カビのこすり洗いはNG!?その驚くべき生態と対処法をマイスターに聞いた
梅雨が近づくと気になる「カビ」の存在。「お風呂のカビが目立つようになってきた...。そもそもカビって何?普通の汚れと何が違うの?」と疑問をもった漫画家・中島悠里さんが、カビに詳しいライオンの吉井リビングケアマイスターに取材を決行!驚くべきカビの生態や種類に加え、カビやピンク汚れが気になってくる梅雨の時期に向けたカビ対策を教えてもらいました。
梅雨目前、ガンコなカビ汚れに思いを馳せる
※この記事では、解説漫画をより親しみやすいものにするため、漫画家・中島さんにカビを擬人化して描いてもらっています。
敵=カビの生態を知ることが駆逐への第一歩!
はじめまして!イラストレーター&漫画家の中島悠里です。
先日、久々に湯船に浸かってみると、いたるところにうっすらとカビがいることに気づいてしまい…。気になって全然リラックスできませんでした。
毎日掃除しているのになんでカビが生えちゃうの?そもそもカビって一体何者?
というわけで今日は、ライオンのリビングケアマイスターである吉井和美さんに、カビについての気になる疑問をたくさんぶつけてみます!
本日はよろしくお願いします!吉井マイスターはカビの知識が豊富だとお伺いしたのですが、なぜカビにお詳しいのでしょうか?
ライオンの研究員として、カビ取り剤の開発を担当したことがきっかけです。カビとは、かれこれ25年くらいの付き合いですね(懐かしむような遠い目)。
まるでカビとお友だちかのような言い方…!きっとそれだけ身近な存在なんですね。
そうですね。カビのことを勉強していると、カビってまさに人間と似ているなと思う時があるんです。深堀りすると、実はとってもおもしろいんですよ。
今日はなんかすごい話が聞けそうだ…。
あ、でも誤解しないでくださいね!決してカビのことが好きなわけはないですから(笑)。どちらかというと「敵を倒すためには、まず敵を知らないと何も始まらない」という気持ちです。
カビは生きもの?人間と似ている?その驚きの一生とは
そもそも、カビって一体何なのでしょうか?
カビは微生物に分類される生物です。現在知られているだけで10万種ほどいるのですが、未知なカビもまだまだ多いといわれています。
10万種類!?想像を遥かに超える種類の多さだ…。しかも、カビは人間と同じく生きているんですね。ただの汚れじゃないとは。
はい、そうなんです。微生物は「細菌」と「真菌」に分けられるのですが、カビは真菌に分類されます。きのこや酵母なども真菌の一種で、実はカビの仲間なんですよ。
普段食べているきのこもカビの仲間だとは!驚きです。生物ということは、生まれて成長して死ぬ…という一生がカビにもあるということですか?
そのとおりです。カビの胞子は小さくて軽いので、風に乗ってあちこちに飛んでいきます。着地した場所の環境が整っていると、胞子はどんどん菌糸を伸ばして成長し、また胞子を飛ばし、別のところに飛んでいってそこでまた菌糸を伸ばし…と増殖していくんです。
なるほど。では、カビはどのように一生を終えるのですか?
栄養がなくなったり寿命がきたりなど、様々な条件で生命活動を終えます。
そうか!生物だからもちろん寿命もあるんですね。本当に人間と同じよう…。栄養がなくなると、とおっしゃっていましたが、カビにとっての栄養って一体何なのでしょうか?
実は、カビの大好物は有機物なんです。お風呂だと皮脂や垢などを栄養にします。
カビたちって生きる力強過ぎ!!とはいえ、今まで知らなかったカビの基本情報について知ることができました。ここから本題に入りたいのですが、あの憎きカビたちは、どのような条件がそろうと発生してしまうのでしょうか?
カビ増殖の三条件として、温度・湿度・栄養の3つがあります。これがすべてそろうと、カビに適した環境になってしまうんです。具体的には、多くのカビは人間と同じように20〜30度くらいの温度が大好き。そして70%以上の湿度と栄養となる有機物があればカビは増殖します。
なるほど〜。生きるのに必要なものも、人間と似ているんですね。なんだか聞いていると、まさにお風呂や梅雨時期の環境がぴったりのような…。
お風呂は常に水気があるので、年中カビが発生しやすい環境だといえますね。日本は昔から湿気が多いため、住居の床を高くするなど風通しを良くする工夫をしていたので、それが結果的にカビ対策にもなっていました。ただ、現代は住居の気密性や断熱性が高くなったがゆえに、昔よりもカビが生えやすい環境になってしまったんです。
快適に過ごせる住居技術が向上したからこそ、カビに悩まされやすくなってしまったと…。なんとも皮肉な話ですね。ということは、現代に生きる私たちはカビの発生を諦めて受け入れるしかないんでしょうか(涙)。
そんなことはありません!諦めずにカビと戦っていきましょう!カビは見た目が悪いだけでなく、生えている部分の材質を傷めてしまったり、肺炎やアレルギーの原因になったりする可能性が。さらに、カビをえさにするダニを増やしてしまう危険性もあるんです。家の中にいるカビはしっかり撃退しましょう。私についてきて!!
吉井マイスター…!頼もしいです!!!
梅雨に入る前に知っておきたい「お風呂のカビ対策」とは?
お風呂のカビっていくらがんばって掃除しても、また繰り返し発生してしまうんですよね。何度も何度も何度も生えてきて心が折れちゃいます…(泣)。これって一体どうしてなんでしょう?
カビは自然界のどこにでもいるので、窓やドアを開けた際に風に乗って浴室に入ってきます。そこがカビにとって居心地が良いと、どんどん増殖してしまうんです。
そ、外から入ってくるんですか!?だからといって窓やドアを開けずにいるなんて不可能だし、そもそもカビは目に見えないし、侵入は防ぎようがないですね。
目に見えないといえば、お風呂だと天井にもカビがいるのはご存じですか?
天井!?壁や床のカビ掃除はしていたけど、天井は気にしたことがなかったです。
多くの方がそうだと思います。でも実は天井のカビも厄介なんですよ。天井には栄養が少ないので、「成長できないならせめて子孫を残そう」と胞子をばらまきます。そのばらまかれた胞子が、水分や栄養の多い壁や床にくっつくと、そこで成長し、黒くなってしまうというサイクルがあるんです。床や壁のカビの原因は、実は天井から供給されているというわけなんですね。
敵は上にもいたとは。恐るべし、カビの生存戦略…!
カビはたくさん種類があるとのことでしたが、その中でも「お風呂に発生しやすいカビ」はいるんですか?
代表的なカビは「クラドスポリウム」と呼ばれるカビです。ほかにも「フォーマ」「オーレオバシジウム」という名のカビなど、様々なカビが検出されます。ちなみに、水まわりによく現れるピンク汚れを「赤カビ」と呼ぶ人が多いのですが、実はこれ、「ロドトルラ」といってカビではなく酵母なんですよ。カビの親戚のような感じです。
ピンク汚れはカビじゃなかったんだ…。そしてムダにカッコよくて強そうな名前がついている!
ふふふ、おもしろいですよね。「クラドスポリウム」などのカッコいい名前はカビの学術的な名前で、実は和名もあるんですよ。「クラドスポリウム」の和名はずばり「クロカビ」。ほかにも、「ペニシリウム」は「アオカビ」、「アスペルギルス」は「コウジカビ」など、それぞれに和名がついています。日本語にすると特徴が伝わってきますよね。
勉強になります!お風呂に発生しやすい黒カビやピンク汚れって、黒や赤など目立ちやすい色だからなおさら気になるんですよね。
そうですね。ピンク汚れの正体である「ロドトルラ」は、少ない栄養でも増殖します。さらにそのスピードも速いという特徴があるので、掃除してもあっという間に「また出てきた!」と感じる人も多いでしょう。
とても厄介だ…。汚れごとに特徴が違うということは、黒カビとピンク汚れは掃除方法を変えたほうがいいのでしょうか?
そうですね!まず、黒カビ除去で効果的なのは「塩素系のカビ取り剤」。カビ自体を分解して色を落とすので、黒カビ汚れのお掃除で大活躍しますよ。
なるほど!黒カビには塩素系カビ取り剤がおすすめなんですね。では、カビではないピンク汚れはどう落とすのが良いのでしょうか?
塩素系のカビ取り剤でもピンク汚れを落とすことはできます。ただ、ピンク汚れの原因である酵母は「菌糸」が伸びないので、根を張る黒カビと違って上に乗っているだけなんです。だから、スポンジでこすり洗いすればすぐに落とすことができますよ。
ピンク汚れはこすれば落ちると…。ガンコな黒カビも、塩素系カビ取り剤を使ってゴシゴシこすればキレイに落ちそう!
それはだめですよ!むしろ、黒カビ掃除は「こすらない」が鉄則です。こするとカビの菌糸が材質の奥に入り込んで落としにくくなってしまいます。カビ取り剤をスプレーしたら、こすらず数分ほど時間をおき、水で流しましょう。放置する時間はカビ取り剤によって違うので、表示を確認してくださいね!
黒カビはこすってはダメなんですね!ちなみに、もっとラクをしたいという欲が出てきたのですが、カビ汚れができる前に予防できるアイテムなんてありますか?カビはどこにでもいて常に侵入するからやっぱり難しいのでしょうか…。
ふふふ、大丈夫ですよ!黒カビ予防には「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が応えます!銀イオンの煙でまだ目に見えないカビの原因菌を除菌し、黒カビの発生を防いでくれる製品です。2か月に1回使ってくださいね。煙だと、掃除で手が届きにくい天井まで届くので便利ですよ。
天井のカビの原因菌を簡単にやっつけられるんですね!それは便利だ…。
「おふろの防カビくん煙剤」ですが、カビの予防はもちろん、すでに生えてしまった黒カビの拡がりをおさえることができます。「カビ取りする時間はないけど、今すぐなんとかしたい!」という時にもぜひ使ってほしいです。
ありがとうございます!ちなみに、掃除してもすぐにぶり返すピンク汚れの予防法なんてものもあったりは…?
もちろんありますよ!ピンク汚れの予防には「ルックプラス バスタブクレンジング 銀イオンプラス」がおすすめです。床や排水口などのピンク汚れが発生しやすい場所に「バスタブクレンジング 銀イオンプラス」を吹き付けて、60秒待ってから洗い流すだけ!ピンク汚れは増殖スピードが早いので、週に1回以上行ってください。頻度は多いほど効果的ですよ。
心強い!そして簡単!黒カビ予防もピンク汚れの予防も、この方法だったら苦なく続けられそうです。
そのほかにも、湯船にお湯を張ったらフタをして湯気をシャットアウトしたり、お風呂上りに壁や床をすすいで汚れが溜まらないようにしたりなど、「カビ増殖の三条件」を意識した対策を習慣化しましょう。
吉井マイスター、本日はありがとうございました。よ〜し!さっそく教えていただいたアイテムと方法でカビ汚れ対策をしていきたいと思います!
ラクちんカビ対策グッズ&毎日の予防でキレイなお風呂をキープしよう!
知っているようで、実は知らないことだらけだった「カビ」のあれこれ。ただの汚れではなく、カビも生物であることや、詳しい生態を知ることで効果的な対策がわかりました。湿気が増える梅雨が来る前に、さっそく対策!
「おふろの防カビくん煙剤」を使って、徹底的にカビを予防しようと思います!
漫画&イラスト:中島悠里
取材&執筆:大西マリコ
編集:ノオト
・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、すべてがライオン株式会社の見解を示すものではありません。
この記事のマンガを描いた人
中島悠里
漫画家・イラストレーター。書籍の装画や雑誌のイラストカットなどを手がけ、
スペイン版お遍路さんに挑戦し800キロを歩いた記録を漫画にした旅行記などを描いている。
著書に『37歳ままならナイスなソロ生活(オーバーラップ)』がある。
https://twitter.com/jimapahinasu
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