オフィスでのウイルス・細菌対策は万全?手洗いのタイミングや清潔・衛生のポイント
共用の場所やモノが多いオフィスでは、接触感染のリスクを減らすための「清潔・衛生行動」が重要です。手洗いや手指消毒の徹底に加え、汚れが付着しやすい場所はこまめにふき掃除を行いましょう。ウイルス・細菌対策のためにオフィスで意識したい「清潔・衛生行動」について解説します。
オフィスには、共用の場所やモノがたくさんあります。もしも、ウイルスや細菌が付着していたら、手を介して接触感染を引き起こすリスクがあります。清潔で気持ちよく働ける環境を作るためにも、ウイルス・細菌対策に役立つ「オフィスでの清潔・衛生習慣」について、もう一度見直してみませんか。
オフィスには共用の場所やモノがたくさん!
オフィスには、複数の社員の手が触れる部分がたくさんあります。たとえばエレベーターのボタンやドアノブ、コピー機や共用の電話、パソコン、会議室の机・イス、照明のスイッチ、水道の蛇口、トイレの鍵、冷蔵庫のドアなどなど、数え上げればきりがないほどです。
もし共用の場所やモノにウイルスや細菌が付着していたとしたら、それを使った人の手にウイルスや細菌が移るかもしれません。そして、その手で目や鼻、口などを触ることで、粘膜から感染してしまうことも考えられます。
外から戻った時だけではなく、オフィスで共用の場所やモノに触れた後にも、手洗いや手指の消毒を習慣にしましょう。また、市販されているウイルス除去・除菌効果のあるスプレーやシートで、こまめにふき掃除することもおすすめです。
汚れているのはどこ?オフィスの汚れを調査
オフィスの共用の場所やモノの中で、人がよく触ったり、あまり掃除をしていない場所はどこかを知るために、場所やモノについた汚れの量を、ライオン社内で調査してみました。
その結果、汚れの量が多かった上位5つは、「共用の固定電話」「トイレの個室の鍵」「コピー機」「冷蔵庫のドア」「居室のドアノブ」でした。このようなモノを触った時には、特に注意しましょう。
- 方法:ATPふき取り検査※ それぞれ10か所を測定し、平均した
- ※ATPふき取り検査法:清浄度検査として普及しつつある微生物や食物の細胞に存在するATPを計測する方法。生物由来の汚れを検出できるため、器物の汚染調査、清浄度調査に使用される(この測定法は、生物由来の汚れの測定は可能であるが、特定の菌の測定はできない)。
オフィスで特に気をつけたい5か所はココ
□共用の固定電話
□トイレの個室の鍵
□コピー機
□冷蔵庫のドアやドアの開閉ボタン
□居室のドアノブ
電話機で実験!汚れはこうして移る
ライオン社内での調査の結果、最も汚れが付着していた「固定電話」で、汚れがどのように移っていくのかを蛍光剤入りローションを使って実験してみました。
<実験方法>
実験に参加したのは4人。3人はそれぞれ違う色の蛍光剤入りローションを手に塗り、残りの1人は何も塗らない状態で実験をスタート!
まず、蛍光剤を塗った3人が電話機を使用し、その後に何も塗らなかった1人が電話機を使用しました。
<結果>
実験後の電話機をブラックライトで照らすと、3色の蛍光剤が付いていました。さらに、蛍光剤を塗らなかった人の手のひらにも、3色の蛍光剤がくっきり!このように、手に汚れがついていたら、共用のモノに移り、さらに、そのモノを触った人の手にも汚れが移ってしまうことがあります。
これがもしウイルスや細菌だったら…。接触感染する可能性もあります。
共用の場所やモノに触れたあとは、手洗いや手指の消毒を行うことが大切です。また、できるだけこまめにふき掃除するようにしましょう。
オフィスの清潔・衛生習慣を見直そう
オフィスで働く全員が清潔な環境で気持ちよく働くためには、オフィスを使う社員同士の協力も大切です。衛生面で気をつけたいポイントをオフィス内で共有しておくと良いでしょう。
「共用の場所やモノの近くに手指消毒剤や、ウイルス除去・除菌効果のあるふき掃除用のスプレーやシートを設置する」など、オフィスの環境を見直したり、整備したりすることでも、職場全体の清潔・衛生意識の向上に役立つかもしれません。
また、共用の場所やモノだけでなく、個人のデスク周りでも、清潔・衛生への意識を忘れずに持ちたいものです。仕事の最中にパソコンを打ちながら、お菓子をつまんだりすることもありますよね。
「ちょこっとおやつ」の時にも手をキレイにすることは大切です。忙しいとついおざなりにしがちな手洗いですが、忘れずに手洗いや手指の消毒を行いましょう。
オフィスで手洗い、または手指消毒をするタイミング
□外出先から戻った時
□食事やおやつの前後
□咳やくしゃみをしたあと、鼻をかんだあと
□トイレに行ったあと
□共用の場所やモノ(電話、コピー機、ドアノブなど)に触ったあと
一緒に働く人同士、清潔・衛生面で気を付けたいポイントを共有して、皆が気持ちよく働ける職場にしていけるといいですね。
この記事を作成・監修した
マイスター
衛生マイスター
浅野 ほたか
あさの ほたか
界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。
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