【お掃除用洗剤の種類と選び方ガイド】場所や用途で適切に使い分けよう
「お掃除用洗剤」はたくさんあって迷ってしまうことはありませんか?洗剤は、家の中のいろいろな汚れに応じて、汚れ落ちや使い勝手が良く、材質を傷めないように作られているから、お掃除をラクにするには、実は洗剤選びは重要なポイントです!用途に合わせ使いましょう。場所ごとに代表的な洗剤の特徴を紹介します。
お掃除をラクにしたいなら、「洗剤選び」が肝心!
住まいは、私たちの「暮らしの器」となる大切なところ。清潔にお掃除した住まいなら、毎日を気持ちよく暮らすことができますね。
そう頭ではわかっていても、お掃除は面倒、という方も多いですよね。
掃除が「嫌い」「苦手」という方の中には、洗剤の種類がたくさんあって、どれを選べばいいか迷ってしまうという方もいるのではないでしょうか?
ラクに効率よくお掃除するには、洗剤選びも重要です。
住まいのお掃除用洗剤には、様々な種類があり、それぞれ「お掃除する場所の材質をできるだけ傷めずに」「場所ごとの汚れをラクに落とせるように」つくられているのが一般的です。ここで詳しくご紹介しますので、ぜひチェックしてください!
住まいにはいろいろな「汚れ」がある
家の中は、場所によって発生する「汚れ」も違います。
例えば、浴室は私たちがからだを洗うところなので、発生する汚れはからだから出る皮脂や垢、それらを栄養分とするカビやヌメリ、ボディソープなどが原因となる石けんカス汚れが代表的です。一方、料理をするキッチンの汚れといえば、油汚れが代表的、といった具合です。
下のイラストは、家の中で発生する代表的な汚れをまとめたものです。いろいろな汚れがありますね。
洗剤には「働き方」が異なる様々な「成分」が入っている
洗剤のパッケージの裏などにある表示を見てみると、複数の「成分」が入っていることがわかりますね。
洗剤の主な成分は「界面活性剤」で、界面活性剤が汚れと材質の境目に入りこみ、汚れを取り囲むように包み込んで引き剥がして落とす働きをします。しかし、それだけでは汚れを落としきれない場合は、汚れに合わせて「働き方」の異なるアルカリ剤や溶剤、研磨材などの成分が、加えられています。
また、「界面活性剤」には、汚れを落とすだけでなく、洗剤の成分を汚れに染み込みやすくしたり、一度取れた汚れがまた付着するのを防いだり、泡立つことで使い勝手を良くする役割もあります。
※洗剤の「表示」の見方については、こちらの記事もご覧ください。
洗剤は、「汚れ落ち」だけでない工夫もされている
また、一般的に、洗剤の成分は「汚れ落ち」だけで決められているのではありません。洗剤を使ったとときに使い勝手がよいように、また、掃除した場所の材質を傷めないように、という点も考慮して成分や含有量が決められています。
使い勝手が良いように
使い勝手が良いように工夫されている一例をご紹介します。
・掃除の負担を軽くするために、軽い力で汚れが落ちるような工夫
・流水ですすぐ使い方をする浴室用洗剤は、早く泡が切れて、すすぐ時間が短くてすむような工夫
・トイレまわりのふき取り用クリーナーは、さっとひとふきで泡がふき取れ、べたつきがないような工夫
・垂直面に使うパイプクリーナーは、排水パイプの中で洗剤液が流れないような工夫
材質を傷めないように
住まいの中は、場所によって「材質」も様々です。浴室に代表される「プラスチック」やトイレの「陶器」、キッチンシンクの「ステンレス」などいろいろな種類がありますし、表面加工がされているものもあります。
キレイにしようと掃除をしたのに、かえって傷やシミができてしまったらショックですよね。
洗剤の成分を決めるときには、洗剤を使うことで傷がついたり、さびたり、シミになったりしないかを事前にチェックして、成分を工夫しているのが一般的です。その上で、注意すべき材質があれば、表示に書いているので、使う前に確認するとよいでしょう。
用途に合わせた「洗剤選び」で、お掃除をもっとラクに!
「キッチン用」や「トイレ用」など、用途に合わせて洗剤があるのは、場所によって汚れや材質が異なる上、最適な使い方がそれぞれ異なるからです。
汚れをすばやくラクに落とすには、用途に合わせた「洗剤選び」をすることが重要です。
場所ごとに、代表的な洗剤の特徴をご紹介します。
レンジまわり用の洗剤
油汚れは時間がたつにつれ、ベタベタしたり、カチカチに固まったりと、汚れが変質してきます。こうなってしまうと、食器用洗剤ではなかなか落としきれません。「レンジまわり用の洗剤」には、食器用洗剤には含まれない、変質した油汚れを分解して溶かす成分(アルカリ剤や溶剤)が含まれているのが一般的です。
※レンジまわりのお掃除については、こちらの記事もご覧ください。
浴室用の洗剤
浴室の壁や床や浴槽には、からだから出る皮脂や垢、体を洗うボディソープやシャンプーなどが原因となる石けんカス汚れが主についています。これらの汚れの多くは、水道水中に含まれるカルシウムと結びつき、こびりついています。そのため、浴室用洗剤には「カルシウム」を効果的に取り除く力のある「金属封鎖剤」という成分が含有されているのが一般的です。
使い勝手の面では、浴槽全体にラクに洗剤をかけられ60秒後に流すだけで使える工夫がされているものや、すすぎの時に早く泡が切れる工夫がされているものもあります。
※お風呂掃除については、こちらの記事もご覧ください。
トイレ用の洗剤
便器のフチの裏は、飛び散った尿が残りやすいのですが、上からはその汚れが見えづらいので放置しがち。また、ブラシが届きにくいため掃除がしにくい場所です。泡が密着するタイプのトイレ用洗剤を使うと、フチ裏の奥まで洗剤が届いて、しっかり尿汚れを落すことができます。
フチ裏に飛び散った尿をそのままにしておくと、ガンコで落としにくい「尿石汚れ(石のように固まった黄ばみ汚れ)」になってしまいます。この汚れを落とすには「酸性」のトイレ用洗剤が効果的。「酸」の成分が汚れを分解して除去します。
また、洗剤の種類としては、除菌効果が高い次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした「塩素系」のトイレ用洗剤もあります。刺激臭がするので必ず換気の良い状態で使ってください。
注意!
「塩素系」の洗剤と「酸性タイプ」の洗剤を混ぜると有毒なガスが出て危険です。絶対に混ぜないようにしてください。
※一方、『トイレのルック除菌消臭EX』は成分に工夫をしていて、酸性のパワーはそのままに「まぜるな危険」表示がない設計になっています。使用する時は製品の表示をよく読んでお使い下さい。
また、便座の裏や便器の外側や床は、「尿ハネ汚れ」で意外と汚れています。このような所のふき掃除には、スプレータイプのトイレ用洗剤を使うと便利です。汚れが気になるところにスプレーしてトイレットペーパーや布でふき取ります。ふき跡が残ったりベタベタしたりしないように、工夫されています。また、トイレットペーパーでふいたときにペーパーがボロボロにならないような工夫もされている洗剤もあります。
※トイレのお掃除については、こちらの記事もご覧ください。
カビ取り剤、排水パイプ用の洗剤
カビやヌメリを取り除くために、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする「塩素系」であることが多いです。
「カビ取り剤」は、洗剤を狙ったところにかけやすいようにスプレータイプのものが一般的です。飛び散りなくスプレーできるように洗剤の成分や容器を決めているので、別の洗剤を詰め替えて使わないでください。
「排水パイプ用」は、パイプの中で洗剤が流れないよう液に粘り気をつけたり、パイプの壁面に洗剤をかけやすいように容器の形を工夫したりしています。
注意!
塩素系の洗剤は酸性タイプの洗剤と混ぜると有毒なガスが出て危険なので、絶対に混ぜないようにしてください。
※お風呂のカビ取りや排水口や排水パイプのお掃除については、こちらの記事もご覧ください。
クリームクレンザー
水垢でくもったキッチンのシンクや、吹きこぼれがこげついたガスレンジや、浴室のガンコな水垢や黒ずみ汚れは、粒子が細かい研磨材が入っているクリームクレンザーを使って、スポンジでやさしくこするといいでしょう。表面をこすることで汚れを削って落とします。ただし、強くこすりすぎると材質が傷ついてしまう場合があるので注意してください。
ガラス用の洗剤
手垢やホコリ、泥などの汚れがついて、くすんでしまった窓ガラスや鏡を掃除するための洗剤です。スプレーを吹き付けて、乾いた布でふき取ります。泡をふき取りやすく、掃除後にふき跡の筋が残らないように成分が工夫されているのが一般的です。
表示は必ずチェックして!
洗剤のパッケージ裏面に書かれた「用途」「使えるもの・使えないもの」「使い方」などの表示を、事前にきちんと確認しましょう。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
表示に書いてある「中性」「酸性」「アルカリ性」って何?
液体の性質のことで、表示の「液性」の欄に書くことが法律で決められています
皆さん理科の授業で、「pH」という言葉を習ったことやリトマス試験紙で実験したのを覚えていますか?pHとは、酸性・アルカリ性の度合いのことで、pH=7が中性、それより数字が小さいと酸性(リトマス試験紙は赤く変化)、大きいとアルカリ性(リトマス試験紙は青く変化)となります。
洗剤の表示には「液性」という欄があり、酸性・アルカリ性の度合いが5分類で記されます。
それぞれの洗剤は、汚れ落ち、材質への影響、使い勝手など様々な点を考慮して最適な成分や最適な含有量で配合しています。そして、その洗剤のpHを、「家庭用品品質表示法」という法律に従って「酸性」「中性」「アルカリ性」などと表示しています。
ところで皆さん、「中性洗剤」という言葉にどのようなイメージを持っていますか?「中性洗剤=どんな場所にも使える」と思っていませんか?
ひとことに「中性洗剤」といっても洗剤の用途によって、成分の種類や含有量は異なります。違う用途に使うと、汚れがあまり落ちないだけでなく、場合によっては、使い勝手がとても悪かったり、材質がダメージを受けたりなどの不具合が起きることもあります。液性にこだわることなく、表示の用途や使い方をきちんと守って使うことが大切です。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
洗剤に使われる「界面活性剤」ってどんなもの?
「水」と「油」を混ざりやすくする働きをもつ成分です
洗剤が汚れを落とす秘密は、洗剤に含まれる「界面活性剤」という成分です。界面活性剤は、下のイラストのように、水と仲が良い部分と油と仲が良い部分の両方からできていて、本来は混ざり合わない「水」と「油」を混ざりやすくする働きを持っています。住まいの様々な汚れをキレイに落とすために欠かせません。
洗剤以外にも、クリームや乳液などの化粧品や、アイスクリームなどの食品、医薬品、農薬、コンクリートなど、私たちの生活の身近なところで使われています。
普段は他の働きをしている成分が、界面活性剤として働くこともあります。例えば「マヨネーズ」では、卵黄のレシチンという成分が界面活性剤として働き、水と油を混ぜ合わせる役割をしています。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
吉井 和美
よしい かずみ
掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験してきました。
これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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