手足口病・プール熱・ヘルパンギーナ 子どもの三大夏風邪 症状と予防法

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LION ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳はが りか

手足口病・プール熱・ヘルパンギーナ 子どもの三大夏風邪 症状と予防法

子どもたちの間で毎年流行する「三大夏風邪」とはどんな症状?

風邪は冬にひくものというイメージがありますが、暑い時期に流行する夏風邪もあります。今回は、子どもがかかりやすい夏風邪の代表格である「手足口病」「咽頭結膜熱[いんとうけつまくねつ](プール熱)」「ヘルパンギーナ」の症状とホームケア、予防法を病気ごとに紹介します。
幼稚園や保育所は、かかりやすい年齢層の子どもが集まる場所。お子さんが通園している方は、基本的な知識も知っておくと安心です。

<目次>
手足口病について
咽頭結膜熱(プール熱)について
ヘルパンギーナについて

「手足口病」~手・足・口に水疱性の発疹ができる風邪~

5歳以下の子どもに多い、水疱をともなう夏風邪

手足口病は、手足や口の中に水疱性の発疹ができる病気です。夏に多い感染症で、7月下旬に流行のピークを迎えます。多くは5歳以下の乳幼児がかかります。発病しても比較的軽い症状ですみ、数日間で治るケースが多いようです。

原因は、主に「コクサッキーウイルスA16」「エンテロウイルス71型」などに感染すること。ほかにも手足口病を発症するウイルスが複数あるので、「1回かかれば、もうかからない」とは限らず、繰り返しかかる場合もあります。子どもから大人にうつるケースもあります。

□手、足、口の中などに水疱性の発疹ができる
□7月下旬が流行のピーク
□5歳以下の乳幼児がかかりやすい
□繰り返しかかる場合や、大人がかかることもある

【症状】口内の水疱は、潰瘍[かいよう]になるとしみて痛む。熱は出ないことも

潜伏期間は3~5日間。口の中、手のひら、足の裏などに2~3mmの水疱性発疹ができます。ひじやひざ、おしりなどにできることもあります。
水疱は1週間ほどで消えていきます。

手足の水疱は、通常は痛みません。ただ、口内の水疱はつぶれて潰瘍になると、しみて痛みがあります。つばを飲み込むのもつらく、不機嫌になったり食欲が落ちたりします。
発熱は約3分の1にみられますが、38℃以下のことがほとんどで、高熱が続くことは少ないようです。

□手足や口内などに、米粒ほどの水疱ができる。約1週間で消退
□口内の水疱は、潰瘍になるとしみて痛み、食欲が落ちる場合も
□38℃以下の熱が出ることもあるが、高熱が続くことはほとんどない

体調の変化に注意しましょう!

手足口病は、数日間で治る病気ですが、まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などを併発することがあります。経過観察はしっかりと行ってください。
高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が摂れずにおしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。

【治療法】特効薬はなし。数日間で自然に治る

特効薬はなく、特別な治療方法はありません。熱がある場合は解熱剤を使用するなどつらい症状をやわらげる対症療法をしながら、家庭で回復を待ちます。
手足口病は、発病してもほとんどが軽い症状だけで治るので、感染してはいけない特別な病気ではないと言われています。これまでも、ほとんどの人が子供の間にかかって免疫をつけてきた感染症なのです。

【ホームケア】食事は口当たりのよいものを。水分補給をしっかり

食事はなめらかなスープややわらかく煮込んだうどんなど、薄味で、のどごしのよいものを適度に冷まして与えましょう。ヨーグルトやゼリー、プリンなど飲み込みやすく、口当たりのよいものもいいでしょう。柑橘系のジュースなど刺激のあるものは避けてください。
口の中の潰瘍がしみて痛み、飲食できない時は、脱水症を起こしやすいので注意しましょう。食べたがらなければ無理強いせず、麦茶や湯ざましなどで水分をしっかり補給してください。

□食事は薄味のスープやうどんを。刺激物は控える
□ヨーグルトやゼリーなど、口当たりのよいものを
□食欲がない時も、麦茶や湯ざましで水分補給を

【感染経路】せきやくしゃみ、手やおもちゃなどを介してうつる

せきやくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスがついた手やおもちゃなどに触れることによる接触感染、便の中に排泄されたウイルスが手を介して口に入る経口感染でうつります。

【登校・登園の目安】普段の食事が摂れるようになればOK

学校、幼稚園、保育所の登校・登園の目安は、「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事を摂れること」とされています。
手足口病は、一定の登校・登園停止の基準は特に設けられていません。
流行状況によっては、学校や園が緊急的措置をとる場合もあります。また、保育所によっては、保護者が記入する登園届の提出を求める施設もあります。

【予防法】手洗いをしっかり。排泄物には手を触れない

有効なワクチンや予防薬はありません。
治ったあとも、比較的長い時間(2~4週間)、ウイルスが便などから排泄されることがあります。また、感染しても発病しないままウイルスを排泄する場合もあるので、感染症対策として、手洗いをしっかりし、排泄物を適切に処理しましょう。特に、おむつを交換したあとはしっかりと手洗いをしてください。

以下のことに注意して、できるだけ感染を防ぎましょう。

□流水と石けんで手洗いを十分に行う
□タオルの共用はしない
□排泄物に手を触れないよう、適切に処理する
□唾液のついたおもちゃを共同で使うなど、濃厚な接触は避ける

「咽頭結膜熱[いんとうけつまくねつ](プール熱)」~発熱・のどの痛み・結膜炎が主な症状の風邪~

咽頭結膜熱は、6月頃から徐々に流行し始め、7~8月にピークを迎える夏風邪で、発熱、のどの痛み、結膜炎などの症状がみられます。
原因は「アデノウイルス」。プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるので「プール熱」とも呼ばれていますが、プールに入らなくても感染します。最近は、季節を問わずかかるケースもみられ、1年中かかる病気になっています。
かかりやすいのは幼児や小学生で、発症年齢は5歳以下が約6割。とはいえ、アデノウイルスは感染力がとても強く、大人がかかることもあるので注意が必要です。

□発熱、のどの痛み、結膜炎が主な症状
□6月頃から流行し始め、7~8月がピーク
□幼児や小学生がかかりやすい
□原因ウイルスは感染力が強い。大人がかかることもある

【症状】高熱が出て、のどが痛み、結膜炎の症状が出る

主な症状は、発熱、のどの痛み、結膜炎です。潜伏期間は5~7日間。
38~40℃の高熱が出て、5日前後続きます。
同時にのど(咽頭)が腫れて痛み出します。せきが出たり、扁桃炎になることも。のどが痛むため、食欲が落ちることもあります。

さらに、まぶたの裏側と白目の表面を覆っている結膜が炎症を起こして赤くなり、目やにが出るといった症状が3~5日ほど続きます。
頭痛や吐き気、腹痛、下痢、全身の倦怠感などが見られることもあります。

□38~40℃の高熱が5日前後続く
□のどに炎症が起こり、赤く腫れて痛む。食欲が落ちることも
□目の充血、目やにが出るなど、結膜炎の症状が3~5日ほど続く

【治療法】特別な治療法はない。解熱剤や点眼薬が処方されることも

特別な治療法はなく、治療の基本は、つらい症状をやわらげる対症療法になります。熱でつらい場合は解熱剤が、結膜炎の症状には点眼薬が処方されることもあります。
吐き気や頭痛の強い時、せきが激しい時は早めに受診しましょう。

【ホームケア】食事はのどこしのよいものを。水分補給はこまめに

のどが痛む間は食欲が落ちますが、脱水症を起こさないよう、麦茶や湯ざましなど水分はこまめにしっかり与えてください。柑橘系のジュースなどは、のどにしみるので避けましょう。また、冷ましたスープやヨーグルト、ゼリー、プリンなど、のどごしがよいものを食べさせるとよいでしょう。

□食事は薄味で冷ましたものを
 スープやヨーグルト、ゼリーなどを与える
□柑橘系のジュースなど刺激物は控える
□脱水症にならないよう、麦茶や湯ざましで水分補給

【感染経路】せきやウイルスがついたタオルを介して感染。プールでうつることも

咽頭結膜熱は、せきやくしゃみによる飛沫感染、ウイルスがついた手指やタオルなどを介した接触感染、目やにや便の中に排出されたウイルスが口に入る経口感染でうつります。
原因ウイルスで汚染されたプールの水から直接感染することもありましたが、現在は塩素濃度管理の徹底等により、プールの水での感染はほとんどみられなくなっています。

【登校・登園の目安】主な症状がなくなり、2日を経過してから

学校、幼稚園、保育所の登校・登園の目安は、「発熱、のどの腫れや痛み、結膜炎の主症状が消えたあと、2日を経過してから」です。
咽頭結膜熱は、「第二種の感染症」と学校保健安全法で定められています。保育所では、医師が記入した意見書(診断書・登園許可書)の提出を保護者に求める施設があります。

【予防法】感染力が強いので手洗い、うがいを徹底!タオルの共用も避けて

有効なワクチンや予防薬はありません。
流行時には、流水と石けんによる手洗い、うがいを徹底しましょう。
プールからあがったらシャワーを浴び、うがいをしっかり行って、プールの水を十分に洗い流してください。
また、アデノウイルスは感染力がとても強いので、家族にうつらないよう十分な配慮が必要です。子供の目やにをふいたり、おむつを替えたりしたあとは、手洗いを十分に行ってください。また、炎症が治まるまでは、タオルの共用は避けましょう。
食器などの器具の消毒は、煮沸や次亜塩素酸ソーダの使用が効果的です。消毒用エタノールの消毒効果は弱いので注意しましょう。
ウイルスは長時間便に排出されるので、治ったあとも油断せずに感染の予防策を行ってください。

□感染力がとても強いので要注意
□流水と石けんで手洗いを十分に行う
□プールに入ったあとはシャワーとうがいをしっかり行う
□家族間のタオルの共用は避ける
□症状が治まったあとも感染予防策を続ける

「ヘルパンギーナ」~高熱が出て、のどに水疱ができる風邪~

ヘルパンギーナは、急な発熱とのどの痛みから始まる夏風邪で、のどの奥の粘膜に小さな水疱ができるのが特徴です。39℃前後の高熱が出ますが2~4日間で下がり、やや遅れて水疱も消えます。
春から夏にかけて流行し、流行のピークは7月。5歳未満の乳幼児に多く見られます。
原因は、主に「コクサッキーウイルスA群」です。「コクサッキーウイルスB群」や「エコーウイルス」などが関係することもあります。数種類のウイルスがあるため、繰り返しかかることがあります。

□急な発熱とのどの痛みから始まる
□のどの奥の粘膜に小さな水疱ができる
□春から夏にかけて流行。ピークは7月
□5歳未満の乳幼児に多い夏風邪
□繰り返しかかることもある

【症状】急に高熱が出て1~3日続き、のどの奥に小さな水疱ができて痛む

潜伏期間は2~4日間。39℃前後の急な高熱が出ると同時に、のどの奥の粘膜に小さな水疱がたくさんできます。水疱がつぶれて潰瘍になるとしみて痛み、痛みで不機嫌になったり食欲が落ちたりします。脱水症にならないよう、水分はしっかり摂らせましょう。
熱は2~4日ほどで落ち着きます。少し遅れて水疱も消失します。

□39℃前後の急な高熱が出る
□のどの奥の粘膜に水疱ができる。痛みで飲食をイヤがることも
□熱は2~4日ほどで下がる。少し遅れて水疱も消失

体調の変化に注意しましょう!

ヘルパンギーナは、通常1週間以内で治りますが、まれに髄膜炎や心筋炎などを併発することがあります。経過観察はしっかりと行ってください。
発熱以外に、頭痛、嘔吐、ぐったりしているなど様子がおかしい場合は、すぐに病院にかかりましょう。

【治療法】特効薬はない。解熱剤の使用は子どもの様子を見て判断を

ヘルパンギーナの特効薬はなく、通常は対症療法のみです。
解熱剤が処方される場合もあります。

【ホームケア】食事は飲み込みやすいものを。水分はこまめに与えて

発熱やのどの痛みで食欲が落ちるので、水分補給はしっかりしましょう。湯ざましや麦茶を少量ずつでもこまめに飲ませましょう。水分が摂れない時は、脱水症を起こす心配があるので受診しましょう。
食事は、スープやヨーグルト、ゼリー、プリンなど、飲み込みやすいものを与えましょう。熱すぎるものや柑橘系のジュースなど酸味のあるものは、のどにしみて痛むので控えましょう。

□食事は薄味で飲み込みやすいものを与える
 スープやヨーグルト、ゼリーなどが食べやすい
□柑橘系のジュースなど酸味のあるものは控える
□脱水症にならないよう、麦茶や湯ざましなどで水分補給

【感染経路】せきや便を介して感染。かかり始めは特に感染力が強い

ヘルパンギーナは、せきやくしゃみによる飛沫感染、ウイルスがついたタオルや手などを介した接触感染、便の中に排出されたウイルスが口に入る経口感染でうつります。かかり始めにウイルスが多く排泄され、感染力も強力です。

【登校・登園の目安】普段の食事が摂れるようになればOK

学校、幼稚園、保育所の登校・登園の目安は、「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事を摂れること」とされています。
ヘルパンギーナは、一定の登校・登園停止の基準は特に設けられていません。
流行状況によっては、学校や園が緊急的措置をとる場合もあります。また、保育所によっては、保護者に登園届の提出を求める施設もあります。

【予防法】きちんと手を洗い、タオルは共用しない

有効なワクチンや予防薬はありません。
以下のことに注意して、できるだけ感染を防ぎましょう。

□手洗いやうがいを十分に行う
□排便後のおむつ交換後は手洗いを念入りに

ウイルスは長期間(数週~数ヶ月間)便に排出されるので、治ったあとも感染の予防策を続けてください。

今回ご紹介した3つの風邪ともワクチンや有効な予防薬のないものなので、予防するには手洗い、うがいが欠かせません。かかってしまったあとの家庭内感染を防ぐのも同様です。食事の前や帰宅後はもちろんのこと、排便後やおむつ交換後には手洗いをしっかり行って、元気に夏を過ごしましょう!

参考文献・サイト
 ・厚生労働省ホームページ 感染症情報
 ・国立感染症研究所ホームページ
 ・文部科学省「学校において予防すべき感染症の解説」
 ・厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
 ・「0~6才赤ちゃんと子どもの病気とホームケア」(学研)
 ・「はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア」(主婦の友社)

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