発熱の「しくみ」と「症状」

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LION ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳はが りか

発熱の「しくみ」と「症状」

発熱とは

発熱とは何らかの原因で、体温が平常より1℃以上高くなった状態をいいます。
発熱の原因のほとんどは、ウイルスや細菌の感染によるものですが、熱中症のように体温の制御が不能になって熱が高くなることもあります。

体温をコントロールする「しくみ」

1.人の体温

人の体温は、脳の視床下部にある「体温調節中枢」がコントロールし、ある一定の範囲内に保たれています。体温調節中枢では、標準となる温度(平熱)が設定されていて、その温度と実際の体温とが常に一致するように、熱の産生または放出命令を出しています。

2.熱の産生と放出

熱は、通常の安静時には脳や心臓、肝臓などでつくられますが、運動時には主に筋肉によってつくられます。運動時に汗をかくのは、運動により多くなりすぎた熱を放散するためです。外気の気温が高くなった時も、同様の反応を示します。
反対に、寒い時にブルブル震えるのは、筋肉を動かすことにより体温を上げようとしているためです。鳥肌が立つのは、皮膚が熱放散をおさえるために、毛穴を閉じるためです。

発熱の「原因」

発熱の原因としては、次のようなものがあります。

1.ウイルスや細菌の感染による発熱

発熱の原因としてもっとも多いのは、ウイルスや細菌の感染による発熱です。ウイルスや細菌が体内に侵入すると、からだは免疫力を使って退治しようとします。その免疫力を高めるためには、平熱よりも高い温度が必要となり、体温調節中枢の指令によって体温が上昇します。

2.体温の制御不能による発熱

熱中症、中枢性発熱、脳腫瘍、脳血管障害など、体温の制御が不能になって熱が高くなることがあります。これらの病気は、生命の危機にかかわるため、早急な医師の治療が必要です。

発熱の「症状」

発熱の初期段階は、悪寒やふるえを感じ、体温の上昇期には、頭痛やだるさを感じます。そして、ピーク期に高熱が発生します。
発熱があると、何度熱があるのかということに気を取られがちですが、実際は「普段の熱に比べて何度高くなっているか」が重要です。また、どのくらい発熱が続いているのか、期間にも注意して観察することが大切です。

感染による発熱の特徴

細菌やウイルスの感染による発熱は、体温の変化によって、以下のように、「前兆期」「上昇期」「ピーク期」「下降期」に分けられます。

1.「前兆期」

細菌、ウイルス、カビなど外因性発熱物質が体内に侵入すると、血液中にある「白血球」がこれを発見し、攻撃をはじめます。同時に、外因性発熱物質の種類や強さといった情報を「中枢神経」に伝達します。
中枢神経は外因性発熱物質に勝つパワーを免疫細胞に与えるため、発熱の指令を出します。それをキャッチした視床下部の「体温調節中枢」が、体温の設定温度を高温にセットします。
この時、体温はまだ平熱ですが、高温にセットされた設定温度に早く近づこうと、熱放出をストップして、エネルギーを熱に変換させるため、悪寒やふるえといった症状が出ます。

2.「上昇期」

体温調節中枢の指令に従って、体温を設定温度まで上げている過程です。発熱にパワーを集中させるため、からだの機能が20%ほど低下します。そのため、頭痛やだるさを感じ、頭がボーッとした状態になります。

3.「ピーク期」

体温調節中枢の設定温度と、実際の体温が一致した状態です。免疫細胞が活発に活動し、外因性発熱物質を攻撃します。

4.「下降期」

免疫細胞の働きによって外因性発熱物質を退治すると、体温調節中枢は設定温度を平熱にセットし直します。カラダの各機能もその設定に従い、体温を下げはじめます。発汗は、熱を下げるもっとも有効な方法です。汗をかきはじめたら、熱が下がりはじめたサインと考えられます。そのあと、体温は平熱に戻り、発汗も止まります。


教えて マイスター

「低体温症」と「発熱」の関係は?

「低体温症」の人は体温上昇期が長引く

「低体温症」の人はもともとの体温が低いため、ウイルスや細菌と戦える温度にまで体温が達しにくくなります。免疫細胞が活発に働きはじめる温度が37℃に達するまで、体温上昇期が長引いてしまいます。

ウイルスが侵入した場合「長期戦」になる

「低体温症」の人は熱の感じ方や体力の消耗も大きく、体温を管理するという「視床下部」本来の機能が低下しているため、ウイルスが侵入した場合、どうしても「長期戦」になります。

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