CO₂削減のためには家庭での工夫が不可欠!私たちにできることとは?

CO₂削減のためには家庭での工夫が不可欠!私たちにできることとは?

地球温暖化の大きな原因となっている二酸化炭素(CO₂)。日本人の1人あたりの年間CO₂排出量は世界平均を上回ると言われています。CO₂削減のために、私たちが家庭でできる具体的なアクションをまとめました。早速今日から始めてみませんか。

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INDEX

地球温暖化が地球に与える影響

地球温暖化が地球に与える影響

「地球温暖化」。近年この言葉を目にすることが多くなり、その解決を目指し議論が進んでいるものの、進行には歯止めがかかっていません。「気温が少し上がっても、大きな影響はないのでは?」と疑問を持つかもしれません。しかし、「たった数℃」でも、その影響は大きいと言われています。身近な例で考えると、2019年時点から平均気温が1℃上がると、日本では35℃以上の猛暑日は1.8倍に増えるそうです※1

  • 1 出典:気象研究所ほか、平成30年7⽉の記録的な猛暑に地球温暖化が与えた影響と猛暑発⽣の将来⾒通し、令和元年5月22日

さらに、地球温暖化による影響は、気温上昇といった気候変動だけに留まりません

集中豪雨による大洪水、北極や南極の氷河や流氷の減少、海面上昇、砂浜の減少、農作物の成長不良や漁獲量の減少による食糧危機、蚊の増加とそれに伴う伝染病の増加など、さまざまな環境問題が複合的に起こることが予想されています。

地球温暖化は様々な問題を引き起こす。

「地球温暖化」の原因

地球温暖化の原因の一つは、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の増加です。地球では、太陽からのエネルギーで地表が暖められ、暖められた地表からは熱が放出されています。CO2などの温室効果ガスには、その熱を吸収することで、大気を暖める効果があります。もし適度なCO2がなければ、温室効果が不十分となり、地球の気温はもっと低く、人間が暮らしにくい気温になっているはずです。

このように、温室効果ガス自体は地球の気温を適度に保つために不可欠なものですが、問題になるのは人間が排出する「CO2の量が増え続けていること」です。大量の温室効果ガスに包まれた結果、地球は太陽からの熱を宇宙に放出することができず、気温が過度に上昇する、この現象が「地球温暖化」です。

「地球温暖化」の原因

1世帯あたりのCO2排出量は年間数トン

ある統計では、日本の世帯当たりの年間CO2排出量は、2880kg(約3トン)とされています(住んでいる地域、世帯構成などにより排出量は異なります)※2。これは、樹齢40年のスギが1年で吸収するCO2量に換算すると、約327本分に相当します※3

1世帯あたりのCO2排出量は年間数トン

  • 2 出典:環境省、『令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査』、2022年3月
  • 3 林野庁ウェブサイトを参考に算出。樹齢36~40年のスギ人工林1ヘクタール(1,000本と仮定)が1年間に吸収するCO2を8800kgとして算出(=8.8kg/本・年)。327(本)≒2880(kg/年)÷8.8(kg/本・年)

また、各国民1人当たりのCO2排出量をグラフで見てみましょう。世界平均と比較すると、日本は平均を上回っていることがわかります※4。このように私たち日本人も、地球温暖化にストップをかけるための大きな責任を担っているのです。

各国民1人当たりの二酸化炭素排出量

各国民1人当たりの二酸化炭素排出量

  • 4 出典:『EDMC/エネルギー・経済統計要覧2017年版』、日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット。前述の環境省の年間CO2排出量(2880kg)と数値が異なるのは、考え方や計算方法などが異なるため。例えば、上表には、製造業(工場)や企業のオフィスなど、一般家庭とは直接は関係ないところで使われるエネルギーから排出されるCO2の量も含まれています。

CO2削減のために私たちができること、取り組みは?

CO2削減に向けて私たちの暮らしの中では、どんなことができるのでしょうか。暮らしとCO2の関係について、いくつか例に挙げて見ていきましょう。

POINT

1.節電

節電

日本では、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで発電する場合が多く、多くのCO2が発生しています。つまり、日本では、電気を使うということは、同時にCO2を排出することでもあるのです。節電は電気代の節約だけでなく、CO2削減にもつながりますよ。

2.節水

節水

水道水や家庭用排水の処理のために、上下水道の施設ではポンプを稼働するなど、多くの電気が使われます。つまり、私たちが節水するほど、水道施設で処理する水を少なくできるため、節電でき、CO2削減に貢献できるというわけです。

3.車の利用方法の見直し

車を動かすためには燃料を燃やす必要があり(ガソリン車などの場合)、CO2が排出されます。最近では、「スマートムーブ」というCO2排出の少ない移動手段を選ぶことで、エコだけでなく健康・快適に繋がるライフスタイル提案も世の中に出てきています。運輸効率の良い公共交通機関や自転車の利用、徒歩移動を増やすなど、車の利用を見直すことはCO2の削減につながります。

4.食品ロスの削減

食べ物は、製造、保管、配送、消費、廃棄というすべてのステップで電気などのエネルギーを使っています。食品ロスが出るということは、本来であれば不要なエネルギーを使っているということ。食べる分だけを購入し、無駄なく食べきれば、捨てられていた食品のために使われていたエネルギーを節約でき、その分、CO2を削減することができます。

コレでこのくらい! CO2削減のための工夫一覧表

世帯当たりの年間CO2排出量が2880kgとして、例えば、それを30%削減しようとすると、約900kgの削減が必要です※5。毎日の工夫が、どのくらいのCO2削減につながるのかをリストにまとめました。小さな行動の積み重ねが、大きな力となります。家庭でできることをチェックし取り入れてみませんか。なお、詳細や算出条件などについては、出典をご確認ください。また、年間CO2削減量や節約額の記載のない工夫もあります。

  • 5 日本ではパリ協定を受け、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することを目標として定めました。その数値を基準に30%としています。参考値であり、政府の目標値とは関係がない点、ご注意ください。

一つ一つの行動で削減できるCO2量は、わずかと感じるかもしれません。けれど、目標達成のためにはあなたを含む多くの人の小さな積み重ねこそが大事! 意識を変え、行動を変えることが、地球の未来を守ることにつながります。持続可能な世界のために、一人一人ができることを続けていきたいですね。

大項目 中項目 小項目 年間CO2
消費量
(kg)
節約額(円) 出典
キッチン 冷蔵庫

食材などを詰め込みすぎない

21.4 1180 ※7

冷蔵庫の中を整理する(常温で保存できるものは冷蔵庫に入れない)

    ※7

熱いものは冷ましてから保存(熱いと庫内の温度が上がり、冷却のためのエネルギーを消費する)

    ※7

冷蔵強度 強→中にする(周囲温度22℃)

30.1 1670 ※7

壁から適切な間隔で設置する

22 1220 ※7

無駄な開閉を控える

5.1 280 ※7

開けている時間を短くする

3 160 ※7
電子
レンジ

野菜の下ごしらえに電子レンジを活用
※葉菜(ほうれん草など)をガスからレンジに変えた場合

12.2 990 ※7
炊飯器

長く保温しない(保温時間が長くなると電力の消費量増加)

    ※7

食べる時間にあわせて炊き上げる(タイマー利用)

    ※7

使わない時は、プラグをコンセントから抜く

    ※7
電気
ポット

長時間使用しない時は、プラグを抜く

52.4 2900 ※7

保温は低めの温度(低めの温度で保温して、必要な時にその都度再沸騰させる)

    ※7
食器洗い乾燥機

洗浄終了後、扉を開けて余熱だけで乾燥させる

    ※7

食器の点数が少ないときは、「少量コース」等を選ぶ

    ※7

洗剤の適量を守る(少なすぎると洗浄力は落ちる。多く入れすぎても洗浄性能はほとんど変わらない)

    ※7

食器の残菜を丁寧に捨てるなど、あらかじめ前処理をして効率的に洗う

  ※7

使用する時はまとめ洗いする

  8570 ※7
ガス
給湯器

洗い物は、ため洗いする(洗う前に食器を水につけておいたり、ヘラやボロ布で汚れをふき取っておくと、使うお湯の量が少なくてすむ)

    ※7

お湯を沸かす時は、水からでなく、給湯器のお湯を沸かす

    ※7

食器を洗う時は低温に設定する

19.7 1430 ※7
ガス
コンロ

鍋の水滴をふき取ってから、コンロにかける(底が濡れたままだと、水を蒸発させるのに、余分なエネルギーが必要)

    ※7

鍋は平たい底がおすすめ(平たい底の方が熱効率が良い)

    ※7

コンロに点火するのは、鍋ややかんをのせてからにする

    ※7

炎が鍋底からはみ出さないように調節する

5.3 390 ※7
洗濯 洗剤量

洗剤は適量にする(洗剤を多く入れすぎた場合、洗濯時間が長くなる場合があります)

    ※7

すすぎは注水すすぎより、ためすすぎにする。

    ※7

風呂の残り湯を洗濯に利用する

     

すすぎ回数を2回から1回にする(すすぎ1回で使用できる洗剤を使用する場合)

     
回数

洗濯物はまとめ洗いをする(少量の洗濯物を毎日洗うよりも、洗濯機の容量に合わせて、洗濯回数を少なくする)

2.9 4510 ※7
衣類
乾燥機

まとめて乾燥し、回数を減らす

20.5 1130 ※7

自然乾燥を併用する

192.6 10650 ※7
風呂 シャワー

シャワーを1日1分家族全員が減らす

     

シャワーは不必要に流したままにしない

     
風呂
給湯器

同居者が間隔をあけずにお風呂に入る

85.7 6190 ※7

水を沸かすよりも、お湯をためる

    ※7

入浴しない時は、浴槽にフタをする(フタをしないと、浴槽にためたお湯から、どんどん熱が逃げる)

    ※7

使用しない時は、リモコンのスイッチを切る

    ※7
トイレ 温水洗浄
便座

使わない時はフタを閉める

17 940 ※7

寒い季節だけ使用する

    ※7

省エネ/節電機能を活用する

    ※7

暖房便座の温度は低めにする(便座の設定温度を一段階下げる(中→弱))

12.9 710 ※7

洗浄水の温度は低めにする(洗浄水の温度設定を一段階下げる(中→弱))

6.7 370 ※7
照明 電球

白熱電球から電球形蛍光ランプに取り替える

41 2270 ※7

白熱電球から電球形LEDランプに取り替える

43.9 2430 ※7
点灯時間

<蛍光灯>点灯時間を1日1時間短縮する

2.1 120 ※7

<白熱球>点灯時間を1日1時間短縮する

9.6 530 ※7

<電球形LEDランプ>点灯時間を1日1時間短縮する

1.6 90 ※7
掃除 掃除機

ほうきを利用する

    ※7

部屋を片付けてから掃除機をかける(利用時間を、1日1分短縮)

2.7 150 ※7

パック式は適宜取り替える

0.8 40 ※7
テレビ 利用時間

1日1時間テレビ利用を短縮する

     

<液晶>1日1時間利用時間を短縮する(32V型)

5.9 370 ※6

<プラズマ>1日1時間利用時間を短縮する(32V型)

19.8 1240 ※6
電源

主電源を切る(リモコン待ち状態でも電力を消費する。旅行など、長期不在の時はプラグを抜く)

※7
明るさ

明るさ調節する前に、画面の掃除をする(テレビ画面は静電気でホコリを寄せ付けやすい。一週間に一度程度は掃除)

※7

画面の明るさを調整する(液晶で32V型の画面の輝度を最適(最大→中間)にした場合)

13.2 730 ※7
レコーダー 電源など

「高速起動モード」や「クイックスタート機能」を控える(設定していると、待機時消費電力が大きくなる)

※7

時刻表示等をオフにする設定にする

※7

消す時は主電源をOFFにする

※7
パソコン 電源

使わない時は、電源を切る(スクリーンセーバーは設定していても、消費電力は下がらない)

※7

<デスクトップ型>1日1時間利用時間を短縮する

15.4 850 ※7

<ノート型>1日1時間利用時間を短縮する

2.7 150 ※7

<デスクトップ型>電源オプションを「モニタの電源をOFF」から「システムスタンバイ」にする

6.1 340 ※7

<ノート型>電源オプションを「モニタの電源をOFF」から「システムスタンバイ」にする

0.7 40 ※7
冷暖房 エアコン
(冷房)

夏は無理のない範囲で室内温度を上げる

14.8 820 ※7

エアコン(冷房)を1日1時間短くする(設定温度:28℃)

6.6 410 ※6

冷房は必要な時だけつける。
※冷房を1日1時間短縮した場合(設定温度:28℃)

9.2 510 ※7

冷房時の工夫(ドア・窓の開閉は少なく、レースのカーテンやすだれなどで日差しをカット、外出時は、昼間でもカーテンを閉める、扇風機を併用(風が体にあたると涼しく感じる))

※7
エアコン
(暖房)

冬の暖房時の室温は20℃を目安にする

25.9 1430 ※7

エアコン(暖房)を1日1時間短縮する(設定温度:20℃)

14.3 900 ※6

暖房時の工夫(ドア・窓の開閉は少なく、厚手・床まで届く長いカーテンを使用、扇風機を併用。暖まった空気を循環させる)

※7
その他

室外機のまわりに物を置かない。風通しの良いところに置く(熱の出入口での熱交換をスムーズにする)

※7

フィルターを月に1回か2回清掃する

15.6 860 ※7
ファン
ヒーター

外出や就寝時の15分くらい前に電源を切る

※7

フィルターを掃除して効率を向上させる

※7

寒い時は、設定温度を上げる前に、着る物で工夫する

※7

<ガスファンヒーター>室温は20℃を目安にする

18.3 1320 ※7

<ガスファンヒーター>1日1時間運転を短縮する(設定温度:20℃)

30.3 2150 ※7

<石油ファンヒーター>室温は20℃を目安にする

25.4 880 ※7

<石油ファンヒーター>1日1時間運転を短縮する(設定温度:20℃)

41.5 1470 ※7
電気カーペット

電気カーペットの下に断熱マットなどを敷く

※7

電気カーペットを分割して温める機能があるものは活用して、人のいない部分は温めない

※7

広さに合った大きさを選ぶ

43.9 2430 ※7

設定温度は低めにする

90.8 5020 ※7
電気
こたつ

上半身を温めるためカーディガンなどを1枚多めに着込む

※7

こたつ布団に、上掛と敷布団をあわせて使う。

15.9 880 ※7

設定温度は低めにする(温度調節を「強」から「中」に下げる)

23.9 1320 ※7
床暖房

室温は低めに設定する

※7

就寝や外出の30分前にスイッチを切る(運転をストップしてもすぐに冷めることはなく、暖かさが持続する)

※7

床暖房の上には、カーペットやラグマットなどを使わない(床暖房のある部屋にベッドを置く場合は、ベッドの下にものを置かない)

※7
ガス
給湯器

給湯器を省エネタイプに変更する

※7
買い物 容器包装

買い物袋(エコバック)を持ち歩き、省包装の野菜を選ぶ

     

包装されていない、ばら売りや量り売りを利用する

 
買物量

使いきれない量を買わないように心がける

※7
自動車 運動

運転を控える

     

発信時に急加速しない(目安は5秒間で20km/h程度)

194 11950 ※7

加減速の少ない運転を心がける

68 4190 ※7

早めのアクセルオフを実施する

42 2590 ※7

アイドリングストップ(5秒の停止で、アイドリングストップ。短い時間のエンジン停止でも省エネ効果があります)

40.2 2480 ※7

道路の交通情報を活用して。渋滞を避ける

※7
自動車

自分の燃費を把握する

※7

エアコンの使用は適切にする

※7

タイヤの空気圧などの点検・整備を適切に実施する

※7

不要な荷物はおろす

※7

低燃費、低排出ガス車を利用する

※7
移動手段

公共交通機関の利用を心がける

※7
  • 6 出典:一般財団法人省エネルギーセンター冊子「家庭の省エネ大辞典2012年版」
    https://www.eccj.or.jp/
  • 7 出典:経済産業省資源エネルギー庁ウェブサイト「家庭でできる省エネ」
    https://www.enecho.meti.go.jp/
知ってる?やってる?サステナブル!特設ページはこちら!知ってる?やってる?サステナブル!特設ページはこちら!

この記事を作成・監修した
マイスター

片木 徹也

お洗濯マイスター

片木 徹也

かたぎ てつや

洗濯用洗剤などの製品開発に約15年携わってきました。
日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。

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