むし歯や歯周病から奥歯まで守る「ハブラシ」選び

むし歯や歯周病から奥歯まで守る「ハブラシ」選び

毎日の歯みがきで、奥歯まできちんとみがけていますか?奥歯はハブラシが届きにくく、歯垢が残りがちで、前歯より失う割合も高いのです。奥歯まできちんとケアするにはどんなハブラシがいいのか考えてみました。

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奥歯は「みがき残し」が多く、むし歯や歯周病のリスクも高い

歯みがきをしっかりしようとしても、奥の方に行くほど奥歯はみがきにくいですね。みがいた後も、なんだかすっきりしない、という人も多いのでは?
でも、みがきにくいからとそのままあきらめてしまうと、奥歯に歯垢が残ってしまい、むし歯や歯周病の原因になることも。実際に奥歯は前歯より、むし歯となる割合が高い※1、歯周ポケットの深さが深いというデータ※2もあり、むし歯や歯周病リスクも高いのです。

  • ※1: 厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査、 ※2: Yoneyamaら J. Clin. Periodontol. 1988

下のグラフをご覧ください。これは厚生労働省・平成28年歯科疾患実態調査※3からの計算値で、前歯から奥歯までそれぞれ部位ごとの歯を失った割合を、上下の歯を合算して示したものです。左右とも1が最も体の中心に近い前歯で、数字が大きくなるほど奥の歯を示します。年代を30-40代と50-70代に分けて示していますが、どちらの年代でも、前歯よりも奥歯、特に奥の方の奥歯を失う割合が高くなっています。

歯を失う割合(歯の部位別、上下合算)

※3 「厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査」より算出

むし歯や歯周病は、歯を失う主な原因でもあります。歯みがきがしにくい奥歯は、前歯に比べて喪失リスクがより高いのですね。

一番奥の奥歯には、ハブラシが届きにくい

むし歯や歯周病から奥歯を守るには、原因となる歯垢をしっかり落とすことが大切です。
でも、以下のように感じる方もいるかと思います。

・歯や、頬の肉がじゃまになって、ハブラシが奥まで届きにくい
・ハブラシのネック部が手前の歯や頬の内側などに当たってしまい、奥歯に届きにくい
・ハブラシの毛先を、奥歯の奥に当てづらい
・奥歯の奥側をしっかりみがくためにわざわざ口を大きく開けるのは面倒

という方もいるでしょう。

奥歯の上手なみがき方

「奥歯の頬側」をみがく時は、口を大きく開けると頬肉が突っ張ってハブラシを動かしにくくなるため、口を閉じ気味にします。特に奥をみがくときは、唇をハブラシの柄で押し広げるようにしながら斜めにハブラシを挿入し、ハブラシのつま先(ブラシの先端部分の毛先)を歯面にあててみがくとよいでしょう。
「奥歯の舌側」は、前歯の中央付近から、歯の並びと平行になるようにハブラシを入れると奥歯の舌側にハブラシがきちんとあたってみがきやすくなります。
「奥歯の奥」をみがく時は、噛みあわせの面からハブラシのつま先をあてるようにしましょう。

では、どんなハブラシを選べばよいのでしょうか。

奥歯のケアには「薄型ヘッドハブラシ」がおすすめ

奥歯をよりみがきやすくするためにおすすめしたいのが、毛が植えられた「ヘッド」の部分の厚さが薄いハブラシです。ヘッドが薄いことにより、毛も含めたハブラシの先端全体(以下ヘッド全体)の体積が小さくなり、奥歯の奥や頬側にも毛先が届きやすいハブラシです。このヘッドの薄いハブラシを、以後、「薄型ヘッドハブラシ」と記載します。

「薄型ヘッドハブラシ」(右)は、毛の長さが同じでも、ヘッド(赤矢印)が薄いため、全体の高さ(青・緑矢印)も低く、よりコンパクトになっている。

狭いところには小さいものの方が入りやすいと考えると、ヘッド全体が小さい「薄型ヘッドハブラシ」の方が奥まで届きやすくなりそうですね。
また、「奥歯の頬側」をみがく場合には、「薄型ヘッドハブラシ」なら頬の内側の肉に当たりにくくなるため奥歯まで入れやすく、従来よりお手入れしやすくなる点もポイントです。

ドラッグストアなどのハブラシ売り場にはたくさんの種類のハブラシが並んでいます。カラフルで形や大きさも様々で迷ってしまいそうですが、奥歯の歯垢までしっかり除去するために「薄型ヘッドハブラシ」という選択肢もぜひ加えてみてください。

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実際に、「薄型ヘッドハブラシ」は奥歯の歯垢がとれやすい?

「奥歯の奥」や「奥歯の頬側」まで届き、 歯垢除去率もアップします

これまで、薄型ヘッドのハブラシについて述べてきましたが、ハブラシを「奥歯の奥」まで届かせることを考えると、ヘッドだけでなく、ネック部も太いと手前の歯や頬の内側などにあたって、ヘッドが思うように奥まで入ってくれない場合もあるでしょう。

18名の被験者で、表のような仕様の、ヘッドが薄型で極細ネックのハブラシと、従来のコンパクトヘッドハブラシを使い比べたライオンのデータをご紹介します。(金丸ら、日本口腔衛生学会雑誌、2014年)

試験に用いたハブラシの仕様

被験者がそれぞれの歯ブラシを用いて、一番奥の奥歯をブラッシングし、奥までの届き具合をセンサーで計測したところ、「薄型ヘッドハブラシ」のほうが、先端が約7㎜も奥に届いていることが確認されました。

また、歯垢がどのくらい取れるか、ブラッシング後に歯垢を染め出しして調べたところ、「薄型ヘッドハブラシ」のほうが、「奥歯の奥」の歯垢除去率が1.3倍高いという結果となりました。このように、ハブラシの先端が奥まで届きやすくなるだけでなく、それにより歯垢除去力も高まったことが確認されました。

奥歯の奥の歯垢除去率

これらの結果を見ると、このような薄型ヘッドや細いネックのハブラシの方が奥歯の歯垢をしっかり落としてくれるといえそうです。

この記事を作成・監修した
マイスター

太田 博崇

オーラルケアマイスター

太田 博崇

おおた ひろたか

オーラルケアの基礎研究・製品開発に30年以上携わり、その間、国立研究所や歯科大学との共同で疾患予防研究もしてきました。
これらの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。

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