長引く胃痛や胃もたれ、もしかしたら機能性ディスペプシア(FD)かも?

長引く胃痛や胃もたれ、もしかしたら機能性ディスペプシア(FD)かも?

機能性ディスペプシア(FD)とは、胃の痛みやもたれなどの慢性的な不快症状があるのに、検査をしても胃がんや胃潰瘍などのはっきりした病気が見つからない疾患です。生活習慣を見直したり、市販の薬を服用したりしても胃の不快症状が改善されない場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

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「脂っこい食事をしたわけでもないのに胃もたれが続く」「すぐにお腹がいっぱいになって、食事があまりとれない」「胃の焼けるような痛みがある」、こうした症状に心当たりがある場合、もしかしたら「機能性ディスペプシア」かもしれません。現代病の1つと言われる「機能性ディスペプシア」について、その原因や症状、予防法を見ていきましょう。

機能性ディスペプシア(FD)とは?

「機能性ディスペプシア」は、2013年に保険診療名として承認された現代病。胃痛や胃もたれといった胃の不快な症状が続いているにもかかわらず、検査をしても異常が見られないのが特徴です。英名はfunctional dyspepsia、頭文字をとって「FD」と呼ばれることもあります。

機能性ディスペプシアの代表的な症状は下記の4つです。

①食後の胃もたれ
②早期飽満感(食事を食べ始めた後すぐにお腹がいっぱいに感じられ、それ以上は食べられなくなること)
③胃の痛み(みぞおちの痛み)
④胃の焼ける感じ(みぞおちの焼ける感じ)

このような症状が慢性的に続いているのに、内視鏡で検査をしても異常が見つからない時は、機能性ディスペプシアを疑います。
病変がないから大したことはない、とは言えません。慢性的な胃の不快感や痛みによって勉強や仕事に集中できないこともあり、生活の質(QOL)を下げてしまう病気といえるでしょう。
また、すぐに満腹になってしまって十分に食事がとれなくなってしまうことは、特に子どもや高齢者にとって大きな問題です。

機能性ディスペプシアの原因は?

機能性ディスペプシアを引き起こす原因としては、胃や十二指腸そのものの問題のほかに、心理的要因,細菌やウイルス感染など、いくつかの要因が考えられています。
下記に、機能性ディスペプシアの原因と考えられている5つを挙げました。ただ、症状が出るメカニズムはとても複雑です。原因が1つのこともあれば、いくつかが組み合わさって症状を起こしているケースも考えられます。

胃・十二指腸の運動障害

胃は、食道から運ばれてきた食べ物を消化します。食べ物が胃に入ると、胃が膨らんで3〜4時間かけて消化し、十二指腸へと送られていきます。
ところが、胃や十二指腸の運動に問題があると、食べ物が入ってきても胃がしっかり広がらなかったり、胃がくねるように動いて食べ物を攪拌する「蠕動(ぜんどう)運動」が十分に起こらなかったりすることがあります。胃が広がらないと、すぐに満腹感を感じてしまう原因に。また、蠕動運動が不十分だと、食べ物と胃液が混ざりきらず消化が促進されません。なかなか十二指腸へと食べ物を送ることができず、胃もたれを感じる原因となります。

胃・十二指腸の知覚過敏

知覚過敏とは、少しの刺激でも不快な症状が出やすいこと。軽い胃の拡張刺激で症状が現れます。また、胃酸や食べ物の刺激によって、胃や十二指腸に痛みやヒリヒリと焼けるような感じを覚えることもあります。

心理的要因

脳と腸管はお互いに密接に関わっています。「脳腸相関」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。「腸は第二の脳」と表現されることもありますね。
脳腸相関の関係から、不安や強いストレスによって胃や腸の働きが落ちてしまうことも珍しくありません。ストレスを受けると、脳からの刺激で胃酸が過剰に分泌されたり、胃の蠕動運動が抑えられたりしてしまうことも。
また、過去のトラウマ体験が、機能性ディスペプシアの原因となることもあります。

胃酸

食べ物を消化するための胃酸は、強い酸性です。
通常、胃は胃粘液で守られているため、胃酸によって胃に痛みを感じることはありません。しかし、様々な原因から胃酸が過剰に分泌されたり、消化管の粘液が減ってしまったりすると、胃や十二指腸の運動、痛みや胃もたれ、焼けつく感じなどの症状に影響を及ぼすことがあります。

その他の原因

ヘリコバクター・ピロリ菌への感染、感染性胃腸炎などの病気が、機能性ディスペプシアの引き金となるケースもあります。
また、喫煙や過度のアルコール摂取、睡眠不足や不眠などの生活習慣が原因となることも。遺伝的要因で、生まれつき機能性ディスペプシアになりやすい人もいます。

生活習慣の見直しで予防しよう

機能性ディスペプシアに悩む方の中には、不規則な食生活や偏った食生活、睡眠不足など、生活習慣が乱れがちになっている人も少なくありません。
生活習慣を見直してみましょう。

POINT

Point1 食習慣を改善

Point1 食習慣を改善 胃に負担をかけない食事をすることが大事です 

胃に負担をかけない食事をすることが大事です。
にんにくや唐辛子などの香辛料、アルコールやカフェインが多く入った飲み物は、胃への刺激が強いのでなるべく避けましょう。クリームたっぷりのスイーツや脂身の多いお肉など、カロリーが高く脂肪の多い食品も、食べ過ぎないよう注意して。
就寝直前に飲食をすると、寝ている間も胃が休まらず、負担がかかります。

Point2 運動や趣味でストレス発散!

ストレスは、胃の働きを低下させてしまう大敵です!
ストレスを完全に取り去ることは難しいとはいえ、なるべく溜め込まないようにするためにも、適度な運動や趣味などでリフレッシュを心がけたいものです。
運動には、胃の働きを高める作用も期待できます。ウォーキングなどの軽い運動もおすすめ。体を動かす習慣をつけましょう。

Point3 入浴でリラックス

ゆっくり入浴すると副交感神経が優位になり、胃の消化が促進されます。
(お湯が熱すぎると交感神経が優位になるので注意してください)
ぬるめのお湯にゆっくり浸かって、リラックスしましょう。お気に入りの入浴剤やアロマなどで、お風呂をくつろぎの空間にするのもいいですね。

Point4 睡眠はしっかり!

過労は、機能性ディスペプシアの症状を引き起こしたり、悪化させたりする原因の1つ。十分な睡眠時間をキープするとともに、質のいい眠りをとれるように意識しましょう。
寝る直前はパソコンやスマホなどの利用は控え、ゆったり過ごすのがおすすめです。

症状が長引く時は病院へ

「なんとなく胃の調子が悪い」「胃もたれがなかなか治らない」など、胃の不調を感じた時には、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠などで生活リズムを整えることを意識しましょう。
それでも症状が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。胃の不調は、体だけでなく、心の健康にも影響するものです。
機能性ディスペプシアは、症状が治まったのちに再発することもあります。治療が長引くと、それがまたストレスになってさらに胃の不調を引き起こしてしまう、負のスパイラルに陥ってしまう心配も…。
「検査では異常がないから」と軽視せず、きちんと治療することが大切です。

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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