むせやすい、話しづらくなった・・・口腔機能の大切さとケア方法を紹介

むせやすい、話しづらくなった・・・口腔機能の大切さとケア方法を紹介

「むせやすい」「話しづらくなった」など、口周りの不調を感じることはありませんか? 口の機能は「食べること」や「コミュニケーション」などに影響するだけでなく、「健康的な生活を送ること」にも関係すると言われています。口の機能低下を予防・改善するケアで、お口と体の健康をキープしましょう。

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「むせやすい」「話しづらい」…口周りの不調が気になりませんか?

コロナ禍の生活では、人と話すことに対して直接対面で話すのを控える傾向があったり、マスクをすることで口を大きく開けなくなるなど、口を動かす機会が減りました。
口を動かさないことなどで口周りの筋肉が衰えると、結果的に口の機能も低下して、「むせやすい」「話しづらい」「飲み込みにくい」などの症状がみられることが知られています。
ライオンの調査では、現在、口周りの不調1を感じている人の約3割は、コロナ禍になってから症状があらわれたと答えています。

  • 1 調査で聞いた口周りの不調:むせやすい、話しづらい、飲み込みにくい、噛みづらい、食べこぼしが多い

<口周りの不調を感じるようになった時期>

口周りの不調を感じるようになった時期

  • ライオン調べ、20~60代男女、1384名、2022年

口の機能が低下すると生じる「困りごと」

口の機能が衰えると、食べることや人とのコミュニケーションにも影響を与えます。実際、アンケートの回答者からも、以下のような困りごとの声が届いています。

<むせやすい>

外食中にむせると、まわりの人がせきを嫌がっているのを感じて、食事が楽しめません。(40代 女性)

食事中にむせることがあるので、誤嚥性肺炎が心配です。(60代 女性)

<話しづらい>

特に最初のひと言がスムーズに話せず、戸惑いを感じます。(50代 男性)

会話中にろれつが回らないことがよくあって、恥ずかしいです。(60代 女性)

<飲み込みにくい>

飲み込みづらくて、食べ物をおいしく食べることができず、困っています。(40代 男性)

薬もうまく飲み込めず、変なところに入ってしまいそう…。(60代 女性)

<噛みづらい>

噛みづらいために消化が悪く、便秘になりやすいと感じています。(50代 男性)

食事中、同じ方ばかりで噛んでしまうことが不安…。(50代 女性)

<食べこぼしが多い>

友人とのランチで食べこぼしてしまうことが多く、恥ずかしい…。(40代 女性)

食べこぼして服を汚してしまったり、相手に不快な思いをさせるのでは…と不安に。(50代 男性)

口周りの不調を訴える人は「生活満足度」が低い

アンケートの回答にもあるように、口は「食べる」「話す」「笑う」など、私たちが日常生活を送るうえでとても大切な機能を担っています。そのため、口の機能が衰えると、日常の生活満足度にも影響してしまいます。
実際、口周りに不調がない人では、「現在の生活が不満(不満・やや不満の合計)」と答えた人は23%だったのに対して、口周りに不調がある人では41%と、およそ1.8倍の開きがありました。

<生活全体の満足度>

口周りの不調と生活全体の満足度

  • ライオン調べ、20~60代男女、口周りの不調あり:500名、口周りの不調なし:500名、2022年

さらに、口周りに不調がある人はそうでない人に比べて、「体の不調を感じている」と答えた人の割合が多いという結果が出ています。具体的には、「筋力が落ちた」「寝つきが悪い」「便秘しやすい」「息切れしやすい」「転びやすい・つまずきやすい」などアンケートを行ったすべての項目で、口周りに不調のある人の方が、体の不調を感じています。

<現在感じている体の不調>

現在感じている体の不調

  • ライオン調べ、20~60代男女、口周りの不調あり:500名、口周りの不調なし:500名、2022年

口周りに不調のある人は、口周りに不調のない人と比較して体の不調も感じている人が多いので、それも含めて生活満足度に差が出ているものと思われます。

口の機能を維持することは、健康的な生活と深い関わりがある

口の機能が低下した状態を放置してしまうと、健康的な生活を送れなくなるリスクも高まります。なぜなら、口の機能である「食べること」と「コミュニケーション」は、健康的な生活と深い関わりがあるからです。

●「食べること」と「健康的な生活」との関係

口の機能が低下したまま何もしないと、いずれ食べることが不自由になり、食事の内容が偏ったり食事量が減ることで、栄養不足やエネルギー不足に陥るリスクがあります。栄養やエネルギーが不足すると、筋量や筋力が減少します。筋力が落ちると、運動機能が衰える→引きこもりがちで動かない生活になる→代謝が低下し、食欲もいっそう低下する→さらに栄養が偏り、エネルギーも不足する…という悪循環が生じます。
また、栄養・エネルギー不足により免疫や代謝などの機能も低下して様々な病気にかかりやすくなります。

朝食のイメージ

●「コミュニケーション」と「健康的な生活」との関係

アンケートのコメントにもあるように、「食べこぼすと恥ずかしい」「会話中にろれつが回らないことがよくあって恥ずかしい」「むせると周りの人の目が気になる」など、口周りの不調のせいで食事や会話に支障をきたすと、コミュニケーションが減少してしまいます。また、口周りの筋肉が衰えて動きが悪くなり、容姿や表情が損なわれ、その結果家に閉じこもりがちになると、やはり、人や社会とのつながりが減っていきます。このような不活発な状態が続くと体力とともに意欲も低下し、うつ傾向や認知機能の低下につながるリスクも高くなってしまいます。

不活発な生活習慣

このように、口の機能を維持することは、身体的、精神的、さらには社会的にも健康な生活を送るために、とても大切なのです。

口周りの不調を改善・予防するための対策

「食べる」「話す」といった機能は毎日使うものなので、その衰えに自分で気づくのは案外難しいもの。機能低下を防ぐためには、よく噛んで食べる、早口言葉を言う、歌を歌うなど、普段から口をよく動かすことが大切です。また、口周りの筋肉をトレーニングすることで、「むせやすい」「話しづらい」「飲み込みにくい」といった口周りの不調の改善にもつながります。ここからは、手軽にできるお口の体操を紹介します。

POINT

1.唇の体操

唇を大きく動かすことで、口の動きをなめらかにします。

口の体操(ウー、イー)

口をすぼめて「ウ~」、口を横に開いて「イ~」と声を出す。

2.舌の体操

舌を大きく動かすことで口周りの筋肉を鍛えると同時に、舌の動きを良くして唾液腺を刺激。唾液がよく出るようになり、食べ物を飲み込みやすくなります。

舌の体操

舌をできるだけ前に出して、上下・左右に動かしたり、舌先で円を描くように大きく回します。

3.のどの体操

飲み込む時に使う筋肉を鍛えることで、「食事中にむせる」などの症状の改善が期待できます。

のどの体操

舌を少し出したまま、口を閉じてつばを飲み込みます。舌は出しすぎないようにするのがコツです。

他にも、インターネットで「口の体操」と検索するといろいろな体操が紹介されているので、ご自分のやりやすい方法を試してみると良いでしょう。

また、自分の口腔機能の状態をチェックして、自分に適したケアのプログラムを提供してくれるサービスもあるので、上手に利用するのもおすすめです。

口の機能やその大切さ、機能低下を防ぐための対策などをご紹介しましたが、いかがでしたか。口周りの不調は気づいたときに早めに対処することが大切です。お口の機能をキープして、いつまでも健康的な生活を送りたいですね。

自宅でできる口腔機能のチェック&トレーニングプログラム

『ORAL FIT(オーラルフィット)』

現在 50 代以上の多くの人が、口腔機能の低下による咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)の不具合など、日常生活に様々な課題を抱えています。「むせる」「口が乾きやすい」「話しづらい」といった「お口の機能」の衰えは、心身の機能低下にまでつながる可能性が指摘されており、これら口のささいな兆候を見逃すことなく、早期からの対策が求められています※2
ライオンでは、「むせる」「口が乾きやすい」「話しづらい」など、口周りの筋力の低下が原因の1つとして考えられる衰えに対し、お口の筋力向上を目指すフィットネスサービス『ORAL FIT(オーラルフィット)』を提供しています。

  • 2 日本歯科医師会、歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版

オーラルフィットのバナー

<『ORAL FIT(オーラルフィット)』の特徴>
●お口の筋力低下が原因の1つとして考えられる衰えに対し、「話す力」や「飲み込む力」などのメカニズムに着目してトレーニングを設計しました。

●毎日、スマートフォンのアプリケーションに、お口の状態に合わせたトレーニングメニューを配信します。

●1日10分、2か月間トレーニングで、気になる口腔機能の衰えの改善が期待できます。

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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