「動画で学ぶ」 正しい歯みがきの基本とみがき残しを防ぐコツ

「動画で学ぶ」 正しい歯みがきの基本とみがき残しを防ぐコツ

むし歯や歯周病からお口を守るには、正しい歯みがきで歯垢を落とすことが大切。ハブラシは軽く握り、毛先を歯面にきちんとあてます。小刻みに動かしながら、1〜2本ずつ20回を目安にみがきましょう。歯と歯の間など、歯垢がつきやすい場所は念入りに。「食べたらみがく」習慣をつけ、とくに就寝前の歯みがきはていねいに行いましょう。

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歯みがきの目的は、歯垢を取り除くこと

毎日歯みがきをしているけれど、漫然と自己流で済ませていませんか。

歯みがきの目的は、口の中をさっぱりさせるだけではありません。大切なのは、歯垢を取り除くこと。歯垢は生きた細菌のかたまりで、むし歯や歯周病の原因になります。きちんと歯垢を落として健康なお口を維持するためには、自己流ではなく、正しい方法で歯をみがくことが大切です。歯みがきの基本を身につけ、お口の状態に合わせてハブラシの当て方を工夫して、歯をみがくようにしましょう。

ハブラシの基本の持ち方は2通り

まず知っておきたいのがハブラシの持ち方です。基本的な持ち方は、大きく分けて2つ。鉛筆を持つときのような「ペングリップ」と、手のひらで握るように持つ「パームグリップ」があります。みがく部位に合わせて、みがきやすい方法で持つと良いでしょう。

ペングリップ

パームグリップ

どちらの持ち方でも、ハブラシをギュッと強く握らないようにしましょう。歯みがきの基本である「軽い力でみがく」「小刻みに動かしてみがく」ためには、ハブラシを軽く持つことが大切です。

「1~2週間でハブラシの毛先が開いてしまう」「歯科医院で歯みがきに力が入りすぎていると言われる」という方には「ペングリップ」で、毛先が広がらない程度の力加減でみがくようにしましょう。

歯みがきの基本

歯みがきには次の3つの基本があります。基本を意識して、1カ所あたり20回程度を目安に、ていねいにみがきましょう。

1.ハブラシの毛先を歯面にきちんとあてる

歯は立体的で複雑な形をしているため、あらゆる面に毛先がきちんとあたるよう、ハブラシをあてる角度を工夫しましょう。

2.毛先が広がらない程度の軽い力でみがく

みがく力が強すぎると、ハブラシの毛先が広がりきちんとみがけないだけでなく、歯ぐきを傷つける場合があります。

3.小刻みに動かして1~2本ずつみがく

ハブラシを大きく動かすと、毛先が歯と歯の間に届かず、歯垢を上手に落とせません。5〜10mmを目安に小刻みに動かし、1〜2歯ずつていねいにみがきましょう。

ここで歯みがきの基本を動画でチェックしてみましょう。

みがき残しをしない「歯みがき」のコツ

正しい方法で歯をみがいていても、みがき残しはあるもの。次に、みがき残しがないように「キレイに歯をみがく」ためのコツをご紹介します。

POINT

1.歯垢がつきやすい場所は意識してみがく

歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目、歯のかみ合わせは歯垢がつきやすいところです。これらの部位にハブラシの毛先が届くよう意識してみがきましょう。

2.歯面は分けてみがく

歯は表側だけでなく、裏側やかみ合わせもみがく必要があります。みがき残しがないように、1本の歯を「歯の表側・裏側・かみ合わせ」に分けてみがくようにしましょう。

3.みがく順番を決める

歯みがきはどの歯からみがき始めてもよいのですが、自分で起点を決めて、そこから順番にみがいていくと、みがき残しを防げます。みがき残しが出やすい歯の裏側は、意識を集中しやすい最初のうちにみがいておくなど、自分なりの「みがく順番」や「ルール」を決めておくとよいでしょう。

<みがく順番の一例>

歯みがきの工夫

ハブラシがあたりにくく歯垢が残りやすい場所や、前歯の裏側、凸凹した歯並び、生え替わり途中の背の低い歯などは、鏡を見ながらお口の状態に合わせて、歯みがきの基本を守りながら工夫してみがくようにしましょう。

POINT

1.歯と歯の間

2.かみ合わせ

かみ合わせの部分は奥から前にハブラシを動かしてみがく。

3.歯と歯ぐきの境目

歯と歯ぐきの境目は45度の角度にハブラシをあて、細かく前後に動かしてみがく。

4.前歯の裏側

前歯の裏側は、ハブラシを横に入れても毛先が届かない部分がある。ハブラシを縦にあてて、つま先やかかとを使ってみがく。

5.凸凹の歯並び

歯並びが凸凹している場合は、ハブラシを横向きにあてても毛先が歯面に届きにくい。ハブラシを縦にあてて毛先を上下に細かく動かしてみがく。

6.背の低い歯

歯の高さに段差があるときは、ハブラシを奥から前に動かしても毛先があたらない。ハブラシをななめ横から入れて細かく動かしてみがく。

ここで、ハブラシがあたりにくい場所のみがき方を動画でチェックしてみましょう。

きちんとみがけているか「染め出し剤」でチェックしよう

歯みがきは毎日、1日に何度も行うので、自然と自分のクセがついてしまい、常に同じところをみがき残してしまうことがあります。みがき残しのクセを知るために、歯垢が染まる「染め出し剤」を定期的に使って、みがき残しのチェックをしてみるとよいでしょう。染め出し剤は歯科医院やドラッグストア、ネットで購入できます。なお、染め出し剤を使うときは衣類についてシミにならないようにエプロンをするなど注意してください。

歯みがきのタイミング

「食べたらみがく」を習慣にしよう!

食事やおやつを食べたあとは、歯垢の中の細菌が食べ物をえさにして酸をつくり出すため、歯垢自体が酸性に傾いて少しずつ歯が溶けはじめます。そうならないように、「食べたらみがく」を習慣にしましょう。

イメージ図

「就寝前の歯みがき」はていねいに!

寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、唾液の洗浄作用が低下するため、細菌が増殖しやすい状態になります。そのため「就寝前の歯みがき」はていねいに行い、口の中を清潔に保って、むし歯や歯周病を予防しましょう。

イメージ図

今までの自分の歯みがき方法と比べて、いかがでしたか?

いつまでも自分の歯で食べるためには、歯や歯ぐきの健康を保つことが大切です。自分が正しくみがけているか、これを機会に鏡を見ながら再確認してくださいね。

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

どうして「強く」みがくといけないの?

トラブルやみがき残しの原因に

「しっかりみがいて歯をきれいにしよう」と思うと、ハブラシを持つ手につい力が入りがちですが、じつは、強すぎる力でみがくのは「オーバーブラッシング」と呼ばれ、ハブラシを大きく動かしてゴシゴシみがくことも含め、歯垢や汚れを効果的に落とせないだけでなく、歯や歯ぐきに悪影響をおよぼす可能性があります。
習慣的にオーバーブラッシングを繰り返すと、歯や歯ぐきに大きな負担がかかり、「歯ぐき下がり(歯肉退縮)」の原因になります。ほかにも、「歯ぐきが歯を取り囲むように輪状に盛り上がる」、「歯の根元表面の一部が歯ぐきに沿って欠損する」などのトラブルが生じることも・・・。

歯垢は毛先が広がらない程度の「軽い力」で落とせる

「力を入れてみがいた方が歯の汚れがよく落ちるのでは?」と思うかもしれませんが、それは誤りです。
ハブラシの毛先が広がらない程度の軽い力でみがくのが、適切なみがき方です。
毛先が広がらない程度の「軽い力」で1カ所あたり20回位、みがくようにしましょう。

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

「ブリッジ」の下はどうやってみがくの?

「歯間ブラシ」でいつもキレイに!

「ブリッジ」は抜けた歯の両隣の歯を土台にして、橋を渡すようにして抜けた部分に人工の歯を補う治療法です。人工の歯の下にたまった食べかすは、歯ブラシだけでは十分にキレイにできません。

人工の歯の下の汚れを放置し両隣の土台の歯がむし歯や歯周病になってしまうと、土台としての役目を果たせなくなってしまいます。サイズの合った歯間ブラシなどを使ってキレイにしましょう。

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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