縦型の「全自動洗濯機」の正しい使い方とは?洗濯の手順や節水方法を紹介
縦型全自動洗濯機で普段着を洗う時は、電源を入れて洗濯物を入れ、「標準コース」を選んでスタートするだけ!おすすめは、普段のお洗濯から「すすぎ1回OK」の洗剤を使い、すすぎ回数を1回に設定すれば、それだけで節水・節電・時短に!また洗濯機の機能を賢く活用すれば、衣類の種類や汚れ具合に合わせたお洗濯もできます。
全自動洗濯機で普段着を洗う「手順」
洗濯機といえば、暮らしになくてはならない家電の1つ!はじめて一人暮らしをする方など、使い方がわからないという人や、毎日当たり前のように使っている一方で、正しく使えているか自信がないという人もいるかもしれませんね。
お洗濯のクオリティを上げるためには、洗濯機を適切に使うことが重要です。まずは、一般的な縦型の全自動洗濯機で普段着を洗う時の手順をおさらいしましょう。
1. 電源を入れ、水栓をゆるめる
電源ボタンを押し、電源を入れます。水栓(蛇口)が閉まっている場合はゆるめて、水が出るようにしておきましょう。水栓をゆるめても、洗濯機が動き始めるまで水は出ません。
2. 洗濯機に洗濯物を入れる
洗濯機の中に洗濯物を入れます。ティッシュペーパーやボールペンなどが入っていないか、ポケットの中を忘れずに確認しましょう。「飾り」や「ホック」のついた衣類は洗濯ネットに入れることも忘れずに。洗濯物を入れる目安は洗濯槽の容量の7~8割を上限とします。
3. コースを選んでスタートボタンを押す
コースを選択して、スタートボタンを押します。普段着、肌着、タオルなど日常の衣類を洗濯する時は「標準コース」が基本。慣れてきたら洗濯機の取扱説明書に従って、汚れの程度、時間の短縮化や節水など、目的に応じてコースを選ぶと便利です。
4. 洗剤類を投入口に入れる
洗剤を付属のキャップやスプーンではかり、洗剤の投入口に入れます。機種によって投入口の位置は異なります。洗濯機に表示される水量を目安に、洗剤容器に書かれている量の洗剤をきちんとはかって入れましょう。また、粉末洗剤と液体洗剤では投入口が違う場合が多いので、よく確認しましょう。柔軟剤や漂白剤を使う時も、それぞれ専用の投入口に入れます。
「柔軟剤」とは、衣類をやわらかくするためのもので、防臭・消臭効果や、静電気を防止する効果などがあります。またお洗濯できるすべての衣類に使用できます。
「漂白剤」は、化学反応によってシミや汚れを分解することで汚れを落ちやすくするものです。 柔軟剤は専用の自動投入口へ、漂白剤は専用の自動投入口か、ない場合は洗剤と同じ投入口へ、「洗濯を開始する前」に入れます。
5. 洗濯機のフタを閉める
洗濯機のフタを閉めます。フタを閉めないとスタートしない機種もあります。フタを開けたままスタートできる機種でも、脱水に進むと止まってしまうので、フタがきっちり閉まっているかの確認は重要です。
6. 洗濯が終了したら取り出して干す
洗濯終了後は、できるだけ早く洗濯物を取り出して干しましょう。洗濯槽の中に長く放置しておくと、しわになりやすいだけでなく、イヤなニオイやカビが発生するなどトラブルの原因になります。干す時は振りさばいたり、手でパンパンたたいたりして形を整えて干すと、仕上がりが良くなります。
スピードコース、すすぎ1回コース、おしゃれ着コース、大物洗いコースの設定方法
最近の洗濯機には「標準コース」以外にも、「スピードコース」「すすぎ1回コース」「おしゃれ着コース」「大物洗いコース」など、様々なコースや機能がついています。
「スピードコース」は、タオル、肌着、パジャマなど、汚れが軽いものを短時間で洗濯したい時に向いています。スピードコースを使用すると、標準コースでは一般的に2〜3回行うすすぎの工程を1回に省く機種もあります。
「すすぎ1回コース」 は、「洗い → 脱水 → すすぎ → 脱水」で洗濯が終わるので、洗濯の水道代や電気代の節約になり、時短にもなります。また、すすぎ2回の時と比べて、洗濯時の水流や衣類同士の摩擦によるダメージも少なくなるため、衣類が長持ちするのもうれしいポイントです。簡単で、環境にも自分にもメリットの多い、新しいエコ習慣といえるでしょう。使用する時は、「すすぎ1回」に対応している 洗剤を使うようにしましょう。
「おしゃれ着コース」は、スーツなどの型くずれしやすい衣類や、レースやデリケートな素材の衣類を洗うのに適したコースです。やさしい水流で洗い、脱水も短時間でやさしく行うため、衣類の縮みや型くずれ、しわなどを防いでお洗濯できます。
おしゃれ着コースは洗濯機の機種によって「ドライ」「ソフト」「手洗い」「おうちクリーニング」など異なるコース名で表示されている場合もあります。
「大物洗いコース」は、毛布・タオルケット・ベッドパッド・カーテン・掛け布団などの大物を洗う時に使います。洗濯槽の底にあるパルセーター(かくはん羽根)の動きを抑え、洗濯槽をゆっくり回転させたり、長めに停止させたりして、傷みを防ぎながら洗うのが特徴。標準コースよりも多くの水を使い、時間をかけて洗います。機種によってコース名は異なるので、取扱説明書で確認しましょう。
では、洗濯コースの設定方法をチェックしましょう!
洗濯コースの設定手順
①電源を入れる
↓
②洗濯物を入れる
↓
③コースを選んで、スタートボタンを押す
コースボタンまたは洗濯ボタンを押して、自分の設定したいコースを選択。
↓
④洗剤・柔軟剤を投入口に入れる
↓
⑤フタを閉める
洗濯時に水道代や電気代を節約するコツ
洗濯、食器洗い、トイレ掃除、風呂掃除のなかで、「1回あたりの水使用量」がもっとも多いのが、お洗濯です。水道水や家庭用排水の処理のために、上下水道の施設ではポンプを稼働するなど、多くの電気が使われます。つまり、私たちが節水するほど、水道施設で処理する水を少なくできるため、節電でき、CO2削減に貢献できるというわけです。
お洗濯での節水は、水道代や電気代を節約するためにも、また環境への負荷を減らすためにも効果的だといえるでしょう。
すすぎ1回コースを利用したり、すすぎを1回に変える
例えば、洗濯時のすすぎ回数を2回から1回に変えるだけで、すすぎ1回・脱水1回分の節水・節電・CO₂削減ができ、環境負荷を減らすことに貢献できます。また、すすぎを1回減らす分、お洗濯時間も短縮されます。
すすぎ2回から1回に変えるだけで、1年間でこんなに差が!
- ※1 既婚世帯の平均洗濯回数(約310回/年)及び主要4社縦型洗濯機における衣類3Kg・標準コースで洗濯した場合の平均の時間と水量(すすぎ2回約123L/回、すすぎ1回約87L/回)より算出(ライオン調べ)。浴槽での使用水量を200ℓとし毎日溜めた場合として算出。
- ※2 出典:東京都水道局 くらしと水道CO2計算ツール(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/co2.html)
「すすぎ1回」でお洗濯をする時には、泡切れがよく、衣類に洗濯成分が残りにくい洗剤を使うのがポイントです。容器の裏面を見て、「すすぎ1回OK」のマークや、「すすぎ1回」という文言が書かれている洗剤を使用しましょう。
すすぎ1回で使える「NANOX one」シリーズは、パワフルに汚れを落としながら、泡切れがよいのが特長。すすぎ1回で衣類をすっきり洗い上げてくれます。すすぎ1回にすることで、洗濯時の摩擦による衣類のダメージをおさえることができます。
また、「NANOX one」には、衣類本来の色を保つ成分が配合され、お洗濯を繰り返しても色あせや色落ちが起こりにくいのもうれしいポイントです。
「すすぎ1回」の設定方法は、こちらをご確認ください。
※1 ここから先は外部サイトへ移動します。価格やサービス内容については、各サイトに記載されている内容をよくお読みになり、ご自身の責任でご利用ください。
※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。
スピードコースを利用する
スピードコースの利用も、節水・時短につながります。
スピードコースは、一般的な「標準コース」よりも洗いの時間が短いのが特徴です。また、洗いの後のすすぎも、標準コースでは2〜3回のところ、「スピードコース」では2回目のすすぎを省く機種がほとんどです。急いでいる時や衣類の汚れが少ない時には、スピードコースを賢く使うのも、節水・節電・CO₂削減に効果的です。
お風呂の「残り湯」を再利用する
お風呂の残り湯を洗濯時の「洗い」の工程で毎日使用すると、1か月で約1,800L、年間21,600L※3もの節水効果が得られます。21,600Lは、お風呂(200L /回)で換算すれば108回分、トイレ(5L/回)で換算すれば4320回分に相当します。
- ※3 ライオン調べ(毎回60Lの残り湯を洗濯に利用するとして、ひと月分の節水量を60L×30日、1年分を60L×30日×12か月で算出)
すすぎ1回の設定方法は?
洗濯機の「標準コース」は、すすぎ2回に設定されているものが一般的です。すすぎ1回にしてお洗濯をする場合は、手動で設定を変更する必要があります。
注意!
洗濯機の機種によって、手順や設定内容が異なりますので、詳しくは取扱説明書を確認しましょう。
自動投入洗濯機の使い方
「洗剤自動投入洗濯機」とは、洗濯物量に適した量の液体洗剤・柔軟剤を自動で投入する洗濯機のことです。
洗濯のたびに洗剤を計量する手間がなくなることから、人気上昇中ですね。
市販の液体洗剤・柔軟剤のなかでも「使用量の目安」の表示があるものは、自動投入洗濯機で使用することができます。
洗剤自動投入洗濯機の設定手順は、次の通りです。
1 洗剤・柔軟剤の投入量を設定する
初めて洗剤自動投入を使用する時や、違う洗剤類に切り替える時は、洗濯機の「投入量の設定」が必要です。これは、同じ洗濯物の量でも、洗剤によって使用量が異なるためです。
多くの洗濯機では、洗剤パッケージに表示されている「使用量の目安」表示に従って、「水30Lに対する使用量」を入力すれば設定完了です。機種により設定方法が異なるので、取扱説明書を確認してください。
洗剤・柔軟剤の種類 | 基準量(水30Lに対する使用量) | |
---|---|---|
洗剤 | NANOX one スタンダード NANOX one ニオイ専用 NANOX one PRO |
10g(mL) |
NANOX 自動投入洗濯機専用 |
6g(mL) | |
トップ クリアリキッド トップ クリアリキッド抗菌 |
25mL | |
柔軟剤 | ソフラン プレミアム消臭 ソフラン エアリス ソフラン プレミアム消臭 ウルトラゼロ ソフラン アロマリッチ |
10mL |
2 洗剤類を自動投入タンクに投入する
洗剤や柔軟剤をそれぞれのタンクに注ぎます。洗濯機によってタンクの容量が異なるので、あふれないように注意しましょう。
洗剤の投入が完了すれば、毎回の洗濯手順は一般的なお洗濯の工程と同じです。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
「洗剤」と「柔軟剤」の投入口が別々なのはなぜ?
洗剤と柔軟剤が混ざるとお互いの機能を打ち消しあってしまうからです。
洗剤も柔軟剤も主成分は「界面活性剤」ですが、性質が異なっています。多くの洗剤には、陰イオン性界面活性剤が用いられており、水に溶けた時に親水基がマイナスの電荷を帯びる性質があります。一方、柔軟剤は、陽イオン性界面活性剤が用いられており、親水基がプラスの電荷を帯びるので、水中でマイナスの電荷を帯びた繊維の表面に吸着します。
詳しくはこちらをご覧ください。
柔軟剤の陽イオン性界面活性剤は、繊維に吸着して、やわらかさや静電気防止効果を付与します。
詳しくは、こちらをご覧ください。
万が一、洗剤と柔軟剤を混ぜてしまうと、正反対の電荷を持っているため、水中で結合して、お互いの機能を打ち消しあってしまうのです。
ちょうどシャンプーと同じタイミングでリンスをつけてしまった場合のイメージです。
ですから、洗剤と柔軟剤がそれぞれきちんと働くために、洗剤と柔軟剤をそれぞれの「所定の投入口」に入れることが重要です。そうすることで、洗剤は「洗い」の時に、柔軟剤は「最後のすすぎ」の時に自動投入され、それぞれの機能を発揮します。
くれぐれも、柔軟剤の投入口に間違えて洗剤を入れないように注意しましょう。すすぎの時に洗剤が入り、すすがれないままとなってしまいます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
大貫 和泉
おおぬき いずみ
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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