牛肉・豚肉・鶏肉をおいしく!「選び方」「下ごしらえ」「調理方法」のポイント

牛肉・豚肉・鶏肉をおいしく!「選び方」「下ごしらえ」「調理方法」のポイント

牛肉、豚肉、鶏肉などいろいろな種類があるお肉。お肉の部位によっても料理の向き不向きがあるので、知っていると選ぶときに便利。また、「繊維をたたく」「筋を切る」「塩・こしょうをするタイミング」などちょっとしたひと手間で、仕上がりに違いが出ます。基本を覚えて、やわらかくておいしい肉料理を作ってみませんか。

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牛肉・豚肉の「特徴」「選び方」「向いている料理」

牛肉と豚肉では、適している料理はもちろん、含まれている栄養素なども異なります。下記の表をチェックして、お肉を選ぶ際に役立てましょう。

牛肉

風味が良いと言われている牛肉。栄養素は、免疫機能の維持などが期待できる「鉄分」が豊富に含まれています。

<牛肉の部位別の特徴・選び方・向いている料理>

豚肉

幅広く使えるため重宝し、消費量も多い豚肉。疲労回復効果が期待できる「ビタミンB」が豊富に含まれています。

<豚肉の部位別の特徴・選び方・向いている料理>

わかりやすく部位別に解説!牛肉・豚肉の「下ごしらえ」

肉は「ドリップ(肉汁)」と呼ばれる余分な水分がでるため、まずクッキングペーパーでしっかり拭き取りましょう。ドリップを拭き取ると、臭みも取れます。そのあと、肉の部位によって下記の方法で下ごしらえを行いましょう。

1.「牛サーロイン」→ たたく

ステーキ肉は、肉たたきやすりこぎなどを使って、全面を均一に叩いて伸ばし、繊維を壊してやわらかくしましょう。焼き縮みを防ぐことができます。焼く時は元の形に戻しましょう。

2.「豚ロース・肩ロース」→ 筋切り

豚ロースを調理する時には、「筋切り」をして焼き縮みを防ぎましょう。脂肪と肉の間にある筋に包丁で数か所切り込みを入れます。

「とんかつ」「しょうが焼き」「ポークソテー」などを作る時に行いましょう。

3.牛・豚ももなどの「薄切り肉」→ 繊維に沿って切る

繊維に沿って切ることで、丸まったりちぎれやすくなることを防ぎます。

「野菜炒め」「チンジャオロース」などを作る時に行いましょう。

4.余分な脂身をとる

豚ばら肉のかたまりは、余分な脂身を取りましょう。

調理法別 牛肉・豚肉をおいしく食べるポイント

良いお肉を買ってきても、調理の仕方を間違えると台なしになってしまいます。下記のポイントに気を付けて、お肉をよりおいしくいただきましょう。

茹でる・炒める・焼く・煮る・揚げる場合 〜共通〜

1.ドリップを拭き取る
肉から「ドリップ(肉汁)」と呼ばれる余分な水分が出るため、クッキングペーパーでしっかり吸収しましょう。ドリップを除くことで、臭みを取ります。

2.塩・こしょうは調理直前にふる
肉は水分が少ないので、調理直前でないと水分がひき出されすぎて、かたくなります。

茹でる場合

かたまり肉は水からゆでる
かたまり肉は火が通りにくいので、水から茹でましょう。沸騰したら弱火にしてゆっくり火を通すと、かたくなりにくくなります。
酒・ねぎの青い部分・しょうがなどと一緒に茹でると臭みが取れます。

炒める場合

1.切り方や大きさをそろえる
均一に火を通すことができます。繊維に沿って切ると縮みを防ぎ、形良く仕上がります。

2.下味をつける
臭みを取るには酒を、素材の味を引き立たせるためには、塩やしょうゆで下味をつけます。

3.先に炒め一度取り出す
肉は火を通しすぎるとかたくなります。先に炒めて一度取り出し、最後に他の材料と合わせるとやわらかくおいしく食べられます。

焼く場合

1.肉をたたく
ステーキ肉(牛サーロイン)は、肉たたきやすりこぎなどを使って、全面を均一に叩いて伸ばし、繊維を壊してやわらかくしましょう。焼き縮みを防ぐことができます。焼く時は元の形に戻しましょう。

2.筋切りをする
豚ロースや肩ロース肉をしょうが焼きやポークソテーなどにする時は、「筋切り」をして焼き縮みを防ぎましょう。脂肪と肉の間にある筋に包丁で数か所切り込みを入れます。

3.厚みのある肉は弱火~中火で焼く
ハンバーグなどは、強火だと表面だけが焼け、中まで火が通りません。強火で表面に焼き色をつけたら、弱火~中火にし、中までしっかり火を通しましょう。

煮る場合

1.余分な脂と臭みを取る
脂身を取ったり、熱湯にくぐらせ霜降りしたり、フライパンで焼いたりして、余分な脂と臭みを取りましょう。

2.アクを取る
肉は煮るとアクが出ます。アクを取らないとえぐみや苦みを感じることがあるため、スプーンなどでアクをすくうか、あるいは煮始めからアクを取るシートまたは厚手のクッキングペーパーを使って、アクをしっかり取り除きましょう。アクを取るシートや厚手のクッキングペーパーは、煮ている間そのまま落としぶたとして使えるので便利です。

3.最初は強火で、煮立ったら火を弱めて煮る
最初は強火でアクを出し、取りやすくしましょう。煮立ったあと、煮崩れを防ぎながら味を染み込ませやわらかく仕上げるため、中火~弱火にして煮ていきます。

揚げる場合

1.筋切りをする
豚ロースをとんかつなどに調理する時には、「筋切り」をして焼き縮みを防ぎましょう。脂肪と肉の間にある筋に包丁で数か所切り込みを入れます。

2.下味をつける
しょうがやにんにくなどで下味をつけると、風味が良くなります。

鶏肉の「特徴」「選び方」「向いている料理」

あっさりとしていて、栄養価が高いのが鶏肉の特徴です。

<鶏肉の部位別の特徴・選び方・向いている料理>

鶏肉の部位別「下ごしらえ」

肉は「ドリップ(肉汁)」と呼ばれる余分な水分が出るため、まずクッキングペーパーでしっかり拭き取りましょう。ドリップを拭き取ると、臭みも取れます。そのあと、肉の部位によって下記の方法で下ごしらえを行いましょう。

1.「鶏もも肉」→ 皮や脂肪を取る・軟骨を取る・筋を切る

もも肉からはみ出している皮や、目立った黄色い脂肪のかたまり(独特の臭みがある)を取り除きます。

肉の表面を手で触り、かたい軟骨がついていれば切り落とします。

また、包丁の刃元で肉全体をたたくようにしながら筋を切りましょう。

「鶏の照り焼き」「チキンソテー」「唐揚げ」「煮物」などを作る時に行いましょう。

2.「鶏むね肉」→ 観音開き

肉に厚みがあるので、調理する前に観音開きにしておくと早く火が入り、パサパサすることなく、おいしく食べられます。

「蒸し鶏やソテー」「肉巻き料理」などを作る時に行いましょう。

観音開きは、肉が半分の厚さになるよう開きましょう。
まず、皮を下にして肉の形のとがった方を手前に置きます。中央に肉の厚みの半分の深さに切り込みを入れ、包丁を寝かせながらその切り口を左側に開いていきます。

肉の向きを反対にし、同様に厚みが半分になるように切り開きます。

3.「鶏ささみ」→ 筋を取る

ささみには筋があり、筋がついたままだと縮み、口当たりも悪くなるため取り除きます。

まず、筋がある側を上にします。筋をつまみながら、筋の両側にV字で包丁の先を入れ、浅く切り込みを入れていきます。

肉を裏返し、筋を左手でしっかりと持ち、包丁で筋を押さえながらしごいて取り除きます。

「酒蒸し」など、全ての鶏ささみ料理の時に行いましょう。

調理法別 「鶏肉」をおいしく食べるポイント

間違った方法で調理すると、パサパサになったり臭みが出てしまう鶏肉。下記のポイントをおさえて、おいしくいただきましょう。

茹でる・蒸す場合 〜共通〜

1.余分な皮や脂肪を取る・軟骨を取る・筋を切る
鶏もも肉からはみ出している皮や、目立った黄色い脂肪のかたまり(独特の臭みがある)を取り除きます。
肉の表面を手で触り、固い軟骨がついていれば切り落とします。
筋は包丁の刃元で肉全体をたたくようにしながら切ります。

2.観音開きにする
鶏むね肉を茹でる場合、肉に厚みがあるので、調理する前に観音開きにしておきましょう。早く火が入りパサパサすることなくおいしく食べられます。

3.筋を取る
ささみには筋があり、筋がついたままだと縮み、口当たりも悪くなります。茹でる前に筋を取りましょう。

炒める場合

1.切り方や大きさをそろえる
均一に火を通すことができます。繊維に沿って切ると縮みを防ぎ形良く仕上がります。

2.下味をつける
臭みを取るには酒を、素材の味を引き立たせるためには、塩やしょうゆで下味をつけます。

3.下茹で(下揚げ)する
火の通りにくい材料は、あらかじめ下茹で(下揚げ)をして材料に火を通しておきます。

4.先に炒め一度取り出す
肉は火を通しすぎると固くなります。先に炒めて一度取り出し、最後にほかの材料と合わせるとやわらかくおいしく食べられます。

焼く場合

1.厚みのある肉は中火~弱火で焼く
鶏肉など厚みのある肉は、ずっと強火で焼くと表面だけがこげて、中まで火が通りません。強火で表面に焼き色をつけたら、中火~弱火にし、中までしっかり火を通します。

2.漬けだれを使う場合は中火で焼く
みりんや砂糖などを使った照り焼きなどを焼く場合は、焦げやすいので中火で焼きます。

煮る場合

1.余分な脂と臭みを取る
脂身を取ったり、熱湯にくぐらせ霜降りしたり、フライパンで焼いたりして脂や臭みを取ります。

2.調味料を入れる順番は、「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(しょうゆ)・そ(味噌)」の順番で
分子量の小さな塩を先に入れたり、砂糖と一緒に入れると、塩の方が早く染みこんで甘みがつきにくいことがあります。

3.最初は強火で煮立ったら火を弱めて煮る
最初は強火でアクを出し、取りやすくしましょう。その後、煮崩れを防ぎながら味を染み込ませやわらかく仕上げるため、中火~弱火にして煮ていきます。煮る時にアクを取るシートや厚手のクッキングペーパーを使うと、簡単にアクが取れるだけではなく、そのまま落としぶたとして使えるので便利です。

揚げる場合

下味をつける
しょうがやにんにくなどで下味をつけると、風味が良くなります。

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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