すすぎ1回が地球を救う?洗濯機の仕組みを理解してサステナブルなお洗濯
ボタン1つで衣類を洗い上げてくれる、全自動洗濯機。機能はたくさんついているけれど、実際には「標準コース」しか使っていない...という人も多いのでは。他の機能ってどういう時に使うといいの?例えば「すすぎ1回」で洗濯すると、何がどう変わるの...?疑問に思った漫画家の中島悠里さんが、お洗濯マイスターに聞いてみたところ、自分にも地球にもうれしい選択肢が増えました!
ごめん洗濯機、あなたをちゃんと知らないかもしれない…
ミステリーボックス「洗濯機」のなかでは何が起こっている?
よろしくお願いします!洗濯機ともっと仲良くなりたいなと思いまして…!今日はぜひ、洗濯にまつわるあれこれを教えてください!
お任せください!気になることはなんでも聞いてくださいね。
わ〜心強いです!そうしたら、そもそもの話になるのですが、洗濯機の中では何が行われているか、詳しく教えてください!ゴトゴトと大きな音を立てがちな、ミステリーボックスみたいな存在だなぁと常々思っていまして。「洗い」「すすぎ」「脱水」の3工程があることころまではわかるのですが…。
工程はそのとおりです!まずは「洗い」から説明しますね。現代の洗濯機の主流は「縦型洗濯機」と「ドラム式洗濯機」ですが、それぞれ動き方が異なります。
どのように違うのでしょう…?
まず縦型は、洗濯槽の底にある「パルセーター」と呼ばれる攪拌(かくはん)ばねを回転させ、かき混ぜるような水流で “もみ洗い”をして、衣類同士をこすり合わせて汚れを落としています。対してドラム式は、ドラムを回転させ、衣類を持ち上げて落とす“たたき洗い”と小刻みに衣類を動かす“もみ洗い”の組み合わせで汚れを落としています。
たっぷりの水でわしゃわしゃと洗う縦型と、少ない水で効率よく洗うドラム式って感じですね!
「洗い」が完了すると、脱水後に「すすぎ」が行われますが、これは、衣類に付着した洗剤と汚れを衣類から取り除くための工程です。
「洗い」と「すすぎ」では、洗濯機の動きは、どう変わってくるのでしょうか?
実は、洗濯機の動き自体は一緒です。洗剤を入れるか、入れないかだけが違うんです。
ええっ!そうなんですか!全然違う動きをしているものだとばかり…!
ゴトゴトという音が聞こえるのは、脱水の時かもしれませんね。脱水は、洗濯槽やドラムが高速で回転して、その遠心力で衣類の水分を飛ばしているので、大きな音がするんです。
なるほどです!よくよく考えてみると、絞らずに、水を切るのってすごいことですよね。私はボタンを押しているだけなのに…。頑張ってくれているんだよなぁ、洗濯機!
1年でお風呂の湯量2か月分の節水に!「すすぎ1回」でサステナブル
そういえば、「すすぎ」のことで前から気になっていることがあります。我が家の縦型洗濯機の「おまかせ(標準)コース」では、最近はすすぎ1回の洗剤もあるのに「すすぎ2回」がデフォルトなんです。あれは一体なぜなのでしょうか?
いいところに気が付きましたね!実は二層式洗濯機の時代から、すすぎ2回で使用する洗剤がデフォルトとなっていました。ですが…
ですが…?
近年は洗濯洗剤の技術の進化によって「すすぎ1回」でも洗濯できる液体洗剤が作られるようになりました。ライオンの「NANOX one」もその1つ。泡切れがよく、洗浄成分が衣類に残りにくいので「すすぎ1回」で洗濯できるんです。
おおお〜!1回で!
「すすぎ1回」だと、節水や節電にもなるんですよ。一般的な家庭の洗濯機であれば「すすぎ1回」コースが搭載されているものもあります。
わ、本当だっ!そういえばある!ごめんよ、洗濯機ぃ〜!
それから、「すすぎ1回」コースが搭載されていなくても、「すすぎ」ボタンを押して、すすぎ回数を1回に設定するだけで、簡単に「すすぎ1回」で洗濯できるんですよ。
自分で設定することもできるんですね!
うふふ。ちなみに「すすぎ1回」の設定に変更してお洗濯するだけで、1回あたり約36リットルの節水になり(※1)、これを1年間続けると約2か月分のお風呂の湯量に相当するんです(※2)。
※1 2人以上世帯の平均洗濯回数(約310回/年)および主要4社縦型洗濯機における衣類3Kg・標準コースで洗濯した場合の平均水量(すすぎ2回約123ℓ/回、すすぎ1回約87ℓ/回)より算出(ライオン調べ)
※2 浴槽での使用水量を200ℓとし毎日溜めた場合として算出
えっ!そんなに…⁉︎
ただし、どんな場合でも「すすぎ1回」でOKというわけではないんです。以下の場合は、「すすぎ2回」でのお洗濯をおすすめしています。
①「すすぎ1回OK」のマークや、「すすぎ1回」の文字が明記されていない洗剤を使う場合
②お風呂の残り湯を「洗い」と「すすぎ1回目」まで使用した時
③洗剤の香りが苦手な方
④ひどい泥汚れ、便や尿などの汚物や嘔吐物で汚れた衣類の洗濯
勉強になります。すすぎ1回だと、節水・節電だけでなく、時短にもなりそう…!ちなみに他にも覚えておくといいコースは、ありますか?
デリケートなおしゃれ着洗いにぴったりな「手洗い(ドライ)コース」、ガンコな汚れやタオルのニオイを落としたい時の「つけおきコース」、毛布やカーテンなど大物洗いにおすすめの「毛布(大物洗い)コース」は覚えておくと便利ですよ。
うう…!知ってはいるけど、使ったことがないものばかり!どう違うんでしょう…?
コースごとに水の量や洗い方を調整してくれています。例えば、「手洗い(ドライ)コース」では、デリケートな衣類を傷めないよう洗濯機がゆ〜っくり動いているんです。脱水時間も「おまかせ(標準)コース」より短く設定されています。
おしゃれ着は「すすぎ0回」の洗剤で、もっと長持ちする?!
ところで、おしゃれ着洗いってよく聞く言葉ではあるんですが、正直なところ、普通の洗濯との違いがよくわからないままなんですよね〜。
「おしゃれ着」とは、ニットや薄手のカーディガン、ブラウス、スーツ、制服などデリケートな素材を使った洋服のことです。洗濯前には、必ず洗濯表示をチェックしてみてください。水洗い不可のマークが付いているものは、洗濯機では洗えません。
家で洗濯できるおしゃれ着なら1枚のネットに1着を入れて、「手洗い(ドライ)コース」で洗うことができます。手洗いコースは「おまかせ(標準)コース」に比べて、ソフトな水流で洗い上げてくれるので、おしゃれ着を洗う時には必ず使ってみてくださいね。
ハッ!!おしゃれ着はネットに入れさえすれば、摩擦から守れるものだと思っていたのですが…コースもきちんと「手洗いコース」に変えたほうがいいのですね!
はい!ぜひ使ってください!ちなみに、おしゃれ着用洗剤の「アクロンスマートケア」ならすすぎ0回でOKなんですよ。
ええええええっ‼︎0ってことはつまり、洗いの工程が終わったら、脱水しちゃってOKってことですよね。すすがなくて…いいんですか!?
洗剤には、汚れを落とすために界面活性剤(洗浄成分)が入っているのですが、洗濯時に脱水した後も衣類にその界面活性剤が残ってしまうため、すすぎが必要でした。しかしこのおしゃれ着洗剤は、新配合「アクロンスマートケア成分」が界面活性剤の働きをサポートし、洗浄力を増強してくれるため、界面活性剤の量を減らすことができたのです。
素晴らしい技術の進歩!
少ない界面活性剤でも汚れをスッキリ落とせて、脱水後も衣類への界面活性剤残りが気にならないので、洗濯工程の約7割を占めている「すすぎ」が不要になりました。
へえええ、すすぎって洗濯工程の7割を占めているんですね…!おしゃれ着でも「普通の洗剤で一緒に洗えばいいや〜」と思っちゃっていましたが、これを機に「アクロンスマートケア」で洗ってみようと思います。おしゃれ着を洗う時でも節水ができる!
それに、洗濯物に合わせて洗剤を選ぶことができれば、服が長持ちするという点でも、地球やお財布に優しいですよね。
ですね…!今まで誰かに教えてもらうこともなく、なんとなくで洗濯しちゃっていたのですごく勉強になりました。
もっと洗濯機と仲良くなってもらうために、最後にもうちょっとだけ、いいですか?
ぜひぜひお願いします!
洗濯機に入れる洗剤と柔軟剤ですが、ライオンの調査では、なんと20〜30代の4人に1人が柔軟剤の入れ方を間違えている…という残念な結果が出ているんです。
けっこう多い!何が「間違い」なのでしょうか…?
洗剤と柔軟剤が同じタイミングで洗濯槽に入るようにしてしまうのがNGです。洗剤と柔軟剤、お互いの効能を打ち消し合ってしまうんです。
えっ!打ち消し合う…⁉︎
柔軟剤は、最後の「すすぎ」の時に洗濯槽に入るものなので、「洗い」の工程の時に、洗濯槽の中に入ってしまうと、洗剤の洗浄成分の働きを妨げるんです。逆に、洗剤は柔軟剤の成分を打ち消してしまいます。そうならないように、柔軟剤は必ず柔軟剤自動投入口に入れましょう。
洗剤や柔軟剤の自動投入口は、適切なタイミングで成分が働けるように存在しているんですね!ちなみに漂白剤の場合はどうなのでしょう…?
液体タイプの酸素系漂白剤は、「洗い」の工程で使うので、液体洗剤と同じ投入口に入れてOKです。もしくは部分汚れを落としたい時には、液体酸素系漂白剤を直接塗るのも効果的ですね。
つまり柔軟剤と漂白剤は活躍するタイミングが違う…と。覚えました!
それからもう1つ。洗浄力を強くしたいと、規定量よりかなり多くの洗剤を入れている方もいらっしゃいますが、すすぎに時間がかかったり、洗剤がムダになってしまったりします。適切な量を使うことも忘れずにいてくださいね。
ありがとうございます!大貫さんのお話を伺って、洗濯機のポテンシャルをどう引き出そうかワクワクが止まりません!今日はたくさん教えていただきありがとうございました!
洗濯機との関係が深まったら、自分にも地球にも優しくなれた!
これまで知らずにいた洗濯機のあれこれを大貫マイスターから学んで、「試してみたい!」という気持ちが抑えきれなくなった中島さん。光の速さで、すすぎ1回でOKの「NANOX one」を買いに走りました。
・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、すべてがライオン株式会社の見解を示すものではありません。
漫画&イラスト:中島悠里
取材&執筆:つるたちかこ
編集:ノオト
この記事を書いた人
中島悠里
漫画家・イラストレーター。書籍の装画や雑誌のイラストカットなどを手がけ、
スペイン版お遍路さんに挑戦し800キロを歩いた記録を漫画にした旅行記などを描いている。
著書に『37歳ままならナイスなソロ生活(オーバーラップ)』がある。
https://twitter.com/jimapahinasu
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