に落とせません。ハブラシはこまめに交換してあげるといいですね。

6~12歳 自分みがきをメインに、仕上げみがきも続けよう

6~12歳 自分みがきをメインに、仕上げみがきも続けよう

小学校に上がるころになったら、子どもが自分で歯をみがく「自分みがき」がメインになります。乳歯から永久歯に生えかわり、歯並びが凸凹している状態が長く続くので、みがき残しのないように毛先の当て方を工夫するのがポイントです。
小学3年生くらいまでは、まだまだ自分できちんとみがけないので、仕上げみがきを続ける必要があります。子どもに「一番奥の歯までみがいたかな」と声をかけて、最後に親が口の中をチェックします。歯垢がつきやすい部分や十分みがけていない場所を中心に仕上げみがきをして、親子でしっかりケアしていきましょう。

生えてきた奥歯は「ハブラシを斜めに」入れてみがく

6歳頃、乳歯の奥歯のさらに奥に「第一大臼歯」生えてきます。生えている途中の歯は背が低いため、ハブラシを真っすぐ入れると毛先が歯にきちんと当りません。そこで、ハブラシを斜めに入れ、ピンポイントでみがきます。

生えかわり期の奥歯のみがき方

歯並びが凸凹の前歯は「ハブラシを縦に」当ててみがく

前歯は乳歯と永久歯では大きさも異なり、凸凹した歯並びになります。そのような場所は、ハブラシを横にしてみがくと歯に当たらない部分も出てくるので、縦に当てて小刻みに動かします。

生えかわり期の前歯のみがき方

POINT

6~12歳のハブラシ 選び方のポイント

ハンドルはまっすぐで、むし歯になりやすい奥歯まできちんと届く長さのハブラシを選びます。
ヘッドは、薄くてコンパクトなものがおすすめです。生えかわり期の凸凹の歯列や奥歯の奥までハブラシが入りやすく、みがき残しを防げます。
毛のかたさは、きちんとみがける「ふつう」を選びます。ハブラシの毛は、平らに切りそろえた「平切カット」が良いでしょう。

6~12歳用のハブラシ

薄型ヘッドのハブラシ

「仕上げみがき」の基本姿勢とポイント

子どもをむし歯から守るためには、親の仕上げみがきがとても重要です。仕上げみがきをする際は、正しい姿勢やポイントを押さえてむし歯を予防しましょう。

仕上げみがきの基本姿勢

子どもが嫌がらない、正しくみがける、事故を防ぐという点からも、仕上げみがきは「子どもの頭をしっかり支えられてグラグラしない安定した姿勢」で「歯が奥まで見える」ことが大切です。

仕上げみがきの姿勢

POINT

仕上げみがきのポイント

1.年齢ごとに違う「むし歯になりやすい場所」を丁寧にみがく

むし歯になりやすい場所は年齢ごとに違います。
乳歯期では「奥歯のかみ合わせ」、「上の前歯」、「歯と歯の間」がむし歯になりやすい場所です。

乳歯期でむし歯になりやすいところ

生えかわり期では、「奥歯のかみ合わせ」、「上の前歯」、「歯と歯の間」に加え、「生えたばかりの永久歯」がむし歯になりやすく注意が必要です。生えたばかりの永久歯は歯の表面が粗いため歯垢がつきやすく、歯質が未成熟で酸に弱いため、むし歯になりやすいのです。特に6歳頃に生え始める「第一大臼歯」は、永久歯の中で最もむし歯になりやすい歯です。仕上げみがきを丁寧に行うと良いでしょう。

生えかわり期でむし歯になりやすいところ

2.上唇小帯を指でガードしながらみがく

上の歯をみがく時は、上唇の裏側にある筋の部分「上唇小帯」に気を付けてあげてください。ハブラシが当たると痛いので、上唇を持ち上げて上唇小帯を指でガードしてみがくと良いでしょう。

上唇小帯

上の前歯2本の間には「上唇小帯」という筋があります。

上唇を持ち上げて上唇小帯を指でガードしてみがくと良いでしょう

ハブラシが当たると痛みがあったり、傷つけることもあります。指でガードしましょう。

3.「イー」の口と「アー」の口でみがく

奥歯の頬側と前歯の唇側をみがく時は、子どもの口を「イー」、下の歯の舌側をみがく時は「アー」の口にさせるとハブラシがあてやすくなるので、みがくのがラクになります。

イーの口とアーの口

POINT

仕上げみがき用のハブラシ 選び方のポイント

親が仕上げみがきをする時は、仕上げみがき専用のハブラシを使うことをおすすめします。子どもが使っているハブラシは、噛んで毛先が開いていることが多く、仕上げみがきに使っても汚れを十分に落とせません。大人が持ちやすい仕上げみがき用のハブラシを別に用意すると良いでしょう。
ハンドルは、大人がペングリップで持ちやすい形状のハンドルで、子どもの奥歯まできちんと届く長さのものを選びます。ヘッドは薄くて超コンパクトなものがおすすめ。子どもの小さなお口でも奥歯までみがきやすく、凸凹な歯並びをケアするのにも適しています。毛のかたさは、子どもの口を傷つけないようにやわらかめを選びます。毛は、平らに切りそろえた「平切カット」が良いでしょう。

ハブラシの持ち方 ペングリップ

仕上げみがきの時は、お口の状態もチェック

毎日の仕上げみがきの時に、歯や歯ぐきに異常がないか確認することも大切です。
下の写真のように、歯が黒くなっているところや白く濁ったところはないか、また歯ぐきがブヨブヨして赤みがあるところはないかなどをチェックします。

歯や歯茎の異常

また、下の写真のように、乳歯が抜ける前に内側から永久歯が生えはじめている場合は、歯並びに影響することがあるため、歯科医院で診てもらうと良いでしょう。

二枚歯

乳歯が抜ける前に内側から永久歯が生え始めている状態

「歯みがき動画」で歯みがきを楽しく習慣化!

子どもの歯みがき習慣の定着で大切なのが、「歯みがきって楽しいな」「歯みがきすると気持ちいいな」と感じてもらうこと。歯みがき嫌いにしないためにも、歯みがきが楽しくなるような工夫を取り入れてみませんか。
今回ご紹介する、子どもが喜ぶような歌が楽しい動画「親子で歯みがきソング」や、歯科衛生士さんと一緒に歯のみがき方が学べる動画「イ〜ハ〜!」などを活用するのもおすすめですよ。

親子で歯みがきソング|親子でやろう!予防歯科
歯みがきのうた「イ~ハ~」【みがきかた編】
  • 動画は「エチケット歯みがきのポイント」のあとに、楽しい歯みがきのうたが始まります!

歯科医院でのプロケアも大切

子どもの歯をむし歯から守るには、日ごろの歯みがきに加え、「歯科医院」でプロの力を借りるのが有効です。定期的に歯科健診を受けると安心です。歯科医院では、むし歯予防に効果のある「フッ素塗布」や「シーラント」が受けられます。興味がある方はぜひ相談してみてください。

歯にフッ素を塗る「フッ素塗布」

子どもの歯にフッ素を塗ることは、むし歯予防に高い効果を発揮します。年に2~4回を目安に、継続的に「フッ素塗布」してもらうことをおすすめします。ただし、フッ素を塗布すればむし歯にならないわけではありません。あわせて、毎日フッ素入りハミガキを使って歯をみがくことが大切です。

(左)フッ素塗布 (右)フッ素配合ハミガキ

樹脂で溝を埋める「シーラント」

奥歯はかみ合わせ部分に細かい溝が入り混んだ複雑な形状をしているため、歯垢がたまりやすく、ハブラシの毛先が届きにくいことから、最もむし歯になりやすい部分といえます。そこで、樹脂でこの溝を埋めてむし歯を予防するのが「シーラント」です。ただし、フッ素塗布と同様「むし歯にならない」わけではありません。毎日の歯みがきが不可欠です。

<シーラントで奥歯のかみ合わせの溝をふさいだ歯>

画像提供:(公財)ライオン歯科衛生研究所

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

乳歯や永久歯は、いつ頃生えてくるの?

最新の調査によると、乳歯は5ヶ月~9ヶ月頃、永久歯は5歳5ヶ月~7歳0ヶ月頃生えてきます。

2018年に日本小児歯科学会が、30年ぶりに乳歯・永久歯に関する調査を行ったので、その結果を紹介します。

<乳歯>
最初に生える乳歯は男女とも下あごの前歯(中切歯)でした。生える時期は男児では5ヶ月~9ヶ月、女児では6ヶ月~9ヶ月でした。30年前の調査(1988年)と比較して、男女とも乳歯の生える時期が12ヶ月ほど早まっています。

<乳歯の名前と乳歯の生える時期>

<乳歯の名前と乳歯の生える時期>

  • 出典:日本小児歯科学会、小児歯科学雑誌、2019

<永久歯>
最初に生える永久歯は、男女とも下あごの前歯(中切歯)でした。生える時期は男子では56ヶ月~70ヶ月、女子では55ヶ月~67ヶ月でした。30年前の調査では奥歯(第一大臼歯)が最初に生えてくる子が多かったのですが、今回の調査では前歯が最初に生えてくる子の方が多いという結果でした。

<永久歯の名前と乳歯の生える時期>

<永久歯の名前と乳歯の生える時期>

  • 出典:日本小児歯科学会、小児歯科学雑誌、2019

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

乳歯が抜けたらどうするの?

世界各国に「乳歯が抜けた時の習わし」があります。

日本では、上の歯が抜けたら縁の下に、下の歯が抜けたら屋根の上へ放り投げるという習わしがあります。これは、「続いて出てくる永久歯がその方向に真っすぐ生えるように」との願いを込める意味があるようです。

世界各国に「乳歯が抜けた時の習わし」があります。

タイやカンボジア、ベトナムでは、下の歯が抜けたら屋根に向かって投げるのは日本と同じですが、上の歯はベッドの下に投げるそうです。
また、エジプト、オマーン、リビアでは、太陽に向かって投げるのだとか。
それとは対照的に、マレーシアやフィリピンでは土の中に埋めるそうです。

アメリカ、デンマーク、オーストラリアなどでは、抜けた歯は枕の下に置く習わしがあります。すると、寝ている間に歯の妖精がやってきて抜けた歯を持っていき、かわりにお金を置いていってくれるといわれています。
同じ枕の下に置くのでも、フランス、スペイン、コロンビアでは、妖精ではなくネズミがやってくると言い伝えられています。ロシアでは、ネズミの巣穴に落とすと良いとされているそうです。
世界にはさまざまな習わしがあって、とても興味深いですね。

  • 出典:セルビー・ビーラー著、『せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの?』、フレーベル館、2014年

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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