下ごしらえで魚のおいしさが変わる!選び方・おろし方・調理方法
魚をおいしく食べるには、新鮮なものの選び方や向いている料理を知ることが大切。アジなどの丸ごとの魚を簡単に3枚におろす方法をご紹介。切り身の魚は下処理の方法を覚えておくと、おいしさに違いが出ます。「炒める」「焼く」「煮る」「蒸す」の「調理方法別」に魚をおいしく食べるポイントもおさえておきましょう。
よりおいしく食べるための「魚の選び方」と「向いている料理」
お店で魚を買う時、どのように選んでいますか?新鮮な魚を買いたくても、見た目だけで判断するのはむずかしいですよね。また、新鮮な魚をよりおいしく食べられる、調理方法も知っておきたいところです。そこで、より新鮮なものを選ぶための「魚の選び方」と、その魚に「向いている料理」をご紹介します。
<魚の選び方と向いている料理>
丸ごとの魚…一般的に目が黒く澄んでキレイなもの、身が引き締まって肉づきが良いもの
切り身…一般的に身が厚く、皮に光沢があり、ドリップが出ていないもの
「大名おろし」をマスター! 丸ごとの魚の下処理
丸ごとの魚は、頭、内臓、骨などを取り除くため、「おろす」作業が必要です。魚をおろすには、魚の大きさ、形、身質などによっていろいろな方法があります。今回は、3枚におろす方法の1つで、簡単にできる「大名おろし」を、アジを使ってご紹介します。「大名おろし」は、サンマなどの身が細い魚、アジやイワシなどの小さな魚、身がやわらかいサバなどに向いています。中骨に身が残ってしまうことから、贅沢なので「大名おろし」と言われているようです。
上記の流れに沿って、アジをおろしてみましょう。
1.まな板を濡らし、包丁とクッキングペーパーを準備する
乾いたまな板はニオイや血をしみ込みやすいので、一度水で濡らしてから、クッキングペーパーで表面の水をふいておきます。また、クッキングペーパーを敷いて魚の下処理をすると、後片付けがラクになります。
2.ウロコ、ぜいご(かたいウロコ)を取る
魚をまな板の上に置き、包丁の先を使って尾から頭に向けて包丁を動かし、ウロコを取りましょう。また、アジの場合、「ぜいご」と呼ばれるかたいウロコがあるので、尾の方からぜいごの下に包丁を入れ、包丁を身に押し当てるようにして、ぜいごを取り除きます。
3.頭を落とす
胸びれのつけ根から中背まで、包丁を斜めに入れます。裏返しにして、同様に包丁を入れ、頭を落とします。
4.腹を開き内臓を取る
腹を手前にして、頭の切り口から肛門の少し後ろまで、腹を切り開きます。包丁の先で内臓をかき出すようにして取りましょう。内臓の奥、中骨の中にある膜や血管に刃先で傷をつけて、生臭い部分を取り除きやすくします。
5.ため水で洗い水分をふく
ため水の中で、腹の中を尾から頭に向かってよく洗い、血や腹膜(黒いところ)をキレイに取り除きます。うまみが逃げないように水洗いはできるだけ手早く行い、流水は使わないようにしましょう。キレイになったら、腹の中や全体の水分をクッキングペーパーでふき取ります。
6.半身をおろす
右利きの人の場合は、頭がついていた方を右、尾を左にしてまな板の上に置きます。頭の方から包丁を入れ、中骨の上をすべらせるように包丁を引いて、尾の手前で切り離します。
7.身を裏返しにして残りの半身をおろす
中骨を下にし、⑥と同様に中骨に沿ってすべらせるように包丁を引き、尾の手前で切り離します。
覚えておきたい代表的な「切り身」の下処理
「切り身」の下処理は何をつくるかによって異なりますが、今回は代表的な方法をご紹介します。
<すべての調理の前に行う>
・表面の水分をふき取る
切り身は洗わずに、キッチンペーパーで表面の水分や血をふき取ります。
<フライ、炊込みご飯など>
・皮を取る
料理によって皮を取り除く場合は、皮を下にして皮と身の間に包丁を入れ、皮を引っ張りながら包丁を滑らすとキレイに取ることができます。
<炒め物やフライ、煮物など>
・切る
メカジキなど身のしっかりした切り身は、好きな形に切ることができます。皮つきの魚は、身がくずれないように、皮を下にして切りましょう。
<炒め物、蒸し物、煮物など>
・酒をふる
調理の前に酒をふると、生臭みをおさえられます。
<ムニエル、揚げ物、シチューに入れる時など>
・小麦粉でコーティング
小麦粉や片栗粉をまぶしてから調理することで、うまみを閉じ込め身くずれを防ぎます。また、食感もアップします。粉が魚の水分を吸って焦げつきやすくなるので、粉をつけたらすぐに調理しましょう。
「調理方法別」魚をおいしく食べるポイント
「炒める」「焼く」「煮る」「蒸す」の「調理方法別」に、魚をおいしく食べるポイントをご紹介します。
炒める場合
1.魚の切り方や大きさをそろえる
切り方や大きさをそろえることで、火を均一にとおせます。繊維に沿って切ると、縮みを防ぎ、形良く仕上がります。
2.下味をつける
臭みを取るには酒を、素材の味を引き立たせるためには、塩や醤油で下味をつけます。
3.先に炒め一度取り出す
魚、イカ、エビなどは火を通しすぎるとかたくなります。先に炒め一度取り出し、最後にほかの材料と合わせると、やわらかく、おいしく食べることができます。
焼く場合
1.魚の水分をふく
丸ごとの魚、3枚におろした魚、切り身についた余分な水分は臭みのもととなるので、クッキングペーパーでふき取ります。
2.魚(アジ、タイ、スズキなど)を丸ごと焼く時は、えら・内臓をとる
えらを取ることによって、臭みをなくし、おいしく食べられます。また、内臓を取ることによって、火の通りがよくなるので、身の水分を飛ばさずにやわらかく仕上げることができます。
3.皮に切り込みを入れる
魚の皮にあらかじめ切り込みを入れておくと、焼いた時にむやみに身がはじけて見た目がきたなくなることを防げます。また、皮が固い魚は食べやすくなります。
4.臭みを取るために塩をふる
臭みを取るために塩をし、出てきた余分な水分はクッキングペーパーでふき取りましょう。
青背の魚…水分が多いので、前もって(約30分前)塩をふり余分な水分や臭みをだし、クッキングペーパーでふき取ります。
白身魚…直前に塩をふり、余分な水分をクッキングペーパーでふき取ります。
5.小麦粉でコーティングする
ムニエルなどは小麦粉をふることで、うまみを閉じ込め、身くずれを防ぎます。また、食感もアップします。粉が魚の水分を吸って焦げつきやすくなるので、粉をつけたらすぐに調理しましょう。
6.強火で焼く
基本は強火で、一気に表面を焼きかため、うまみや水分を逃さないようにしましょう。
7.厚みのある肉は中火~弱火で焼く
身の厚い魚の切り身は、強火のみでは表面だけ焼け、中まで火が通りません。強火で表面に焼き色をつけたら、中火~弱火にし、中までしっかり火を通しましょう。
8.漬けだれやバターを使う場合は中火で焼く
みりんや砂糖などを使った照り焼きや、ムニエルを焼く際のバターは焦げやすいので、中火で焼きましょう。
煮る場合
1.霜降りをする
「霜降り」とは、魚を煮る前に、臭みやぬめりを取る方法です。ザルの上またはボウルに魚を入れ、湯をかけます。水に移し、血合いやウロコなどを落として、クッキングペーパーで水気をふき取ります。
2.底の広い浅めの鍋を使う
「底の広い浅めの鍋」または「フライパン」を使い、重ならないように魚を置きましょう。鍋が小さいと火の通りが悪かったり、煮汁が魚全体に行き渡らなかったりすることがあります。
3.酒や生姜、酢などを加える
酒や生姜を入れて煮ると、魚の生臭みやクセを取ることができます。また、酢を入れて煮ると、骨もやわらかくなると言われています。
4.煮汁は合わせておく
煮汁は、調味料をすべて合わせておいてから入れましょう。
5.煮汁を沸かしてから魚を入れる
煮汁が沸いてから魚を入れることによって、魚の表面を煮かため、うまみを逃さずおいしく煮ることができます。
6.アクを取る
調理中にアクが出てきた場合は、キレイに取りましょう。アクを取らないと、臭みやえぐみが残ることがあります。
7.落としブタをする
煮汁を対流させ、材料全体に煮汁をまわし、火や味を早くしみ込ませるため、落としブタをしましょう。クッキングシート(オーブンシート)やクッキングペーパーを、鍋の形より少し小さく切って代用することもできます。
オーブンシートのはみ出しに注意!
オーブンシート(クッキングシート)やクッキングペーパーは、直接炎にあたると燃えます。鍋やフライパンからはみ出さないように注意してください。
蒸す場合
酒をふる
3枚におろした魚や、切り身魚に酒をふると、魚介類独特の生臭みを取ることができます。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。
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