「生理痛」や「生理(月経)のトラブル」が心配になったら

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LION ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳はが りか

「生理痛」や「生理(月経)のトラブル」が心配になったら

「生理(月経)」のトラブルには注意が必要な場合も

生理(医学用語では「月経」)中に起こるトラブルは、下腹部に痛みを感じる「生理痛」が代表的ですが、そのほかにも様々な肉体的・精神的トラブルが起こります。

個人差もありますが、肉体的には、乳房の張りや痛み、便秘、下痢、むくみ、頭痛、眠気、めまいや吐き気などといった症状が見られ、精神的には、気分が落ち込む、イライラする、過食・拒食傾向になる、食欲がなくなるといった症状が見られます。

こういった症状は一時的であることが多いのですが、「痛み」や「生理周期・期間」、「経血の量」などのトラブルについては、注意が必要なものもあります。生理がいつもと違う場合も要注意です。気になるトラブルのポイントを見ていきましょう。また、生理のトラブルに正しく向き合うには、からだの仕組みを理解することが大切です。

生理の仕組みについてはこちらをご覧ください。

生理痛

「生理痛」とは、生理が始まる直前から生理中に起こる痛みの総称です。

生理痛の原因としては、生理直前から生理中の前半まで子宮内膜から分泌される生理活性物質「プロスタグランジン」の過剰分泌のほか、子宮の発達が未熟、肉体的・精神的なストレス、痛みに対する恐怖感などがあげられます。

普段の生活の中でできる、生理痛をやわらげる方法としては、

・お腹と腰をあたためて血行を良くする
・軽い運動やストレッチなどで適度にからだを動かす
・リラックスして心身ともに緩める
・鎮痛薬を服用する
(我慢せずに、早いタイミングで服用するのが効果的)

などがおすすめです。

生理痛の程度には個人差がありますが、出血量が多くて貧血やめまいをともなったり、立てなくなるほどのひどい腹痛や腰痛で日常生活に支障をきたすような場合は、「子宮筋腫」や「子宮内膜症」などの病気の可能性があります。放置しておくと病気発見の遅れにつながる可能性があるので、いつもの生理と違う、生理のたびにだんだんと生理痛がひどくなるような場合は、早めに婦人科を受診し、医師に相談するようにしましょう。

生理周期のトラブル(長い、短い、無月経)

生理開始日から次の開始日までの1サイクルの期間の正常範囲は、25~38日だといわれています。生理周期が39日以上と長く、年間に10回以下しかない場合を「稀発月経(きはつげっけい)」といい、反対に、周期が24日以内と短く、年間に15回以上ある場合を「頻発月経(ひんぱつげっけい)」といいます。

1.生理周期が長い「稀発月経」

生理周期が長い「稀発月経」は、初潮後や閉経が近づいた女性によく見られる現象で、排卵が起こっていれば、生理周期が長くてもそれほど心配はいらないでしょう。ただし、排卵が起こっていなく、生理周期が長くなっている場合は、婦人科の受診をおすすめします。

2.生理周期が短い「頻発月経」

生理周期が短い「頻発月経」は、閉経が近づいた女性によくみられる現象で、貧血がなく、日常生活に問題がなければ治療する必要はありません。ただし、若い女性の場合、卵巣の働きが不十分だったり、子宮筋腫が原因の可能性もあるため、気になる場合は婦人科の受診をおすすめします。

3.生理がこない「無月経」

毎月あるべき生理がないことを「無月経」といいます。
無月経には2種類あり、妊娠・授乳・閉経期を除き、3か月以上生理がない状態を「続発性無月経」といいます。原因としては、ダイエットのし過ぎや拒食・過食症、ストレス、激しい運動などが考えられます。

もう1つは、18歳以上になっても初潮がこないことで、「原発性無月経」といいます。原因は様々ですが、長い間、無月経が続くと正常な状態に戻りにくく、妊娠しづらい状況になりますので、婦人科できちんと診察や治療を受けましょう。

生理周期は健康のバロメーターでもありますので、基礎体温をつけたり、生理日を記録したりして、自分の周期を把握しておくのがおすすめです。

経血量のトラブル(多い、少ない)

1回の生理での、正常な経血量は20~140mLといわれています。経血量が多く、貧血をともなう場合は「過多月経」といい、反対に、経血量が極端に少ない場合は「過少月経」といいます。自分でその量を判断するのはとてもむずかしいものですが、いくつかのポイントがありますので、量が気になる場合はチェックしてみましょう。

1.経血量が多い「過多月経」

以下の項目に1つでも当てはまる場合は要注意です。
「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」の疑いがあるほか、経血量が多すぎるために貧血を併発している可能性があるため、婦人科の受診をおすすめします。

□ 経血の中にレバーのような大きなかたまりが混じる
□ 昼でも夜用のナプキンを使う日が3日以上ある
□ 普通のナプキン1枚では1時間もたない
□ 生理の期間が長くなって、10日経っても終わらない
□ 経血量が多すぎて、外出や仕事に支障がある
□ めまいや立ちくらみ、動悸や息切れが頻繁に起こる
□ 毎年の健康診断で、貧血の状態が少しずつ悪化している

2.経血量が少ない「過少月経」

若い女性で、経血量が極端に少なく、1~2日間で生理が終わってしまう場合は注意が必要です。若い女性の場合は「子宮発育不全」や「無排卵」が原因のこともあり、「ホルモン療法」や「排卵誘発」などの治療が必要かもしれません。婦人科の受診をおすすめします。
また、出産後や更年期に、一時的に過少月経となる時期がありますが、これは生理的なものなので心配はいらないでしょう。

生理前後の精神的・肉体的トラブル

生理が始まる1週間くらい前から、精神的に不安定になったり、様々なからだの不調が起こったりする症状を「月経前症候群(PMS)」といいます。ほかにも、生理ではないのに生理痛のような症状が出る「排卵痛(中間痛)」や、出血がある「排卵出血」などのトラブルもあります。

1.月経前症候群(PMS)

生理が始まる1週間くらい前から、腹痛、乳房痛、乳房緊満感、便秘、頭痛、むくみなどの肉体的トラブルや、イライラ、無気力、落ち込みなどの精神的トラブルが出ます。
こうした症状は、生理が始まると同時に治まるのが一般的ですが、症状がひどくて日常生活に支障をきたすような場合は、婦人科で相談することをおすすめします。

2.月経前不快気分障害(PMDD)

「イライラして感情をコントロールできない」「強い不安感や絶望感を感じる」など、精神的な症状が強い時は、「月経前不快気分障害」という病気が隠れていることがあります。
婦人科で治らない場合、精神科でカウンセリングや抗うつ剤の投与などといった治療を受けると改善することがあります。

3.排卵痛(中間痛)

「排卵痛(中間痛)」は、排卵時に、卵巣から出る卵胞液や出血によって腹膜が刺激されて腹痛が起こることです。軽い痛みですむ人や、鎮痛薬が必要なくらい痛む人など様々ですが、いつも同じ時期に同じ程度痛むのであれば、それほど心配はいらないでしょう。
ただし、生理中の痛みが徐々にひどくなり、生理後も痛むようになったり、その期間がだんだん長くなる場合は要注意です。子宮内膜症が重症化している可能性があります。
子宮内膜症を我慢していると、それが卵巣に発生して破裂し、緊急手術ということにもなりかねません。すぐに婦人科で診察を受けてください。

4.排卵出血

生理と生理の中間に、「排卵出血(中間出血)」と呼ばれる出血が発生する場合があります。これは排卵の時、一時的にホルモンのバランスが崩れるために起きる現象で、ほとんどの場合、出血量は少なく2~3日で治まります。毎月起こる人も、たまにしか起こらない人もいますが、子宮ガン検査の結果に異常がなく、いつも同じような時期に少量の出血がある程度なら心配はいらないでしょう。
ただし、これ以外の原因で出血が起こっていると考えられる場合は、すぐに婦人科の診察を受けてください。

からだの仕組みを知り、トラブルを未然に防ぐ!

女性のからだは妊娠・出産に備えるために、「生理周期」という特有のサイクルで変化しています。こうしたからだの仕組みを理解することは、生理の異常やトラブルに正しく向き合うことにも役立ちます。

「生理周期」は、平均的には28日を1サイクルとしています。
生理の周期的なリズムをつくり出しているのは、卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンです。

この生理周期内の一定時期に受精しなかったり、受精しても妊娠しなかったりした時は、不要になった子宮内膜が出血とともに体外に排出されます。これが「生理」です。生理周期のなかで、女性のからだには様々な変化が訪れます。

4つの期間で構成される「生理周期」

「生理周期」は、「増殖期」「排卵期」「分泌期」「月経期」という4つの期間で構成されます。

「増殖期」では、ホルモンの分泌により卵胞が成長を始めます。そこで成長した卵子は「排卵期」で卵巣の外へ飛び出し、子宮は受精卵を育てるために「分泌期」という準備期間に入ります。

①増殖期

脳からの指令を受けて、「脳下垂体」は「卵胞刺激ホルモン」を分泌し、その刺激を受けて「卵巣」にある「卵胞(卵子が入っている組織)」が成熟を始めます。この時、卵巣が「エストロゲン」を分泌し、「子宮内膜」に働きかけ、内膜を厚くします。
増殖期は、女性が妊娠するために準備に入る段階で、やや妊娠しやすい時期です。おりものの量がしだいに増えていきます。

②排卵期

「エストロゲン」の量が多くなると、脳下垂体に働きかけ、今度は「黄体化ホルモン」を分泌します。
黄体化ホルモンが卵巣を刺激して、十分に成長した卵子が卵巣の外に飛び出します。これが「排卵」です。
排卵により、受精する準備が整います。排卵期は2~3日ですが、もっとも妊娠しやすい時期です。
人によっては、下腹部に軽い痛みを感じることもあり、おりものの量がもっとも多くなります。

③分泌期

排卵後の卵巣では、「エストロゲン」とともに「プロゲステロン」が分泌され、エストロゲンによって厚くなった子宮内膜をより居心地の良いやわらかな状態にします。卵巣から排出された卵子は、卵管を通って子宮へ進みます。子宮内膜は、排卵から10~14日くらいかけて、受精卵の着床に向けて準備を整えます。
分泌期は、子宮内膜が受精卵の着床を待っている状態ですが、この時期に着床、すなわち妊娠しなければ、次の月経期で子宮内膜は、はがれ落ちてしまいます。

④月経期

妊娠しなかった場合、子宮内膜から分泌された「プロスタグランジン」というホルモンの働きで子宮が収縮し、不要になった粘膜(内膜)が血液とともに体外に排出されます。これが「生理」です。月経期が終わると、次の妊娠へ向けて、また新しい生理周期が始まります。

女性の体内では、毎月これだけの変化が起こっているので、トラブルが起こることは珍しくありません。からだの仕組みをしっかり知って、体調管理やトラブルの発見に役立ててくださいね。


教えて マイスター

一生のうち、何回くらい生理ってあるの?

生涯の生理回数は、なんと450回程度!

昔と比べ、現代女性のからだには大きな変化が起こっています。昔(今から100年くらい前)の女性は、初潮が現代よりは少しだけ遅く、初潮をむかえて間もないうちに結婚し、出産回数も多く、授乳によって生理が止まっている期間も長かったため、生涯の生理回数は50~100回だったといわれています。それに比較し、現代の女性の生涯の生理回数は、なんと450回程度もあるというのです。このような変化が、生理のトラブルの増加に影響しているのではないかといわれています。毎月憂鬱な生理ですが、上手につきあいましょう。

  • 参考文献・サイト
    ・公益社団法人 日本産科婦人科学会 ホームページ
    ・女と男のディクショナリー HUMAN+(公益社団法人 日本産科婦人科学会編著)
    ・女性の健康と働き方マニュアル(NPO法人 女性の健康とメノポーズ協会編著)
    ・家庭の医学(成美堂出版)
健康・美容

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