帰宅後「すぐ」に手洗いしないとどうなる?家でのウイルスの広がり方を検証
帰宅後、すぐに手を洗っていますか?手洗いをすぐにしなかった時とすぐにした時、それぞれの家の中でのウイルスの広がり方をシミュレーションした結果、手洗いを後回しにすると、気付かないうちに室内にウイルスを広げている可能性が高いことが判明!帰って「すぐ」の手洗いや手指消毒を習慣化する方法も紹介します。
要注意!帰宅して、手を洗うまでの行動
「帰宅後はしっかり手を洗っています!」という方は多いのではないでしょうか。しかし、一般家庭の様子を観察※1してみると、手洗い前にリビングやキッチンなどに立ち寄り、子どもも大人もいろいろな場所に触れていることがわかりました。
帰宅後、手洗い前にキッチンカウンターに触ったり…
手洗い前にソファーに横たわったり……
- 1 ライオン調べ、自宅に帰宅してから手洗いするまでの行動をビデオ撮影、一般家庭3世帯、2021年8~10月
「うちもやってるかも…」とドキッとした方もいらっしゃるかもしれませんね。
ほかにも、手洗い前にこんな行動をしていませんか。
要注意!手洗い前の「ありがち」行動
□買い物から帰ってきて、食材を冷蔵庫に移す
□自室に荷物を置いて、着替える
□テレビやエアコンのリモコンを操作する
□子どもがおもちゃで遊び始める
□ペットに触る
帰宅後のウイルスの広がりをシミュレーション!
ウイルスは目に見えないため、時には気が緩んでしまう日もありますね。
でも油断は禁物!帰宅してすぐに手を洗わないと、知らず知らずのうちにウイルスを家庭内に広げてしまう可能性があります。
帰宅後30分間で家庭内(2LDK)にウイルス※2がどの程度広がるのか、AIでシミュレーション※3してみました。
帰宅時に一定量のウイルスが手についていたと仮定して、帰宅後30分間において、「手を洗わなかった時」「早めの手洗い※4をした時」「玄関で手指消毒をしたあと、早めの手洗いをした時」を比較しました。
- 2 インフルエンザウイルス
- 3 エージェントベースAIシミュレーションモデルで検証
- 4 帰宅後モノに触る回数が15回以下でハンドソープを使って手洗い
接触した場所ごとに付着したウイルス量を計算し、その結果を家の間取り図の中に示したのが、下記の「ヒートマップ」です。このヒートマップは、ウイルス付着量を可視化するためのイメージ図です。丸の色が濃いほど、ウイルス量が多いことを表しています。
3つのシミュレーション結果を並べて見てみると、結果は一目瞭然。「手を洗わなかった時」は広範囲にウイルスが付着し、付着量も多いのに対し、「早めの手洗いをした時」はウイルスの付着場所が減り、付着量もおさえられることがわかりました。そして「玄関で手指消毒をしたあと、早めの手洗いをした時」にはさらに付着場所が減り、付着量もおさえられるという結果でした。
それでは、手洗いや手指消毒のタイミングによる家庭内のウイルス付着量の違いについて、それぞれ詳しく解説していきます。
<手を洗わなかった時>
帰宅後30分間「手を洗わなかった時」には、帰宅後に最初に行きがちなキッチンやリビングをはじめとして、洋室、寝室、トイレなど家中にたくさんのウイルスが付着していることがわかります。
では、帰宅後「早めの手洗いをした時」はどうでしょうか。
<早めの手洗いをした時>
「早めの手洗いをした時」は、「手を洗わなかった時」に比べてウイルスが付着する場所が減ることがわかりました。
そして、シミュレーションから計算された家庭内のウイルス量の合計を、グラフにした結果を下記に示します。
「早めに手洗いした時」には、「手を洗わなかった時」に比べて、ウイルス量も3割以下におさえられることがわかりました。
これらの結果から、家庭内でのウイルスの広がりをおさえるためには、帰宅後は玄関から洗面台に直行して手を洗うことが大切であるとわかります。
さらに、帰宅後「玄関で手指消毒をしたあと、早めの手洗いをした時」はどうでしょうか。
<玄関で手指消毒→早めの手洗いをした時>
「玄関で手指消毒をしたあと、早めの手洗いをした時」には、ウイルスが付着する場所がさらに減り、ウイルス量は「手を洗わなかった時」の約1割におさえられました。
ここまでの解説をふまえて、もう一度3つのシミュレーション結果を見てみましょう。
以上のように、再度3つのシミュレーションのヒートマップとグラフを見てみると、「早めの手洗いをした時」や「玄関で手指消毒をしたあと、早めの手洗いをした時」には、ウイルスが付着する場所が減ることや、付着するウイルス量が減ることがわかります。帰宅後すぐの手洗いや、玄関で手指消毒することが大切なのがよくわかりますね。
帰宅直後に手洗い・手指消毒を習慣化する工夫
家庭内でのウイルスの広がりを防ぐためには、帰宅後はリビングなどに立ち寄らず、洗面台に直行して手を洗うことが重要です。また、玄関での手指消毒を習慣化するとさらに効果的です。
しかし、「帰宅後すぐに手を洗った方がいいとわかっていても、なかなかできない」という声もあるようです。
帰宅後、すぐに手洗いや手指消毒をするにはどんな工夫をすればいいのでしょうか。いくつかご紹介します。
□玄関や洗面所にハンガーやコートかけを用意
「手を洗う前に荷物を置きたい」「アウターや上着を脱ぎたい」という場合には、玄関や洗面所にハンガーやコートかけなどを用意してみましょう。部屋まで行かないので、ウイルスの広がりを防げます。
□玄関の扉にマグネット式の小物入れを設置し、手指消毒剤をセット
「帰宅後、玄関で手指消毒剤を使いたい」と思っているけれど、実際は使っていないという場合、手指消毒剤を「置く場所がない」ことがハードルとなっていることも多いようです。
そんな場合は、マグネット式の小物入れに手指消毒剤をセットして、扉に設置する方法もあります。
- この方法をとる場合、プッシュしても小物入れが落ちないことを確認しましょう。また、手指消毒剤が床や扉、家具などに付着しないように注意して使用してください。
玄関のドアノブは、手指消毒や手洗いを行う前に触ってしまうことから、ウイルスが付きやすい場所です。気になる時は、ウイルス除去効果のあるスプレーやシートでふき掃除をすることもおすすめです。
□子どもの手洗いは楽しく!たくさんほめる!
小さなお子さんのいる家庭では、親子で洗面台に向かう「付き添い洗い」がおすすめです。「手洗いしなさい」という代わりに、「きれいきれいしようか?」など、手洗いを促すオリジナルの合言葉を作って、一緒に手洗いをしてみましょう。
歌を歌いながら楽しく手を洗ったり、うまく手洗いができたらたくさんほめてあげると、子どものやる気もアップして習慣化につながるかもしれません。
自分のため、そして家族のために、正しい手洗いや手指消毒の習慣を心がけたいですね。
この記事の詳細は、こちらをご覧ください
ライオンプレスリリース
「生活者の約9割が「帰宅後に手を洗う」と回答も、 実際は手洗い前にウイルスを広げていることがシミュレーションで判明!」
この記事を作成・監修した
マイスター
衛生マイスター
浅野 ほたか
あさの ほたか
界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。
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