捻挫(ねんざ)の原因と症状、その対処法

捻挫(ねんざ)の原因と症状、その対処法

捻挫(ねんざ)は、関節に大きな力が加わることにより、関節を包んでいる組織や靱帯(じんたい)が損傷を受けた状態をいい、からだの全体重を支える足首によく起こります。「安静にする」「冷却する」「圧迫する」「患部を高い位置に保つ」の4つの応急処置をしっかり行い、痛みが引かない場合は医師の診察を受けましょう。

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「捻挫(ねんざ)」は組織や靱帯が損傷を受けた状態

「捻挫」とは、手足の関節に大きな力が加わることにより、関節を包んでいる組織や靱帯(じんたい)が損傷を受けた状態をいい、からだの全体重を支える足首によく起こります。今回は、捻挫の原因と症状、対処法についてご紹介します。

<目次>
捻挫になりやすい「部位」とその「原因」
捻挫の「症状」
「軽度」の捻挫の対処法~応急処置方法「RICE」
 ∟ R(= REST):安静にする
 ∟ I(= ICE):冷却する
 ∟ C(= COMPRESSION):圧迫する
 ∟ E(= ELEVATION):患部を高い位置に保つ
「中度」の捻挫の対処法
「重度」の捻挫の対処法

捻挫になりやすい「部位」とその「原因」

捻挫になりやすい部位は、手足などの骨と骨をつなぐ関節周辺の組織です。関節は、骨と骨とをつなぐ組織「靱帯」、関節を包みこむ「関節包(かんせつほう)」、関節の動きを滑らかにする「滑液(かつえき)」を分泌する「滑膜(かつまく)」からなります。

本来、関節には一定の運動範囲がありますが、その運動範囲以上の動きを無理にしてしまうと、それが原因で関節周辺の組織がねじれ、部分的に切れてしまいます。このような損傷が起きても、関節の骨同士の位置関係が正常に保たれている状態を「捻挫」といいます。

捻挫は、ほぼすべてが外傷によるもので、からだの全体重を支える足首によく起こります。

捻挫の「症状」

捻挫をすると、関節が腫れ上がり、動かしたり押したりすると痛むことがあります。腫れ以外の変形はありませんが、数日後に皮下出血による「あざ」があらわれる「症状」が多いです。

以下のように、捻挫の重症度は、靱帯の伸びや断裂の程度によって異なります。

<捻挫の重症度>

重症度 状態
軽度 靱帯は伸びても、断裂してない状態です。痛みや腫れはそれほどありませんが、同じ部位で捻挫を繰り返す可能性が高くなります。
中度 靱帯の一部が断裂した状態です。腫れや皮下組織の損傷が目立ち、痛みのために歩くことが困難になります。
重度 靱帯が完全に切れた状態です。ひどい腫れや皮下出血が見られ、足首は不安定になり、体重をかけることができなくなります。

2~3日たっても患部の腫れがひかず、体重をかけると強い痛みが起こる場合は、骨折している可能性があります。痛みが続く場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

対処の際に大切なのは、捻挫の程度に合わせた「応急処置」

捻挫の対処法は、捻挫の程度によって異なります。ただし、どの程度の症状であっても、「応急処置」が肝心です。

「軽度」の捻挫の対処法

軽度の捻挫の場合、応急処置をしっかり行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。また、適切な処置が回復を早めることにもつながります。捻挫の応急処置の手順を「RICE」と覚えておきましょう。

<捻挫の応急処置方法「RICE」>

R(= REST):安静にする

患部を動かさないよう安静にします。足を捻挫した場合には松葉杖、腕には三角巾を使うなどして、体重をかけないようにしましょう。

I(= ICE):冷却する

炎症をおさえて痛みを取ります。患部を中心に、広めの範囲で氷のうやバケツに入れた氷水などで冷やしましょう。

患部がしびれて感覚がなくなったらいったんやめ、また冷やす、を繰り返します。冷やす時間は、1回あたり15~20分が目安です。冷却は、帰宅後も続けてください。

C(= COMPRESSION):圧迫する

内出血や腫れを防ぐために、患部を圧迫します。スポンジや弾力包帯、テーピングなどで患部を固定して、圧迫してください。

E(= ELEVATION):患部を高い位置に保つ

患部を心臓より高い位置に保つことで、内出血や腫れを防ぎます。

「中度」の捻挫の対処法

「中度」の捻挫の場合は、軽度の捻挫と同様の応急処置を行った上で、歩行用ギプスやキャストブーツなどで、3週間ほど固定しましょう。

「重度」の捻挫の対処法

「重度」の捻挫の場合は、軽度の捻挫と同様の応急処置を行った上で、痛みが引かない場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

捻挫を長期間放置すると、足首が不安定になり痛みが残ります。さらには、「変形性関節症」を引き起こし、治療が必要になる場合もあります。骨折している可能性もあるので、無理をせず、専門医に相談してください。

この記事を作成・監修した
マイスター

芳賀 理佳

ヘルスケアマイスター

芳賀 理佳

はが りか

くらしを彩る製品の香りの研究・開発、および身体洗浄剤・制汗剤の開発に約25年携わってきました。
快適な毎日が過ごせるよう、からだの健康・美容に役立つ情報をご紹介していきます。

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