干し野菜(乾燥野菜)の作り方|切り方や干し方から、冷凍保存の方法まで

干し野菜(乾燥野菜)の作り方|切り方や干し方から、冷凍保存の方法まで

野菜を切って、天日干しまたは陰干しにした「干し野菜」。おいしく保存ができてすぐに使え、火の通りも早いので時短にも!野菜を洗って切り、水気を拭き取って、ざるなどに置いたら、風通しのよいところで干せば完成。その後、食品保存バッグに入れて冷蔵または冷凍保存を。おうちのベランダでも気軽に始められますよ♪

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そもそも、干し野菜ってどんなもの?

干し野菜とは、野菜を切って天日干しまたは陰干しをしたものです。干し加減で2種類に分かれます。1つは、ある程度水分が残ったままにする「半生干し」。もう1つは、完全に水分を抜いた「カラカラ干し」。半生干しは、野菜のフレッシュさと味の濃さが楽しめます。水に戻さずにそのまま調理ができ、時短にもつながるのが魅力です。カラカラ干しは、常温でも長く保存できるのが特長です。

「干す」というひと手間を加えた野菜には、違った食感や旨味が感じられ、アレンジレシピも幅が広がります。パーティでもおしゃれで華やかなプレートが出来上がると最近話題の「干し野菜」。生の野菜と、どんなところが違うのでしょうか?

半生干しの干し野菜にすると、野菜がどう変わる?

うまみ・甘みがぎゅっと凝縮

生の野菜から水分を蒸発させるため、野菜が本来持っているうまみ・甘みが凝縮されます。自分で作った干し野菜を初めて食べる時には、その甘みにきっと驚くはずです。

干しておけばおいしく保存ができる

新鮮な野菜も生のままではすぐに傷んでしまいます。鮮度が良いうちに半生に干しておくと、おいしく冷凍保存ができます。また、カラカラ干しにしておくと常温でも長く保存できます。

干し野菜を使うと、こんな調理もらくに、おいしくできる

干し野菜にする時に、食べやすい大きさに切ってあるから、使いたい時にすぐに取り出して使えるのもうれしいポイント。火の通りも早いから、パパッと調理でき時短にもつながります。

・煮物・・・下ゆでも面取りもいらない
    長時間煮込んでも煮くずれしにくく、食感がよい
    火の通りが早く、味の染み込みも早く、時短になる

・炒め物・・・水分が出ないので、シャキシャキに仕上がる
     時間が経っても水っぽくならない

・焼き物・・・香ばしい焼き目が付く
     素材の旨味を味わえるので、調味料は少なめでよい

・揚げ物・・・少量の油で揚げられる
     火の通りが早い
     水分が出ないので、油ハネが少なく、油も汚れにくい

・和え物・・・水っぽくならないので、お弁当にも使える

・ピクルス・・・漬け汁が薄まらないので、長く保存できる

干し野菜の作り方の基本とコツ

①野菜を洗う
・皮付きで使う野菜は、たわしなどを使ってきれいに水洗いしてクッキングペーパーで水気を拭き取る。

②切る
・切り方次第で使い方もおいしさも変わる。
・使う料理にあわせて適当な厚み・形に切る。
・用途が決まっていない時は、大きめに切って干しておく。
・あくの強い野菜は切ったあと水にさらしておくと、干したときに変色しにくくなる。

③切り口の水気も拭き取る
・早く乾燥させ、カビさせないために、水気の多いものの場合は、切り口から出る水気もクッキングペーパーでよく拭き取っておく。

④ざるなどに置く
・乾きやすくするために、盆ざるや干しかごなどに直接野菜を置く。

⑤干す
・風通しのよいところで干す。
・虫や鳥が寄って来ないような対策をとる。
・葉物野菜なら、洗濯用の角ハンガーに吊るすと干しやすい。
・夜は取り込み、夜露などの湿気の影響を受けないようにする。
・翌日も干す場合は、一度取り込んで翌日、ざるに広げて干す。このとき、トマトなどカビやすいものの場合は、取り込んでから一旦冷蔵庫に入れ、また翌日干す。

⑥すぐ調理しないものは保存する
・半生干しの場合は、ジッパー付き食品保存バッグに入れて、冷蔵または冷凍保存。
・カラカラ干しの場合は、ジッパー付き食品保存バッグに入れて冷暗所で保存、乾燥剤を一緒に入れればより長く保存できる。

※干すときには、こんな道具が便利です

[盆ざる]広げて干しやすく、また風通しがよく乾きやすくなります。

[干しかご]虫や鳥から干し野菜を守ります。

平らな盆ざるなどの道具がなかったら、野菜を普通のざるに並べて作ることもできます。

こんな野菜がイチオシ!

干し野菜は手軽にできるのですが、でも、どんな野菜から始めればいいのか最初は迷ってしまいますよね?

そこで、干し野菜の専門家であるフードコーディネーターの廣田有希先生に、初心者でもトライしやすいオススメ野菜を聞いてみました!

「大根」を干し野菜にするには

 

切り方:1.5~2cmの厚切りにします。
干し方:半日~2日。表面が白くカサカサし、しんなりしていればOKです。
保存方法:冷蔵庫で3~4日。または、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
冷凍したものは時間があれば解凍。煮物、汁物にはそのまま使います。
オススメの使い方:ソテー、煮物、スープの具

「トマト」を干し野菜にするには

 

切り方:トマトの大きさによって6~12等分のくし切りにし、種を取り除きます。
干し方:皮を下にして数時間~2日。うっすら白みがかり、くにゃくにゃしてきたらOKです。
保存方法:冷蔵庫で2~3日。または、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
オススメの使い方:漬物、生食、炒め物、煮込み、焼き物

「パプリカ」を干し野菜にするには

 

切り方:4等分切り。
干し方:皮を下にして、数時間~1日。しんなりして表面にしわが寄るまで。
保存方法:冷蔵庫で3~4日。または、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
オススメの使い方:サラダ、煮込み、炒め物、和え物

「たまねぎ」を干し野菜にするには

 

切り方:1~1.5cmに輪切り。
干し方:数時間~1日。表面がしんなりしたらOK。
保存方法:冷蔵庫で3~4日。または、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍ておくと便利です。オススメの使い方:ソテー、グリル料理

一度はやってみたい!干し野菜のおしゃれな味わい方

でき上がった干し野菜は、そのまま食べてももちろんおいしいですが、調理しておしゃれに楽しんでみるのもオススメ。今回ご紹介した野菜で、干し野菜ならではの独特の食感と味わいをこんな風に楽しんでみませんか?

おもてなしにもなるジューシーな甘さの「アボカド大根」!

 

大根は、干し野菜にしてじっくり焼くとジューシーな甘さが引き立って一味違うおいしさが楽しめます。アボカドとわさびを混ぜたディップを添えれば、お肉やお魚にも引けをとらない立派な主役級おかずに早変わり。ホームパーティに出しても自慢できる一品になります!

<材料(2人分)>
干し大根(1.5~2cmの厚切り) 4枚
アボカド 1/2個
ねりわさび 小さじ1~大さじ1/2(お好みで)
アーモンドスライス 適量
オリーブオイル、塩、バター 適量

<作り方>
① 温めたフライパンに油を入れ、大根を中に火が通るまで弱火で蒸し焼きにする。
② アボカドにねりわさびを混ぜ、好みの辛さのペースト状にする。
③ 大根の両面が焼けたら塩とバターを入れ、アボカドと乾煎りしたアーモンドスライスをのせる。

カラフルな彩りで華やかな「ラタトゥイユ」!

 

干したトマト、なす、パプリカ、ズッキーニを使って、干し野菜のラタトゥイユはいかがでしょう?彩り豊かで見た目にも美しいワンプレートになります。干し野菜にすることで野菜の甘みを最大限引き出しているから、もちろん味もバッチリです!

<材料(2人分)>
干しトマト(1cmのくし形切り) 2個分
干しなす(乱切り) 1個分
干しパプリカ黄・赤(乱切り) 各1/2個分
干しズッキーニ(輪切り) 1本分
たまねぎ 1/2個
にんにく 1/2片
オリーブオイル 大さじ1
酢 小さじ1
塩、タイム、適量
生バジル (お好みで)

<作り方>
① たまねぎはスライスに、にんにくはみじん切りにする。
② フライパンに、にんにく、オリーブオイルを入れ、火にかける。
③ 良い香りがしてきたら、野菜を全て入れ、塩とタイム、水大さじ1を加え、蓋をして弱火で煮る。
途中で水分が足りないようなら水を大さじ2~3入れる。
④ 野菜に火が通ったら、酢を入れ、さっと炒めて完成。好みでバジルを添える。

とろんと甘い「たまねぎステーキ チーズソースかけ」!

 

たまねぎは干すと甘くなるだけでなく、歯ごたえも楽しめます。その干したまねぎに火を通すと、グーンと甘みが増して最高です。チーズを添えたたまねぎステーキは、お酒にも合います。

<材料(2人分)>
干したまねぎ(1.5cmの輪切り) 6枚(中玉1個分)
牛乳 小さじ2
とろけるチーズ 10g
マスタード、塩、オリーブオイル 適量
パセリ、黒こしょう (お好みで)

<作り方>
① 温めたフライパンに油を入れ、干したまねぎを弱火で蒸し焼きにする。
② 牛乳を温め、チーズを溶かし、マスタードと塩を入れてソースを作る。
③ たまねぎの両面が焼けたら②のソースをかける。お好みでパセリを飾ったり、黒こしょうをふってもおいしい。

ベランダでも始められます♪

野菜を干すだけで、食事の楽しみが何倍にも広がる干し野菜。ちょっぴりの手間と時間をかけて日に当てるだけだから、すぐにおうちのベランダでも始められます。洗濯物と同じ感覚で、干したままお出かけしても大丈夫。子どものお昼寝中や、映画を観ている時間など、家にいるときに時間を上手に使って楽しむこともできます。

ちょっとした時間を見つけて野菜を干しておけば、お日さまのパワーでおいしい干し野菜のできあがりです。よく晴れた休日が今よりもっと楽しみになりそうですね。

 

この記事でご紹介した「つきじ常陸屋」の盆ざる、干しカゴについて詳しくはこちらをご覧ください。

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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