毎日の清潔・衛生対策を生活シーン別にご紹介【26の対策をチェック!】
生活の様々なシーンにおいて、感染症を予防して健康でいるためには、どんなことに気をつければいいの?と悩むことも多いですよね。そこで、手洗い・手指の消毒などの基本的な衛生対策に加え、洗濯や掃除、外出時、帰宅時など一日の生活のシーン別に、様々な対策を紹介します。
<INDEX>
【感染症の基礎】
◇感染症と感染経路について正しく知ろう
∟感染していても発症するとは限らない
∟主な感染経路は?
∟感染を防ぐには「感染経路を遮断すること」
【生活シーン別・衛生対策】
1.手の正しい洗い方 2.手洗いのタイミング 3.手荒れを防ぐ手洗いの方法 4.手をふくタオルの交換頻度 5.手指の消毒 6.うがいの効果的な方法 |
◇朝の支度
1. 歯みがきの工夫 2.家庭ゴミの出し方のコツ |
1. 食中毒を出さないための3原則 |
◇お洗濯
1. 衣類のお洗濯-ウイルス除去したい時 2. 布マスクのお洗濯 3. お洗濯できない衣類・布製品のウイルス除去 |
◇お掃除
1. 家の中でよく触るところの確認 2. ふき掃除-ウイルス除去したい時 |
1.つり革などの共用部分を触った時の対処法 2.人混みで咳やくしゃみが出そうになった時の対処法 3.なぜマスクをつける必要があるの? 【豆知識】マスクで口臭が気になる方は |
1.オフィスでの対策 2.昼食後の歯みがきで注意すること |
1.手をふく時の効果的な方法 2.会食の時の注意点 |
1.玄関でしたい手指の消毒 2.コートやジャケットなどの上着のウイルス除去 3.カバンの中のハンドタオルの交換 |
1.おやすみ前にお口のケアをする意味は? 2.家の中の効果的な換気方法 |
【感染症の基礎】
感染症と感染経路について正しく知ろう
感染症が流行している時には、「自分もいつどこで感染するかわからない…」と不安になりますよね。必要以上に怖がらず、ストレスを抱えないためにも、「感染症とは何か」「どうすれば予防できるか」を正しく知っておきましょう。
感染症とは?感染していても発症するとは限らない
病原体が体に侵入、定着、増殖した状態を「感染」といい、それにより病的な症状となったものを「感染症」といいます。また、侵入してから発症する前の期間を「潜伏期間」といいます。
感染が成立していても、症状が出ないケースもあります。
主な感染経路は?
感染を防ぐためには、病原体が体に入ってくる「感染経路」を知っておくことが大切です。
(1)接触感染
●感染の仕方
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で直接手をつないだりするほか、その手で触った物などを他の人が触ることで手にウイルスや菌が付着します。そのウイルスの付いた手で目や鼻や口に触れることにより粘膜から感染します。
●病原体の例
細菌:黄色ブドウ球菌、肺炎球菌など
ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス、新型コロナウイルスなど
(2)飛沫感染
●感染の仕方
感染者の咳やくしゃみ、会話中の唾液などで飛び散った水滴(飛沫)と一緒に病原体が出て、それを近くにいる人が吸い込むことにより感染します。
●病原体の例
細菌:溶連菌、百日咳菌など
ウイルス:インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、新型コロナウイルスなど
(3)空気感染
●感染の仕方
飛沫が乾燥してより軽くなり、空気中に漂っている病原体を吸い込むことにより感染します。乾燥しても感染力を維持できる病原体が該当します。
●病原体の例
細菌:結核菌など
ウイルス:はしかウイルス、水ぼうそうウイルスなど
(4)経口感染
●感染の仕方
病原体を含む食べ物や水を口にして、口から病原体が侵入することにより感染します。
●病原体の例
細菌:サルモネラ菌、カンピロバクター、赤痢菌、コレラ菌など
ウイルス:ノロウイルス、ポリオウイルスなど
そのほか、血液感染(B型肝炎、HIVなど)や、蚊やノミ、ダニなどの媒介により侵入する媒介性感染(日本脳炎、ペスト、マダニ媒介性症熱性血小板減少症候群など)もあります。
感染を防ぐには「感染経路を遮断すること」が基本
感染を予防するためには、病原体の感染経路を知った上で、その経路を遮断する対策を行うことが基本です。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
●感染源を断つ、減らす
殺菌、消毒、加熱、媒介生物駆除、換気など
●感染源への接触機会を減らす
マスクをする、ゴム手袋をする、人混みを避けるなど
●感染源と接触しても、量を減らす
手洗い、うがいなど
また、病原体に対する免疫を獲得することにより感染症を予防する方法として、ワクチンがあります。
●ワクチン
ワクチンがある病気に関して接種を受ける
【生活シーン別・衛生対策】
手洗い・手指の消毒・うがい
1. 手の正しい洗い方
ハンドソープをしっかり泡立て、手のすみずみまで洗う!
感染を予防するための手洗いの重要ポイントは、「洗い残しがない」こと。石けんやハンドソープを泡立てて、泡が細部に行き渡るように洗います。
ものに触れる機会が多い「指先」、見落としがちな「指の間」、「手首」までしっかり泡で洗うことが大切。泡立てることが上手にできない小さな子どもには、泡で出てくるハンドソープがおすすめです。
手洗いの基本をおさらい
1.流水で汚れを落とす
手洗いの前に、洗い残しの原因となる指輪や時計などを外します。
流水で手についた汚れをざっと落としたあと、石けんやハンドソープを手に取り、手のひらでよく泡立てます。
2.手のひらと甲、指の間を洗う
手のひら、手の甲をしっかりこすり、指の間は手を組むようにして洗います。
親指は、反対の手で持って、ねじるようにして洗います。
3.指先と爪を洗う
指先、爪の間は手のひらの上で指先をこするように洗います。爪ブラシを使うとより効果的。
4.最後に手首を洗う
手首を反対の手でねじるようにして洗ったら、最後に流水で石けんと汚れを十分に洗い流します。
洗い終わったら、乾いた清潔なタオルでふきましょう。
2. 手洗いのタイミング
適切なタイミングで手を洗う
感染が不安で、1日中手を洗って手洗いの回数が多過ぎると、手荒れを起こしやすくなります。あまり神経質に洗い過ぎないように。
ここだけは外さない!手洗いのタイミング
●外出先から帰った時
●咳やくしゃみをしたあと、鼻をかんだあと
●食事やおやつの前後
●調理の前後
●病気の人のケアをした時
●外にある遊具などに触った時
●トイレに行ったあと
●動物に触れたあと
3. 手荒れを防ぐ手洗いの方法
手のうるおいを守る洗い方で手を洗う
新型コロナウイルス感染症の流行で、手を洗う回数が増え、「手荒れ」が気になる方も多いようです。
手を洗い過ぎると、人が本来持っている「菌やウイルスから身体を守るバリア機能」を低下させてしまいます。手荒れが気になる方は、手のうるおいを守る洗い方にする、適切なタイミングで洗うなど、普段の手洗い習慣を見直してみてください。
手荒れを防ぐための手の洗い方
①水の温度に気を付ける(基本は水で、寒い時期はぬるま湯で)
②保湿成分が配合されたハンドソープを使用する
③石けんやハンドソープの泡が残らないようにしっかり洗い流す
④手洗い後はタオルをやさしく押し当て、しっかり水をふき取る
4. 手をふくタオルの交換頻度
1日1回を目安に取り替える
洗面所やトイレのタオルは、毎日交換しているでしょうか。
手を洗ったあとにふいた回数や部屋の温度・湿度などにもよりますが、湿ったまま長時間放置すると細菌が増殖し、乾いたあとでも細菌が残っている可能性があります。
このようなタオルで手をふくと、せっかくキレイに洗った手に、汚れ・細菌をこすりつけてしまうことに。
タオルは一見汚れていないようでも、1日に1回を目安に「こまめに取り替える」習慣をつけましょう。
5. 手指の消毒
手のすみずみまですり込む
水を使わずにワンプッシュで使える「手指消毒剤」を活用すれば、いつでもサッと手を清潔にすることができます。
皆さんは、手指消毒剤の上手な使い方をマスターしていますか?手のひらに取ってこすり合わせるだけですませていませんか?正しい消毒の手順を身につけて、手指を清潔に保つ習慣を身につけましょう。
手指消毒剤の上手な使い方
- 子どもが使う場合は、保護者の指導監督のもとにお使いください。
最後に、手指消毒剤が乾燥するまですり込みましょう。
6. うがいの効果的な方法
まずはブクブク、次にのどの奥までガラガラ
のどは、空気や食べ物の通り道であると同時に、細菌やウイルスの侵入経路です。
風邪の季節の前に、効果的なうがいの方法を覚えましょう。
市販のうがい薬を使ってうがいをすると、のどの殺菌・消毒効果が期待できます。
うがい薬を使う時は、用法・用量を守って使いましょう。
「口の中→のど」の順に!うがいのコツ
1.うがい液を作る
うがい薬を使用する場合は、説明書に記載されている用法・用量に従い、コップに適量のうがい薬と水を加えてうがい液を作ります。うがい液の濃さは、うがい薬に記載されている通りにしましょう。
2.ブクブクうがいで口をキレイに
1回目のうがいは、口の中の食べ物の残りカスなどを取り除くために行います。口にうがい液を含んで、強めに「ブクブク」とゆすいで吐き出して。吐き出す時は、周りに飛び散らないように、低い位置から吐き出しましょう。
3.「のどの奥」までガラガラうがい
次に、口にうがい液を含んで上を向き、のどの奥までうがい液がまわるように、15秒程度「ガラガラ」とうがいをして吐き出します。同じことをもう一度繰り返します。ブクブクうがいと同様、吐き出す時は周りに飛び散らないように気を付けて。うがい後は、シンク内に水をかけて軽く洗い流すと良いでしょう。
朝の支度
1. 歯みがきの工夫
ハブラシやハミガキの「接触を防いで」清潔をキープ
家族内での感染対策としては、お互いのハブラシを間違えて使ったり、接触したりしないように気を付けることもポイント。
家族で共通のハミガキを使う場合には、チューブの口元にほかの人のハブラシが触れたことが気になるかもしれません。
そんな場合には、以下のような工夫をしてみてください。
ハミガキを清潔に使う工夫
●チューブの口元をハブラシに付けない!
コマーシャルなどで、ハミガキを絞り出すシーンがありますよね。それと同じように、ハミガキの口元がハブラシに付かないように絞り出し、少し押し付けてやさしく持ち上げると、スッとキレイに切ることができます。
逆に、ハブラシに乗せた後、毛先から下方向に向けて、軽く引っ張りながら切る方法もあります。
●家族それぞれで専用のハミガキを使う
または、家族がそれぞれにマイハミガキを使えば、接触を気にせずに歯みがきができます。
就寝中は昼間に比べて唾液が減少し、細菌が増殖しやすいため、起床後はお口の中の細菌が多い時間帯。朝の歯みがきはきちんとしたいものですね。
2. 家庭ゴミの出し方のコツ
ゴミは減らしてコンパクトにし、しっかりしばる
ゴミを朝まとめて、ゴミ出しをする家庭も多いと思います。
感染症の流行時には、ゴミを捨てる側も、収集する側にとっても、スムーズに安全に処理できるように、いつも以上にゴミの捨て方に配慮が必要です。
環境省から、家庭ゴミの出し方が紹介されているので、参考にしてください。
ゴミ出しのポイント
●ごみ袋はしっかりしばって封をする
●ごみ袋の空気は抜く
●生ごみは水切りをする
●普段からごみの減量を心がける
●自治体の分別・収集のルールを確認する
家での食事
1. 食中毒を出さないための3原則
食中毒も感染症の1つ。「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則を守る
気温と湿度の高くなる梅雨入りの頃から、残暑の厳しい9月頃までは、食中毒のリスクが高くなります。
食中毒を防ぐには、原因となる細菌やウイルスを「体内へ侵入させない」ための対策が肝心です。家庭での調理の時に、気を付けたいポイントは3つ。ここで確認しましょう。
これだけは守る!基本原則
●手の細菌を食べ物に「つけない」→対策は手洗い!
調理に取りかかる前には、石けんやハンドソープを使ってしっかり手洗いを。
生の肉や魚の調理に使ったまな板や包丁、ボウル、菜箸なども、ほかの食品に細菌を移さないように、調理のたびにキレイに洗いましょう。
また、見落としがちなのが「調理中の手洗い」です。生肉や生魚を扱った時だけでなく、野菜を触ったあとにも、石けんやハンドソープをしっかり泡立てて洗うのがおすすめです。
●食べ物についた細菌を「増やさない」→冷蔵・冷凍で保存
購入した食品は賞味期限・消費期限内に食べるようにし、生鮮食品を買ったら鮮度を保つためすぐに密封して冷蔵・冷凍保存するのがおすすめです。
●食べ物や調理器具についた細菌を「やっつける」→加熱調理する
ほとんどの細菌やウイルスは熱に弱く、食品に付いていても加熱すれば死んでしまいます。肉や魚に限らず、鮮度が不安なら野菜も火を通すほうが安心です。
目安は、食品の「中心温度が75℃以上で、1分以上」加熱することです。
ただし、加熱調理で完全に死滅しない細菌もいますし、死滅しても毒素が残る場合もありますので、加熱調理だけを過信せず、調理後の食品は早めに食べるか、保存する場合は冷蔵・冷凍保存するよう心がけましょう。
お洗濯
1. 衣類のお洗濯-ウイルス除去したい時
ウイルス除去効果のある洗剤や漂白剤を使う
外出して人混みの中に行ったり、多くの人と接したりした時には、衣類にウイルスが付いたかも…と気になることがありますよね。
そんな時には、ウイルス除去効果のある洗剤や衣料用漂白剤を使ってお洗濯するのがおすすめです。
なお、商品によって、使い方は異なります。商品の使用方法をよく読んで使用してください。
漂白剤を使用する場合は、洗濯表示を確認
衣料用漂白剤を使う時には、衣類の洗濯表示を見て、使用できるか確認しましょう。
酸素系漂白剤 | 使用できる※ | 使用できる※ | 使用できない |
---|---|---|---|
塩素系漂白剤 | 使用できる | 使用できない | 使用できない |
- 「酸素系漂白剤」が使用できる場合でも、粉末の酸素系漂白剤は、水に溶けると弱アルカリ性になるため、毛や絹、中性洗剤で洗う表示がある場合には、使用することができません。
2. 布マスクのお洗濯
布マスクは1日1回お洗濯する
布マスクは、洗って繰り返し使えるのがメリット。清潔に使い続けるために、1日1回、着用したらお洗濯をしましょう。また、繊維を傷めないために、手洗いすることをおすすめします。
<家庭で洗えるマスク>
●綿素材のガーゼ生地など、布製の家庭用マスク
●パッケージに「家庭で洗える」と表示されているもの
布マスクのお洗濯方法
ここでは、布マスクの基本的なお洗濯方法をご紹介します。
なお、布マスクを手洗いする前後は、布マスクへの汚れや菌・ウイルスの付着を防ぐために、ハンドソープを使用してしっかり手を洗いましょう。
1.洗面器に水と衣料用洗剤を入れる
水2ℓに対し、衣料用洗剤(高濃度液体洗剤)なら0.7g(小さいスプーン半分程度)、レギュラータイプ液体洗剤なら1.7g(小さいスプーン1杯程度)、おしゃれ着用洗剤なら5ml(製品のキャップでの計量がおすすめ)です。
2.マスクを浸し、10分経ったらやさしく押し洗い
マスクを洗剤液に浸したら、10分間放置する。その後、手で10回ほど押し洗いします。
3.十分にすすぐ
マスクを洗剤液から取り出し、水気を切ります。洗面器の洗剤液は、菌・ウイルスが混ざっている可能性があるので、ゆっくり静かに流します。再び、洗面器に水道水をため、マスクを水の中で振りながら、十分すすぎます。
4.タオルドライをした後、形を整えて陰干しする
すすぎ終わったら、マスクの水気を取り、清潔なタオルを使いタオルドライをします。その後、マスクの形を整えて、陰干しします。
- 洗剤は、商品によって、使用量が異なる場合があります。「使用量の目安」をよく読んで使用してください。
洗濯機で洗う場合には、洗濯ネットに入れて洗ってください。マスクの大きさに近い小さなネットで洗うと型くずれがより抑えられます。
また、外で長時間着用したり、人混みに入ってウイルスの付着が気になる場合には、ウイルス除去効果のある洗剤や漂白剤を使うことをおすすめします。
商品によって、使い方は異なります。商品の使用方法をよく読んで使用してください。
3. お洗濯できない衣類・布製品のウイルス除去
ウイルス除去効果のあるスプレーを吹きかける
コートやジャケットなどの上着や制服、寝具やカーペット、ぬいぐるみなど、お洗濯できない衣類・布製品のウイルスが気になる場合には、衣類・布製品用のウイルス除去効果のあるスプレーを使用しましょう。
衣類・布製品にスプレーする方法
衣類・布製品から約20cm離し、しっとり湿る程度にしっかりスプレーを吹きかけ、よく乾かします。再び着用・使用する場合は、完全に乾いてから着用しましょう。
なお、使う前にシミや色落ちが発生しないか目立たない部分で確認してから使います。
商品によって、使い方が異なる場合があります。商品の使用方法をよく読んで使用してください。
お掃除
1. 家の中でよく触るところの確認
ドアノブやスイッチなどは要注意!
家の中でも、ドアノブやスイッチなど、みんなが共通でよく触るところは、接触感染のリスクがあります。
こういったところを触ったあとは、手洗いや手指の消毒をしましょう。また、こまめにふき掃除することも大切です。
よく触ると思われるところの一例を下記のイラストで示したので、参考にしてください。
2. ふき掃除-ウイルス除去したい時
ウイルス除去効果のあるスプレーでふく
家は家族がくつろぐ場所だからこそ、いつも清潔に過ごせるようにしたいですよね。
ドアノブや蛇口など、みんなが共通でよく触るところを中心に、こまめにふき掃除をします。
市販されている、ウイルス除去効果のあるスプレーやシートを活用すると便利です。
ウイルス除去効果のあるスプレーでふき掃除する方法
ウイルス除去したい場所に直接スプレーして、所定時間置いてから、清潔な布やペーパーなどでふき取ります。
商品によって使い方や注意点が異なるので、商品の使用方法をよく読んで使用してください。
- スマホ本体や電気製品・部品は故障の恐れがあるので、直接スプレーを吹きかけないでください。このような物や場所には、ウイルス除去効果のあるシートを活用すると便利です。
なお、厚生労働省から紹介されている、アルコール、塩素系漂白剤、洗剤(界面活性剤)、次亜塩素酸水を用いてウイルス除去をする方法は、下記をご参照ください。
詳しい情報はこちら
外出した時
1. つり革などの共用部分を触った時の対処法
共用部分に触ったあとは手洗い・手指の消毒をする
電車やバスのつり革や手すり、エスカレータの手すり、エレベーターのボタンなど、外出先では触るのが気になる部分がたくさんありますよね。
ウイルスや菌が付着したものに手で触ると、手にウイルスなどがつきます。でも、多くのウイルスは、触った途端に感染するわけではありません。その手で顔を触ったり、食べ物を食べたりすることで、口や鼻、目などの粘膜からウイルスが侵入して感染します。
外出先で共用物に触った時は、まずはその手で口や鼻、目などに触らないように心がけましょう。そして、こまめに手洗いや手指の消毒をすることも忘れずに。
2. 人混みで咳やくしゃみが出そうになった時の対処法
口や鼻をカバーする「咳エチケット」を身につけて
咳やくしゃみは、気を付けていても、とっさに出てしまうもの。
そんな時は、飛沫が飛ばないように、マスクやティッシュ、上着の内側や袖で、口や鼻をカバーする「咳エチケット」を行いましょう。
咳エチケットのポイント
●マスクをする
マスクは鼻と口を覆うように着けます。隙間があると、そこから病原体が飛び散るので、顔にぴったり密着させます。
感染していない人がマスクをするよりも、感染した人がマスクをする方が、感染を抑える効果がより高いといわれています。
●とっさの時は「肘ブロック」
マスクをしていない時に咳・くしゃみが出そうになったとっさの時は、手ではなく、袖や上着の内側で覆い、しぶきが飛び散るのを防ぎます。これを「肘ブロック」といいます。
もし手で覆ってしまった場合は、付着した病原体がほかに広がらないように、すぐに手を洗いましょう。
●ティッシュペーパーなどで口と鼻をカバー
咳・くしゃみをする時はほかの人から顔をそむけ、ティッシュペーパーなどで口と鼻を覆い、鼻水や唾液などのしぶきが飛び散らないようにします。
使用したティッシュペーパーには病原体が付着している可能性があるので、すぐにゴミ箱へ。
●手を洗う
咳やくしゃみをしたあとは、手洗いや手指の消毒をしましょう。
3. なぜマスクをつける必要があるの?
飛沫を防いで、自分やまわりの人を守るため
出かける時、ついマスクをするのを忘れてしまったり、外出中に息苦しくて取りたくなったりすることもありますよね。
「マスクは着ける必要があるの?」と思った時には、マスクをつける意味について、もう一度確認しましょう。
感染している人が咳やくしゃみをすると、ウイルスなどの病原体は唾液などで飛び散った水滴(飛沫)とともに3~5mも飛び散るといわれています。これをほかの人が吸い込んでしまうのが、飛沫感染です。
マスクをすることは、
●鼻や口のまわりに飛沫を直接受けない
●飛沫を吸い込むリスクが減る
●自分の飛沫が飛ぶのを抑える
など、感染「しない」「させない」、どちらの感染予防にもつながります。
マスクを外している時に咳やくしゃみが出るときは、「咳エチケット」を行いましょう。
また、感染者の飛沫はテーブルなどの家具や電車の手すり、つり革などに付着する場合があります。それを触った手で目、鼻、口を触ると、粘膜から病原体が侵入して接触感染するリスクがあります。
マスクには、鼻や口のまわりを無意識に触る機会が減るなど、接触感染のリスクとなる行動を減らすことも期待されます。
人は無意識に、1時間に平均23回も顔を触っているそうです。マスクをすると、わざわざずらさないと口や鼻を触れませんね。
【豆知識】マスクをしていると気になる口臭の予防
マスクをしていると、自分の口臭が気になることがありますよね。口臭の主な原因は、お口の中の細菌が出す悪臭物質。
歯垢(しこう)や舌苔(ぜったい)、唾液の中には多くの細菌がいます。歯みがきや舌みがきで、歯垢や舌苔を取り除きましょう。また、マウスウォッシュやマウススプレーで、手軽に口臭を予防するのもおすすめです。
①歯と舌のお手入れ方法
●歯垢のみがき残しをなくす
歯垢のみがき残しが多い部位(図の赤い部分)を意識して、ハブラシの毛先をきちんと当てて、小刻みに動かしてみがきます。
動画で、ハブラシを小刻みに動かす様子を確認できます。
動画で確認!ハブラシの動かし方
●舌ブラシで舌苔を取り除く
舌苔の除去には、デリケートな舌を傷めにくい、専用の舌ブラシを使うのがおすすめです。舌清掃のし過ぎは良くないので、1日1回程度、奥から手前にかき出すように行います。
②手軽に口臭予防ケア
●マウスウォッシュで口をすすぐ
素早くお口に広がり、手軽に使える口臭予防のマウスウォッシュもおすすめです。食後やお出かけ前などに、適量を口に含み、クチュクチュすすぐだけでOK。
●マウススプレーをシュッ!
外出時や、ケアをしづらいタイミングでは、口臭原因菌をしっかり殺菌して口臭を防ぐ医薬部外品のマウススプレー(口中清涼剤)の使用も良いですね。
オフィスで
1. オフィスでの対策
こまめに手洗いと手指の消毒、ふき掃除を行う
オフィスでは、エレベーターのボタンやドアノブ、コピー機など多くの人が同じものを触るので、接触感染の機会が多くて心配ですよね。
まず、みんなが触る場所を確認してみてください。
こうした共用のものを触ったら、こまめに手洗いや手指の消毒を行いましょう。
また、市販されているウイルス除去効果のあるスプレーやシートを準備しておき、共用のものをこまめにふき掃除することをおすすめします。
ウイルス除去効果のあるスプレーでふき掃除する方法
ウイルス除去したい場所に直接スプレーして、所定時間置いてから、清潔な布やペーパーなどでふき取ります。
商品によって使い方や注意点が異なるので、商品の使用方法をよく読んで使用してください。
- 電気製品・部品は故障の恐れがあるので、直接スプレーを吹きかけないでください。このような物や場所には、ウイルス除去効果のあるシートを活用すると便利です。
また、感染症流行時に、マスクをすることもあると思いますが、食事、歯みがき、喫煙などでマスクを外す場面では、
●極力会話を避ける
●ソーシャルディスタンスを取る
●混雑時は時間をずらす
●換気をする
●テーブルなどまわりのものをウイルス除去効果のあるスプレーやシートでふく
などを行いましょう。
厚生労働省や東京都保健医療局から、オフィスで新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリストやインフルエンザの予防のポイントなどを記載したリーフレットが発行されています。感染症流行時の参考にしましょう。
詳しい情報はこちら
2. 昼食後の歯みがきで注意すること
飛沫を飛ばさない、洗面台を汚さないように配慮しましょう
昼食後などに、オフィスや学校で歯をみがくこと自体は良いことです。複数の人が使う洗面所で歯みがきをするときは、飛沫を飛ばさないなど、周囲の環境に配慮しながら、お口の衛生と健康を守りましょう。
歯みがきをする時の配慮
1.人の密集を避ける
●時間差などで工夫して、できるだけ1人で。無理な場合は距離をとって行う
●洗面所の換気をする
●おしゃべりは我慢して!
2.洗面台を汚さない
●歯みがき中は飛沫を飛ばさないよう口をできるだけ閉じて
●歯みがき後のすすぎは、低い位置からそっと吐き出す
●すすぎ後は、シンク内に水をかけ軽く洗い流す
●口まわりを触った手で、周囲の物を極力触らない
日本歯科医師会や日本学校歯科医会では、すすぎの水を一度コップに吐き出してから洗面台に流す方法も紹介しています。
3.歯みがき後は水栓をキレイに
●最後に水栓を閉じる前に、もう一度手洗いをする
●手指消毒剤で手を消毒する
「水栓を汚さない」のも次の人への配慮ですね。
使い終わったら水栓を水で流す、アルコール消毒する、洗剤を用いて洗うなども良いでしょう。
外での食事
1. 手をふく時の効果的な方法
「指の腹から爪の生え際」を意識して、指先をぬぐう
お手ふきシートを使っても、手のひらや手の甲しかふけていない人も多いのではないでしょうか。手の汚れを上手にふき取るためには、ちょっとしたコツがあります。
お手ふきシートの使い方のポイントをおさらいしましょう。
お手ふきシートで汚れを上手にふき取る方法
1.まず、手のひらをしっかりふく
2.シートを裏返して、手の甲をふく
3.親指のつけ根から指先にかけて汚れをふく
4.人差し指から小指も、指先にかけてていねいにふく
手の中でもっとも汚れがつきやすいのは、ものによく触れる指先です。仕上げに指の腹から爪の生え際を意識して、指先をぬぐうことで、手指全体がくまなく清潔になります。
2. 飲食の場での注意点
感染予防を心がける
誰かと一緒に食事をする際は、大きな声になりがちです。大人数、長時間だと感染リスクが高まります。改めて感染予防を心がけましょう。
帰宅した時
1. 玄関でしたい手指の消毒
「ただいま」のあとに、手指消毒剤でサッと手を清潔に!
帰宅したあと、洗面所までたどり着く前に「リビングや洗面所のドアノブを触る」「照明スイッチを触る」「エアコンやテレビのリモコンに触る」などしていませんか?
手はバイ菌の運び屋です。まずは、玄関で手指を消毒することをおすすめします。
玄関に手指消毒剤を置いて、家に入ったら最初に使用する習慣を!
2. コートやジャケットなどの上着のウイルス除去
ウイルス除去効果のあるスプレーを吹きかける
外出時に着ていた上着についたウイルスが気になる場合には、玄関先で脱いだコートやジャケットに、衣類・布製品用のウイルス除去効果のあるスプレーを、その場で吹きかけます。ただし、着用したままでスプレーしないようにしてください。
上着にスプレーする方法
上着から約20cm離し、しっとり湿る程度にしっかりスプレーを吹きかけ、ハンガーなどにかけてよく乾かします。再び着用する場合は、完全に乾いてからにしましょう。なお、使う前にシミや色落ちが発生しないか目立たない部分で確認してから使います。
商品によって、使い方が異なる場合があります。商品の使用方法をよく読んで使用してください。
なお、人混みの多い場所から帰宅したあとは、できるだけすぐに着替えて、シャワーを浴びることをおすすめします。
3. カバンの中のハンドタオルの交換
1日使ったハンドタオルは取り替える
外出先での手洗いに必須のハンドタオル。でも、前日に使ったハンドタオルを替えるのを忘れて、「翌日も同じものを使ってしまう」なんていうことはありませんか?
手を洗ってふいたハンドタオルには、汗や皮脂、たんぱく質、菌がついています。
そして、温度・湿度・栄養(汚れ等)の3つの条件がそろうと菌は一気に増殖します。つまり、カバンの中で湿ったハンドタオルをひと晩放置すると、菌が増えている可能性が!
1日使ったハンドタオルは、その日のうちにカバンから出して、洗うようにしましょう。
帰宅後~寝るまで
1. おやすみ前にお口のケアをする意味は?
寝る前の歯みがきや歯間清掃で、歯垢をきちんと落とす
お口の中の唾液の分泌量は、就寝中は昼間に比べて減少することを知っていますか?
唾液が減少することで、口の中を洗い流す「自浄作用」が少なくなるため、就寝中は細菌が増殖しやすくなっています。
夕食後には、ていねいな歯みがきや歯間清掃で、細菌を含む歯垢をきちんと落とすことが大切。就寝前には殺菌剤入りのマウスウォッシュ、デンタルリンスを使用するのもおすすめです。
2. 家の中の効果的な換気方法
換気システムを常時オンにし、窓の開け方を工夫する
家の中が密閉空間にならないように、こまめな換気を心がけたいですね。
室内を換気する方法
●24時間換気システムを利用する
2003年7月以降に建てられた住宅には、24時間換気システムが設置されています。換気が有効に機能するように、下記の点を確認してください。
・スイッチは切らない(常時オン)
・定期的にフィルターの掃除をする
・給気口が閉じられていないか、家具などでふさがれていないか確認する
●窓を開ける
風の流れができるよう、なるべく部屋の対角に位置する2か所の窓を開けます。
1回に数分間程度、全開し、換気回数は1時間に2回以上できると効果的。
窓が1つしかない場合には、入り口のドアを開ける、扇風機や換気扇を併用するなど、工夫することで換気の効果が上がります。
夏場の換気のコツ
熱中症防止のため、28℃を目安にエアコンを運転しながら、換気をします。一般的なエアコンは空気を循環させるだけで、換気は行っていないため、以下のような工夫をしましょう。
●エアコン使用中も窓を開けたり、換気扇をつけたりして、換気をします
●換気をしている時にエアコンを止める必要はありません
●換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう
冬場の換気のコツ
18℃を目安に、室温が下がらないように上手に換気をしましょう。
●24時間換気システムや台所・洗面所の換気扇を活用することで、窓を開けなくても、最小限の換気ができます
●室内温度が下がりすぎないよう、暖房器具を使用しながら、窓を開けて換気をします
●暖房器具の近くの窓を開けることで、入ってくる冷気を暖め、室温の低下を防ぎましょう(カーテンなどの燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に留意してください)
●定期的に窓を全開するのではなく、一方向の窓を少しだけ開けて常時換気する方が、室温変化を抑えられます
●人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れることも、室温を維持するために有効です
- 参考:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1-4)
ここまで、生活シーンの中で具体的にできる衛生対策についてお伝えしました。
感染症が流行している時にも、それぞれにとって大切な生活は続いていきます。自分や家族、そして身近な人たちを感染から守るために、できることから1つずつ実践していけるといいですね。
この記事を作成・監修した
マイスター
衛生マイスター
太田 博崇
おおた ひろたか
お口の中の細菌を中心に、感染症予防の研究などに携わり、その間、国立研究所や歯科大学との共同研究などもしてきました。
これらの経験を活かし、衛生的かつ健康的な生活を送るのに役立つ情報をお届けしていきます。
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