汗で衣類が傷む!?お気に入りの服を長くキレイに着るための汗対策

汗で衣類が傷む!?お気に入りの服を長くキレイに着るための汗対策

ベタつきや汗ジミなどが気になる汗、実は衣類を傷める原因にもなります。汗は、汗ジミや黄ばみを引き起こすだけでなく、布地の強度も低下させます。衣類の傷みを防ぐには、こまめな汗のケアがポイント。ボディ用シートなどを使い全身の汗をできるだけふき取り、衣類に付着する汗を減らしましょう。汗がついた衣類は、早めにお洗濯を。

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「汗」で衣類が傷む、って知っていますか?

暖かくなるといろいろなファッションを楽しみたくなりますよね。一方で、気温が上がるにつれて気になり始めるのが「汗」です。「夏が来るのは楽しみだけど、汗でベタつくのがイヤ…」「汗ジミが心配で、薄い色のシャツやブラウスが着られない!」など、汗で不快な気持ちになったり、ファッションが限定されたりすることにお悩みの方も多いと思います。

ライオンが20~40代の女性150名に「汗で困っていること、不快に思うこと」を聞いたところ、「汗ジミができる」「からだがベタつく」といったお悩みに続いて、ファッションに関する困り事がありました。

<汗で困っていること、不快に感じること>
1位 Tシャツやカットソーを着ている時に脇汗ジミができる 89%
2位 汗でからだがベタつく 84%
3位 汗ジミが気になって着たい服を着ることができない 73%
4位 衣替えで出した去年の服に黄ばみや汗ジミができていた 67%
5位 ワンシーズン着用した服に黄ばみや汗ジミができていた 63%

  • ※ライオン調べ、MA、n=150、「よくある」「たまにある」と答えた人の割合

衣替えで出したお気に入りの衣類が黄ばんでいたり、汗ジミがくっきり残っていたりすると、着るのを楽しみにしていただけにショックが大きいですよね。
黄ばみや汗ジミだけでなく、「なんとなくシャツがくたびれた感じがする」「インナーの生地が薄くなったような気がする」など、衣類の傷みを感じることもあるのではないでしょうか。
このような衣類の傷みの原因の1つとして、「汗」があります。
そこで、人工の汗を使って布がどのくらい傷むのか実験してみました。

汗による布傷みを実験!

人工の汗を布地につけ、長期着用を想定した条件下で、布地の強さを評価しました。

実験に使用した布地は、シャツ等に用いられる平織布、及び市販のシャツの生地と、肌着等に用いられるニット、及び市販の肌着の生地です。
傷みのレベルがわかりやすいよう、3年着用した市販のシャツと肌着の強さとも比較しました。

試験は、JISで定められた布地の強さの試験法である「引裂試験」と「破裂試験」に準じて行いました。平織布は「引裂試験」、伸縮性のあるニットは「破裂試験」を用いて評価しました。

引裂試験

「JIS L 1096 織物及編物の生地試験方法 引裂試験 D法(ペンジュラム法)」で行いました。

振り子の原理で布を引き裂く時にかかる力の強さを測定します。

<引裂試験で評価した布>
(1)ウール平織布
(2)綿平織布
(3)ポリエステル平織布
(4)市販のシャツの生地
(5)3年着用した市販のシャツの生地

破裂試験

「JIS L 1096 織物及編物の生地試験方法 破裂試験 A法(ミューレン法)」で行いました。

ゴム膜の上に布を固定し、ゴム膜を膨らませることで布の内側から圧力を加え、どの程度の力まで耐えることができるのかを評価する方法です。布が破裂した時の力の強さ(圧力)を測ります。

<破裂試験で評価した布>
(1)綿ニット
(2)ポリエステル/綿混紡ニット
(3)市販の肌着の生地
(4)3年着用した市販の肌着の生地

汗で布の強度が低下

  • 評価条件:人工汗を布地につけ、温度70℃湿度95%で3日間保存後、強度を評価/試験機関:一般財団法人ボーケン品質評価機構/試験番号NO.30516004631 発行日2016年9月9日

試験結果のグラフは、試験前、人工の汗をつけていない布の強度を100とした時の値を示しています。
結果として、すべての布地で、試験前に比べて汗による強度の低下が見られました。

さらに、市販のシャツ及び肌着は、3年着用したものと同じくらい強度が低下していることがわかります(衣類や着用頻度などで低下度合いは変わります)。

この結果を見て、汗によるダメージの大きさに驚き、「自分の服は大丈夫かな?」と不安になった方も多いのではないでしょうか。

そんな汗によるダメージを抑え、衣類をキレイに着続けるための方法についてご説明します。

大切な衣類を、長くキレイに着続けるためには?

衣類の傷みを防ぐには、こまめな汗のケアがポイントです。
手軽に使えるボディ用シートなどを使って全身の汗をできるだけふき取り、衣類に付着する汗を減らしましょう。

また、それでもついてしまった汗は、そのまま放っておくと汗ジミや黄ばみ、布傷みの原因になります。脱いだ衣類は放置せず、すぐに洗って汗を落とすことをおすすめします。

お洗濯方法についてはこちらをご覧ください。
「カットソー」や「Tシャツ」の上手なお洗濯方法

お気に入りの衣類がいつの間にか破けていた…ということのないよう、「かいた汗はこまめにふき取る」「汗がついた衣服はすぐに洗う」をお手入れの合言葉にしてみませんか?

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

着用中につくエリ汚れが気になります

首筋の汗も忘れずにふき取って、エリ汚れをケアしましょう

白いシャツにつくエリ汚れ、気になりますよね。首筋の汗をこまめにふき取ることで、エリ汚れを抑えることができるんです。

夏場に、首の片側は1日4回(朝・出勤後・昼休み・帰宅前)汗をふき取り、反対側は特に何もせずに1日着用してシャツのエリの様子を見てみました。

1日4回汗をふき取ったほうは汚れが少なく、何もしないと1日だけでエリが黒く汚れているのがわかりました。
白など汚れが目立つ色のシャツを着ている時は、首の汗も忘れずにふき取りましょう。

この記事を作成・監修した
マイスター

浅野 ほたか

衛生マイスター

浅野 ほたか

あさの ほたか

界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。

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