歯みがきに自信があっても約8割の人にみがき残しあり

歯みがきに自信があっても約8割の人にみがき残しあり

みがき残しの原因は、「歯みがき圧が強い」「ハブラシのストロークが大きい」「毛の開いたハブラシの使用」などがあります。上手に歯垢を落とすために、「歯みがきの基本」をマスターしましょう。人によって口の中の状態や歯みがきのクセが違うため、みがき残しやすい場所も違います。歯科医院で指導してもらうとよいでしょう。

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歯をみがく回数は増えているけど、きちんとみがけているの?

皆さんは1日何回、歯をみがきますか? 厚生労働省の調査※1によると、1日の歯みがき回数は年々増加し、現在では約75%の人が1日2回以上(1日2回と3回以上を合算)歯をみがいています。また、ライオンの調査※2でも、約9割の人が普段から「お口の健康」を意識していると答えるなど、歯みがきへの意識は高いことがわかります。

<1日の歯みがき回数>

しかしながら、同じく厚生労働省の調査※1によると、今でも成人のほぼ100%がむし歯を経験し、35歳以上の約8割が歯周病に罹患しています。
そこでライオンは、本当に歯がきちんときれいにみがけているのかを調べるために歯みがき意識と口腔内の実態に関する臨床研究を実施しました。
今回は、この最新の臨床研究結果と歯の上手なみがき方について紹介します。

  • ※1 厚生労働省:平成23年歯科疾患実態調査 ※2 ライオン調べ、n=1600、2014年

歯みがきに自信があっても約8割の人にみがき残しあり

「自分の歯みがきに自信がある」と自己申告した20~70代の男女100名について、実際に口の中を見せて頂き歯垢の付着状態を調べました。歯垢の付着状態を示す割合を「歯垢付着スコアー」として表し、「0%=全ての対象部位に歯垢が付着していない状態」~「100%=全ての対象部位に歯垢が残っている状態」で示しました。なお歯垢付着スコアー20%以下が「みがけている」レベルとされています。

その結果、「歯みがきに自信がある」と答えた人のみを対象にしたにも関わらず、「みがけている」と認められる状態の人は、1人もいませんでした。また、「歯みがきには自信がない」と自己申告した20~70代の男女20名との比較でも、歯垢付着スコアーの平均はそれぞれ、「歯みがきに自信がある」=71.3%、「歯みがきに自信がない」=73.8%と、ほぼ同等でした。さらに「ややみがけていない」「みがけていない」に該当する人の合計はともに約80%で、大きな差はありませんでした。

以上の結果から、「自分の歯みがきに自信がある」と答えた人でも、実は歯垢はきちんと除去できておらず、しかも「自分の歯みがきには自信がない」と答えた人と歯垢のみがき残し状態はほぼ同等という結果となり、歯みがきに対する意識と実態にはギャップがあることが示されました。

<歯みがきの意識と歯垢付着の状態>

※ライオン調べ、n=120、2014年

みがけていない人の80%は「歯みがきの方法」に問題がある!

では、なぜきちんと歯がみがけていないのでしょうか?「みがけていない」に該当する人の歯のみがき方を観察・評価した結果、約8割が「歯みがき圧が強い」「ハブラシのストロークが大きい」など、「歯みがきの方法」に問題がること、また、約3割が「毛の開いたハブラシの使用」など、用具にも問題があることがわかりました。

<みがけていない場所>

みがけていない場所は「歯と歯の間」「奥歯の奥」「歯並びの悪いところ」などです。これらの場所はハブラシの毛先が届きにくいので、自己流のみがき方では、きちんと歯垢を落とすことができません。では、どうすれば上手に歯垢を落とせるのでしょうか?

歯のみがき方の基本

ここでは、上手に歯垢を落とすための「歯のみがき方」の基本を紹介します。

1.ハブラシの毛先を歯面にきちんとあてる

歯は立体的で複雑な形をしているため、あらゆる面に毛先がきちんとあたるよう、ハブラシをあてる角度を工夫しましょう。

2.毛先が広がらない程度の軽い力でみがく

みがく力が強すぎると、ハブラシの毛先が広がりきちんとみがけないだけでなく、歯ぐきを傷つける場合があります。

3.5~10㎜を目安に小刻みに動かして1~2本ずつみがく

ハブラシを大きく動かすと、毛先が歯と歯の間に届かず、歯垢を上手に落とせません。5〜10mmを目安に小刻みに動かし、1〜2歯ずつていねいにみがきましょう。

人によって口の中の状態や歯みがきのクセが違うため、歯垢をみがき残ししやすい場所も違います。歯科医院で、自分の口の状態にあった歯みがき方法を指導してもらうとよいでしょう。
歯みがきは、毎日のオーラルケアの基本で、歯垢を残さず落とすことが大切です。自分に合ったみがき方を覚え、「食べたらみがく」を習慣にして、健康な歯を保ちましょう。

<臨床研究の概要>
調査主体:ライオン株式会社 快適生活研究所
実施施設:グラントウキョウオーラルヘルスケアステーションhttp://ohcstation.oralcom.net/
実施期間:2014年9月~10月
なお、本研究は日本口腔衛生学会倫理委員会承認(第26-1号)に基づき実施し、第64回日本口腔衛生学会(2015年5月28日、演題名:口腔清掃意識と口腔清掃状態に関する調査研究)にて発表した。

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歯垢を残さず落とすにはハブラシだけで十分ですか?

歯間清掃用具やデンタルリンスを活用しよう

歯と歯の間など、ハブラシの毛先が届きにくい場所の歯垢を落とすには、ハブラシだけでは不十分です。オーラルケア先進国であるスウェーデンと日本で「口腔内のセルフケアに関する意識と行動」を調査した結果では、日本は「セルフケアはブラッシングだけで十分」が約半数であったのに対し、スウェーデンでは「デンタルフロスやデンタルリンスを使うのが当たり前」が約7割でした。また、デンタルフロスの使用率は、スウェーデンは52%、日本は22%と、2倍以上の差があります。デンタルリンスの使用率もスウェーデンは40%、日本は24%と、スウェーデンの方が高くなっています。

<スウェーデンと日本の歯のセルフケアに関する意識と行動>

※ライオン調べ、n=1200(日本)n=1200(スウェーデン)、2013年

ライオンの臨床研究※3でも、「ややみがけている」に該当する人は「みがけていない」に該当する人と比較して、デンタルフロスやデンタルリンスの使用頻度が高い結果となりました。このことから、歯と歯の間には歯間清掃用具などの使用をおすすめします。また、歯垢をつくる細菌を増やさないよう、デンタルリンスも上手に活用しましょう。

  • ※3 ライオン調べ、n=120、2014年

この記事を作成・監修した
マイスター

平野 正徳

オーラルケアマイスター

平野 正徳

ひらの まさのり

オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わってきました。 これまで得た知識と経験を活かして、歯とお口の健康に関する情報をお伝えします。

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