おふろの「防カビくん煙剤」の効果と使い方|カビの原因は天井にあった!
浴室のカビがなくならない・・・。その主な原因は、天井などに潜むカビがカビの原因菌(胞子)をばらまいているから。原因菌は目には見えないので、一見キレイに見える天井でも油断は禁物。浴室用防カビくん煙剤は、除菌成分を含んだ煙が隅々までいきわたり、天井を含めた浴室をまるごと簡単に除菌できて、おすすめです!
浴室をカビだらけにしている原因は「天井」にあった⁉
「どうしてお風呂のカビってなくならないの?」と不思議に思ったことはありませんか。浴室のカビは、お掃除してもまたすぐ生えてきてしまい、とてもやっかいですよね。
その主な原因は、実は、浴室の「天井」にあったのです。
でも、「うちの浴室の天井にはカビは生えていないけど・・・」と思う方もいるでしょう。
ライオンの調査では、「天井にカビが生えていることが見て分かった」家庭が36%だったのに対し、「一見キレイだが、検査の結果、天井からカビ菌が検出された」家庭は48%でした※1。つまり、天井に黒くカビが生えていなくても、油断は禁物といえるでしょう。
- ※1 2008年に25家庭で調査
一見キレイに見える浴室の天井も、顕微鏡で観察すると多くの家庭でカビの菌糸や胞子が確認されました。
天井からカビの胞子がばらまかれて床や壁に!
カビは、目には見えない小さな、種のような「胞子」(カビの原因菌)から始まり、成長に適した条件(温度、水分、栄養〈汚れなど〉)が揃うと、菌糸という根のようなものを伸ばして成長します。菌糸が密集してくると「黒カビ」として見えるようになり、さらに子孫となる胞子をばらまいて増殖していきます。(カビが増殖するメカニズムについては、「浴室のカビの基礎知識」で解説しています)
ところが、カビにとって、浴室の天井は栄養となる汚れが少なく、生きていくには厳しい環境。「黒カビ」として見えるほどには成長しにくいのです。
そこでカビは、子孫を増やして生き残ろうと、胞子(カビの原因菌)を、より天井からばらまくようになります。
ばらまかれた胞子(カビの原因菌)は壁や床に付着。すると、そこは栄養(汚れ)も水分も多くて、カビにとってはまさに「パラダイス」のような環境!菌糸を伸ばしてどんどん成長し、「黒カビ」として目に見える状態にまでなるのです。
次の実験動画で、床と天井のカビの広がり方の違いをお見せしましょう。
左側のBOXでは、床に置かれたカビからカビがあまり広がらないのに対し、右側のBOXでは、天井に貼り付けられたカビから、壁や床などほかの場所にカビがどんどん広がっていきます。
- <実験方法>透明のアクリル製BOXの底部に、PDA培地のシャーレを敷き詰める。 クロカビを塗布したPDA培地を、左のBOXは底部中央に、右のBOXは天面中央に設置し、25℃で3週間放置した。
このように、壁や床のカビ掃除を一生懸命しても、しばらくするとまた生えてくるのは、天井に潜むカビの原因菌が、上からばらまかれやすいことが主な原因と考えられます。
また、目に見えないカビの原因菌は天井以外の場所にもたくさん潜んでいます。特に冬のカビは夏のカビよりも色が薄く、その多くが肉眼では確認できないことがライオンの調査で判明しています。
カビとの戦いを終わらせるには、見えるカビの掃除だけでなく、天井を含めて浴室全体に潜んでいる見えない「カビの原因菌」の対策が必要なのです。
天井に潜む「カビの原因菌」を除菌する!
「カビの原因菌」は目に見えないので、どこをどう対処したらいいのか分からないですよね。そこでおすすめなのが、浴室用防カビくん煙剤です。除菌成分を含んだ煙が浴室の隅々まで行き渡って、天井を含めた浴室をまるごと除菌できます。以下に浴室用防カビくん煙剤の使い方をご紹介します。
「浴室用防カビくん煙剤」の使い方
1. 換気扇を止め、窓を閉める
煙が浴室全体にまんべんなく行き渡るように、換気扇を止め、窓がある場合は窓を閉めます。
浴室乾燥機や浴室のドアの通気口などに目張りをする必要はありません。
<濡れていても使えます>
浴室の壁や床は濡れていても、乾いた状態でも、どちらの状態でも使えます。
<ハブラシやおもちゃも置いたままで大丈夫>
ボディタオルやハブラシ、子どものおもちゃなどもお風呂場に置いたままでOK。
ただし、口に入れるものは水ですすいでからお使いください。
<洗面器やイスなどの小物は裏返しておく>
カビが生えやすいところに煙がよく行き渡るように、お風呂のイスや洗面器を裏返して置いたり、お風呂のフタを蛇腹状にして立てておいたり、排水口のフタを開けて裏返しておくなどの工夫をするとよいでしょう。
2. プラスチックの容器に水を入れる
付属のプラスチック容器の点線まで水を入れます。水を入れすぎないように注意してください。
3. 浴室の中央にセットし、フタをする
プラスチック容器を浴室中央あたりの床に置き、その中に防カビくん煙剤の缶を、上下の向きを間違えないように入れて、リング状のフタを付けます。
塩素は使用していないので、手袋などを着ける必要はありません。
4. 煙が出始めたら浴室の扉を閉めて90分以上おく
缶をセットしてから30秒くらい経つと煙が出始めます。煙が出るのを確認したら、浴室から出てドアを閉めてください。10秒間ほど煙が出て、浴室全体に広がります。
その後90分以上そのままにしておきます。
放置する時間は90分より長くても問題ないので、夜寝る前や外出前に使用することも可能です。
5. 充分に換気をする
90分以上放置したら、30分間を目安に換気をします。浴室を水で洗い流す必要はなく、そのまま入浴できます。また、使用後も普段どおりお掃除してかまいません。
浴室の環境や季節によって異なりますが、これで約2か月間、防カビ効果が続きます。
6. 使ったあとの缶を廃棄
使ったあとの缶は「不燃ごみ」や「小物金属」など、各自治体の区分に従って廃棄してください。
ちなみに、浴室用防カビくん煙剤で採用している「くん煙方法」は、火を使わず、生石灰(せいせっかい)と水が反応して発生する熱を利用しています。お弁当(駅弁)や、缶入りの日本酒を温めるのにも使われている方法です。
浴室用防カビくん煙剤の使い方は、動画でも紹介しています。
<浴室用防カビくん煙剤の使い方>
浴室に「黒カビ」が生えていても使えます
すでに黒カビがある状態でも、「浴室用防カビくん煙剤」を使うことができます。その場合、カビがそれ以上広がるのを防ぐ効果があります。
カビは放っておくと、どんどん成長して落としにくくなってしまいます。カビが生えていても、まず「浴室用防カビくん煙剤」を使ってカビの広がりをストップしておいてから、あとで時間と心に余裕がある時に塩素系カビ取り剤でカビ掃除をするようにすれば、「カビ取りしなきゃ」というプレッシャーが少しは軽くなるのではないでしょうか。
もちろん、カビ取り剤でカビを落としてから「浴室用防カビくん煙剤」を使えば、キレイな状態がキープできて良いですね。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
天井に「黒カビ」が生えてしまったら、どうすればいいの?
塩素系カビ取り剤で拭き掃除をしましょう
生えてしまった黒カビは、塩素系のカビ取り剤を使って落としましょう。
ただし、塩素系カビ取り剤を天井に向けて直接スプレーするのは、危険なので絶対にNGです!柄付きの掃除道具を使って安全に掃除する方法をご紹介します。
①安全に使うための準備をする
窓を開けたり換気扇をつけたりするなど、必ず換気の良い状態にし、体を保護するために、眼鏡、手袋、マスクを着用します。
また、天井の材質が塩素系カビ取り剤を使えるかどうか、事前に確認しましょう。
②柄付きの道具を準備する
天井を拭くために、柄付きの掃除道具を使うと便利です。写真は、浴槽掃除用の柄付きスポンジの例です。
スポンジのままだと、カビ取り剤が垂れてきやすいので、スポンジ部分にタオルなどの布を巻くとよいでしょう。拭いたときにずれないように、対角の布の端同士を束ねて輪ゴムで留めます。
③柄付きの道具にカビ取り剤をかける
塩素系カビ取り剤を、巻いた布がしっとりする程度、スプレーします。たくさんスプレーすると液が垂れてくる危険があるので、かけすぎには注意してください。
④天井を拭く
カビ取り剤をつけた柄付きの道具で天井を拭きます。
⑤カビ取り剤に記載されている時間、放置する
⑥水拭きする
巻きつけていた布を外してよくすすいだ後、再び柄つき道具に巻きつけて、天井を水拭きをします。水拭きは、2回以上しましょう。
※シャワーの水を天井にかけるのは、カビ取り剤を含んだ水が天井から垂れてくるので危険です。
<注意>
塩素系カビ取り剤は、皮膚や目などに付着すると傷めやすく、また酸性タイプのものと混ざると危険なガスが発生するなど、誤った使い方をすると危険です。製品の表示をよく読み、正しい使い方を守りましょう。
塩素系カビ取り剤の使い方については、この記事もご覧ください。
しつこいカビを除去する「塩素系カビ取り剤」を使ったお掃除方法
お風呂の天井掃除を隅から隅まで……というのは、なかなか大変。
できるだけ、カビが見えない原因菌のうちに「浴室用防カビくん煙剤」で除菌して、黒カビのないキレイなお風呂をキープできると良いですね。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
吉井 和美
よしい かずみ
掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験してきました。
これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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