食中毒から家族を守る!調理中のNG行動
食中毒は冬でも流行るので、対策は1年中気を抜かずに行いたいところ。調理中に見落としがちなのは、「食材を袋やパックから取り出したあと」と「下ごしらえした食材をフライパンに移したあと」の手洗い。食材を触ったあとにはハンドソープや石けんで手洗いし、使い終わった調理器具は台所用洗剤できちんと洗浄しましょう。
冬も油断は禁物!調理中も手洗いをしっかりと
食中毒というと夏のものと思われるかもしれませんが、秋から冬にかけては、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期でもあります。食中毒対策は1年中気を抜かずに行いたいものですね。
厚生労働省が食中毒の予防のポイントのひとつに「手洗い」をあげていますが、それと並んで気をつけていただきたいのが調理行動。調理中の手洗いをおろそかにすると、その手から調理器具を介して菌を広げてしまうリスクがあることがわかりました。今回は調理中の「見落としがちな手洗いのタイミング」について、ライオンが行った検証を交えてご紹介します。
意外なところから菌は広がっている!?調理行動を観察!
ライオンで20~50代女性パネル11名に同じレシピの調理を行ってもらい、すべての調理が終わったあとに、使用した調理器具やキッチン小物などに付着している大腸菌群を調べました。なお、調理中の手洗いは、普段どおりに行ってもらいました。
<調理したメニュー>
・豚バラ肉ともやしの炒め物
・レタスときゅうりの野菜サラダ
<調理の流れ>
その結果、調理後の「包丁やフライパンの持ち手」「ボウルのフチ」などの半数以上から大腸菌群が検出されました。
<調理後の調理器具から検出された菌>
- ※培養条件:大腸菌群,37℃,1day 写真は代表的なものを掲載
さらに、調理後の手から大腸菌群が検出された例もありました。
<調理前後の手から検出された菌>
調理中に手洗いをしているにもかかわらず、なぜこのような結果になったのでしょうか。
調理中に「菌を広げるNG行動」
そこで、パネルの調理行動を改めて観察し、どのタイミングで手洗いを行っているかチェックしました。
その結果、きちんと手洗いを行ったつもりでも、実は「見落としがちな手洗いのタイミング」が大きく2つあることがわかりました。
1.食材を袋やパックから取り出したあと
食材を袋やパックから取り出したあと、手洗いをしていない人がほとんどでした。食材に付着している菌が手に移り、さらに食材を切ったり洗ったりする工程で、その手から包丁の柄やボウルに菌が移ってしまった可能性が考えられます。
2.下ごしらえをした食材をフライパンに移したあと
食材を切るなどの下ごしらえをしたあとには、ほとんどの人がハンドソープを使ってきちんと手を洗っていましたが、その食材をフライパンに入れた後の手を洗った人はほとんどいませんでした。また、使用した調理用具を洗う時も、改めて手を洗う人はいませんでした。つまり、汚れた手のままフライパンを扱ったり、出来上がった料理を盛り付けている例が多く見受けられました。
<多くのパネルが行った調理中の手洗いパターン>
これでは調理器具に菌がついてしまっても仕方ありません。また、きちんと手洗いをしても、汚れた調理器具を触ることで再び手に菌が移り、その手で調理の盛り付けなどをしてしまうと体内に菌が入ってしまうこともあるかもしれません。
水洗いだけでは、手に付着した菌をきちんと落とすことはできません。生肉や生魚はもちろん、野菜などでも加熱が必要な食材を触ったあとはハンドソープや石鹸できちんと手を洗いましょう。下ごしらえをした食材をフライパンなどに入れる時は、用具を使って入れるなどの工夫をするのもよいでしょう。
そのほか「気をつけたい調理行動」
調理器具を洗浄する際、包丁やフライパンなどの柄や持ち手の部分をきちんと台所用洗剤で洗うことも大切です。今回の実験では、調理後に包丁の柄までしっかり洗っている人はほとんどいませんでした。そのため、調理後の包丁の柄から大腸菌群が検出されてしまったものと思われます。手だけではなく、調理用具もまめに洗浄するようにしましょう。
また、生で食べる食材の下ごしらえは調理の始めに行うなど、調理の順番を工夫することもポイントです。
食中毒のリスクを減らすための調理のポイント
1.食材を触ったあとにはハンドソープをつかった手洗いを行う
特に「見落としがちな手洗いのタイミング」は以下の2つです。
・食材を袋やパックから取り出したあと
・下ごしらえをした食材を手で鍋やフライパンに移したあと
2.使い終わったあとの調理器具はきちんと台所用洗剤で洗浄する
特に包丁やフライ返し、フライパンの持ち手など手で握る部分は忘れがちなので注意しましょう。
3.調理の順番を工夫する
生で食べる食材の下ごしらえは調理の最初に行うなど、菌を広げないための調理の順番を工夫しましょう。
この記事を作成・監修した
マイスター
衛生マイスター
浅野 ほたか
あさの ほたか
界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。
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