フリマアプリで衣類を出品する時、気持ち良い取り引きのためにお洗濯を
すっかり身近なツールとなったフリマアプリ。なかでも衣類は様々なアイテムの商品が出品されている、人気ジャンルです。ただ、購入経験者からは「シミ」や「ニオイ」が気になった、という残念な声も。出品する時には、いつものお洗濯にもうひと手間をプラスしましょう。汚れに洗剤を直接塗布する方法や、つけおき洗いが有効です。
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「メルカリ」や「ラクマ」「ジモティー」など、フリマアプリの登場で、一気に身近になった個人間での物品の売買。フリマアプリでは、洋服やアクセサリー、コスメ、本や趣味のグッズなど、様々なものが取引されていますが、なかでも多いのが衣類と言われています 。
ライオンの調査によると、フリマアプリやリサイクルショップなどを利用したことのある人のうち、衣類を販売もしくは購入した経験がある人は約8割！ただ、その一方で、購入後に「衣類のシミやニオイが気になった」という声も寄せられています。
フリマアプリで気持ち良く取り引きするためには、出品前の適切なお洗濯が大切です。自分が着用していた愛着ある衣類を次の人にも大切に着てもらうためにも、できるだけキレイな状態で送りたいですね。適切なお洗濯は、出品者の評価アップにも貢献しますよ！
「捨てる」を減らす、フリマアプリでの売買が人気！
SDGs（エス・ディー・ジーズ）※１という言葉をよく耳にするようになりました。サスティナビリティ（持続可能性）への関心の高まりもあり、今ある資源を大切にしていこうという取り組みに注目が集まっています。繊維業界も最近では、中古品を再利用するなど、積極的に二次利用していこうという動きが生まれています。
- １ SDGs（Sustainable Development Goals）とは、持続可能でよりよい世界を目指すため、国連で定めた目標です。貧困、飢餓、働きがい、気候変動などの問題について、国や企業を含む世界全体で取り組むことを推奨しています。
フリマアプリの登場で中古品を生活者が気軽に売り買いできるようになったことは、こうした流れにも合致するもの。地球環境にも、そしてお財布にもうれしいのが、フリマアプリの活用といえるかもしれませんね。
衣類を出品する時、お洗濯は必要？
新品でない衣類を出品する場合は、なるべくキレイな状態で届けたいもの。とはいえ「出品の前に改めてお洗濯をするべきか？」と考えると、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、一見キレイに見えても、繊維の奥に潜んだ汚れや自分では気づきにくい家庭独特のニオイがついていて、購入者にとっては気になる場合があります。
「フリマアプリ・リサイクルショップで購入した衣類で気になった不具合は？」という質問※2で多く挙げられたのは、シミなどの汚れや嫌なニオイに関するものでした。
- 2 ライオン調べ、フリマアプリ・リサイクルショップで衣類を購入した際に不具合を感じたことのある男女、ｎ＝100、2019年
衣類購入時に気になったこと
一度洗濯した衣類であっても、出品する前にはなるべく洗濯し、こういった汚れやニオイを除く心配りが大切かもしれません。汚れやニオイをすっきり落としてから送り届ければ、次の持ち主も長く愛用してくれるかも。また、状態の良い商品であれば、気持ち良く取引ができ、購入者からの評価も上がり、次の販売にもつながりやすくなりますね。
もちろん、一度も着ておらず、汚れやニオイがついていない新品衣類は、お洗濯は必要ありません。
発送前の「もうひと手間のお洗濯」〜準備編〜
シミなどの汚れや嫌なニオイに対しては、洗濯機に洗剤を投入する通常のお洗濯方法に加え「もうひと手間かけたお洗濯」が必要です。もうひと手間といっても、ポイントさえおさえれば難しいことはありません。まずは出品する衣類を検品（チェック）するところから始めましょう！着用した後に洗濯せずに保管していた衣類はもちろんですが、一度洗濯した衣類についても、必ず検品してください。
１ 出品する衣類をチェック！
衣類全体をよく見て、シミやニオイなどの不具合がないか確認しましょう。特に袖口、エリ、脇などは汚れがつきやすいポイントです。気になる箇所があれば、その部分を重点的にケアするお洗濯方法でリカバーします。
また、ほつれや穴などを見つけた場合は、補修する、あるいは出品時に写真などであらかじめ不具合を伝えておくことも、取引をスムーズにするためのマナーですね。
２ 洗濯表示を確認し、適切な洗剤を選ぶ！
続いて、衣類のタグに書いてある洗濯表示を確認します。洗濯表示を見れば、「一般衣料用洗剤」を使って洗えるものか、「おしゃれ着用洗剤」を使って洗うべきかがわかります。家庭洗濯禁止の衣類は、洗濯表示を確認した上で、クリーニングが可能であれば、クリーニング店に相談しましょう。
「もうひと手間」のお洗濯〜実践編・一般衣類の場合〜
タグに上記のマークがついていれば、一般衣料用洗剤で洗います。一般衣料用洗剤は、Tシャツ、シャツ、子ども服、下着、タオルなどの、普段着のお洗濯で使う洗剤です。
1 部分的な汚れがついている場合のお洗濯
部分的な汚れがある場合は、「濃縮タイプの液体洗剤（NANOX one）」の原液を直接塗ってしばらくおく「塗布放置洗浄」が有効です。
塗布放置洗浄は、汚れやニオイが気になる部分に直接塗布するお洗濯法。そのまま一晩（約12時間）おいたら、翌朝、他の衣類と一緒に洗濯機に入れて通常通りに洗濯します。時間のたった黄ばみ・食べこぼしなどの汚れに特に有効です。
「塗布放置洗浄」の代わりに、漂白剤を塗布する方法も有効です。やり方は簡単！「液体酸素系漂白剤」をキャップにとり、汚れやニオイが気になる部分に直接塗り、その後通常通りお洗濯します。脇の下やエリ・袖などの皮脂や汗・黄ばみ、また食べ物の汚れに有効です。汚れに十分しみ込むくらいの量が目安。液体酸素系漂白剤の代わりに「シミ用の部分洗い剤」を使用してもかまいません。
ただし、事前に必ず洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤が使用できる衣類かどうかを確認しましょう。
２ 広範囲に汚れがついていたり、ニオイが気になる場合のお洗濯
一般衣類に汚れ（黄ばみや黒ずみなど）やニオイが広範囲についている場合は、液体洗剤と液体酸素系漂白剤を合わせた洗浄液での「つけおき洗い」が効果的です。
ただし、事前に必ず洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤が使用できる衣類かどうかを確認しましょう。
洗濯おけに５L程度のぬるま湯（40℃程度）を入れ、洗剤を加えます。洗剤は、「使用量の目安」に書いてある水量30Lの時の洗剤量を入れ、濃い目の洗浄液を作ります。
汚れが気になる場合は「皮脂汚れなどに強い濃縮タイプの液体洗剤」、ニオイが気になる場合は「除菌または抗菌効果のある濃縮タイプの液体洗剤」がおすすめです。
そこに「液体酸素系漂白剤」を使用量の目安に従って入れ、衣類をつけておくだけ。つけおき時間は30分〜２時間です。その後は、衣類を洗浄液ごと洗濯機に入れ、ほかの衣類も加えて一緒に洗濯しましょう。
「もうひと手間」のお洗濯〜実践編・おしゃれ着の場合〜
タグに上記のマークがついていれば、おしゃれ着用洗剤（アクロン）を使用して、洗濯機の弱水流コースや手洗いでやさしくお洗濯をして型くずれを防ぎましょう。
おしゃれ着洗剤は、ウールやシルクなどのデリケートな素材や、色やスタイルをできるだけキープしたいお気に入りの衣類のお洗濯に向いています。
なお、手洗いの記号の衣類を洗濯機で洗える機種もありますので、洗濯機の取り扱い説明書を確認してください。
１ 漂白剤塗布
洗濯表示に上記のような「酸素系漂白剤使用可」とある場合は、「液体酸素系漂白剤」をキャップにとり、汚れが気になる部分に直接塗ってください。漂白剤は、脇の下やエリ・袖など、皮脂や汗・黄ばみが気になる部分、また食べ物の汚れがついた部分に有効です。汚れに十分しみ込むくらいの量が目安です。液体酸素系漂白剤の代わりに「シミ用の部分洗い剤」を使用してもかまいません。漂白剤を塗布した後は、おしゃれ着用洗剤を用いて洗濯機の弱水流のコースあるいは手洗いでお洗濯をしてください。
２ おしゃれ着洗剤塗布
洗濯表示で「漂白処理はできない」となっているおしゃれ着の場合は、おしゃれ着用洗剤を汚れが気になる部分に塗ってから、洗濯機の弱水流コースあるいは手洗いでお洗濯します。
風合いを良くするには柔軟剤の使用が効果的
柔軟剤には、衣類をふんわりやわらかく洗い上げたり、洗濯ジワを軽減したり、ニオイを消臭・防臭したりと様々な効果があります。風合い良く仕上げるために、洗濯時に柔軟剤も一緒に使うのがおすすめです。
ただ、なかには「柔軟剤の香りが苦手」と感じる人もいます。フリマアプリで出品する際には、購入者に「嫌なニオイがする」と思われないように、「風合いを良くするために、柔軟剤を使用して洗濯済みです」などと事前にお知らせしておくと良いでしょう。
柔軟剤を使用しても洗濯ジワが目立つ場合には、アイロンでシワをのばしてください。
家庭で洗濯しても汚れやニオイが落ちなかった場合
汚れやニオイの種類や強度によっては、家庭で洗濯しても汚れやニオイが落ちない場合もあると思います。1回の洗濯で、汚れが薄れていたり、ニオイが弱まっているようであれば、もう一度洗濯を繰り返すことも有効です。しかし、洗濯の効果があまりみられないようであれば、その時はクリーニング店に相談してみてください。
あるいは出品する際に、汚れやニオイがあることを正直に掲載しましょう。できれば、汚れの場合はその部分を拡大して写真を掲載すると良いでしょう。
適切なお洗濯をすれば、衣類は本来の美しさを保って、長く着続けることができます。また、受け取った人から「ていねいにお洗濯してくれてありがとう！」という言葉をもらえたらうれしいものですね。
モノを大切に、長く使っていくためにも有効な、フリマアプリでの循環サイクル。サスティナブルな未来のために、私たちが気軽にできることの一つといえそうです！
出品する服をうまく撮影するコツは？
フリマアプリに出品する際には、アイテムをしっかり見せる写真も重要ですね。写真と実物で、色やシルエットに大きな差があると購入者もガッカリしてしまいます。Lideaでも活躍しているカメラマンであり、ご自身もフリマアプリのヘビーユーザーであるKEITAさんに、撮影のコツを教えていただきました。
大事なのは、アイテムのイメージをしっかり伝えること。写真は１枚ではなく、何枚かアップするのがおすすめだそうです。
床やテーブルなどに置いて撮る「置き撮り」に加えて、「着用時の写真」があるとイメージを掴みやすくなります。着用時の写真を撮影するのが難しい場合には、ハンガーで吊るして撮影すると良いでしょう。なお、ハンガーは、細い針金ハンガーではなく、洋服が立体的に見える厚みのあるものがベターです。
置き撮りした写真
着用した写真
前、斜め、後ろなど、さまざまな角度からの写真があると、購入者の疑問を解消できます。
撮影する時は、衣類が目立つように、背景はなるべくシンプルなところを選びましょう。自然光や照明の下など、明るい場所で撮影することも大切です。
また、特徴的なデザイン（例えば刺繍など）があれば拡大して撮影しましょう。反対に傷や汚れがある場合でも、拡大した写真に加え、服全体が映った写真に、どの箇所でどの程度目立つかをコメントを入れるとより丁寧な対応になります。
ブランド名、サイズ、素材、洗濯表示などが記載されたタグの写真があると、さらに親切ですね。
フリマアプリのヘビーユーザーであるKEITAさんも、実際に出品する際はこうしたポイントに気をつけて撮影しているそうですよ。ぜひみなさんも参考にしてみてくださいね。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター！
洗濯表示がどうしても覚えられなかったら？
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この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
片木 徹也
かたぎ てつや
洗濯用洗剤などの製品開発に約15年携わってきました。
日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
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