手の洗い過ぎは逆効果!バイ菌バリアを壊さない「正しい手洗い」
「手は洗えば洗うほど清潔になる」と思っていませんか?実は、過剰な手洗いは、かえって手の衛生を損なってしまう可能性があります。それは、ウイルスや細菌の侵入からからだを守ってくれる「バイ菌バリア」を壊してしまうから。「適切なタイミング」で行なう「正しい手洗い」についてご紹介します。
「手の洗い過ぎ」は逆効果
「手は洗えば洗うほど清潔になる」と思っていませんか?残念ながらそれは間違いです。実は、「手の洗い過ぎ」は、逆効果になってしまうことがあるのです。大切なのは、ウイルスや細菌の侵入からからだを守ってくれる「バイ菌バリア」を壊さない手洗いをすることです。そこで今回は、バイ菌バリアを壊さない「適切なタイミング」で行なう「正しい手洗い」についてご説明します。
「バイ菌バリア」とは?
私たちには、外部から侵入しようとする細菌などから、からだを守る機能が備わっています。手のひらなど皮膚の表面には「常在菌」と呼ばれる菌が存在し、それらの働きによってバイ菌の増殖や侵入を防いでいます。その「常在菌の働き」を、ライオンでは皮膚の「バイ菌バリア」と呼んでいます。
実は、この「バイ菌バリア」はとってもデリケート。食中毒が心配だからと過剰に手洗いをしてしまうと、かえって「バイ菌バリア」の機能を低下させてしまうこともあります。そして、機能が低下することで、むしろ手荒れや感染の原因になってしまうのです。
バイ菌バリアが低下すると「菌」が増加
肌荒れを起こしている手と荒れていない手、それぞれに付着している「菌」を比較してみました。
測定の結果、肌荒れを起こしている手、つまりバイ菌バリア機能が低下した手からは、荒れていない手には存在しなかった黄色ブドウ球菌※が検出されました。
- ※黄色ブドウ球菌:食中毒菌として知られる菌で、健康な人でも約30%が鼻腔や手指などに持っているといわれています。この菌を持っていることが直ちに病気につながるわけではありませんが、傷口などから体内に入ると、感染症を引き起こすことがあります。
手洗いの「適切なタイミング」
それでは手洗いの「適切なタイミング」とは、いつなのでしょうか?以下の場面を「手洗いのタイミング」と覚えて、このタイミングではしっかり手を洗うように心がけましょう。
<ここだけは外さない! 手洗いのタイミング>
●外出先から帰った時
●咳やくしゃみをしたあと、鼻をかんだあと
●食事やおやつの前後
●調理の前後
●病気の人のケアをした時
●外にある遊具などに触った時
●トイレに行ったあと
●動物に触れたあと
手洗いのあとは「ハンドケア」も忘れずに!
手洗いは大切ですが、洗い過ぎは禁物です。「適切なタイミング」で「正しい手洗い」を心がけてください。手を洗ったら手荒れ防止のためにも、ハンドクリームを塗るなどの「ハンドケア」も忘れずに行ないましょう。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
「常在菌」ってどこからやってくるの?何種類いるの?
ヒトの「常在菌」は200種類以上
胎内においてヒトは通常、無菌状態です。しかし、出生時に母親の産道で菌が付着し、さらにそのあとの環境からの付着が加わり、「常在菌」の定着は生後早い時期から始まります。常在菌の種類や数は、性別、年齢、生活環境、食事内容などによって異なりますが、近年の研究※では、200種類以上にもおよんでいると報告されています。
- ※Science 29 May 2009:Vol.324 no.5931 p.1190-1192
この記事を作成・監修した
マイスター
衛生マイスター
浅野 ほたか
あさの ほたか
界面活性剤の基礎研究14年、身体洗浄・消毒(手、身体、毛髪)や台所用洗剤、調理分野の製品開発17年と、およそ30年間研究に携わってきました。
これまでの経験を活かし、生活における様々なシーンでの衛生に関わる情報をわかりやすく発信していきます。
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