猛暑も涼しく快適に!暑さ対策のコツと役立つひんやりグッズ
ますます暑くなる日本の夏。そこで、今日からできる「暑さ対策」をご紹介します。まず温度・湿度や日差し、風のコントロールにより「涼しく過ごせる室内環境」を作りましょう。手足を露出する、吸水速乾インナーを着るなど「衣類選びや着こなし術」も実践を。そして、外出先でも便利な「ひんやりグッズ」も活用しましょう!
今よりもっと暑くなる日本の夏。暑さ対策はマスト!
近年、夏になると、毎年のように「記録的な暑さ」といった言葉が聞かれます。今後はより一層夏が暑くなると言われていること、ご存知ですか?気象庁は、「21世紀末の東京は年平均気温が現在(1981~2010年観測値の平均値)より4.3度程度上昇し、現在の屋久島に近い気温になる」「真夏日(最高気温が30℃以上)は年間55日程度増加する」と予測しており※1、日本の亜熱帯化が進みそうです。
※1 出典:気象庁ホームページ「地球温暖化予測情報 第9巻」を編集
(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/GWP/index.html)
現在(1981~2010年観測値の平均値)と将来(2076~2095年予測値)の計算結果を比較
そうなると、これまで以上に大事なのが「夏の暑さ対策」。梅雨が明けると気温がグンと上昇し、本格的な暑さが到来します。暑さを気にせず、夏を存分に楽しむためにも、しっかり対策しておきたいですね。
そこで、簡単にできる夏の暑さ対策をご紹介します。
まずは「涼しく過ごせるような室内環境」にしよう!
夏を快適に過ごすために、まず、リビングや寝室など長時間過ごす部屋の環境を整えましょう。エアコンの効率的な使い方や窓の開け方など、心地よい環境をつくるポイントをご紹介します。
熱中症は室内でもかかるリスクがあります。「この程度の暑さなら大丈夫」と我慢せず、下記の4つのポイントを参考に適度な室内環境にしましょう。特に、高齢者は「皮膚感覚が低下する」といわれています。室内が高温になっていても気づかないこともあり、注意が必要です。意識して室温コントロールしましょう。
1.温度と湿度を適度に下げる
クールビズが推奨する室温は28度。これは、「エアコンのリモコンの設定を28度にする」ということではなく、「室温を28度にする」ということです。太陽光の当たり方や、空調設備の種類などによっても室温は変わってくるので、こまめにチェックするとよいでしょう。
また、温度だけではなく「湿度」もポイントです。同じ温度でも湿度を下げるとより快適に過ごせます。快適に過ごせる湿度は55~65%とされています※2ので、ジメジメして不快な時は、除湿機やエアコンの除湿機能を上手に活用しましょう。
※2 出典:環境省ホームページ COOL CHOICE
(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/article/action_detail_012.html)
2.窓からの日差しを避けて、室温上昇をおさえる
窓から差し込む太陽光は、室温を高くする大きな要因です。外から室内に侵入する熱のうち、窓から入る熱は約7割を占めると言われています。ですから日差し対策はとても重要です。それにはこんなアイテムが役立ちます。
<遮熱カーテン>…最近は、ある程度の光を通して熱は遮る機能性の高い製品が手ごろな価格で販売されていますので、活用してみるのもいいでしょう。
<緑のカーテン>…ゴーヤやアサガオなどつる性の植物を育てて、窓の外に這わせましょう。植物は、日差しを遮る効果はもちろん、水分を葉から蒸散させる時に周りの熱を奪うので、温度を下げる効果も期待できます。
<すだれ、よしず>…どちらも日差しを遮る上に、風通しも良好。夏の風物詩として情緒も感じられます。
3.風通しを良くして空気を動かす
風が吹くと体感温度が下がって涼しく感じられるように、空気を動かすことで、同じ室温でもより気持ち良く過ごすことができます。対角にある窓を開けると風は通りますが、1つしか窓がない場合は、窓と共に部屋のドアを開けるだけでも風が通ります。風が通らない時は、扇風機やサーキュレーターを活用してみましょう。
エアコン使用時は、気流の流れや風量を工夫したり扇風機などを併用すると、床にたまりがちな冷たい空気が部屋全体に広がってより快適です。
4.音や香りで涼を楽しむ
軒先に風鈴をつるすと、音や見た目から涼しさを感じられて風情があります。
また、スーッとしたミントの香りをかぐと、さわやかで暑さが和らぐように感じることがありますね。
清涼感のある音や香りを、部屋の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
「衣類選びや着こなし」を工夫して涼感アップ!
1日身につける衣類選びや着こなしも、涼しく過ごすための大事な要素です。
夏は「体から効率良く熱を逃がす」ことがポイントになります。
1.手・腕・足を露出する
手や腕、足は細長くて、手足の指部は凹凸があるので胴体に比べて表面積が広く、さらに、手足の末端には体温をコントロールしてくれるAVA(動静脈吻合・どうじょうみゃくふんごう)という血管があるので、人間のからだの中でも「熱を逃がしやすい」部位です。
ノースリーブシャツやショートパンツなどの服を着て手・腕・足を露出させると、体の熱を効率よく逃がすことができます。
2.衣類の中に風が通るように着る
手足と比べて胴体は熱が逃げにくい部位です。そこで、衣類の中に風を通して空気の流れを作り、胴体から熱を逃がす工夫をしましょう。例えば、「袖口や肩、襟元が開いているデザインの服を着る」、「シャツの襟元を開ける、裾はインしない(ボトムの中に入れない)」などの着こなしがおすすめです。
3.「吸水速乾効果」のあるインナーを着用する
私たちのからだは暑くなると汗をかきます。その汗が皮膚上で蒸発する時の「気化熱」で体温を下げます。吸水速乾効果のあるインナーを着ていると、汗がインナーの繊維と繊維の隙間にすばやく吸い上げられて広がるので、汗が蒸発しやすくなり、体温の上昇がおさえられます。
パジャマや寝具を夏仕様にして、就寝中の暑苦しさを和らげよう
エアコンや扇風機を使うだけでなく、パジャマや寝具も夏仕様にすると、就寝中もより快適です。
人は寝ている間も意外と汗をかくので、特に夏はパジャマや寝具も「吸汗速乾性の高い素材のもの」を選ぶのがおすすめです。汗をすばやく吸い取って、じっとり暑苦しくなるのを防いでくれます。
<吸汗速乾性のあるパジャマ>…吸汗速乾性の高い素材で、首元と袖口がゆったりしたデザインがおすすめ。通気性も良く快適に眠れます。暑くても裸ではなく、パジャマを着ましょう。裸だと就寝中にかいた汗が直接寝具に移ってしまい、湿気がこもって、かえって不快になりがちです。
<麻やイグサ素材の寝具>…定番の麻の肌掛けやシーツのほか、最近は畳の素材であるイグサや接触冷感素材を使ったシーツや敷きパッドなどの寝具もあります。肌が触れた時の、心地良い冷たさもうれしいですね。
手足を水につけると、その後もひんやり気持ちいい!
夏はベランダや庭でビニールプールに水を張り、子どもを遊ばせたりしますよね。自分も一緒に水浴びすれば涼しいけれど、水着に着替えるのは面倒…そんな時にはプールのそばで見ているだけでなく、足だけでも水につけてみましょう。水から足を出した後もしばらくの間は冷えていて、部屋に戻った時も涼しく過ごせます。
足を水につけると、どのくらいひんやり感が持続するのでしょうか?
温度30℃、湿度60%の室内で足を水につける前後の皮膚の温度を、サーモグラフィーで撮影しました。足を水につけて30分経つと、水につかっていたふくらはぎから下の足元の温度が下がったことがわかります。そして、驚くことに、水から足を出して45分経っても、初期より足全体の温度が低い状態を保っています。
※18~20℃の水道水をおけに入れ、その中に足をつける
足が冷えていると、暑い部屋にいても普段より涼しく感じます。つまり、プールに足を入れておくだけで、その後もしばらく快適に過ごせるというわけです。
このひんやり効果は、手(腕)でも同様に得られます。水に15分ほど手をつけておくと、その後15分程度は腕が涼しく感じられます。洗面器を使えばリビングでもできるので、テレビを見る時などにぜひお試しください。(詳しくは「教えてマイスター」)
お家でも外出先でも使えて便利!注目のひんやりグッズ
自宅でもお出かけ先でも活躍する便利な「ひんやりグッズ」をご紹介します。ネッククーラーなど定番のグッズも、より使いやすく年々進化しています。厳しい暑さに負けないために、上手に賢く使いこなしましょう。
<ボディ用の冷却シート>…ピタッと貼れるボディ用の冷却シートは、暑い屋外で活動する時にからだを適度に冷やして役立ちます。特に「脇の下」「足のつけ根」「首筋」の冷却ポイントを冷やすと涼しく感じられます。
外出する際は、他人から見えないように「脇の下」と「足のつけ根」に冷却シートを貼りましょう。伸縮性が高いので、動きのある部位でもピタッと貼れてはがれにくく便利です。
<からだの冷却ポイント>
「脇の下」「足のつけ根」「首筋」は動脈が皮膚のすぐ下にあるため、循環する血液を効果的に冷却できると言われています。
<ネッククーラー>…襟に隠れるタイプや、防水素材で衣類が濡れないタイプなどもあります。家にいる時はもちろん、通勤時や外出先でも役立ちますよ。
<汗ふきシート>…汗のベタつきやニオイもふき取れて、さっぱりします。さらさら感が持続するものもあるので、お出かけの際にバッグに携帯用の汗ふきシートを入れておくと便利です。ノンパウダーの汗ふきシートは、濃い色の洋服を着ている時も白残りを気にせず使えます。また、クール感の強いタイプも出ていますので、暑い季節にはおすすめです。
<冷やしおしぼり>…冷蔵庫や冷凍庫で冷やした濡れタオルのおしぼりでからだをふくと、すっきりとクール感を感じることができます。(詳しくは「夏のおしぼりの作り方 ひんやり気持ちよく清潔に!」)
いかがでしたか。手軽にできるテクや使ってみたいグッズがあればどんどん取り入れて、ますます暑くなる日本の夏を元気に乗り切りましょう!
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
手を水につけると、どのくらいひんやり感が持続する?
手を水に15分ほどつけると、その後15分程度は腕がひんやり
足を水につけると長時間ひんやり効果が持続しましたが、手の場合はどうでしょうか?
手を水につける前後の皮膚の温度を、サーモグラフィーで撮影しました。手を15分間水につけることで、腕全体の温度が下がったことがわかります。水から手を出して15分後も、腕は初期より温度が低い状態を保ち、ひんやり感じられることがわかりました。
*温度30℃、湿度60%の室内にて評価、水温は20℃程度
手を水につけるのは足よりも手軽にできるのもメリットです。
例えば、朝のテレビドラマを見ている間、洗面器に水を張って手をつけておき、その後外出すると、家から駅まで歩いて15分程度であれば涼しくいられることになります。電車に乗れば冷房が効いているので、習慣にすると朝の通勤がより快適になりそうですね。
この記事を作成・監修した
マイスター
ヘルスケアマイスター
芳賀 理佳
はが りか
くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。
衛生マイスター
浅野 ほたか
あさの ほたか
界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。
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