介護食の「食べこぼし」汚れをすっきりキレイに落とすお洗濯法

介護食の「食べこぼし」汚れをすっきりキレイに落とすお洗濯法

介護中の日々の食事タイムでは、おいしく食べてほしいけれど、うまくいかずにこぼしてしまうこともありますよね。食べこぼし汚れは、時間がたつほど落ちにくくなります。汚れを落ちやすくするには、食べ物の汚れがついたら、なるべく早く固形物を取り除くのがポイント。そして液体酸素系漂白剤で前処理した後、洗濯機で普通に洗濯しましょう。

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介護をする人も、介護を受ける方も、汚れを気にせずに笑顔で楽しみたい食事の時間。ただ、うまく食べられずこぼしてしまうこともありますよね。
シミになりやすいイメージがある「食べこぼし」汚れ。介護時の困りごととしても、上位に挙げられるお悩みです。そこで、介護食の特徴に合わせたお洗濯法を研究しました。今回は、食べこぼし汚れを落とすポイントをご紹介します。

「食べこぼし」汚れがつきやすい場所は?

在宅介護をしている方や介護施設で働いている方にとって、食べこぼしの汚れは大きな悩みですね。介護を受けている方の衣類の胸元や腹部、袖口などのほか、ベッドで食事をしている場合は掛け布団やシーツなど、寝具に付着することもあります。また、せきこんだり、あやまって吐き出してしまったりすることで、介護をする方の服が汚れることも少なくないでしょう。
でも、「洗濯でキレイになるから大丈夫!」と介護者が大らかに対応できれば、介護を受ける人の気持ちもラクになりますね。

食べこぼし汚れの特徴をチェック

適切なお洗濯方法を理解するために、まずは食べこぼし汚れの特徴を見ていきましょう。

食べこぼしによる汚れは、下の図にあるように時間がたつにつれて落ちにくくなります。しかもその変化は、皆さんが考えているよりもずっと早いかもしれません。
白い肌着(素材:綿)に、食べこぼし汚れでよくある「カレー」を付着させ、時間の経過によってお洗濯の効果に変化があるかを調べました。

<食べこぼし汚れの落ちやすさに対する時間経過の影響>

    <実験方法>白い肌着(素材:綿)に、市販のレトルト介護食(カレー)0.4gを円形に付着させ、屋内にて所定時間放置。その後、衣料用洗剤を用いて洗濯機にて洗濯し(洗浄10分、すすぎ5分・2回)、洗浄前後の色味(測定値:b*値)を色差計にて測定し、洗浄率を算出。なお、写真中の黒い点は目印としてつけたマジックの印。

汚れの固形物をふき取った後に、衣料用洗剤のみを使用して洗濯する場合、カレーが付着直後にすぐ洗濯すると、大部分が落ち、ごくわずかに汚れが残る程度でした(上の図の経過時間0時間)。
しかし、1時間経過しただけでも汚れの落ち方が悪くなり始め、さらに3時間、8時間と時間が経過するにつれて大幅に悪化し、見た目でも明らかに汚れが残っていました。
時間の経過と共に汚れ落ちが悪くなるのは、食べこぼし汚れが変質したり、汚れの中の水分が減って乾燥するために、繊維に強く付着してしまうことが原因と考えられます。
カレーだけでなく、フルーツジュースや野菜ペーストでも実験を行いましたが、同じような結果になりました。また、綿素材に限らず、衣料で多く使われているポリエステルなどの化学繊維やウールでも同じ傾向となっています。
つまり、食べこぼし汚れは「時間が経つと落ちにくくなる」、そしてその変化は「数時間という短い時間で進行する」という特徴が明らかになりました。

食べこぼし汚れを落とすお洗濯方法(すぐに着替えてお洗濯できる場合)

こうした食べこぼし汚れの特徴を考えると、「可能な限り早く対処する」ということが重要です。
まず、すぐにお洗濯できる場合の、食べこぼし汚れをきれいに落とすお洗濯法をご紹介します。

POINT

1.固形物をふきとる

食べこぼし汚れがついてしまったら、繊維の奥へしみ込むのをできるだけ防ぎ、さらに他の部分に付着するのを防止するため、まず固形物をふきんやティッシュで極力取り除きます。食事中に取り除くことができれば理想ですが、難しい場合には食後でもかまいません。

ゴシゴシこすったり、強くつまみ取るなど、強い力を加えてしまうと、汚れが繊維の奥に入り、落ちにくくなったり広がってしまいます。やさしくつまみ取ることがポイントです。

2.液体酸素系漂白剤を「塗布」した後に洗濯する(せまい範囲の食べこぼし汚れの場合)

続いて、なるべく早めに洗濯をしましょう。ただし、せまい範囲の食べこぼし汚れの場合、お洗濯の前処理として、食べこぼし汚れに漂白剤を塗布するのがおすすめです。
その方法は簡単!液体酸素系漂白剤をキャップにとり、食べこぼし汚れに直接塗るだけです。汚れに十分しみ込むくらいの量が目安です。

なお、漂白剤の代わりに「シミ用の部分洗い剤」を使用しても構いません。
漂白剤は、食べ物汚れに含まれる汚れや色素を化学的に分解する働きがあり、衣料用洗剤だけで洗濯するよりも汚れ落ちがよくなります。
ただし、事前に必ず洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤が使用できる衣類かどうかを確認しましょう。

そのあとは、放置せずにすぐ洗濯機に入れて洗いましょう。ほかの洗濯物も加えて一緒に洗濯しても問題ありません。衣料用洗剤は「洗濯物の量」か「水量」に応じた量をはかって入れます。

3.液体酸素系漂白剤で「つけおき洗い」した後に洗濯する(広い範囲の食べこぼし汚れの場合)

一方、広い範囲の食べこぼし汚れの場合、お洗濯の前処理としてつけおき洗いがおすすめです。

(1)濃い目の洗浄液をつくる

洗濯おけに、5L程度のぬるま湯(40℃、お風呂のお湯くらい)を入れ、洗剤を入れます。洗剤は、「使用量の目安」に書いてある水量30Lの時の洗剤量を入れます。超コンパクト液体洗剤の場合は10mlが目安。

(2)液体酸素系漂白剤を入れる

商品の使用量の目安に従い、漂白剤を入れます。濃縮タイプの液体酸素系漂白剤の場合は、50mlが目安です。手荒れが気になる方は、洗剤や漂白剤を入れるときはゴム手袋を使いましょう。

(3)衣類を入れ、つけておく

洗濯桶に衣類を入れてしっかりひたし、30分~2時間つけおきします。2時間を超えると、繊維を傷めてしまう可能性があるため避けてください。

(4)洗浄液ごと洗濯機へ

つけおきした衣類と洗浄液をそのまま洗濯機に入れ、ほかの衣類も加えて一緒に洗濯します。洗剤は、通常使用する量から、つけおきに使った分を差し引いて投入しましょう。

食べこぼし汚れを落とすお洗濯方法(すぐにお洗濯できない場合の応急処置)

早く対処することが重要と言っても、食後にあわただしく着替えさせるのはかわいそう、時間がなく洗濯できない、そんな場合もあると思います。また、着替えさせるほどではない、小さな食べこぼし汚れもありますよね。そんな時は「応急処置」を実践して、食べこぼし汚れが落としやすい状態を維持して、時間ができた時に洗濯をしてください。

POINT

1.食べこぼし汚れが付着した直後の応急処置

食べこぼし汚れがついてしまったけれど、すぐに着替えさせて洗濯することができない、そんな時は固形物のふき取りにひと手間をかけてください。
介護を受ける人が着用したままでもよいので、まず、ふきんやティッシュを使い、手で取れる固形物を極力取り除きます。

その後、水溶性の汚れの場合は水で濡らしたティッシュでつまみ、汚れを移し取ります。あとは乾いたティッシュなどで押さえて水分を取り除き、自然に乾燥させます。
油溶性の汚れの場合は、乾いたティッシュで軽くつまんで、丁寧に油分を移し取るようにします。
ゴシゴシこするとシミが広がって、かえって汚れが落ちにくくなるので注意しましょう。

「水溶性」と「油溶性」の汚れの代表例は以下のようになります。

<水溶性の食べこぼし汚れ>
しょうゆ、コーヒー、ソース、ケチャップ、ジュース、酒類(ワイン、日本酒、ビールなど)、味噌汁、ワサビ、ラーメンの汁、スパゲッティーソース、カレー、マヨネーズなど

<油溶性の食べこぼし汚れ>
チョコレート、バター、生クリーム、植物油など

水溶性か油溶性かがわからない場合には、油溶性の汚れの対応方法を行いましょう。

2.「シミとり剤」がある場合の応急処置

上記の方法の代わりに、水溶性と油溶性のどちらのシミにも効果を発揮する市販の「シミとり剤」があれば、食べこぼし汚れがついてしまっても応急処置ができます。
使い方は簡単!シミとり剤に添付されている吸収シートを、衣類の下に置きます(シートがない場合は、乾いたティッシュなどを使います)。シミとり剤の先端をシミの部分にトントンとあてながら、シミの外側から叩きはじめ、徐々に中心に向かって叩き、シミをシートに叩き出しましょう。

シミが落ちたら、ティッシュなどをシミとり剤で湿った部分の下に敷き、上から水で濡らし固く絞ったティッシュなどでシミの部分を十分たたき、残ったシミとり剤を取り除きましょう。
ただし、和服や皮革製品、ゴム、アセテート、水で色落ちするもの、水で輪ジミになるものには使用できないので注意してください。

おしゃれ着の場合の洗濯方法・注意点

ご自宅に訪問客が来る、デイサービスに出かける、そんな日はお気に入りのおしゃれ着を着ることもあるかと思います。ウールなどのデリケートな素材が使用されることの多いおしゃれ着、あるいは洗濯表示で「洗濯桶の下に二本線」や「手洗いマーク」の衣類に、食べこぼし汚れがついてしまった場合も、なるべく早く処理することに変わりはありません。固形物をふき取った後、液体酸素系漂白剤を汚れ部分に塗布して前処理するところまでは、普通の衣類と同じです。
その後、洗濯する時は、洗剤はおしゃれ着用洗剤(アクロン)を使用して、弱水流のコースもしくは手洗いでお洗濯をしましょう。洗濯機の機種によって、「ドライコース」「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「おうちクリーニングコース」などコース名が違うので、事前に洗濯機の取扱説明書をチェックしてください。
また、洗濯表示が「手洗いマーク」の場合は手洗いしましょう。
ただし、手洗いマークの衣類を洗濯できる洗濯機もあります。事前に洗濯機メーカーの情報を確認しましょう。
なお、「3.液体酸素系漂白剤で「つけおき洗い」した後に洗濯する(広い範囲の食べこぼし汚れの場合)」に記載している液体酸素系漂白剤による「つけおき洗い」は、繊維を傷めてしまう可能性があるので控えましょう。

寝具の場合のお洗濯方法・注意点

寝具の場合、すぐにお洗濯できない場合が多いですよね。場合によっては数日間お洗濯できないなんてこともあるかもしれません。この場合は、「1.食べこぼし汚れが付着した直後の応急処置」にあるように、可能な限り食べこぼし汚れを除去しておいてください。
掛け布団カバー・シーツカバー・枕カバー・タオルケットなど薄手の寝具の場合は、少し手間にはなりますが、より汚れ落ちがよくなる「シミとり剤」を使用することをおすすめします。
そして、お洗濯できるタイミングになったら、まず洗濯表示を見て酸素系漂白剤が使用できるかどうかを確認しましょう。問題なければ、液体酸素系漂白剤を塗布してから洗濯してください。



食事は体にとってはもちろん、心にとっても大切な栄養です。毎日の食事を、介護を受ける人も介護をする人も負担なく、気持ちよく楽しめるように、ぜひお洗濯のひと工夫を取り入れてみてくださいね。

TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!

介護食の「とろみ剤」がお洗濯での汚れ落ちに与える影響

介護食は、加齢によって弱まった「食べる機能」をサポートするために、他の食事とは異なる点があります。たとえば、介護を受ける人の飲み込む力が落ちている場合は、食事にとろみをつけて、お口の中でまとまりやすくしたりしますよね。
そこで、とろみ剤は、汚れの落ちやすさに影響があるのかを調査してみました。とろみ剤の濃度が異なるカレーを白い肌着(素材:綿)に付着させ、時間の経過によってお洗濯の効果に変化があるかを調べました。

<とろみ剤が汚れ落ちに与える影響>

    <実験方法>市販のカレーのルーを用いて標準的なとろみのカレールーを作成。このルーに市販のとろみ剤を添加して食べこぼし汚れを作成。白い肌着(素材:綿)に、この汚れ0.4gを円形に付着させ、屋内にて所定時間放置。その後、衣料用洗剤を用いて洗濯機にて洗濯し(洗浄10分、すすぎ5分・2回)、洗浄前後の色味(測定値:b*値)を色差計にて測定し、洗浄率を算出。 「3%」は、とろみ剤の製品使用量に記載されている上限濃度、「6%」はその倍量でありペースト状の状態。

いずれのとろみ剤濃度でも、時間の経過とともに汚れ落ちが悪くなるという傾向は同じですが、とろみ剤の濃度が高いほど、汚れが落ちやすいということがわかりました。これは、とろみ剤によって、食べ物が固形物化するため、繊維にしみこみにくくなることが原因と考えられます。
早く対処するほうが汚れが落ちやすくなることに変わりはないのですが、食事にとろみ剤を付け加えている場合には、前向きにとらえれば、洗濯するまでの時間に少しだけ余裕が持てると考えられます。

この記事を作成・監修した
マイスター

片木 徹也

お洗濯マイスター

片木 徹也

かたぎ てつや

洗濯用洗剤などの製品開発に約15年携わってきました。
日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。

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