布マスクの洗い方の基本!1日1回の手洗いで清潔に長持ち

布マスクの洗い方の基本!1日1回の手洗いで清潔に長持ち

布マスクは、洗って繰り返し使えるのがメリット。とはいえ、清潔に使用するにはお洗濯が肝心!汚れやニオイを取り除いて、繊維を傷めないためには、洗濯機ではなく、手洗いがおすすめです。1日1回、衣料用液体洗剤と塩素系漂白剤を使用し、優しく押し洗いします。皆さんの疑問にもQ&A形式でお答えします。

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布マスクはどう洗濯すればいいの?

布マスクを清潔に使い続けるために、どう洗濯すればいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。

布マスクは、洗濯機で洗うこともできますが(Q&A参照)、型くずれが気になる方は手洗いで押し洗いするのがおすすめです。
いちいち面倒!と思うかもしれませんが、ていねいに洗うことで、汚れをしっかり落とし、「縮み・しわ・ヨレなどの型くずれ」や、「ゴムが伸びる」などの悩みも軽減できます。また、1枚ずつ洗うことは、他の洗濯物や他のマスクから、菌やウイルスが付着するのを防ぐことにもつながります。
さらに、洗い方を少し工夫すると、女性に多い「口紅やファンデーションが落ちにくい」といった汚れ落ちに関する悩みも解決しやすくなります。
そこで、汚れをキレイに落とし、型くずれも防ぐ、上手な布マスクの手洗いの方法をご紹介します。

「家庭で洗える」と表示されているマスクは家庭洗濯が可能です

使用済みのマスクが洗えるかどうかは、マスクの素材などによって違います。

<家庭でお洗濯できる布マスク>
●綿素材のガーゼ生地など、布製の家庭用マスク
●パッケージに「家庭で洗える」と表示されているもの

<家庭でお洗濯できないマスク>
次のようなマスクは、再利用を想定しておらず、性能低下や型くずれの可能性があり、洗濯はおすすめできません。
 ※パッケージに「家庭で洗える」と明記されていない布マスク
 ※不織布の使い捨てマスク
 ※家庭用マスクではない、医療用マスクや産業用マスク

<お洗濯に注意が必要なマスク>
次のようなマスクを洗う時には注意が必要です。製品に記載されている、洗濯に関する表示に従って洗ってください。
 ※銀イオンなどで抗菌を訴求しているマスク
 ※ポリウレタン素材のマスク
 (塩素系漂白剤を使うと、繊維が変色したり劣化したりする可能性があります)
 ※色物・柄物のマスク
 (塩素系漂白剤を使うと、色落ちする可能性があります)

布マスクを洗う前に気をつけるポイント

布マスクは、普段のお洗濯で使っている、一般的な衣料用洗剤で洗えます。水に早く溶ける、液体洗剤がおすすめです。パッケージに「中性洗剤で洗いましょう」と表示のあるものは、中性の洗剤を使用してください。マスクのパッケージの表示で確認することができます。
布マスクのお洗濯では、以下のポイントを守りましょう。

POINT

1.1日1回は洗濯する

衛生面から、11回は洗濯しましょう。ただし、1日に2回外出した場合など、汚れを感じたらその都度、お洗濯してください。

2.布マスクを手洗いする場合、洗濯する前後にしっかり手を洗う

汚れや菌・ウイルスの付着を防ぐため、洗濯前後にはハンドソープを使用して手をしっかり洗いましょう。
菌・ウイルスの付着が気になる方は、ほかの人のマスクとは一緒には洗わないようにしましょう。また、1枚ずつ手洗いするのがおすすめです。

布マスクの洗い方

布マスクの基本的な洗い方をご説明します。
衣料用洗剤で洗い、汚れが気になる時は、さらに塩素系漂白剤を使用して洗いましょう。

<準備するもの>

布マスク
洗面器(ない場合は、洗面ボウルを利用)
洗剤(液体洗剤がおすすめ)
スプーン
清潔なタオル
洗濯バサミ
炊事・掃除用ゴム手袋
 ※手荒れしやすい方、塩素系漂白剤を使用する方
スポンジ
 ※口紅やファンデーション汚れが気になる方

基本の洗い方

1.洗面器に水と衣料用洗剤を入れる

2ℓに対し、超コンパクト液体洗剤0.7が目安。
超コンパクト液体洗剤なら0.7g(小さいスプーン半分程度)、レギュラータイプ液体洗剤なら1.7g(小さいスプーン1杯程度)、おしゃれ着用洗剤(アクロン)なら5ml(製品のキャップでの計量がおすすめ)です。

スプーンでかき混ぜ、洗剤を溶かします。

2.洗剤液にマスクを入れて10分浸す

マスクを洗剤液に浸したら、そのまま10分間放置しましょう。

3.やさしく10回ほど押し洗いする

10分間放置したあと、手で10回ほど押し洗いします。マスクの繊維を傷める可能性があるため、手でごしごしもみ洗いするのはNG

口紅やファンデーションなどの気になる汚れは、洗剤液の中に浸した状態で、手やスポンジでやさしくたたき洗いします。

要注意!

布マスクに口紅やファンデーションが付着すると、洗濯をしても落ちにくいので、マスクの下にインナーマスクもしくはガーゼを入れる、化粧品を薄めの色にするなどの工夫をするとよいでしょう。

4.洗剤液を流す

マスクを洗剤液からそっと取り出し、両手ではさんで押しながら水気をきります。マスクをねじらないように気を付けましょう。

洗面器の洗剤液をゆっくり静かに流します。この時、菌・ウイルスが混ざっている可能性のある洗剤液が飛び散らないように注意してください。

5.洗面器に水道水をためてすすぐ

洗面器に水道水をため、マスクを入れ、水の中で振りながら十分にすすぎます。

6.マスクの水気をきる

マスクを両手ではさんで押しながら水気をきります。
洗面器のすすぎ水をゆっくり静かに流します。この時、菌・ウイルスが混ざっている可能性のあるすすぎ水が飛び散らないように注意してください。

→汚れが気になる方は、ここから「汚れが気になる時の洗い方」へ。

清潔なタオルではさみ、両手でそっとたたいて水気を取ります。タオルにのせる位置を2~3回ずらしながら行うと、タオルにしっかり水分が吸収され、乾きが早くなります。マスクの水気をとったタオルは洗濯しましょう。

7.陰干しする

マスクは洗濯をすると縮む場合があります。
干す前に縫い目方向にピッピッと引っ張り、更に横方向にも同様に引っ張り、形を整えることで、縮み・しわ・ヨレなどの型くずれを防ぐことができます。

乾燥機は使わずに、陰干しします。マスク本体を洗濯バサミで留めると、ゴムが伸びるのを防げます。

ゴムの部分を留めると、伸びてしまうので気をつけてください。

汚れが気になる時の洗い方

1.塩素系漂白剤と炊事・掃除用ゴム手袋を準備

汚れが気になる場合は、衣料用洗剤で洗ったあと、さらに塩素系漂白剤で洗いましょう。
その際は必ず、炊事・掃除用ゴム手袋をつけてください。

塩素系漂白剤を使う時の注意点

・製品の容器に「塩素系」と記載があることを必ず確認してください。
・塩素系漂白剤は、「次亜塩素酸塩」を主成分とし、強いアルカリ性で漂白する力が強いため、肌を傷めないように炊事・掃除用ゴム手袋を着用してください。
・酸性タイプの製品や食酢・アルコールなどと混ざると有毒な塩素ガスを発生する危険があるため、必ず単独で使用してください。
・脱色作用があるため、色物・柄物が色落ちする可能性があります。
・小さなお子さんがいる場合には、手に触れないように置く場所にご注意ください。

2.洗面器に水と塩素系漂白剤を入れる

1ℓに対し、塩素系漂白剤15mlくらいが目安。

3.漂白剤液にマスクを入れて10分浸す

マスクを漂白剤液に浸し、そのまま10分間放置します。

4.漂白剤液を流す

10分後、マスクを両手ではさんで押しながら水気をきり、洗面器の漂白剤液をゆっくり静かに流します。この時、漂白剤液が飛び散らないように注意してください。

5.洗面器に水道水をためて2回すすぐ

洗面器に水道水をためてマスクを入れ、漂白剤がしっかり取れるように、水の中で振りながら十分にすすぎます。これを2回繰り返してください。塩素のニオイが気になる場合は、塩素のニオイがしなくなるまで、十分にすすぎを繰り返してください。

→「6.マスクの水気をきる」「7.陰干しする」は、「基本の洗い方」と同様に。

布マスクのお洗濯についてのQ&A

布マスクのお洗濯について、皆さんからの疑問にお答えします。

1.洗剤について

Q.洗濯機で洗ってもいいですか?

A.洗濯機で洗ってOKですが、ネットを利用しましょう

パッケージに「家庭で洗える」ことが記載されている布製(ガーゼ)マスクは、型くずれやウイルスの付着が気になる方は、手洗いで押し洗いするのがおすすめです。
洗濯機で洗う場合は、耳掛けゴムの部分がとても傷みやすいため、洗濯ネットを利用して洗ってください。なるべくマスクの大きさに近い小さなネットにすると、洗濯機の中でかき混ぜられてもネットの中でマスクが動きにくく、縮み・シワ・ヨレなどの型くずれをより抑えられます。

Q.マスクを洗うための洗剤は何がおすすめですか?

A.衣料用液体洗剤です

水に溶けやすい、衣料用液体洗剤がおすすめです。
ただし、マスクのパッケージに「中性の洗剤で洗ってください」という表記がある場合は、中性の(液体)洗剤を使用してください。

Q.マスクを洗うための洗剤は、衣料用の粉末洗剤でも良いですか?

A.水によく溶かせばOKです

洗剤をちゃんと水に溶かせば、問題ありません。
水に溶けやすい液体洗剤がおすすめです。

Q.マスクを洗うための洗剤は、おしゃれ着用洗剤(アクロン)でも良いですか?

A.お使いいただけます

問題ありません。水2ℓに対し、おしゃれ着用洗剤5mlを目安にし、あとは「基本の洗い方」と同様に洗濯してください。

Q.マスクを洗うための洗剤は、弱アルカリ性や弱酸性の洗剤でも良いですか?

A.衣料用であれば問題ありません

マスクのパッケージに「中性の洗剤で洗ってください」という表記がなければ、弱アルカリ性や弱酸性の洗剤が使用できます。
ただし、手荒れが気になる方は、念のため炊事・掃除用ゴム手袋を使用してください。

Q.蛍光増白剤入りの洗剤で洗濯しても良いですか?

A.天然繊維素材は気を付けましょう

蛍光増白剤入りの衣料用洗剤を使用することは問題ありません。
ただし、生成りや淡色の綿、麻などの天然繊維素材のマスクは、白さが増すことによって、色が変わったように見えてしまうことがあります。これらの素材の場合には、蛍光増白剤が配合されていない洗剤の使用をおすすめします。

Q.洗濯によって菌やウイルスは除去できますか?

A.一定の効果は期待できます

洗剤で洗濯することで菌やウイルスは洗い流されます。さらに、菌やウイルスが気になる方は、洗剤で洗ったあと、塩素系漂白剤で洗ってください。また、除菌、ウイルス除去の記載のある粉末洗剤もあるので、必要に応じて使用してください。

Q.ポリウレタン素材のマスクは洗濯できますか?

A.「家庭で洗える」と表示があれば洗濯可能

ポリウレタン素材のマスクは、パッケージに「家庭で洗える」と明記してあれば、その表示に従ってお洗濯してください。ただし、ポリウレタンは塩素系漂白剤を使用すると黄色く変色したり、強度が低下する性質があるので、塩素系漂白剤の使用には注意が避けてください。

Q.色柄物のマスクは洗濯できますか?

A.衣料用洗剤を使って洗えます

衣料用洗剤で洗うことは問題ありません。汚れが気になる場合は、塩素系漂白剤を使用すると色落ちする可能性がありますので、酸素系漂白剤を使いましょう。酸素系漂白剤は、漂白効果や除菌効果は、塩素系漂白剤に比べて弱いですが、色柄物にも使用できます。
水2ℓに対し、液体洗剤(超コンパクト液体洗剤なら0.7g、レギュラータイプ液体洗剤なら1.7g、おしゃれ着用洗剤(アクロン)なら5ml)と酸素系漂白剤(液体タイプ)を20ml入れ、マスクを30分つけおきします。
その後は、「基本の洗い方3」と同様に10回程度押し洗いをしてから、すすぎます。炊事・掃除用ゴム手袋を使用してください。

2.漂白剤について

Q.塩素系漂白剤は「キッチン用」でも良いですか?

A.衣料用を使いましょう

塩素系漂白剤は、キッチン用と衣料用がありますが、お洗濯に使用するために製造されている「衣料用」を使用してください。

Q.酸素系漂白剤を使用しても良いですか?

A.酸素系漂白剤を使用してもかまいません

酸素系漂白剤を使う場合は、洗剤で洗ったあと、酸素系漂白剤でつけおきをする方法ではなく、最初に洗剤と酸素系漂白剤を一緒にしてつけおきします。
2ℓに対し、液体洗剤(超コンパクト液体洗剤なら0.7g、レギュラータイプ液体洗剤なら1.7g、おしゃれ着用洗剤(アクロン)なら5ml)と液体酸素系漂白剤を20ml入れ、マスクを30分つけおきします。
その後は、「基本の洗い方3」と同様に10回程度押し洗いをしてから、すすぎをしましょう。この時は、炊事・掃除用ゴム手袋を使用してください。

Q.洗剤と塩素系漂白剤を同時に使ってはダメ?

A.漂白剤の効果が発揮できるよう別々に

衣料などを洗濯機で洗うときは、洗剤と漂白剤を同時に入れることもあります。しかし、マスクの場合は、まず洗剤で汚れをしっかりと落とし、塩素系漂白剤の効果が最大限に発揮される環境をつくる方法をおすすめします。洗剤で洗った後に、塩素系漂白剤を使用するようにしましょう。

Q.色柄物のマスクは洗濯できますか?

A.塩素系漂白剤を使うと色落ちします

衣料用洗剤で洗うことは問題ありませんが、塩素系漂白剤を使用すると色落ちする可能性があります。
色柄物のマスクの汚れが気になる場合には、酸素系漂白剤を使いましょう。酸素系漂白剤は、漂白効果や除菌効果は、塩素系漂白剤に比べて弱いですが、色柄物にも使用できます。
2ℓに対し、液体洗剤(超コンパクト液体洗剤なら0.7g、レギュラータイプ液体洗剤なら1.7g、おしゃれ着用洗剤(アクロン)なら5ml)と液体酸素系漂白剤を20ml入れ、マスクを30分つけおきします。
その後は、「基本の洗い方3」と同様に10回程度押し洗いをしてから、すすぎをしましょう。炊事・掃除用ゴム手袋を使用してください。

Q.塩素のニオイが気になりますが…

A.ニオイが落ちるまですすいでください

塩素系漂白剤を使用した場合には、塩素のニオイがしなくなるまで、十分にすすぎを繰り返してください。

3.すすぎ・乾燥について

Q.洗濯後にマスクを乾燥機にかけても良い?

A.型くずれを防ぐために自然乾燥を

熱に弱い材料が使われているマスクもあるので、縮みなどの型くずれを軽減するためにも、乾燥機は使わず、自然乾燥させてください。

4.保管について

Q.洗濯後、マスクはどうやって保管する?

A.中身の見えるジッパー付きの袋が便利

ポイントは、ホコリや菌・ウイルスなどが極力付かないように工夫することです。洗ったマスクは、使う人ごとに中身が見えるジッパー付きの袋に入れておくと、マスクをむき出しのまま保管しておくよりも清潔に保つことができます。袋の色を変えたり、名前を書いておくと間違えません。

Q.使用後、すぐにマスクを洗えない時の保管方法は?

A.保管する場合はビニール袋に入れて

時間が経過すると汚れが落ちにくくなり、ニオイの原因にもなります。菌が増殖する可能性もあるため、基本的には使用後、すぐに洗いましょう。
やむを得ず保管する場合は、人ごとに使用済み専用のビニール袋を用意して保管してください。

5. その他

Q.「NANOX除菌・消臭スプレー」をマスクに使用してもよいですか?

A.マスクへの使用はおすすめできません

「NANOX除菌・消臭スプレー」は、マスクへの使用を考えた製品ではないために、マスクの性能や材質への影響を確認していませんので、マスクへの使用はおすすめできません。

この記事を作成・監修した
マイスター

大貫 和泉

お洗濯マイスター

大貫 和泉

おおぬき いずみ

洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。

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