半日でできる夏休みの自由研究「柔軟剤の働きを学ぼう」
お洗濯に活躍する柔軟剤。でも、柔軟剤を使うとどんないいことがあるのか、その働きや仕組みについては案外知らないのでは。この夏は、知られざる「柔軟剤の働き」について親子で楽しく研究してみませんか?実験に使う道具は、身近にある布などでOK。ダウンロードできる自由研究ノートに書き込めば、そのまま提出できますよ!
柔軟剤のさまざまな働きを知る、楽しい実験にチャレンジ!
普段のお洗濯に活躍する「柔軟剤」。香りに注目されることが多い柔軟剤ですが、そのほかにもさまざまな働きがあります。
たとえば、「ふんわりやわらかく仕上がる」「肌ざわりがいい」「衣類をするっと着られる」といった効果は実感している人も多いのではないでしょうか。
また、静電気を防ぐ、洗濯時の衣類のからまりを防ぐ、洗濯ジワを防ぐ、早く乾くといった効果もあります。近年では、イヤなニオイを消す、菌の増殖を防ぐといった効果のある柔軟剤も多くみられるようになりました。なにげなく使っている柔軟剤にも、さまざまな働きがあるのです。
そんな柔軟剤の働きのなかでも、衣類がするっと着られるような「すべりをよくする効果」と「静電気を防ぐ効果」についてよくわかる実験をご紹介します。
「柔軟剤ってこんな効果があるんだ!」と家族で一緒に楽しく発見する機会にしてくださいね。
おすすめポイント
1 実験からまとめまで半日で完成!
2 ダウンロードして学校にそのまま提出できる自由研究ノート付き
3 柔軟剤の実験を通して、「理科」に興味がもてる
4 「生活スキル」が身に付く!
5 おうちにあるもので手軽に実験ができる!
取り組む内容は簡単なので、学年を選ばず、時間がなくてもチャレンジできますよ。
自由研究ノートをプリントして準備しよう!
「この研究をやってみたい!」とお子さんが興味を持ったら、まずテキストとノートを印刷しましょう。
ダウンロードできる「夏休み自由研究テキスト&ノート」は、お子さんにもわかりやすく柔軟剤が働く仕組みを記載している「テキスト部分(テキスト編1~5ページ)と、後半の「実験ノート(ノート編1~8ページ)」に分かれています。実験の結果を書き込むと、そのまま学校に提出することができます。
夏休み自由研究ノートPDFのダウンロードはこちら
研究の途中で、お子さんが困った時は助けてあげながら、お洗濯の先生になった気分で、家族で楽しくトライしてくださいね。
お洗濯はどうしてするの?
お洗濯は、衣類についた汚れを落としてきれいにするために行います。
着用した後の肌着や靴下、体を拭いたタオルには、汗や皮脂、垢などの汚れがついています。
洗わずにずっと使い続けていると汚れがひどくなったり、ニオイが出てきたりするので、お洗濯をして、衣類についた汚れを落としてきれいな状態に戻します。そんな時に欠かせないのが「洗剤」です。洗剤は衣類についた汚れを効率よく取り除きます。
また、タオル等の衣類は、洗濯を繰り返しているとゴワゴワになって感触が悪くなってしまうことがあります。そんな時には、洗濯時に「柔軟剤」を使うと硬くなった衣類をやわらかく、肌触りよく仕上げることができます。
今回は、柔軟剤の効果や仕組みについて、詳しく学んでいきます。
柔軟剤にはどんな効果があるの?
お洗濯の時に使う柔軟剤。どのような効果があるか知っていますか。ふんわりやわらかく仕上げる、するっと着られるようにすべりをよくする、静電気を防ぐなど、さまざまな働きがあります。
●ふんわりやわらかくする | ●洗濯じわを防ぐ |
●衣類のすべりをよくする | ●洗濯時の衣類のからまりを防ぐ |
●香りをつける | ●早く乾く |
●静電気を防ぐ |
また、最近では、汗などのイヤなニオイを防ぐ効果や菌が増えることを防ぐ効果のある柔軟剤もあります。
*洗剤には、汚れを落とす効果がありますが、柔軟剤にはそのような効果はありません。
柔軟剤が働く仕組みについて学ぼう!
衣類をやわらかくしたり、静電気を防いだりする柔軟剤。なぜそのような効果が生まれるのでしょうか。
柔軟剤の主成分と働く仕組み
それは、柔軟剤の主成分である「界面活性剤」の働きによるものです。界面活性剤は、油になじみやすく衣類をなめらかにする「親油基」と水になじみやすく電気を逃す「親水基」からできています。
この界面活性剤が、洗濯後の衣類表面にコーティングするようにつき、「親油基」の部分が潤滑油のような働きをして、衣類をやわらかくしたり、なめらかにしたり、すべりを良くしたりします。
また、「親水基」の部分は水となじみやすいので、電気を逃しやすくなり、パチパチして不快な静電気を防ぐ効果も発揮します。さらに、「界面活性剤」があることで、良い香りがする成分なども一緒に残すこともできます。
「界面活性剤」は洗剤にも使われていますが、柔軟剤に入っている「界面活性剤」とは種類も性質も違うものです。洗剤に含まれる「界面活性剤」は、衣類についた汚れについて、汚れを引きはがし、水中に分散させる働きがあったり、一度衣類からはがされた汚れが、再び衣類につくのを防ぐ効果があります。
いよいよ実験! 柔軟剤の効果を研究しよう!
柔軟剤の働きについて理解したら、いよいよ実験スタートです。「衣類のすべりをよくする効果」と「静電気を防ぐ効果」が体感できる実験をご紹介します。ノートに書きこんでいきましょう。
「①研究のテーマ」と「②調べたいこと」を書きましょう
夏休み自由研究ノートの「ノート編」2ページ目に、「研究のテーマ」と「調べたいこと」をまとめてみましょう。
〈書き方の例〉
①研究のテーマ
お洗濯での柔軟剤のいろいろな働きを学ぶ
②調べたいこと
おうちの人は、いつものお洗濯で柔軟剤を使っている。その柔軟剤の働きにどんなことがあるのかを調べてみることにした。そして柔軟剤の働きのうち、「すべりをよくする効果」と「静電気を防ぐ効果」について実験してみた。
★例のとおりでなくてもかまいません。お子さんが自分で考え、書いてみましょう。
③柔軟剤のいろいろな働きを書きましょう
「柔軟剤っていろんな効果があるよ。どんな効果があると思う?」と柔軟剤の働きについてお子さんと話し合ってみたり、ご家庭にある柔軟剤を見たりしながら、柔軟剤の働きについてあてはまるものに〇をします。間違いもあるので、注意しましょう。
④「衣類のすべりをよくする効果(すべり性)」と「静電気を防ぐ効果」の実験をやってみよう!
準備するもの
「すべり性」の実験も、「静電気を防ぐ効果」の実験も、どちらも実験に使うものは同じです。
①フェイスタオル…1枚 | ⑥スポイト…1本 |
②ツルツル生地の布…10×30cm程度を2枚
(100円ショップ等で売っているポリエステル100%のサテンのスカーフなど) |
⑦プラコップ…2つ
(300mlの水が入るもの) |
③化学繊維の布…1枚
(ポリエステルやアクリルなど、②のハギレでもOK) |
⑧ペットボトルのキャップ…2つ |
④柔軟剤…2ml | ⑨10円玉…6枚 |
⑤バインダー…1個 | ⑩定規 |
もしストップウォッチもあれば、準備すると便利です。
「すべり性」の実験にチャレンジ!
〈実験の手順〉
1. プラコップ2つに水を約300mlずつ入れる。片方のプラコップにスポイトで柔軟剤を2ml入れ、スポイトでよくかき混ぜる。
2. ツルツル生地の布を1枚ずつプラコップに入れて、10回出し入れする。柔軟剤がまんべんなくつくように、上から下までしっかりひたす。
3. ツルツルの生地の布をタオルにはさんで水分を吸い取った後、タオルから出して、20分程度ハンガーなどにつるして乾かす。水分が残っていると実験がうまくいかないので、しっかり乾かしましょう。
4. バインダーにツルツルの生地の布2枚を並べてはさむ。
5. ペットボトルのキャップに10円玉を3枚ずつ入れておもりにし、2枚の布の上に乗せて、ゆっくりとバインダーをかたむける。
6. おもりのすべり落ちる速さを確認する。おもりが先にすべり落ちたほうが、布がなめらかになっている、ということ。片方のおもりがゴールしたら、バインダーを机において、2つのおもりの位置の差を計る。
7.ノートに実験の結果を記入しましょう。
どちらのおもりが先にゴールしましたか。
「柔軟剤なし」のほうはすべり落ちるスピードが遅く、「柔軟剤あり」のほうは早くすべり落ちます。「柔軟剤あり」のほうのおもりがゴールした時に、「柔軟剤なし」のおもりとどのくらい差がありましたか。
柔軟剤の働きと実験の様子を動画で紹介します。
夏休み自由研究 柔軟剤の「すべり性」の実験!動画で見てみよう
「静電気を防ぐ効果」の実験にチャレンジ!
〈実験の手順〉
1. 「すべり性」の実験で使った「柔軟剤なし」のツルツルの生地の布をバインダーの上に置く。化学繊維の布でバインダーの上の布を10回強くこする。
2. バインダーを逆さにして、布がどうなるか観察し、布がバインダーから離れるまでの時間を測って記録する。
3. バインダーに「柔軟剤なし」の布を近づけ、張り付かないことを確認した後、「柔軟剤あり」の布でも同様に実験する。こする強さや回数は、「柔軟剤なし」のときと同じにする。
4. ノートに実験の結果を記入しましょう。
2枚の布には違いがありましたか。
「柔軟剤なし」の布のほうは、なかなかバインダーから布が離れませんが、「柔軟剤あり」の布のほうは、早く離れます。柔軟剤を使っていると静電気を防ぐので、バインダーと布との間に静電気がたまりにくく、すぐに離れます。
実験成功のポイントは?(保護者の方へ)
●雨の日や湿度の高い日は結果がわかりにくいことがあるので、晴れて湿度の低い日がおすすめです。
●実験を何度か繰り返し行って記録をとると、研究の完成度も高まります。
たとえば、こんな表を作って記録して、平均の数値を出してみる方法もあります。
「まとめと感想」を書いたら、終了!
柔軟剤を使った布、使わなかった布で、実験の結果に差が出ることが観察できましたか?
もしうまくいかなかった場合は、何度か繰り返して行ってみてください。
最後にノートの8ページ目にある「まとめと感想」に記入をしたら、自由研究は完成です。
今回の自由研究でわかった、「普段のお洗濯に柔軟剤を使う理由」「実験を通して感じたこと」などを素直に書きましょう。
この柔軟剤の研究のほか、歯の健康やお皿洗い、お洗濯に関する夏休みの自由研究テキスト&ノートもあります。毎日の生活に関する身近なテーマは、お子さんにとっても取り組みやすいはず。ぜひ親子一緒に楽しくチャレンジしてください。
お洗濯マイスター
大貫 和泉
おおぬき いずみ
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
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