徹底調査!お風呂場の条件とカビの関係は?

徹底調査!お風呂場の条件とカビの関係は?

「お風呂に窓がないからカビが生えやすい」という声をよく耳にします。ライオンでは家とカビの関係を徹底検証!その結果を大公開します。窓があってもなくても、集合住宅でも戸建てでも、検出されたカビ菌の数にはほとんど差はない、など意外な結果が判明!入浴後に手軽にできるカビ対策も紹介しています。窓がなくても諦めないで!

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よく聞く「うちの浴室は○○だからカビやすい」は、思い込みだった⁉

家の中でカビが気になる場所といえば、ダントツで浴室ですよね。「うちの浴室には窓がないからカビがよく生えて…」「マンションは気密性が高いから、お風呂もカビやすいのかな」という嘆きの声をよく耳にします。
そこでライオンは、浴室のカビに関する実態調査を実施。首都圏の家庭92軒から、浴室の壁のカビ菌を採取してその数を測定し、浴室環境などの各条件と照らし合わせ、「どのような浴室環境だとカビが多いのか」を調べました(※)。
「うちの浴室は○○だからカビが生えやすい」は思い込みかもしれません。キレイなお風呂を手に入れるためのお手入れ方法もご紹介します。

  • ※2016年5月実施。菌数測定と同時にアンケートを行い、浴室の窓の有無、住宅形態、築年数、材質、同居人数を調査。項目ごとに菌数との関係を解析した。本調査結果の一部は、「平成28年室内環境学会学術大会」にて発表しました。

浴室に窓がある場合とない場合の比較

「浴室に窓がないと換気が不十分でカビが生える」と思っている方も多いのではないでしょうか?調査の結果、窓があってもなくても、検出されたカビ菌の数にほとんど差がないという意外なものになりました。
浴室に窓がなくても、換気扇を回したり浴室のドアを開けたりする方法で、窓がある場合と同じくらいに換気はできているといえそうです。「浴室に窓がないから…」とあきらめていた方に朗報ですね。

集合住宅と戸建て住宅の比較

マンションなどの集合住宅と戸建て住宅の比較でも、検出されたカビ菌の数にほとんど違いはありませんでした。
マンションは気密性が高いからカビが生える…という声をよく耳にしますが、一概にはいえないようです。

同居人数が少ない場合と多い場合の比較

同居人数が多い方が、カビ菌がやや多い傾向があるようです。そもそも、カビが増殖する条件は、「温度」「水分」「栄養(汚れ)」がそろっていること。同居人数が多いと、からだから出る汚れの量は多くなり、入浴時間はバラバラになりがちです。すると、カビの増殖に適した状態が長時間保たれることになりますので、この結果もうなずけますね。

築年数の比較

  • ※浴室をリフォームした住宅は、リフォームした年を築1年とした。

家の築年数について調べてみると、年数が経っている方がカビ菌が多いという結果でした。これは、想像どおりともいえますね。築年数の経った住宅は、浴室の素材が経年で劣化したり抗菌加工の効果が弱まったりして、カビが増殖しやすくなっていると思われます。また、カビの栄養のもとになる汚れが蓄積している可能性もありそうです。
一方、最近の浴室は、速乾性に優れた床や浴室乾燥機など、機能性がアップして、カビが増殖しにくい状態をキープしやすくなっています。そういった影響が、両者の差につながったのではないでしょうか。

壁の材質の比較

壁の材質は、プラスチック製よりタイル製の浴室の方が、カビ菌の数が多い結果となりました。
タイルの目地の表面は、細かな隙間がたくさんあるため、汚れや水分が入り込みやすい状態になっています。すると、カビの栄養のもととなる汚れがたまりやすく、水分が乾きにくいなどの可能性があり、それがカビの生えやすさに影響したと考えられます。

どんな家でも、日頃のちょっとしたケアを心がけましょう

今回の調査では、意外な結果や納得の結果など様々でしたが、全体を見ると、ジメジメした状態が長く続いたり汚れが蓄積したりすることが、カビ菌の数の多さにつながっているといえそうです。
カビの原因菌は日常生活のあちこちにいます。それが、空気の流れや人のからだに付着して浴室に侵入するのは、どの家庭にも起こりうること。原因菌を黒カビに成長させないためにも、「ジメジメさせないようにする」「汚れをためないようにする」といった、ちょっとしたケアやお掃除が大切です。
「うちはカビが多い方なのかな」と思った方はあきらめずに、「カビは少ない方かも」と思った方も油断せず、日頃からちょっとしたカビ対策を心がけましょう。

お風呂上がりにパパッとできる習慣にしたいカビ対策

入浴後に手軽にできるカビ対策を紹介します。毎日の習慣にすると、より効果的です。ぜひ、今日から始めてみてください。

1. 浴槽にフタをしてから上がる

フタをせずに開けっ放しにすると、湯気によって温度や湿度が上がるため、カビが生えやすい状態になってしまいます。

2. お湯のシャワーを浴室全体にかける

お風呂上がりには、浴室全体にお湯のシャワーをかけ、カビの栄養となるからだから出た皮脂や垢などの汚れを洗い流します。水のシャワーだと水滴が残りやすくなって、かえって逆効果な場合もあるのでご注意ください。
また、週に1回は浴室用洗剤を使って壁や床を掃除し、残った汚れをキレイにしましょう。

3. 換気をして温度と湿度を下げる

入浴後には「換気扇を回す」「窓を開ける」などして、浴室の温度と湿度を下げることを忘れずに。その場合、窓を開けて換気扇を併用したり、窓のない場合は浴室のドアを少し開けて換気扇と併用したりするなど、2つ以上の換気を組み合わせると、より効果的です。

詳しくは、こちらをご覧ください。
日々のちょっとした工夫でカビを防ぐ!浴室のカビ対策

黒カビのそもそもの原因である「カビの原因菌」を除菌する方法も!

浴室には、黒カビになる前段階の「カビの原因菌」が潜んでいます。これは目に見えないので、対処がむずかしいところ。「カビ取り剤で黒カビを取ったのに、また生えてきた!」というのは、別の場所にいた「カビの原因菌」が黒カビに成長した可能性があります。この悪循環を断つためにも、黒カビになる前に先手を打っておきたいもの。
浴室用の防カビくん煙剤を使うと、除菌成分を含んだ煙が隅々まで行き渡り、見えない「カビの原因菌」をまるごと除菌できますので、黒カビの発生を防ぐことにつながります。

もし黒カビが生えてしまったら、塩素系のカビ取り剤を使って落としましょう。使用の際は商品パッケージの注意表示をよく読んでお使いください。

カビの好む条件さえそろえば、どんな家でも浴室にカビは生えてしまうもの。日頃のケアで、いつも清潔でリラックスできる浴室をキープしましょう!

吉井 和美

リビングケアマイスター

吉井 和美

よしい かずみ

掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験してきました。
これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。

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