花粉シーズンを乗り切るための、衣類の花粉対策・決定版

花粉シーズンを乗り切るための、衣類の花粉対策・決定版

花粉の季節、衣類の対策も重要です。外出から帰った時は家に入る前にしっかり花粉を払う、外出前に静電気防止スプレーを吹きかける、洗濯時に柔軟剤を使用するなどの工夫で静電気による花粉の付着を抑える対策を行いましょう。ほかにも、外干しのコツやペットについた花粉対策など、花粉シーズンのお洗濯のポイントを紹介します。

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のどや目のかゆみ、鼻水など、つらい症状を引き起こす花粉症。花粉対策といえば外出時のマスクなどが真っ先に頭に浮かびますが、衣類の花粉対策はしていない方も多いのではないでしょうか。衣類に付着して室内に持ち込まれる花粉は、1時間開けておいた窓から入ってくる花粉よりも格段に多い、というデータがあります。そこで、衣類の花粉対策に関するポイントをまとめました。

衣類に付着する花粉の量はどのくらい?

お部屋の中にいるのに、目がムズムズ、のどがイガイガするのは、衣類に付着して持ち込まれた花粉のせいかもしれません。「衣類に付着して家の中に持ち込まれる花粉数」をモデル実験で評価してみました。花粉の飛散時期である23月の気候を再現した実験室内に静電気を発生させた衣類を着用したマネキンを置き、花粉飛散後、衣類に付着した花粉の数をカウントした結果、ウールセーターやポリエステルフリース1枚に付着した花粉は約10万個でした。この結果は、文献値※1で示されている「1時間の換気で窓から侵入する花粉数」と比較すると6倍以上も多く、大量の花粉が衣類に付着して室内に持ち込まれることが推察されました。

  • 1 参考文献:佐橋ら(1995).スギ花粉のすべて メディカルジャーナル社, 28-29

実験方法:天気予報で「非常に多い」と言われるレベル(2000個/㎥)の花粉を実験室内に3分ごとに散布。10分後、衣類から花粉を採取し、顕微鏡で花粉の数をカウント。1時間の外出を想定。実験室内の温度12℃、湿度50%RH。

こうしたデータからも、衣類に付いた花粉への対策が必須であることがわかりますね。

衣類に花粉がくっつく原因は?

花粉の付着量は、生地の素材によっても違います。ポリエステルやナイロン、綿のトレンチコート、ジャンパーなどのつるんとした生地の衣類に比べ、毛羽や生地の凹凸に、花粉がひっかかりやすいウールのセーターやコーデュロイ、フリースなどの衣類は花粉が付着しやすいので注意が必要です。

また、静電気も花粉の付着に影響します。ウールのセーターやフリースでも、静電気の発生を抑えた場合には、花粉の付着量は少なくなります

かばんとこすれる部分、スカートやコートの裾、裏地など、静電気が発生しやすい部分には、外出前に静電気防止剤をスプレーしておくのがおすすめです。また、お洗濯できる衣類は、洗濯時に柔軟剤を使うといいでしょう。

花粉シーズンを乗り切る、「静電気が起きにくい」コーディネート

花粉の付着量には、静電気が大きく関わっています。実は、静電気は「衣類の組み合わせ」によっても発生のしやすさが変わります。
ポイントは、衣類の素材です。「プラスに帯電しやすい素材」と「マイナスに帯電しやすい素材」を組み合わせると、特に静電気が発生しやすくなります。

参考:日本化学繊維協会編、化学繊維の実際知識、東洋経済新報社(1986)

ウールのセーターにポリエステルのトレンチコート、ポリエステルのスカートとナイロンのタイツなどは、静電気が起きやすい組み合わせです。反対に、プラスとプラス、マイナスとマイナスの組み合わせは、重ね着しても静電気が起きにくい組み合わせ。たとえば、ウールのセーターには、アクリルのストールではなく、同素材のウールのストールを合わせるのがおすすめです。

おうちに入る前にするべき花粉対策

衣類に付着して家の中に持ち込まれた花粉は、室内に落ちてしまう可能性があります。室内のほうが湿度が高いため、静電気の影響が弱まって落下します。
おうちの中に持ち込む花粉を少なくするためには、家に入る前に玄関先で花粉をしっかり払い落とすことが大切です。花粉を払ったあとの手はすぐに洗いましょう。

コートやスラックスの裾を払う

玄関に衣類用の粘着ローラーを置いておくのもおすすめです。手では払いきれない花粉も取り除くことができ、家の中に持ち込む花粉を少なくすることができます。

花粉シーズン、外干ししたい時は?

花粉シーズンのお洗濯は、部屋干しや乾燥機を使って乾かすのがベストです。でも、気持ちよく晴れた日や大物をお洗濯した時には「外干しをしたい」と思うこともありますよね。
花粉は乾いた衣類よりも湿っている衣類に多くつきます。
外干しをする時には、「早朝に干す(花粉の飛散がピークを迎える頃には、ある程度、洗濯物が乾いているようにする)」「乾いたらすぐに取り込む」「花粉をよく払ってから取り込む」の3つのポイントを守ることで、花粉の室内への持ち込みを減らすことができます。

ペットの花粉対策もぬかりなく!

室内犬と暮らしている方は、わんちゃんのからだについた花粉にも心配りが必要です。お散歩後のわんちゃんは、足裏だけでなく、頭や背中、腹側の毛にもたくさんの花粉がついています。お散歩が終わったら、ぬらしたタオルなどで全身をふき取りましょうドッグウエアを着せている場合は玄関で脱がせ、ペットの布製品用の洗剤でドッグウエアをお洗濯をしましょう。
花粉が多く飛ぶ時間帯を避けてお散歩に出かけるのもポイント。関東の都市部では、1114時、1719時ごろが飛散のピークです。

春の訪れとともにやってくる、厄介な花粉。不快な症状のせいで、気持ちいい陽気を楽しめないのはくやしいですね。花粉の付着しやすい衣類の素材、衣類の組み合わせ、また飛散しやすい時間帯などを把握し、衣類の花粉ケアを徹底することで、少しでも快適に過ごしましょう!

大貫 和泉

お洗濯マイスター

大貫 和泉

おおぬき いずみ

洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。

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