スマホが肩こりの原因?首や肩こりをやわらげる対策とカンタン予防法

スマホが肩こりの原因?首や肩こりをやわらげる対策とカンタン予防法

今や片時も手離せないスマホ。それと共に、首や肩のこりに悩まされる人も増えているようです。頭が大きく前方に傾くほど首や肩への負担が増えるので、スマホはなるべく顔の前で持ちましょう。また、首や肩のこりは血行不良が主な原因であることが多いので、首や肩を温めて、筋肉の血行を良くしましょう。

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30代の8割以上が持っているスマホ。首や肩のこりとの関係は?

電車に乗れば、周囲の人のほとんどがスマートフォン(以下スマホ)を見ていたり、昼休みにはランチを食べながらも目はスマホに釘づけ。SNSに、調べものに、ゲームにと片時もスマホを手放せない人が増えています。

消費者庁の「平成29年版消費者白書」によると、スマホの保有率は、2015年末で53.1%。20代では92.9%、30代では86.2%にも上ります。また、15~25歳の1日当たりの利用時間は3時間以上が7割以上、7時間以上も2割以上います。

15〜25歳のスマートフォンの1日当たり利用時間

「平成29年版消費者白書」(消費者庁)(http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2017/white_paper_133.html#zuhyo-1-3-1-20)を加工して作成

ところで、スマホを使い始めてから、首や肩のこりがひどくなっていませんか?何か関係があるのでしょうか?あるとしたら、予防方法は?今回は、スマホと首や肩のこりの関係について見てみましょう。

長時間のパソコン操作より短時間のスマホ使用の方が、肩がこる!

まずは、スマホを使用している時とパソコン操作をしている時で、肩こり具合がどのくらい異なるか、調べてみました。

調査は男女6人を対象に、「20分間※1のスマホ使用」、「2時間のパソコン操作」を行い、それぞれの使用・操作前後での肩の硬さ(筋硬度=肩のこり具合)を筋硬度計※2にて測りました。

※1 20分間という時間は、30~50代の男女11人に聞いた「電車の中でスマホを使用している時間」の平均値。※2 トライオール社製 TDM-NA1

肩の硬さ測定の様子

その結果、2時間のパソコン操作よりも、20分間のスマホ使用の方が、肩がこるという結果が出ました。
その理由はどんなことなのでしょうか。

スマホを使用する時の方が頭を前方に大きく傾けていた

「スマホを使用する時」と「デスクでパソコン操作をする時」の「姿勢」の違いを見てみましょう。男女8人のそれぞれの様子を撮影し、頭が前方に傾く角度を測りました。
まずこちらは、デスクでパソコン操作をしている時の写真です。
この結果、パソコン操作をしている時の8人の頭の角度の平均は「34度」でした。

一方、スマホ使用時の8人の頭の角度の平均は「44度」。パソコン操作をしている時と比較すると、スマホを使用している時の方が「10度」も頭が前方に傾いていました。中にはスマホ使用時が「53度」と、かなり前に傾いている人もいました。

大きく頭が前方に傾くほど、首や肩への負担も増大

実は、頭の角度と首や肩こりには関係があるという文献があります。下の図のように、頭が前方に傾くほど、頭を支える首や肩に負担がかかることがわかっているのです。

頭を30度傾けた時の首や肩への負担は18kgですが、45度傾けると負担は22kgになります。これは小学1年生の男の子の体重1人分にほぼ匹敵する重さで、スマホを使用している間中、子どもを肩車しているようなものですから、首や肩がこるのも不思議ではありませんね。

Kenneth, K.Hansraj(2014).Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head, Surgical Technology International, 25,277-279.からの作図

頭が前方に傾くほど、首や肩にかかる負担が大きくなります。つまり、スマホによる首や肩こりを予防するには、スマホをなるべく顔の前で持ち、頭が傾かないように姿勢を正しくするのが良さそうです。

スマホ使用による首や肩のこりを予防する3つの方法

・スマホを顔の前で持ち、頭が前方に傾かないようする
・長時間同じ姿勢をとらない
・画面を長時間見続けず、休憩を入れる

首や肩こりをやわらげる対策!血行を良くしよう

首や肩のこりは血行不良が主な原因であることが多いので、こりを改善するために、首や肩を温めて、筋肉の血行を良くしましょう。

POINT

スマホ使用による首や肩のこりをやわらげる方法

1. 湯船につかって体を温める

入浴はシャワーで済ませずに、ゆっくりと湯船につかって体を温めましょう。たっぷりのお湯に首までつかるのがポイントです。

2. マッサージやストレッチをする

こりやだるいところをマッサージしたり、首から肩、背中にかけての筋肉をストレッチで伸ばすなどして、血行を良くしましょう。

3. 塗り薬や貼り薬を使う

筋肉のこりをやわらげる塗り薬や貼り薬を、首や肩に使ってみるのも良いでしょう。医師や薬剤師に相談して、自分の症状に合った薬を選びましょう。

今や生活にも仕事にも欠かせないスマホですが、持ち方ひとつで首や肩への負担が大きく変わることがわかりました。正しい持ち方をマスターして、上手に付き合っていきたいものですね。

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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