「知覚過敏」とは~その原因と症状~
知覚過敏とは、むし歯もないのに冷たいものやハブラシの刺激がしみたり痛い状態。歯の内側の象牙質が露出して、内部の神経に外の刺激が伝わりやすくなることで起こります。象牙質が露出する原因は、加齢や歯周病、不適切なブラッシングによる歯ぐき下がりのほか、病気以外で歯の一部が損傷する「tooth wear」等です。
<目次>
◇知覚過敏とは
◇知覚過敏が起こるメカニズム
◇象牙質が露出する原因
∟歯肉退縮(しにくたいしゅく)
∟tooth wear(トゥース ウェア)
「知覚過敏」とは
「知覚過敏(ちかく・かびん)」とは、むし歯などではないのに、冷たいものや熱いもの、甘いものを飲食したり、冷気に触れたり、ブラッシングなどの刺激によって一時的に歯がしみる、痛むなどの状態をいいます。歯の内側にある「象牙質(ぞうげしつ)」が露出することが原因で起こります。
「知覚過敏」が起こるメカニズム
歯の中心部には、神経や血管が通っている「歯髄(しずい)」があり、その周りを「象牙質(ぞうげしつ)」が取り囲んでいます。
象牙質には、歯髄から外側に向かって、無数の小さな管がレンコンのように通っていて、これを「象牙細管(ぞうげさいかん)」といいます。
象牙質は、健康な歯ぐきの場合、歯ぐきより上ではエナメル質に、歯ぐきより下ではセメント質に覆われていますが、何らかの理由でそれらが失われ、象牙質が露出すると、内部にある歯髄神経が歯の外側(口内や外界)と、象牙細管によってつながります。
露出した象牙質に、飲食物の温度(冷たいものや熱いもの)や、甘いものや酸っぱいもの、ハブラシなどの圧力、歯に受ける冷気など、外部からの刺激が加わると、歯髄神経を刺激して、歯がしみるなど瞬間的な痛みが生じるのです。
象牙質が露出する主な原因
本来は周りを覆われている象牙質が露出する主な原因としては、むし歯によって歯の表面が侵される場合に加え、「歯肉退縮(しにく・たいしゅく)」や「tooth wear(トゥース・ウエア)」が挙げられます。
「歯肉退縮」とは
歯肉退縮とは、いわゆる「歯ぐき下がり」のことで、歯の周りの歯肉が下がった状態をさします。歯肉が健康なときは、歯の根元にある象牙質をしっかり覆っていますが、歯肉が下がりセメント質が失われると象牙質が露出し、知覚過敏につながります。
歯肉退縮の主な原因
1. 不適切な歯のブラッシング
ブラッシングの力が強すぎる、ハブラシを大きく動かすなど
2. かみ合わせの異常
3. 歯周病の進行
4. 加齢など
「tooth wear」とは
tooth wearとは、むし歯以外の原因で、歯の一部が損傷する、摩耗する、溶解するなどの状態をいいます。それによって、本来ならエナメル質やセメント質で覆われていた象牙質が露出するため、知覚過敏の症状が起きます。尚、「wear」には、「着る(動詞)、衣類(名詞)」のほかに、「すり減る(動詞)、摩耗(名詞)」の意味もあります。
tooth wearの主な原因
1. 咬耗(こうもう:attrition)
かみ合わせなど歯と歯の接触による損傷や摩耗(すり減り)
2. 摩耗(まもう:abrasion)
強すぎるブラッシングなど、かみ合わせ以外での摩耗
3. アブフラクション(abfraction)
かみ合わせや食いしばりなどの強い力が歯にかかった際の、
ひずみによって生じる歯質の欠損
4. 酸蝕(さんしょく:erosion)
酸性の飲食物の摂取を繰り返すことによる歯の溶解
この記事を作成・監修した
マイスター
オーラルケアマイスター
深澤 哲
ふかさわ てつ
オーラルケアの技術開発ならびに製品開発に約25年間携わってきました。
これまでの経験を活かし、オーラルケアと健康生活に関わる有用な情報をお届けしていきます。
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