大根を冷凍保存する方法とは?おいしく食べきるテクニック

大根を冷凍保存する方法とは?おいしく食べきるテクニック

大根を1本買ったものの、使い切れずに冷蔵庫の隅に残ってしまいませんか?余った大根は、冷凍できるんです!冷凍した大根は、「煮汁がしみ込みやすい」「下ゆでしなくても煮えるのが早い」といったメリットがあります。使いやすい形に切ったり、すりおろしたりして冷凍すると、凍ったまま調理に使えるのでラクですよ。

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大根を残さずおいしく食べつくすには…

サラダや煮物などを作ったあと、大根を使い切れずに冷蔵庫の中に放置し、気付いたら切り口や周りが黒くなっていたり、水分が抜けてしなびていたり、すが入ってしまっていたりという失敗はありませんか。あるいは、ちょっとだけ大根おろしが欲しいけれど、また余らせてしまうかも…と買うのをためらった経験はありませんか。
一度で食べ切れない大根を上手に保存しておいしく食べる方法として、以前ご紹介した「干し野菜」もおすすめですが、今回は「冷凍保存」のコツをご紹介します。

大根を冷凍保存する際のポイント

大根は凍ったまますぐに使えるように、皮をむいて使いやすい形に切っておきます。大根おろしの場合は、軽く汁を切っておきます。ジッパー付きの食品保存バッグに、できるだけ大根がかさならないように薄く平らにして入れ、空気を抜いて密封して冷凍保存します。
冷凍保存した大根は凍ったまま、煮物や炒め物、汁物の具材として使います。

詳しいコツは以下に紹介します。

POINT

大根の冷凍保存のポイント

1. 使いやすい形に切って保存

冷凍したまますぐ調理ができるように、大根を洗って皮をむき、使いやすい形に切ってから保存します。

使いやすい形に切って保存

2. 大根おろしは、軽く汁を切ってから保存バッグに

フェルトタイプのクッキングペーパーをザルに敷いて大根おろしの汁を切ると、ザルの網目に大根おろしのカスが引っかからず、後片付けがとてもラクです。

 大根おろしは、軽く汁を切ってから保存バッグに

3. 食品保存バッグに入れて密閉

冷凍庫の中でも空気に触れると食材は劣化しやすくなります。空気を通しにくいジッパー付き食品保存バッグに入れ、できるだけ空気を抜いて密閉します。

4. 熱が伝わりやすいように、平らに並べて冷凍

食品保存バッグは、金属トレイの上に薄く平らに並べて置くと、熱が伝わりやすく、速く冷凍できます。また、薄く平らな状態で凍っている方が、使いたい分だけ取り出しやすく、火が通りやすく手早く調理できます。

大根を冷凍するとどうなるの?

冷凍保存をした大根を使って調理すると、生の大根とどのような違いがあるのか、いろいろと試してみました。もとの大根の状態や個体差によって程度の差はありますが、以下のような傾向が見られました。

煮汁がしみ込みやすくなる

「生大根」と「冷凍大根」を同じ時間煮たあとの切り口を比べたもの

この写真は、「生大根」と「冷凍大根」を同じ時間煮たあとの切り口を比べたものです。右側の冷凍大根の方が、中まで煮汁がしみ込んでいることがひと目でわかります。
これは、冷凍により大根の内部が変化したからです。食品成分表で見ると、生の大根の水分量は約95%、非常に多くの水分を含んでいます。その大根を冷凍すると、内部の水分が「氷の結晶」となって体積が大きくなり、細胞壁を壊してしまいます。そのため、冷凍した大根は、煮汁が内部までしみ込みやすくなるのです。

早く煮えて時短になる

通常、生の大根を使って煮物などを作る時は、やわらかくし、同時に独特のえぐみ・苦味を除去するために15分程度の下ゆでをします。3cmくらいの厚みに半月切りした大根なら、下ゆでと味付けで30分以上かかります。
しかし、冷凍大根の場合は、前述のように中まで煮汁がしみ込みやすくなっていますので、下ゆでする必要がありません。凍ったままの状態で鍋に入れてから15~20分程度で煮え、味もしみ込みます。

弾力が出て食感が変わる

前述の写真でもわかるように、冷凍大根は形が崩れていますが、周囲から煮くずれしているのではありません。中はやわらかいのですが、外側はしっかりとしていて、弾力性があります。厚みのある大根を生からやわらかく煮た場合、箸を入れるとサクッと切れますが、冷凍大根の場合は、押しつぶされたあとに「ブシュ」っと音がして切れるような感じです。煮物にするとやわらかく、中からジュワっと煮汁がしみ出てくるおいしさです。

大根おろしも冷凍して保存できる

大根おろしは、繊維を断ち切りながら作っていますので、冷凍しても変化が少なく、自然解凍してそのまま使えます。
みぞれ煮などにする時は、凍ったまま調理することができます。

冷凍大根の食感の変化を少なくするには、こんな冷凍方法も!

1. 調味液につけて冷凍する
煮物用の大根は、厚めに切って冷凍するため、前述のように食感の変化を感じやすくなります。その食感が好みでない場合は、調味液を一緒に入れて冷凍しましょう。
砂糖、みりん、しょうゆを大さじ1ずつ入れ、大根が全体的につかるように大さじ3~5杯の水を入れ、空気を抜いて密閉します。冷凍の際、調味料によって大根内部の水分が引き出されますので、氷の結晶が小さくなり細胞のダメージを減らすことができます。
調理の際は、凍った調味液ごと鍋に入れてとかすことで、水分や味を足して煮ることができますので、手早く調理が可能です。

調味液につけて冷凍する

2. 干してから冷凍する
厚めに切った大根を1日干してから冷凍すると、干すことによって水分が抜けるため、大根内部の水分の凍結の影響が小さくなり、「干し大根」独特の歯ごたえのある食感を味わえます。

干してから冷凍する

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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