健康長寿を目指すなら知っておきたい!「フレイル」「オーラルフレイル」とは?

健康長寿を目指すなら知っておきたい!「フレイル」「オーラルフレイル」とは?

「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか?「フレイル」とは、加齢により心身の活力が低下した状態で、要介護状態になる手前の段階です。フレイルに陥らないためには、「オーラルフレイル(口の虚弱)」を防ぐことも大切。よく噛んで食べる、むし歯や歯周病のケアに努めることなどを心がけましょう。

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「フレイル」とは

フレイルとは、「虚弱」を意味する英語「frailty」を語源として、2014年に日本老年医学会より提唱された言葉で、加齢により心身の活力(筋力・認知機能・社会とのつながり)が低下した状態をいいます。

多くの人が、健康な状態からフレイルの段階を経て、要介護状態に陥ると考えられています。しかし、フレイルの段階であれば、日常生活の見直しや専門家による適切な介入などにより、フレイルの進行を抑制したり、健康な状態に戻すことも可能です。

「フレイル」とは

  • 参考:平野、飯島ら、オーラルフレイルQ&A、医学情報社、2017年

「フレイル」の認知度はどれくらい?

ライオンが、50代の男女に「フレイル」について聞いたところ、「よく知っていて説明できる」と答えた人は、わずか6%ほどでした。「知っているが説明はできない」「言葉を聞いたことがある程度」と答えた人を加えても、フレイルの認知度は約25%にとどまります※1

  • 1 ライオン調べ、50代男女 396名、2021年

<あなたは「フレイル」という言葉を知っていますか?>

あなたは「フレイル」という言葉を知っていますか? 認知度26%

フレイルは、長生きの時代の高齢期を健やかに生きるための、キーワードの1つ。認知度はまだ高くありませんが、これを機に、フレイルについて知っておくといいかもしれませんね。

フレイルの兆候を調べる「イレブン・チェック」

フレイルの兆候があるかどうかを知る方法として「イレブン・チェック」があります。
これは、健康を維持していくうえで重要な生活習慣について、簡単な11の質問項目で確認するものです。
イレブン・チェックで6項目以上当てはまると、将来フレイルになるリスクが高いとされています※2

  • 2 飯島、東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣、KADOKAWA、2018

このイレブン・チェックを約400名の50代男女に行ってもらったところ、6項目以上当てはまった人、つまり将来フレイルになるリスクが高い人は全体の約46%※3でした。

  • 3 ライオン調べ、50代男女、396名、2021年

<イレブン・チェックで該当が6項目以上の人の割合>

イレブン・チェックで該当が6項目以上の人の割合

性別で見ると、リスクが高い人は、男性が約53女性が約47と、男性の方がやや多い傾向にあるものの、おおむね半々でした。
男女とも「まだまだ自分には関係ない」と思っていても、実はフレイル予備軍かもしれませんね。

オーラルケアに積極的な人は、フレイルのリスクが低い!?

さらに、「歯やお口の健康に良いと思われる生活行動」についてもアンケートを行い、フレイルのリスクが高い人と低い人(イレブン・チェックでの該当項目が6項目以上もしくは6項目未満)とで比較してみました。

すると、「一日2回以上、歯をみがいている」「よく噛んで食べている」「一年に1回以上、歯科を受診している」などすべての調査項目で、フレイルリスクの低い人の方が、歯やお口の健康に良いと思われる生活行動をとっている傾向がみられました4

  • 4 ライオン調べ、50代男女、396名、2021年

<歯やお口の健康に良いと思われる生活行動を行っている人の割合>

歯やお口の健康に良いと思われる生活行動を行っている人の割合

フレイルの予防に関わる3つの要素

歯みがきや歯科の受診など「歯やお口の健康に良いと思われる生活行動」は、フレイルのリスク低下に貢献すると考えられます。その理由をご説明しましょう。
まず、フレイルの予防には、「栄養」「身体活動」「社会参加」3つの要素が関わっています。どれが欠けてもフレイルのリスクは高まるため、包括的に取り組むことが大切です。

<フレイルの予防に関わる3つの要素>

フレイルの予防に関わる3つの要素 栄養 社会参加 身体活動

    参考:平野、飯島ら、オーラルフレイルQ&A、医学情報社、2017年

「オーラルフレイル」とは

フレイルの予防に関わる3要素の中でも、「栄養」は口腔機能が深く関係します。

「オーラルフレイル」とは、噛む、飲み込む、話すといった口腔機能が衰えることを指し、全体的なフレイル進行の前兆とも言われています。滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせといった些細な症状に始まり、見逃されやすく、注意が必要です

歯の喪失や加齢による口周りの筋肉の衰えなどにより口腔機能が低下すると、例えば、食欲低下を招いたり、バランスの良い食事を摂ることが難しくなったりして、低栄養の状態を招きます。栄養状態が悪化すると身体活動にも支障が出てきます。
また、お口の調子が悪いせいで、人と会うのを控えたり、人目を気にしたりと、人とのつながり=社会性が希薄になるケースも見られます。
オーラルフレイルは、下の図のⅠからⅣの段階に進行するほど、全体的なフレイルへの影響度が増していきます。そのため、より早い段階での対策が重要であり、ささいな歯の不調や口腔機能の低下を軽視しないことが大切です。

<オーラルフレイル概念図>

オーラルフレイル概念図

  • QOL:Quality of Life(生活の質)
  • 出典:飯島、大久保、まんがでわかるオーラルフレイル、主婦の友社 一部改変

オーラルフレイルを予防するには?

では、オーラルフレイルを予防するにはどうすればいいのでしょうか?

1.歯ごたえのあるものをよく噛んで食べる

まず心がけたいのは、「噛む力」を低下させないこと。
「昔は簡単に食べられたものが、最近少し食べにくくなった」ということはありませんか?
食べ物を噛む力や飲み込む力は、年を重ねるにつれて弱くなります。しかし、食べにくいからと言ってやわらかいものばかりを食べていると、噛む力が低下して、かたいものがさらに食べにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。

噛める人と噛めない人を比較すると、栄養状態に大きな差が出てきます。そのため、歯ごたえのあるものを意識して食べるなどして、噛む力を低下させないことが大切です。

<お口の機能低下への悪循環>

1.歯ごたえのあるものをよく噛んで食べる

    参考:平野、飯島ら、オーラルフレイルQ&A、医学情報社、2017年

2.むし歯や歯周病のケアを怠らない

いくら歯の本数が多くても、むし歯による痛みを感じていたり、歯周病で歯がグラグラしていては、満足に噛むことができません。口腔機能を維持するためには、加齢による衰えをまだ感じていない、若い頃からのケアが大切です。

毎日のオーラルケアをきちんと行うことに加え、1年に2~3回は歯医者さんで定期健診を受け、必要に応じた処置をしてもらうと良いでしょう。むし歯や歯周病のチェック、日常の歯みがきでは取り切れない歯石の除去といった口腔内清掃、正しい歯みがき方法などの保健指導を受けることが、オーラルフレイルの予防に役立ちます。

2.むし歯や歯周病のケアを怠らない

「フレイル」「オーラルフレイル」について、いかがでしたか。「自分はまだまだ大丈夫」と思っている方も、「ちょっと衰えが気になってきた」という方も、将来の健康のため、歯やお口の健康に良いとされる生活習慣を続けていきたいですね。

  • 「オーラルフレイル」は公益社団法人日本歯科医師会の登録商標です

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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