「洗濯物の干し方」がカギ!夫婦の家事分担がスムーズになるコツ

「洗濯物の干し方」がカギ!夫婦の家事分担がスムーズになるコツ

男性が苦手とされがちな「洗濯物の干し方」。適切な干し方をマスターすれば、家事分担のイライラも解消!洗濯物は上下にバシッバシッと振りさばき、伸ばしてから干すと、しわがつきにくくなります。タオルはずらして干す、靴下はゴム部分を上になど、アイテム別の干し方も覚えておくと、家事力がグッと向上します。

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家事は女性の担当、なんて今は昔。男女の別なく、お互いに分担・協力する家庭が増えていますよね。
でも、男性の中には、「家事のやり方がよくわからない」「家事をがんばりたい気持ちはあるけれど、正直、戦力外かも……」とお悩みの方も少なくないでしょう。
忙しい毎日のなかでも、お互いを思いやり、助け合えるようにするためには、家事力アップも有効な手段!今回は、男性が不得意とされがちな「洗濯物の干し方」に焦点を当ててみましょう。

夫のお洗濯、「干し方」に不満を抱えている妻が多数!

ライオンが2050歳代の夫婦5001,000名に行った調査※1によると、夫が行う家事について、妻の満足度が低かったのが「お洗濯」でした。「ゴミ出し」や「浴室内の掃除」はある程度満足度が得られている一方、洗濯関連の項目はいずれも満足度は低い結果となりました。

  • 1 ライオン調べ、2018

<Q:夫の家事のやり方に満足している?>

その大きな理由は、夫と妻のお洗濯技術に大きな差があることと考えられます。下図のように、夫婦どちらが上手かという問いに対し、洗濯関連の項目では、夫よりもが自分の方が上手いと回答した妻が非常に多く夫婦間での差が大きかったのです。とくに「洗濯物を干す」については、差が最も大きく、「シワシワのまま干してしまう!」「シャツの袖がまるまったまま干されている……」「私の干し方と違う!」など、妻からの不満が多く寄せられました。

<Q:(妻の回答)家事はどちらが上手ですか>

逆に考えると、洗濯物を上手に干せるようになれば、妻からの低評価を一気に挽回するチャンス、とも言えそうです。洗濯物の適切な干し方を学び、お洗濯を夫婦2人が同じように担当できる家事へと変えていきましょう。

ちなみに、別の調査によると、洗濯に関する夫への不満で最も多く挙げられたのは、「家にいるのに洗濯物を取り込んでくれない」でした。妻の帰宅が遅くなったり、外出中に天候が悪化した時に、夫が家にいるにも関わらず洗濯物を取り込んでいない……これはよくあるケースのようです。干し方だけでなく、干している洗濯物に対する夫の意識の低さも妻をイライラさせてしまうようですね。身に覚えのある男性も多いのではないでしょうか。

こんな干し方はNG!妻をイラっとさせる干し方実例

衣類を洗う工程までは洗濯機がやってくれますが、干す工程は手作業。担当する人によって、仕上がりに差が出てきます。
お洗濯に不慣れな男性がやりがちな、妻をイラっとさせる「干し方のNG例」を見ていきましょう。

例えば、脱水したタオルを振りさばいてシワを伸ばすことなく干してしまうと、乾いたあともこんなふうに脱水じわがくっきりと残ってしまいます。

また、Tシャツやカットソーをハンガーにかけず、ピンチでつまんで型くずれしてしまった、という失敗例も。つまんだ部分の生地が伸びてしまうと、アイロンをかけてもなかなか戻りません。

さらに、角ハンガーに密集して洗濯物を干してしまったために、空気が通らず、洗濯物がなかなか乾かない、という失敗例もよく見られます。

洗濯物を干す時に意識したい2つのポイント

基本さえ押さえれば、洗濯物を干すこと自体はむずかしいことではありません。まずは「しわがつかないように干す」「早く乾くように干す」ということを強く意識してください。そのための干し方テクニックの基本をご紹介します。

POINT

1. しわがつかないように干す

しわがついたまま乾いてしまうと、それを直すのにアイロンをかけたり、洗濯し直したりと大変な手間がかかります。普段、洗濯を妻に任せており、そんな苦労を理解していない夫は、NG例のタオルのように、しわがついたまま干してしまいがちです。干し方をひと工夫するだけで、その後の手間を大きく減らせることを理解し、そのためのテクニックを実践していきましょう。
まず、洗濯が終了したら、できるだけ早く干しましょう。洗濯槽に長時間入れっぱなしにしておくと、しわがとれにくくなってしまいます。

次に、干す時に軽くしわをのばしましょう。
洗濯槽から取り出したら、パシッパシッと上から下に数回振りさばいて、極力しわを伸ばしてから干します。このひと手間が、結果的にアイロンの手間を省くことにもつながります。

ただし、Tシャツ、カットソー、ポロシャツ、ニットなど、伸びて型くずれしてしまう可能性のある衣類は、振りさばかず、軽くしわをのばして形を整えて干しましょう。

この「振りさばく」テクニックは、綿衣類に残っている水分を少なくする効果があり、早く乾くことにもつながって一石二鳥です。

また、お洗濯のときに柔軟剤を使うと、衣類同士の絡まりを防ぎ、洗濯じわをつきにくくする効果がありますよ。

2. 早く乾くように干す

洗濯物が早く乾けば、家もスッキリ片付きますし、家事の時短にもつながりますよね。特に、最近は部屋干しをしているご家庭も多いと思います。外干しと異なり、部屋干しは濡れている時間が長いため、菌の増殖により嫌なニオイが発生しやすくなります。少しでも乾燥時間が短くなるよう工夫をすることが重要です。
角ハンガーを使う場合は、外側に長い衣類を、内側に短い衣類を干す「アーチ干し」をすると早く乾きます。面積の大きいもの、綿素材のもの、厚手のものなど、乾きにくい衣類は、角ハンガーの外側に干しましょう。

大切なのは、「干し方を工夫することで乾燥時間が変わる」ことを理解することです。
特定の部屋干し条件下での実験では、他の干し方と比較して「アーチ干し」は30分早く乾いたという結果が出ました。

「たった30分」と感じるかもしれませんが、部屋干し臭は、環境にもよりますが、干してから5時間後くらいからニオイが発生する※2と言われています。その中の「30分」と捉えれば、大きな差と考えられるのではないでしょうか。部屋干しの場合は、さらに扇風機で風を当てると、早く乾かすことができます

  • 2 松永聡, におい・かおり環境学会誌, 36(2), 82(2005)

また、柔軟剤はしわを防止する効果だけでなく、洗濯直後の衣類の水分量を減らして早く乾かす効果もあります。ぜひ活用しましょう。

アイテム別の干し方をチェック!

「しわがつかないように干す」「早く乾くように干す」という基本テクニックはわかりましたか?

続いて、アイテムごとの干し方を詳しくご紹介します。
家庭でよく洗うタオル類、Tシャツ・カットソー、ワイシャツ、ズボン・スカート、靴下、パンツ・ショーツの6アイテムの干し方をマスターすれば、日々のお洗濯はもう怖いものなしです!

1.タオル類

夫がシワシワのまま干してしまうという不満が多く挙げられているのがタオル類です。必ず基本テクニックである「振りさばき」を最初に実践してくださいね。乾きにくいバスタオルも、干し方のひと工夫でぐんと乾燥時間を短くすることができます。

「アーチ干し」する時には一番外側など適切な箇所に干すという方法のほか、スペースに余裕があれば、早く乾かす効果がある「囲み干し」や「蛇腹干し」を実践してみてください。「囲み干し」とは、バスタオルを横長にし、上辺をピンチで留める方法です。「蛇腹干し」とは、蛇腹状にピンチで留める方法です。

囲み干し

蛇腹干し

また、竿やパイプハンガーを高い位置に置ける場合や、干すスペースに余裕がある場合は「ずらし干し」もおすすめです。「囲み干し」も「ずらし干し」も、衣類が空気に接する面積が増えるため、乾燥時間が早まります。

2.Tシャツ・カットソー

夏に活躍するTシャツやカットソーは、油断すると色あせしたりヨレヨレになったりしてしまいます。お気に入りの服を長くキレイに着続けるための「干し方」に注意してください。
暑い夏に色柄物のTシャツを天日干しすると、日が当たっていた部分が変色する可能性があります。色あせしないよう、裏返しにして陰干ししましょう。
また、首の部分からハンガーを入れようとすると、首まわりが伸びてしまう可能性があります。ハンガーにかける時には、裾からハンガーを入れると、伸びや型くずれを防げます。ハンガーから外す時にも、裾から取り出してくださいね。

3.ワイシャツ

ワイシャツは、エリを立て、ボタンやファスナーを外し、ハンガーを使用して干します。エリを立てると、布の重なりがなくなり、乾きやすくなります。ただし、「型くずれ防止」を最優先したい場合や風の影響を受けやすい外干しの場合には、エリを立てずにボタンなども閉めたままで干しても問題ありません。状況によって、干し方を選んでください。
さらに、ハンガーなどに干した後も、シワになっている部分については、両手で伸ばしながら形を整えるとより効果的です。図のように、斜め、縦、横などさまざまな方向に手でピッピッと引っ張って、しわを伸ばしながら干してください。

4.ズボン・スカート

ズボンやスカートなどは、筒状に干します。このように干すと、衣類の内部に風の通り道ができるので、早く乾くだけでなく、型くずれ防止にもなります。

男性は写真のように手間を惜しんでハンガーにひっかけて干してしまいがちですが、乾いた後にハンガーの跡がついて型くずれしてしまったり、重みでハンガーから落ちてしまうことがあるので、避けてください。

5.靴下

靴下のゴムの部分はポリウレタンなどの化学繊維が使用されていることが多く、ポリウレタンは水を含んだ状態だと劣化すると言われています。水分を含んだ衣類は、通常上の方から乾いていきますので、靴下はゴムの部分に水分が存在する時間を極力少なくするために、「ゴムの部分」を上にして干すのが基本です。ただし、つま先の生地が厚いもの、ピンチの跡が気になる場合などは、つま先を上にして干しましょう。

6.パンツ・ショーツ

腰のゴムの部分の両端をピンチで挟んで干すとよいでしょう。ただし、パンツ・ショーツの下着類は、他の衣類と異なりご家庭によって好みの干し方があるのも事実です。そのため、妻に干し方を確認した上で干すのがよいのではないでしょうか。できれば、女性の下着はなるべく内側に干して、人目につかないようにするといった配慮は見せるとよさそうです。



お洗濯に慣れていない人にとっては、ひとつひとつ振りさばいたり、アイテムごとに干し方を変えたりするのは、少し面倒に感じるかもしれません。でも、そのひと手間で、仕上がりの差は歴然!アイロンがけなどの手間も省けて、かえって効率的です。

ただ、ご家庭によっては「わが家の方法」があるかもしれません。環境次第では、今回紹介した方法が必ずしも適切な干し方ではない可能性もあります。一番大切なのは、夫婦で洗濯物の干し方について、「これはどうやって干してる?」「この方法でやってみたらどうかな?」などと、気軽に話し合ってコミュニケーションをとり合うことではないでしょうか。お互いが気持ちよく、スムーズに家事分担することで夫婦円満につながるといいですね。

この記事を作成・監修した
マイスター

片木 徹也

お洗濯マイスター

片木 徹也

かたぎ てつや

洗濯用洗剤などの製品開発に約15年携わってきました。
日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。

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